科学技術館メールマガジン バックナンバー


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     科学技術館 メールマガジン 第28号  2005/5/11 発行
  
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   こんにちは。科学技術館です。
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧下さい。
  
  
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   ≪ 今号の目次 ≫
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   ◆ 【1】科学・技術よもやま話
   ◆ 【2】北の丸公園の自然
   ◆ 【3】科学の本の紹介
   ◆ 【4】科学技術館トピックス
   ◆ 【5】お知らせ
   ◆ 【6】他館の紹介
   ◆ 【7】読者からのお便り
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  ◆◆ 【1】科学・技術よもやま話                 ◆◆
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  ■ カレーを食べると水が飲みたくなるのは? ■
  
    一昔前の激辛ブームでは、どんな料理にも唐辛子を使うのが流行してい
   ました。カレーやタイ料理に限らず、ラーメンやイタリア料理などにも、
   唐辛子を使ったさまざまな創作料理が作られていました。
    この唐辛子は、カプサイシンという物質を含んでおり、これが辛味のベー
   スになっています。そしてカプサイシンがもたらす辛味は、実は正式な味
   覚とはいえないものなのです。
    人間の持つ味覚や嗅覚は、化学物質による刺激を受容するという意味で、
   化学感覚と呼ばれています。味覚においては、舌の表面に化学物質を受容
   するリセプターが露出しており、ここにさまざまな物質(甘みの感覚なら、
   糖など)が直接結合することにより、味の感覚を生み出しています。
    ところがカプサイシンはこれらのリセプターに受容されません。カプサ
   イシンは、粘膜を覆う上皮細胞を通過してその奥にある温度を感じる神経
   細胞を刺激し、辛味の感覚を生み出します。これは糖などがもたらす化学
   感覚とは異なります。刺激が粘膜の奥で感じられるため、辛味は他の味覚
   より遅く感じられ、また他の味覚と異なり、しつこく口の中に残るのです。
    激辛カレーなどを食べると、最初は楽でもどんどん辛味が感じられてき
   ます。このとき水が飲みたくなるのは、カプサイシンが温度を感じる神経
   細胞を敏感にしているため、カレーの温度が実際より熱く感じられ、冷た
   い水のほうが快適な温度に感じられるからなのです。
  
    辛味については カバヤ食品のホームページ
    http://www.kabaya.co.jp/topics/letter14.html
    を見て下さい。
  
    (科学・技術教育研究会 モロゾフ)
  
  
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  ◆◆ 【2】北の丸公園の自然                   ◆◆
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   ※ 科学技術館や武道館、国立近代美術館等がある北の丸公園では、様々
    な自然を観察することができます。
  
  ■ 新しい生命の躍動 ■
  
    春到来と共に活動を始めた虫やカエルは、次の世代へ生命を引き継ぐた
   め、交尾をし、卵を産み、新たな生命を誕生させます。
    北の丸公園でも気をつけて観察すれば、きっとどこかでこれらの営みを
   観察することができるでしょう。
    晩秋の頃、草の茎に産みつけられたオオカマキリの卵嚢からは、親そっ
   くりの形をしたカマキリの赤ちゃんがぞろぞろと出てきます。テントウム
   シは木の枝の上で交尾し、やがて黄色い卵をかためて産みつけます。蝶た
   ちも交尾をしそれぞれ種類によって決まっている食草に産卵し、やがて小
   さな幼虫が生まれてきます。枯葉の中で越冬したアカスジキンカメムシは、
   脱皮をし、光緑色に赤いすじのあるみごとな成虫になります。
    池では、アメンボも交尾をし水面を走っています。おたまじゃくしもい
   よいよ後足が出て、子ガエルに変身します。
    南国から渡って来たツバメも巣作りし、ヒナが生まれます。
  
    新しい生命の躍動の写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/028.html を見て下さい。
  
    (サイエンス友の会顧問 松田邦雄)
  
  
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  ◆◆ 【3】科学の本の紹介                    ◆◆
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  ■ 『地球生活記』 世界ぐるりと家めぐり ■
    小松義夫 福音館書店 5250円 1999年
  
    分厚い写真集なので、さりげなくは無理ですが、押し付けがましくなく
   部屋に置きました。ゲームが終わり、テレビを消した子どもたちが気づい
   てくれますように・・作戦成功、のぞきこんでいます。
   「オパールを掘りながら地下の家で暮らすんだって。」
   「屋根にとまったハトを食べるから冷蔵庫は要らないらしいよ。」
   「敵を見張る穴? 敵ってだれだろ。」
    ママ、ママとうるさく報告していた子どもたちが、いつのまにか静かに
   見入っています。世界中の不思議な家は、そこに住む人たちの肌の色・土
   の色・空の色・服の色が織り成す究極の形。自分の家は自分で作る、民族
   としての形。子どもの様子をのぞくつもりで、日本人とは、個性とは、合
   理的とはなどなど、さまざまなことを考えてしまいました。どの写真も本
   当に美しく、地球人がキラキラしています。
    帯に「今世紀最高の1冊」とありましたが、大袈裟ではなくその通りだ
   と思います。
  
    この本の表紙は
    http://spin.bas.t-kougei.ac.jp/hon/11gijutsu/chikyuuseikatsuki/chikyuuseikatsuki.asp
    を見てください。
  
    科学読物研究会については、
    http://homepage3.nifty.com/fwga4903/kaken.htm
    を見て下さい。
    (科学読物研究会 伊沢尚子)
  
  
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  ◆◆ 【4】科学技術館トピックス                 ◆◆
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  ■ 自動車展示室で工作教室開催 ■
    
    場 所:科学技術館3階
    開催日:5月15日(日)
    対 象:小学3年生〜中学3年生(原則)
    定 員:各回12名
    内 容:自動車模型の工作教室を開催します。
  
    詳しくは、
    http://www.jsf.or.jp/exhibit/car-workshop.html を見て下さい。
  
  ■ 日本IBM TryScience 実験教室 ■
  
    場 所:科学技術館4階
    開催日:5月15日(日)
    内 容:みなさんと一緒に実験をして、楽しい時間を過ごしてみたいと
        思います。
  
    詳しくは、
    http://www.jsf.or.jp/tryscience-top.html を見て下さい。
  
  ■ 自然科学写真展について ■
  
    場 所:科学技術館2階、4階
    開催日:4月29日〜5月31日
    内 容:「自然の中の不思議を知る」をテーマに、約110点の写真を
        展示しています。
  
    詳しくは、http://www.jsf.or.jp/event.html#photo を見て下さい。
  
  ■ 今週のユニバース ■
  
    科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日の午後に開催していま
   す。
    コンピュータシミュレーションを見ながら、太陽系の姿を調べてみましょ
   う。
    またゲストコーナーでは、「1秒」という長さを考えてみます。
    毎月、第2・第4土曜日は、ヤーキス天文台(米国)とのライブ天体観測
   を行っています。ヤーキス天文台の大型望遠鏡で、その晩に撮影した画像
   データをダウンロードして、ご紹介しています。(天候により内容が変わ
   ることもあります。)
  
    案内役:矢治健太郎さん(国立天文台)
    ゲスト:上田壮一さん(Think the Earth Project)
  
    今週のゲスト及び内容は
    http://universe.chimons.org/jsf/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【5】お知らせ                       ◆◆
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  ■ 科学技術映像祭/科学技術映像ライブラリー ■
  
    科学技術映像祭入選作品の多くは、科学技術映像ライブラリーに収蔵さ
   れ(16ミリフィルム333本・VHSビデオ約200本)、貸し出しを
   行っています。どうぞご利用下さい。
  
    詳しくは  http://ppd.jsf.or.jp/filmlib/ を見て下さい。
  
    今回は平成12年度科学技術映像祭入選作品の中から次の作品を紹介し
   ます。
  
    作品:「造血の起源を求めて ─臍帯血移植の可能性─」
    種別:VHS
    時間:15分
    対象:中・高・大・一般
    製作:(株)桜映画社
    企画:中外製薬(株)
    内容:全ての血球のもとになる造血肝細胞はいつ、どこで生まれてくる
       のか?顕微鏡撮影技術を駆使し、肝細胞の起源を胎生期に追い、
       臍帯血移植との関連を明らかにする。
  
    科学技術映像祭は
    http://ppd.jsf.or.jp/filmfest/index.htm を見て下さい。
  
  ■ インターネット割引券 ■
  
    必要事項を記入のうえ持参していただくと、団体料金にて割引入館でき
   ます。
  
    詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/discount/index.html
    を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【6】他館の紹介                      ◆◆
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  ■ 所沢航空発祥記念館からのお知らせ ■
  
    所沢航空発祥記念館では、特別展「地球環境展〜かけがえのない青い地
   球〜」を開催します。科学技術館の移動展示品「地球環境展」ほかにより、
   環境とは何か、地球とのかかわりとは何か、など地球環境について楽しく
   理解することができる特別展です。風力発電機作りやソーラーカー作りの
   工作教室開催の日もあります。特別展の会期は、平成17年4月28日〜
   6月26日。
  
    また、科学技術館の移動展示品「地球環境展」の内容については
  
    http://www.jsf.or.jp/environment-exhibits.html を見て下さい。
  
    所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)では、4月23日(土)から5月
   22日(日)まで「GW(ゴールデン・ウイーク)大型映像フェスティバ
   ル」を開催します。
    通常上映作品「ROBOT〜夢のアストロボーイへ〜」のほかに、「向
   井千秋のSOSプラネット」「長江」の二作品を交替で上映します。
   縦15m横20mのジャイアントスクリーンの迫力でお楽しみ下さい。
  
    詳しくは、http://tam-web.jsf.or.jp/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【7】読者からのお便り                   ◆◆
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   <東京都の藤本さんから>(受信:平成17年5月5日)
  
    昨日(5.4)息子(小5)とはじめて貴館に行きました。
    朝一で入館し、ワークスの実験室の特等席で空気砲と超低温の実験を拝
   見いたしました。非常に面白かったです。
    最後まで、くだらない質問に真面目に答えてくださった板垣先生ありが
   とうございました。
  
    他のところでも皆さん親切でとても居心地のよいところでした。今回は
   実験を第1の目的に行ったので、近々今回見られなかったところを見に、
   またお邪魔いたします。
  
    また、メルマガの北の丸公園の自然、妻が絶賛しております。
  
    私は高校の物理Uの波動のあたりから落ちこぼれて文科系の学部に行っ
   たので、息子にはぜひ理科系に進んでもらいたいと思っています。皆様の
   ご健勝とご活躍をお祈りしています。頑張ってください。まずはお礼まで。
  
  
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  ◇◇ 【担当者より】                       ◇◇
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    昨日(5月10日)から愛鳥週間が始まりました。野鳥を守り、自然を
   保護する様々な取り組みが全国で展開されていることでしょう。
  
    ところで、今からちょうど10年前の今日(平成7年5月11日)、環
   境省(当時「環境庁」)と佐渡トキ保護センターが日本トキの人工ふ化を
   断念。日本トキの絶滅が確実となった日です。その前月の4月30日、日
   本トキの最後の雄「ミドリ」が死亡し、「ミドリ」との間で人工ふ化を行っ
   ていた「フォンフォン」(中国から借りてきた雌)の卵が無精卵であった
   ため、絶滅ということとなったものです。
    残った最後の雌「キン」も平成15年10月10日に死亡。
    「ミドリ」と「キン」の生殖細胞と遺伝子は国立環境研究所(茨城県つ
   くば市)で長期の凍結保存がなされています。技術等が進歩した未来にお
   いて、再生等が試みられることと思われます。
  
    種の多様性の確保には、科学技術の力を借りながら、それらが生存可能
   な環境を皆で守っていきたいものです。
  
                  (広報・マーケティング室 大西 茂)
  
    お読みいただいた感想や、科学技術館に対する思い出、展示等の質問な
   ど皆様からのメールをお待ちしております。
     E-mail :mlmaster@jsf.or.jp
     
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    皆様のご来館をお待ちしております。
  
  
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