科学技術館メールマガジン バックナンバー |
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◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆ 科学技術館 メールマガジン 第30号 2005/5/25 発行 ◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆ こんにちは。科学技術館です。 当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。 * このメールマガジンは等幅フォントでご覧下さい。 ====================================================================== ≪ 今号の目次 ≫ ====================================================================== ◆ 【1】科学・技術よもやま話 ◆ 【2】北の丸公園の自然 ◆ 【3】科学の本の紹介 ◆ 【4】科学技術館トピックス ◆ 【5】お知らせ ◆ 【6】他館の紹介 ====================================================================== ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【1】科学・技術よもやま話 ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■ 珪素生物は可能か? ■ 炭素は生命活動で重要な役割を果たしています。私たちの身体を作って いるタンパク質は、一本の鎖状の分子が高度に折りたたまれた構造を持っ ていますが、これは結合のための腕を4本持っている炭素原子の性質によっ ています。炭素は元素周期表でIVB族に属し、最外殻に4個の電子を持っ ており他の原子と結合しながら非常に長い分子を作ることができます。 ふたたび周期表を見てみましょう。IVB族には他にも元素があります。 炭素のすぐ下には元素番号14の珪素が位置しています。この珪素を使う ことで、タンパク質同様の高分子を作ることはできるのでしょうか(もし 可能なら別種の生命が存在する可能性があります。SFマンガでは、この ような生物がたくさん出てきますね)? 残念ながら、珪素を中心とした結合では、タンパク質に似た直鎖構造を 持つ分子はできないのです。炭素同士の結合では、黒鉛のように自由電子 を持つ構造が安定状態であるのに対し、珪素同士の結合では、自由電子の ないダイアモンド構造が安定状態であるなど、両元素には性質の違いがあ るからです。 しかしこのことは珪素を使った高分子化合物が存在しないことを意味す る訳ではありません。それどころか、珪素を酸素・炭素とともに重合させ ることで、炭素を中心としたものより、はるかに強靭な高分子を作ること ができます。 このような高分子化合物はシリコーンとも呼ばれ、炭素骨格を中心とし た高分子と比較して、安定した性質を持っています。シリコーンゴムは高 度な耐油性を持つことから、液体燃料の輸送などに使われています。シリ コーングリースは揮発性が低く沸点が高いことから、真空ポンプを作るこ となどに使われています。珪素が炭素より安定した状態を好み生命活動に は不向きな元素であることから、私たちの近代産業は大きな恩恵を受けて いるのです。 (科学・技術教育研究会 モロゾフ) *1989年に国際純正応用化学連合会(IUPAC)の無機化学命名法 の改訂に伴い、IVB族は14族と表記されることになりました。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【2】北の丸公園の自然 ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※ 科学技術館や武道館、国立近代美術館等がある北の丸公園では、様々 な自然を観察することができます。 ■ 現われ始めたトンボたち ■ トンボというと夏や秋の虫と思われる人が多いと思いますが、実際には、 4月の末頃から5月にかけて、次々とトンボが姿を見せるのです。 北の丸公園では、まずシオカラトンボがまっさきに現われます。そして 5月中頃には、コシアキトンボがたくさん飛び交うようになります。初夏 の頃にはギンヤンマ・ヤブヤンマ・ウチワヤンマ・ウスバキトンボなども 続いて見られるようになります。また、赤とんぼというと秋の頃のトンボ と思われますが、6月ごろには発生を始めます。でも秋の頃のようにまっ 赤なアカトンボではありません。 現われ始めたトンボたちの写真は http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/030.html を見て下さい。 (サイエンス友の会顧問 松田邦雄) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【3】科学の本の紹介 ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※ 本欄で紹介された本は、科学技術館2階サイエンスライブラリー「し らべ学習コーナー」で閲覧できます。 先週の『飛行機の歴史』はいかがでしたか?飛行機が飛ぶ原理を実験し ながら理解できる、すばらしい本が出版されましたので紹介します。 ■ 『ライト兄弟はなぜ飛べたのか』 紙飛行機で知る成功のひみつ ■ 土佐幸子著 さ・え・ら書房 1470円 2005年4月 やさしい科学 飛行機に乗るたびに、何百人も乗っているこんな重たいものがなぜ空を 飛べるのだろう?と不思議に思います。それは航空力学で難しい計算をし て設計されているので、私などには理解不可能なのだろう・・・と。でも ライト兄弟は、空を飛ぶなど夢ものがたりでしかなかった時代に、一つ一 つ実験を積み重ねて飛行機を作り上げていったのです。そしてこの本では その原理を、紙飛行機で実験しながら、納得しながら理解できるのです。 基本的な原理は今も昔と変わっていないとか。ライト兄弟もきっと「こう やってカーブをつけたら上に行くだろう」と話しながら実験して「やっ た!」と成功していったのでしょう。彼らの努力と成功の喜びを、紙飛行 機を飛ばしながら私も一緒に体験できそうです。 この本の表紙は http://spin.bas.t-kougei.ac.jp/hon/11gijutsu/raitokyoudaihanazetobetanoka/raitokyoudaihanazetobetanoka.asp を見てください。 もう一つ紹介します。これまでは人がものを作っていく話だったのです が、こちらは人間によって作られたものがすべて壊されたとき、人はどう するか、という話。 ■ 『震度7』 新潟県中越地震を忘れない ■ 松岡達英/文・絵 ポプラ社 1260円 2005年4月 2004年10月23日、信じられないような衝撃が川口町に住む人々 を襲った。この本はその中に身をおいていた絵本作家が自分や住民の体験 をつづった本。まだ記憶に新しい新潟県中越大地震。大地は割れ、電線は うなり、道も家もくずれ落ちた。人間が営々として築いてきたものが、一 瞬にして巨大なゴミの山と化した。その直後、どのように脱出し、靴を履 いたのか、夜は親子三人でどのように自動車で寝たのか、実にリアルで参 考になる。 めくれたアスファルトの横で、リンドウが何もなかったかのようにひっ そりと咲いている。地震に打ちのめされたのは人間だけなのだろうか?い や、人間も負けてはいない。翌日には、町へ通じるすべての道路がずたず たになっているのを発見して、集落の人たちが力を合わせて修復をはじめ た。何よりも人の絆がしっかりしていたから、頑張れた。私の住む地域だっ たらどうなるだろう?と考えさせられる。 この本の表紙は http://spin.bas.t-kougei.ac.jp/hon/11gijutsu/shindo7/shindo7.asp を見てください。 科学読物研究会については、 http://homepage3.nifty.com/fwga4903/kaken.htm を見て下さい。 (科学読物研究会 小川真理子) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【4】科学技術館トピックス ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■ 実験演示の先生便り ■ 4階パソコン道場でパソコン教室の講師を担当している下山進一郎です。 パソコン道場では教育ソフトの展示と初心者向けのパソコン教室を行って います。パソコン教室はA教室(ノートパソコン15台設置)とB教室(デ スクトップパソコン8台設置)の二つの教室があり、サイエンス友の会の パソコン教室もこちらの教室で開催しています。 キーボードの手元を見ないで入力する「タッチタイピング」を習得したり、 ワード・エクセルといったアプリケーションソフトを使って作品を作った り、デジタルカメラの活用方法などいろいろな講座があります。 興味のある方は6・7月には無料講習会を開催しておりますので、まず はそちらに参加してみてはいかがでしょうか? 詳しくは http://www.edusoft.co.jp/ を見て下さい。 ■ 6月の星見隊 ■ 北斗七星:星時計 6月10日は何の日でしょうか?「時の記念日」です。 『日本書紀』に「夏四月丁卯朔辛卯 置漏剋於新臺始打候時 動鐘鼓 始用漏剋」とあり、671年6月10日(現行暦)から、水時計を用いて 時間を計り始めたことが知られています。 時間を正確に計るものといえば、原子時計になりますが、星空も大きな 時計になります。北の空を見上げれば、北極星を中心に北斗七星が回って いますね。 北斗七星は、6月上旬なら、夜8時ころ北の空高いところに、真夜中に 北西の空の中ほどに、明け方に北の空に一番低くなります。 宵の空に見えている位置は、季節によって変りますが、いつも北斗七星 の見える位置で、おおよその時刻がわかります。 時間にしばられる生活を忘れて、星空が刻むときを、ゆっくり感じてみ ませんか? (科学技術館運営部 木村かおる) ■ 自然科学写真展について ■ 場 所:科学技術館の2階及び4階 開催日:4月29日〜5月31日 内 容:「自然の中の不思議を知る」をテーマに、約110点の写真を 展示しています。 詳しくは http://www.jsf.or.jp/event.html#photo を見て下さい。 ■ 今週のユニバース ■ 科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日の午後に開催していま す。 今週は、4月におきた珍しい日食について、実際にその日食を観測した 大越さんにお話していただきます。 また、毎月、第2・第4土曜日は、ヤーキス天文台(米国)とのライブ天 体観測を行っています。その晩に撮影した画像データをダウンロードして、 ご紹介しています。 (天候により内容が変わることもあります。) 案内役:亀谷和久さん(東京大学) ゲスト:大越治さん(日食情報センター) 今週のゲスト及び内容は http://universe.chimons.org/jsf/ を見て下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【5】お知らせ ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■ 国立環境研究所公開シンポジウム2005開催のご案内 ■ 国立環境研究所では、最新の環境研究の成果を皆様にお伝えするため、 毎年、環境月間に公開シンポジウムを開催しています。本年は、『地球と くらしの環境学 ─あなたが知りたいこと、私たちがお伝えしたいこと─』 と題し、東京(6/12)及び京都(6/25)において開催します。参 加は無料です。 今回、私たちの暮らしと密接に関係する環境問題についての研究成果を わかりやすく説明する講演4件(地球温暖化2件、循環型社会、化学物質 の影響)、研究者が直接対話をしながらご説明するポスターセッション (25件)を行います。 東京会場 日程:2005年6月12日(日)12:00〜17:00 場所:メルパルクホール(港区芝公園 2−5−20) 京都会場 2005年6月25日(土)12:00〜17:00 場所:京都市アバンティホール(京都駅そば) 参加:無料(事前申し込みが必要です) スケジュール、内容等の詳細は http://www.nies.go.jp/sympo/2005/index.html を見て下さい。 ■ 「科学技術館との思い出」エッセイ募集 ■ 昨年は40周年記念行事「科学技術館との思い出」のエッセイにご協力 くださりありがとうございました。 本年度も幅広く皆様からの声をお聞きかせいただきたくエッセイの公募 をいたします。 今回は、過去から現在までを通じて、印象深く、思い出のある展示やワ ークショップについてエッセイを募集いたします。また、「こういう展示 が見たい」「このようなワークショップに参加したい」というご意見やご 要望もあわせてお寄せください。 たくさんの思い出をお待ちしています。 応募者全員に記念品を進呈 ☆応募資格:小学生以上の方であれば年齢は問いません。 ☆締切日:平成17年(2005年)10月31日(月) 詳しくは http://www.jsf.or.jp/smt-essey.html を見て下さい。 ■ 科学技術映像祭/科学技術映像ライブラリー ■ 科学技術映像祭入選作品の多くは、科学技術映像ライブラリーに収蔵さ れ(16ミリフィルム333本・VHSビデオ約200本)、貸し出しを 行っています。どうぞご利用下さい。 詳しくは http://ppd.jsf.or.jp/filmlib/ を見て下さい。 今回は平成12年度科学技術映像祭入選作品の中から次の作品を紹介し ます。 作品:「1+1+1・・・=1 ─ナノ粒子・ナノワイヤーに潜む謎─」 種別:VHS 時間:26分 対象:高・大・一般 製作:(株)イメージサイエンス 企画:科学技術振興事業団(現 科学技術振興機構) 内容:金の一原子鎖が首飾りのように維持され、しかも切れずに伸びて いく。この貴重な動的観察映像をハイライトにナノスケールサイ エンスの世界を紹介する。 科学技術映像祭は http://ppd.jsf.or.jp/filmfest/index.htm を見て下さい。 ■ インターネット割引券 ■ 必要事項を記入のうえ持参していただくと、団体料金にて割引入館でき ます。 詳しくは http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/discount/index.html を見て下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【6】他館の紹介 ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■ 所沢航空発祥記念館からのお知らせ ■ 所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)では、特別展「地球環境展〜かけ がえのない青い地球〜」を開催します。科学技術館の移動展示品「地球環 境展」ほかにより、環境とは何か、地球とのかかわりとは何か、など地球 環境について楽しく理解することができる特別展です。風力発電機作りや ソーラーカー作りの工作教室開催の日もあります。特別展の会期は、平成 17年4月28日〜6月26日。 また、科学技術館の移動展示品「地球環境展」の内容については http://www.jsf.or.jp/environment-exhibits.html を見て下さい。 所沢航空発祥記念館は http://tam-web.jsf.or.jp/ を見て下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◇◇ 【担当者より】 ◇◇ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 「科学の本の紹介」を始めてから2か月が経ちました。 読者の方から、「科学読み物研究会ってこんな会があったんですね。科 学の本は面白いね!紹介を待っています。」という便りをいただいていま す。 ここで紹介していただいている本は、科学技術館2階サイエンスライブ ラリー「しらべ学習コーナー」に揃えてあります。ご来館の際にはお立ち 寄り下さい。 (広報・マーケティング室 大西 茂) お読みいただいた感想や、科学技術館に対する思い出、展示等の質問な ど皆様からのメールをお待ちしております。 E-mail :mlmaster@jsf.or.jp 最後までお読みいただきありがとうございました。 皆様のご来館をお待ちしております。 ◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆ 発行者:科学技術館メールマガジン係 〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号 ▼このメール配信に関するお問い合わせは、こちらへお願いします。▼ E-mail :mlmaster@jsf.or.jp ▼配信解除・配信先変更、バックナンバーについては、こちらのホーム ページからお願いします。▼ http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/menu.asp ◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆ ※ このメールマガジンの回覧・転送は自由です。内容の引用・転載の際 には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の記事」と注釈 をいれて下さい。 なお、メールマガジンで参照しているWebサイトのすべての画像・記事 については、無断使用・転載を禁止します。 |
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