科学技術館メールマガジン バックナンバー


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     科学技術館 メールマガジン 第49号  2005/10/5 発行
  
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   こんにちは。科学技術館です。
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
  
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   本号の配信数 3,077人。
  
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   ≪ 今号の目次 ≫
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   ◆ 【1】科学・技術よもやま話
   ◆ 【2】北の丸公園の自然
   ◆ 【3】科学の本の紹介
   ◆ 【4】新着情報
   ◆ 【5】科学技術館トピックス
   ◆ 【6】お知らせ
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  ◆◆ 【1】科学・技術よもやま話                 ◆◆
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  ■ 世紀の発明・乾電池 ■
  
    乾電池は日本人が発明したものだって知ってますか?
    電気文明が花開く以前、人々が手にする照明はろうそくや石油ランプが
   主流でした。時計はみな手巻きのものでした。当時の人々はそれが当たり
   前と思い、不自由を感じることなく、電気とは無関係な生活を送っていま
   した。
    明治の中頃、海外から電気を動力源とする時計が輸入されてきました。
   これに着目し、改良して全自動の電気時計を制作したのが、当時20歳の
   時計職人・屋井先蔵です。しかし出来上がった電気時計は画期的な発明で
   あるにも関わらず、取り扱いの不便な液体電池しか存在していなかったた
   め、思ったほど売上は伸びません。
    そこで屋井の次の発明となったのが、液体を極少量しか使用せず、漏れ
   や凍結のおそれのない電池=乾電池なのです。
    それまでの液体電池は、開放型の自動車用鉛バッテリーのように、傾け
   ると硫酸が漏れてしまう危険がありました。しかし乾電池は傾きに関係な
   く動作し、ポケットに入れて持ち運べ、激しい運動を伴っても損傷するこ
   とはありません。
    この乾電池の登場により、携帯型ラジオや懐中電灯など新たな電化製品
   の市場が切り開かれ、現代まで繋がる電気文明の基礎が築かれたのです。
    しかし乾電池の開発終了後、屋井の資金は底を尽いており、特許の出願
   は遅れてしまいました。いまでは公式には乾電池はドイツのガスナーが発
   明したことになっています。
  
   ○屋井先蔵と乾電池については
    屋井先蔵 東京電力 電気・電力辞典
    http://www.tepco.co.jp/corp-com/elect-dict/file/ya_002-j.html
    日本の発明! 屋井の乾電池 All About
    http://allabout.co.jp/career/invention/closeup/CU20020821/index.htm
    日本で生まれた、世界最初の乾電池 MYCOM BIZUP
    http://biz.mycom.co.jp/life/regular/hatsumei/bn/020207.html
    を見て下さい。
  
                   (科学・技術教育研究会 モロゾフ)
   
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  ◆◆ 【2】北の丸公園の自然                   ◆◆
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   ※ 科学技術館や武道館、国立近代美術館等がある北の丸公園では、様々
    な自然を観察することができます。
  
  ■ 秋にめだつ虫たち ■
  
    コオロギ、アオマツムシなど、鳴く虫に続いて、青空をバックに木の枝
   や電線にずらりととまっているアカトンボ(アキアカネ)は、秋を感じさ
   せてくれます。また秋の頃のみに見られる、ウラナミシジミ、ミノウスバ
   (蛾)などにも出会えるかもしれません。
    秋のフィールドで、いろいろな虫たちの姿を探してみましょう。
  
    秋にめだつ虫たちの写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/049.html を見て下さい。
  
                   (サイエンス友の会顧問 松田邦雄)
  
  
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  ◆◆ 【3】科学の本の紹介                    ◆◆
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   ※ 本欄で紹介された本は、科学技術館2階サイエンスライブラリー「し
    らべ学習コーナー」で閲覧できます。
  
    今年の夏も暑かったですね。台風がたくさんやってきて、一時は7つも
   の台風がメキシコ湾や太平洋に並びました。これは、地球温暖化の現れだ
   そうです。海水の温度が高くなったので、台風がエネルギーを取り込みや
   すいとか。今月は、地球ってみんなのもの、自分たちだけのものではない
   という事に思いがいってほしいと願いながら、本を紹介していきます。ま
   ずは、地球温暖化のために、沈んでいこうとしている南海の美しい環礁の
   島国、ツバル。その国の人々の暮らしを描いた鮮やかな写真絵本『ツバル』
   を紹介します。
  
  ■ 『ツバル』 海抜1メートルの島国、その自然と暮し ■
    遠藤秀一 写真・文 国土社 1600円(本体)
  
    フィジー島からプロペラ機で2時間、環礁と呼ばれる細くて小さな9つ
   の島の連なりが、ヒスイの首飾りのように見えてきました。椰子の木が茂
   る島々の総面積は26平方km。それが9000人の人が住む小さな国
   『ツバル』です。
    ツバルの人々は、自分の島から与えられるものを大切に受取って自給自
   足。その日食べるだけの魚をとり、落ち葉や生ゴミを腐葉土に変えてバナ
   ナやタロイモを育てます。椰子の幹は家を建てるのに、葉は屋根や飾りに、
   実も中身はジュース、白い周りの部分は食べたり石鹸に、殻は薪にと、全
   てを使い切ります。島に来た人はご馳走とダンスで大歓迎。青い青い海に
   囲まれ、太陽とともに、家族とともに一日を送るツバルの人々の暮しの暖
   かさとおおらかさが、溢れています。
    ところがこの楽園が、地球温暖化で引き起こされる海面上昇におびやか
   されるようになりました。なにしろ海抜たった1メートルの国なのですか
   ら。高波や大潮で、海岸が削られ椰子の木が倒れ、海水が噴出し塩害でバ
   ナナやタロイモの畑が枯れていく写真は、足元から島、すなわち国がなく
   なっていくのをまざまざと見せてくれます。それは、その国の人のせいで
   はありません。遠い先進国の人たちが放つ二酸化炭素のせいで起きている
   のです。
  
    この本の表紙は
    http://spin.bas.t-kougei.ac.jp/hon/10kankyou/tsubaru/tsubaru.asp
    を見てください。
  
    科学読物研究会については
    http://homepage3.nifty.com/fwga4903/kaken.htm
    を見てください。
  
                     (科学読物研究会 榎本千鶴子)
  
  
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  ◆◆ 【4】新着情報                       ◆◆
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  ■ 「夢・化学−21」土曜実験教室の開催 ■
  
    「夢・化学−21」組織委員会との共催で、明日を担う子供たちに、実
   際に「目で見て」「手でさわって」、化学の面白みを感じてもらう体験型
   イベントです。
    学校や授業では体験できないような、いろいろな化学実験を行なってい
   ます。
  
    主 催 : 「夢・化学−21」組織委員会
         [(社)日本化学会、(社)化学工学会、(社)新化学発展
          協会、(社)日本化学工業協会]、科学技術館
    開催日 : 平成17年9月〜平成18年3月までの毎週土曜日
    場 所 : 科学技術館
    参加費 : 無料(ただし、科学技術館への入館料は別途必要です。)
    対 象 : 小学生以上
    参加方法: 各回実施時間の10分前に整理券を配布します。
  
    10月は(社)日本化学工業協会、住友スリーエム 株式会社、東亞合
   成株式会社の提供で
    (1)11:00〜11:40 フィルムケースで電池を作ろう
    (2)13:00〜13:40 接着の科学
    (3)14:30〜15:10 瞬間接着剤
    の実験を行なっています。ぜひご家族でご参加ください。
  
    今後の予定など詳しくは
    http://www.jsf.or.jp/event.html#sat-jikken を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【5】科学技術館トピックス                 ◆◆
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  ■ 10月の星見隊 ■
    
    ゴルゴンメデューサの目・アルゴル(ペルセウス座)
  
    彼の背は恐ろしき怪物ゴルゴーの<頭>に蔽われ、
    キビシスは彼をめぐりて走りぬ(岩波書店 ギリシア神話より)
  
    ペルセウス座は、秋の星座のひとつで、カシオペヤ座・アンドロメダ座
   と共に「エチオピア王家の物語」に登場する王子です。
   星座の絵を見ると、片手に剣をふりあげ、もう片方の手には、ゴルゴン・
   メデューサの首をぶら下げています。
  
    ゴルゴン・メデューサは、その目を見たものをすべて石に変えてしまう
   魔女です。その目に輝く星は、約3日で明るさを変える変光星で、アルゴ
   ルの名で呼ばれています。
   
    アルゴルは、アラビアの、真夜中に墓をあばき死人を喰らう魔物だと
   言います。ギリシアの星座がアラビアに伝わったとき、メデューサの神話
   からこの名前がつけられたようです。
  
                    (科学技術館事業部 木村かおる)
  
  ■ 今週のユニバース ■
    科学ライブショー「ユニバース」では、コンピュータシミュレーション
   による太陽系や宇宙の話題をお届けしています。
   また第2・第4土曜日にはシカゴ大学ヤーキス天文台との、ライブ天体観
   測コーナーがあります。
   
    案内役:矢治健太郎さん(自然科学研究機構 国立天文台)
    ゲスト:今村剛さん(宇宙航空研究開発機構)
  
    今週のゲスト及び内容は
    http://universe.chimons.org/jsf/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【6】お知らせ                       ◆◆
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  ■ 近日中に開催される「青少年のための科学の祭典」のご案内 ■
  
    詳しくは http://www.kagakunosaiten.jp/ を見て下さい。
  
    大会名:岐阜大会 岐阜県秋祭り会場
    期 間:平成17年10月8日(土)〜9日(日)
    会 場:岐阜メモリアルセンター(岐阜市)
  
    大会名:帯広大会
    期 間:平成17年10月9日(日)
    会 場:帯広市児童会館(帯広市)
  
    大会名:神奈川大会
    期 間:平成17年10月15日(土)〜16日(日)
    会 場:神奈川県立青少年センター(横浜市西区)
  
    大会名:和歌山大会
    期 間:平成17年10月15日(土)〜16日(日)
    会 場:和歌山地域地場産業振興センター(和歌山市)
  
    大会名:長崎大会
    期 間:平成17年10月22日(土)〜23日(日)
    会 場:長崎市科学館(長崎市)
  
  ■ 「科学技術館との思い出」エッセイ募集 ■
  
    過去から現在までを通じて、印象深く、思い出のある展示やワークショッ
   プについてエッセイを募集しています。
    たくさんの思い出をお待ちしています。
  
    応募者全員に記念品を進呈
     ☆応募資格:小学生以上の方であれば年齢は問いません。
     ☆締 切 日:平成17年10月31日(月)
  
    詳しくは http://www.jsf.or.jp/smt-essey.html を見て下さい。
  
  ■ インターネット割引券 ■
  
    必要事項を記入のうえ持参していただくと、団体料金にて割引入館でき
   ます。
  
    詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/discount/index.html
    を見て下さい。
  
  
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  ◇◇ 【担当者より】                       ◇◇
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    メールマガジンを発行してからもうすぐ1年になります。「北の丸公園
   の自然」について、2年目の構成をどのようにするか植物担当の永井先生
   と動物担当の松田先生と打ち合わせを行いました(9月27日)。きっと
   良いものができるでしょう。乞うご期待。
  
    打ち合わせの後、松田先生と北の丸公園の散策に出かけました。玄関を
   出た時、待ちかまえていたように黒い蝶が目の前に飛んできました。「ク
   ロアゲハかな?ひょっとしてナガサキアゲハ?」二人して追いかけました。
   隣接する駐車場のアベリアの花にとまり吸蜜を始めました。先生は叫びま
   した。「ナガサキアゲハだ!メスだ!」と。その時捕虫網が無かったため、
   必死の先生は帽子と素手とで執念の捕獲に成功しました。タチバナの柔ら
   かい芽を摘んで、「これに卵を産ませるんだ!」と大変興奮されていました。
  
    翌日(9月28日)の朝日新聞朝刊に「温暖化 大学教授に聞く」とい
   う記事が載っており、龍谷大学増田啓子教授は「日本はだんだん「亜熱帯」
   になってきています。東京で、亜熱帯の植物が育ったり、インコが野生化
   して繁殖したりしています。これらは最低気温が上がったために起こった
   のです。その温度変化により、日本の動植物はどうなったのでしょうか。
   それは北へ北へと上がっていっています。例えば、日本の九州に住んでい
   たナガサキアゲハが、関東などでも発見されたり、北海道では見られなか
   ったゴキブリが、病院などに見られるようになったりしています。」と温
   暖化の影響を語っていました。
  
    捕獲したナガサキアゲハが産卵し蛹になって越冬すれば、地球の温暖化
   が証明されることとなる?
  
    昨日(10月4日)松田先生から電話があり、ナガサキアゲハが産卵し
   たと次のように話されていました。
   「捕獲したナガサキアゲハの母蝶は『グループ多摩虫』の会の麻生紀章さ
   んの協力を得て、9月29日にミカンの葉に産卵させることに成功し、
   10月3日現在まで48卵も産んでくれました。これから大事に飼育して
   蛹になったら、野外に置いて東京の冬を無事越せるか見守りたいです。来
   春ナガサキアゲハの誕生を夢見て」
  
    捕獲したナガサキアゲハは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/049/nagasakiageha.htm
    を見て下さい。
    『グループ多摩虫』の会は
    http://homepage.mac.com/kaishounashi1981/tamamushi/index.htm
    を見て下さい。
  
    10月3日、科学技術館の組織が変更されました。メルマガ担当の「広
   報・マーケティング室」は「企画広報室」となりました。
  
    科学技術館の新しい組織は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/049/sosikizu.htm を見て下さい。
  
                        (企画広報室 大西 茂)
  
    お読みいただいた感想や、科学技術館に対する思い出、展示等の質問な
   ど皆様からのメールをお待ちしております。
     E-mail :mlmaster@jsf.or.jp
     
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    皆様のご来館をお待ちしております。
  
  
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       〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号
  
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