科学技術館メールマガジン バックナンバー |
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◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆ 科学技術館 メールマガジン 第57号 2005/11/30 発行 ◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆ こんにちは。科学技術館です。 当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。 * このメールマガジンは等幅フォントでご覧下さい。 本号の配信数 3,152人。 ====================================================================== ≪ 今号の目次 ≫ ====================================================================== ◆ 【1】科学・技術よもやま話 ◆ 【2】自然との出会い ◆ 【3】科学の本の紹介 ◆ 【4】新着情報 ◆ 【5】科学技術館トピックス ◆ 【6】お知らせ ◆ 【7】他館の紹介 ◆ 【8】読者からのお便り ====================================================================== ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【1】科学・技術よもやま話 ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■ 物語「稲むらの火」とお袋の味 ■ 私の生家は、霞ヶ浦沿岸で佃煮製造業でした。父が若死にしましたので、 母が家業を継いでいました。はぜ、公魚、白魚、海老などを夜遅くまで丁 寧な仕事でした。調味料の主体は醤油ですが、砂糖、水飴など、その量や 投入のタイミングなどは試行錯誤の積み重ねで、繊細な手法を獲得したよ うです。 このようにして完成した深い味わいは、60年以上経ってもお袋の味と して忘れられません。遠く満州からも注文があり、全く変質することなく、 大変喜んで頂けたそうです。醤油は銚子の「ヤマサ醤油」から樽で送られ てきました。 醤油は、中国や韓国の技術が伝わってきたのではなさそうです。日本に は、奈良時代から「味噌」があり、自然発生的に味噌の上澄みが調味料と して使われるようになり、特に和歌山県湯浅でこれが広まったというのが 通説です。その後、1645年に濱口儀兵衛(初代)が銚子に渡って「ヤ マサ醤油」を創業し、その技術が全国に広まっていったのだそうです。 この濱口儀兵衛は初代ですが、7代目濱口儀兵衛を名乗った梧陵氏は、 1854年11月の南海の大地震の時、自分の田んぼに積んであった稲束 (稲むら)に火をつけて津波を知らせて村民を救いました。このことが、 国語の教科書に「稲むらの火」という題名で掲載され、子供ながらに感動 した記憶があります。 現在の「ヤマサ醤油」の社長さんは12代目で、醤油だけでなく調味料・ 医療品メーカーとして発展しています。特に、ヤマサ研究所の国中昭氏は、 醤油醸造で培った経験と知識から鰹節のうま味成分を発見したことに続い て、イノシン酸を作る酵素の発見。椎茸のうま味成分などは、昆布のうま 味であるグルタミン酸ナトリウムと混ぜると、驚異的にうま味が増幅する という「味の相乗効果」も発見しました。このようにして、経験によって のみ得られていた「うま味」は科学的に解明され、食の分野に大きく貢献 しています。 詳しくは http://www.yamasa.com/history/index.html を見て下さい。 (前サイエンス友の会講師 鈴木惣吉) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【2】自然との出会い ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■ 奄美大島の自然 ■ 沖縄と九州鹿児島との中間にある奄美大島は、鹿児島県に所属する南の 島です。 私はこの島の特産種であるアカボシゴマダラに会いたくて、2000年 と2003年、2度この島を訪れました。 コバルトブルーの美しいさんご礁の海、自然も豊かで沖縄との共通種も 多く見られました。 奄美大島の自然の写真は http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/057.html を見て下さい。 (サイエンス友の会顧問 松田邦雄) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【3】科学の本の紹介 ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ※ 本欄で紹介された本は、科学技術館2階サイエンスライブラリー「し らべ学習コーナー」で閲覧できます。 実りの秋、食欲の秋です。毎日の食卓におなじみの食べ物も、それがで きるまでにどんな人がどのように関わってできたのかを知ると、なおいっ そう味わいが増します。今月はそんな食べ物の本をとりあげます。 ■ 『世界をかえた魚 タラの物語』 ■ マーク・カーランスキー文 S.D.シンドラー絵 遠藤 育枝訳 ¥1,500 BL出版 2004.2 11月最後に紹介するのは、口を大きくひらいてなんでも食べるタラを 描いた表紙絵がとても印象的な絵本。どのページも両開きで描かれ、横長 の大きな画面も効果的です。 国土のまわりを海にかこまれ、いろいろな魚を食べてきた日本では、タ ラはかまぼこの材料などに利用されていますが、ヨーロッパではいちばん よく食べられ、たいへん値打ちのある魚でした。そのタラをめぐって大西 洋沿岸の北部各地でくりひろげられた歴史を、丁寧なイラストとともに描 いています。 コロンブスのアメリカ大陸発見(15世紀)よりはるか昔に、バイキン グの人々はかたい干しダラを食べながら北米大陸に到着しました。17世 紀にはボストン商人はヨーロッパとのタラ貿易で豊かになり、奴隷貿易や アメリカの独立戦争にもタラは重要な役割をはたしました。あまりたくさ んのタラをとり続けて、無限に取れると思われていたこの魚もついに絶滅 の危機にあるのです。 科学読物研究会については http://homepage3.nifty.com/fwga4903/kaken.htm を見て下さい。 (科学読物研究会 福田晴代) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【4】新着情報 ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■ 「ウニのかくれんぼ ダイナミック・フルイド」展 ■ メディアアーティスト児玉幸子を中心とした磁性流体アートプロジェク トの個展を開催します。 開 催 日:12月3日(土)〜17日(土) 場 所:科学技術館 2階イベントホール 出品作家:児玉幸子/竹野美奈子/電気通信大学人間コミュニケーショ ン学科児玉研究室 主 催:日本学術振興会 人文・社会科学振興プロジェクト研究「日 本の文化政策とミュージアムの未来」/「ミュージアムの活 用と未来−鑑賞行動の脱領域的研究」グループ/電気通信大 学児玉研究室 詳しくは http://www.jsf.or.jp/event1203.html を見て下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【5】科学技術館トピックス ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■ 今週のユニバース ■ 科学ライブショー「ユニバース」では、コンピュータシミュレーション による太陽系や宇宙の話題をお届けしています。 ショーの進行は、現在活躍中の研究者の皆さんが案内役として登場し、 科学の楽しさを伝えてくれます。 ゲストコーナーでは、最新の科学研究の様子を聞くことができます。 案内役:永井智哉さん(科学技術振興機構) ゲスト:村田泰宏さん(JAXA) 今週のゲスト及び内容は http://universe.chimons.org/jsf/ を見て下さい。 ライブショーの毎回の上演の様子は、『週刊ユニバース』 http://universe.chimons.org/weekly/ を見てください。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【6】お知らせ ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■ 近日中に開催される「青少年のための科学の祭典」のご案内 ■ 詳しくは http://www.kagakunosaiten.jp/ を見て下さい。 ■ インターネット割引券 ■ 必要事項を記入のうえ持参していただくと、団体料金にて割引入館でき ます。 詳しくは http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/discount/index.html を見て下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【7】他館の紹介 ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)では、12月25日にクリスマス コンサートを開催します。 出演者は、武蔵野音大卒者による弦楽四重奏団「クローバーストリング カルテット」。 14:00〜と15:30〜の2回(各回40分) 展示館内で演奏し ます。事前申し込みは不要です。 詳しくは http://tam-web.jsf.or.jp/ を見て下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆◆ 【8】読者からのお便り ◆◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ <東京都 野口さんから>(受信:平成17年11月22日) しばらく足を向けていないのですがメルマガはいつも楽しく拝見してい ます。特に今回のミツバチのレポートにはビックリしました。そして、弱 肉強食の世界がここにも・・と昆虫界のものの哀れにホロリときました。 明日からはミツバチを見る目も変わろうというものです(シッシしないと 決めました)。日常生活と隣り合わせているのに、ついつい気にとめる事 もなく過ごしている自然の世界の動き、ああ勿体無いことをしているなあ と、メルマガを読むたびにつくづく思います。今後も脳の刺激と心の清涼 剤が満載のメルマガを楽しみにしています。(ちなみに、政治講演を聞い ている時全く無関係の専門分野に対する企画提案のアイデイアが浮かびま した、マーケティングの授業を聞いているとき、組織と個人の関係性に新 たに思い当たりました。科学技術館が発信する情報が私にどのようなひら めきをもたらしてくれるのかとても楽しみです。 ※ 「今回のミツバチ」は第56号(11月23日)の「担当者より」で 掲載した内容を指しています。(担当者コメント) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◇◇ 【担当者より】 ◇◇ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■ 一枚が二枚、二枚が四枚・・・常用対数 ■ 「数学は嫌いです!」という本を読んでいたら、ガマの油売りの紙切り の話がでてきました。大変面白かったのでご紹介しましょう。 「1回切って1枚が2枚、2回切って2枚が4枚、3回切って4枚が8 枚、4回切って8枚が16枚と切るたびに紙の枚数は2倍ずつ増える。面 積は半分ずつ減るけどね。」「50回切れば、さて何枚になるとおもう?」 読者の皆さんは何枚になると思いますか? なんと 1,125,899,906,842,620 こんな数字が 並びました。 1千兆枚(1125兆8999億684万2620枚)という数字です。 「百万円の札束の厚さはざっと1センチ。お札の紙やコピー用紙なんか は、1枚の厚さが10分の1ミリ、つまり10枚重ねて1ミリになるぐら いの厚さだから、100枚重ねて1センチぐらいになるのが普通。・・・ 1千兆枚ではなんと1億キロメートル。・・・地球から月までの平均距離 が38万4399.1キロメートル。だから、月までの距離の260倍と いうとてつもない厚さになるのよ。つまり、地球上の紙を全部貼り合わせ た大きな紙を使っても、50回切って重ねることなんてできっこない。」 たかが50回。されど50回。驚かれたでしょうか。それは私だけでし ょうか? 書 名:数学は嫌いです!−苦手な人のためのお気楽数学− 著 者:石川英輔 出版社:講談社(講談社文庫) (企画広報室 大西茂) お読みいただいた感想や、科学技術館に対する思い出、展示等の質問な ど皆様からのメールをお待ちしております。 E-mail :mlmaster@jsf.or.jp 最後までお読みいただきありがとうございました。 皆様のご来館をお待ちしております。 ◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆ 発行者:科学技術館メールマガジン係 〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号 ▼このメール配信に関するお問い合わせは、こちらへお願いします。▼ E-mail :mlmaster@jsf.or.jp ▼配信解除・配信先変更、バックナンバーについては、こちらのホーム ページからお願いします。▼ http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/menu.asp ◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆ ※ このメールマガジンの回覧・転送は自由です。内容の引用・転載の際 には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の記事」と注釈 をいれて下さい。 なお、メールマガジンで参照しているWebサイトのすべての画像・記事 については、無断使用・転載を禁止します。 |
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