科学技術館メールマガジン バックナンバー


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     科学技術館 メールマガジン 第74号  2006/3/29 発行
  
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   こんにちは。科学技術館です。
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧下さい。
  
   本号の配信数 3,708人。
  
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   ≪ 今号の目次 ≫
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   ◆ 【1】科学・技術よもやま話
   ◆ 【2】北の丸公園の自然
   ◆ 【3】科学の本の紹介
   ◆ 【4】新着情報
   ◆ 【5】科学技術館トピックス
   ◆ 【6】お知らせ
   ◆ 【7】サイエンスキャンプ
   ◆ 【8】他館の紹介
   ◆ 【9】読者からのお便り
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  ◆◆ 【1】科学・技術よもやま話                 ◆◆
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  ■ 今日からあなたも送電線マニア?! ■
  
    頭の中で送電用の鉄塔を描いてください。何本の送電線がつながってい
   るか思い浮かべられますか?
   いろいろなタイプがありますが、よく見かける高い鉄塔は、左右両側に縦
   に並んで3本ずつと、てっぺんに1本の計7本ではないでしょうか。(多
   くは、各線が複数本の束なっています。)
    電気は、この縦並びの3本を1組として送られています。これは、三相
   3線式といって、交流送電のひとつの方式です。(家庭に引き込まれる前
   に単相にします。三相のままだと、使う電気機器が複雑になってしまいま
   す。)
    送電には直流方式と交流方式があります。交流の利点は、電圧の昇降を
   簡単にできるところにあります。発電所から都市部へ送るなどの長距離の
   場合、高い電圧の方が効率よく送電できます。しかし、家庭などで使うと
   きには高電圧では危険です。そこで、特殊な場合を除き、変圧が簡易な交
   流方式が用いられています。
    また、三相にすると、電線1本あたりの送電電力を大きくできる、大き
   な電動機(モータ)の運転に有利であるなどといった利点もあります。
    日本では、50万[V]、27万5千[V]、15万4千[V]などの
   電圧の送電線があります。また、送電電圧によって鉄塔の高さが異なりま
   す。例えば、50万[V]場合、80mもの高さがあります。
    ところで、てっぺんの1本(高電圧の送電線では2本のものもあります。)
   は、何のためにあるのでしょうか。実は、これは架空地線といって、雷が
   落ちたときに、送電線に電気が流れないように避雷針の役割をしているの
   です。最近では、この中に通信用の光ファイバケーブルが通っているもの
   もあります。
    ちなみに、送電線には、「房総線」「新所沢線」「新多摩線」など、鉄
   道の路線のように名前がついています。お休みの日に近くの送電線を追っ
   て、電気の道を辿ってみてはいかがでしょうか。
   
   参考
    藤村哲夫著:「電気発見物語」,講談社ブルーバックス,(2002年)
    曽根悟、小谷誠、向殿政男監修:「図解 電気の大百科」,オーム社
    (1996年)
  
                         (企画広報室 中村隆)
  
  
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  ◆◆ 【2】北の丸公園の自然                   ◆◆
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  ■ 早春を彩る北の丸の草木に拾う ■
  
    例年にない寒さに包まれていた冬からやっと抜け出して、春の息吹が感
   じられるようになってきました。今、北の丸では、サンシュユ・カンヒザ
   クラ・シナレンギョウ・ハクモクレン・ボケ・ヒュウガミズキ・トサミズ
   キ・ミツマタなどの花が、賑やかに咲いています。ソメイヨシノの開花も
   始まりました。
    よく目を凝らしてみると、地味ではありますが、ヒサカキ・イチイ・キャ
   ラボク・スギ・ウグイスカグラなどの花もそおっと開いて、春の到来を告
   げております。
    足もとには、フッキソウ・スズメノカタビラ・シュンラン・ホトケノザ・
   ヒメオドリコソウ・オランダミミナグサなども見られるようになりました。
    これからも次々に春を運ぶ草木が楽しめることでしょう。皆様のお出ま
   しをお待ちしています。
  
    早春を彩る北の丸の草木に拾うの写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/074.html を見て下さい。
  
                   (サイエンス友の会講師 永井昭三)
  
  
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  ◆◆ 【3】科学の本の紹介                    ◆◆
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   ※ 本欄で紹介された本は、科学技術館2階サイエンスライブラリー「し
    らべ学習コーナー」で閲覧できます。
  
    今月は、宇宙・地学の本を紹介しています。
  
  ■ 『宇宙探検すばる望遠鏡 』■
    海部宣男・監修 林左絵子・文/新日本出版社/2005年
    
    日本が作った世界最大の望遠鏡がハワイにあります。赤い眼を持つおう
   し座に見られる星団と同じ名を持つ「すばる」です。
    みなさんもきっと、おわん型ではない円柱の最新型ドームを、テレビや
   新聞で見たことがあるでしょう。宇宙の果てまで見たい、という思いで作
   られたすばる望遠鏡は、昨年128億光年もの彼方からの光を私たちにみ
   せてくれました。
    この本の冒頭にあるカラー写真の、すばるがとらえた天体の数々は、ま
   るで宝石箱のようです。前半では、これらの今まで人々が見たことのない、
   宇宙のすがたをおしえてくれます。すばるは眼に見える光と、天体の温度
   を知る赤外線をとらえることができます。その赤外線によって、天体の動
   きがわかり、ブラックホールなどの眼には見えないものの観測ができるの
   です。
    後半には、ハワイでの天文台の建設と、8.2mの直径の鏡をはじめと
   する大切な部品や、複雑な観測装置がそれぞれ専門家によってどのように
   作られていったかという話が書かれています。
    すばるは完成した後でも、夜に最適な状態で観測ができるようにと、昼
   のあいだに調整を行ったり、新しい観測装置が取付けられたり、多くの人
   たちの力で動かされています。そしてその観測データは、世界中の人々が
   利用することができるのです。高校の理科クラブでも使われるそうです。
    この本を読んだ小中学生のみなさんは、もっと星のことを知りたい、そ
   う思うことでしょう。高校生になったら、すばるのデータを使うことがあ
   るかもしれません。楽しみですね。
  
    この本の表紙は
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/3chikyuu/uchuutankensubaru/uchuutankensubaru.html
    を見て下さい。
  
    科学読物研究会については
    http://homepage3.nifty.com/fwga4903/kaken.htm を見て下さい。
  
                     (科学読物研究会 津久井優子)
  
  
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  ◆◆ 【4】新着情報                       ◆◆
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  ■ 世界物理年記念シンポジウム開催のご案内 ■
  
    「世界物理年(2005年)」のしめくくりとして、「世界物理年記念
   シンポジウム」を開催いたします。
  
    日  時:2006年4月8日(土) 10:00〜17:00
    場  所:一橋記念講堂
         (東京都千代田区一ツ橋2−1−2(学術総合センター))
    参 加 者:一般の方々、学会関係、研究者など500名(入場無料)
  
    参加方法など、詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/074/sympo.htm を見て下さい。
  
    ちらしは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/074/01.pdf を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【5】科学技術館トピックス                 ◆◆
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  ■ 今週のユニバース ■
  
    科学ライブショー「ユニバース」では、コンピュータシミュレーション
   による太陽系や宇宙の話題をお届けしています。
    ショーの進行は、現在活躍中の研究者の皆さんが案内役として登場し、
   科学の楽しさを伝えてくれます。
    
    案内役:亀谷和久さん(東京大学)
  
    今後の予定は
    http://universe.chimons.org/jsf/ を見て下さい。
  
    ライブショーの毎回の上演の様子は、『週刊ユニバース』
    http://universe.chimons.org/weekly/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【6】お知らせ                       ◆◆
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  ■ 「青少年のための科学の祭典」2006全国大会出展者募集のご案内 ■
  
    平成18年度の全国大会出展者の募集のお知らせを掲載しました。
    出展を希望される方は「青少年のための科学の祭典」2006全国大会
    出展者募集についてのページをご覧下さい。
  
    「青少年のための科学の祭典」 2006 全国大会 開催日程
  
    会 期:平成18年7月27日(木)〜8月1日(火)
        6日間を前・後半各3日間に分けます
    時 間:9:30〜16:50
    会 場:科学技術館 東京都千代田区北の丸公園2−1
  
    詳しくは http://www.kagakunosaiten.jp/ を見て下さい。
  
  ■ 春休み特別展「スポーツを科学する」 ■
  
    起源から記録の限界への挑戦まで。さまざまなスポーツを、科学の眼を
   通して探ります。
    オリンピックで注目を浴びた「カーリング」や、ボルダリング(フリー
   クライミング)、ボールの速さ計測など、実際にいくつかのスポーツも体
   験できます。
  
    会 期:平成18年3月25日(土)〜4月5日(水)
    会 場:科学技術館2階イベントホール
    主 催:(財)日本科学技術振興財団・科学技術館
  
    詳しくは
    http://www.jsf.or.jp/event.html#spring-sport を見て下さい。
  
  ■ インターネット割引券 ■
  
    必要事項を記入のうえ持参していただくと、団体料金にて割引入館でき
   ます。
  
    詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/discount/index.html
    を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【7】サイエンスキャンプ                  ◆◆
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    「ウインター・サイエンスキャンプ 05−06」の15会場で行われ
   たキャンプを順次紹介しています。
  
  ■ のぞいてみよう!科学技術を支える光の科学 ■
    〜マイクロ波からγ線まで〜
  
    今回紹介する会場は「中部大学 工学部 先進計測研究センター・工学
   基礎教室」で、2005年12月26日(月)〜28日(水)の2泊3日
   で開催されました。北は東京都、南は福岡県から16名(男9名、女7名、
   1年生8名、2年生8名)の高校生が参加しました。電磁波(光)のマイ
   クロ波領域からγ線まで、周波数に沿って旅をします。中部大学にある、
   赤外・遠赤外レーザー装置は世界最高出力と性能を誇っており、大変珍し
   い装置で、核融合のための超高温・高密度のプラズマを測定したり、高エ
   ネルギー電子ビームとの相互作用でγ線を発生させて原子核物理研究に使
   ったり、等の先端研究に使われています。このレーザーを用いた実験を体
   験しました。いろんな実験をしながら、楽しく研究者と物理や科学技術の
   ロマンについて語り合いました。
    なお、科学技術館では、5階「オプト」展示室で光の基本的な原理・性
   質・現象などを体験しながら学ぶことが出来ます。また、一日三回(要予
   約)の「レーザークラフト」では赤外線レーザーを利用して消しゴムに名
   前を焼き付け世界で一つしかない消しゴムが作れます。
  
    体験写真・感想等は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/science/074/74.htm を見て下さい。
  
    サイエンスキャンプについては
    http://ppd.jsf.or.jp/camp/ を見て下さい。
  
    キャンプ会場(中部大学 工学部)については
    http://www.chubu.ac.jp/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【8】他館の紹介                      ◆◆
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    所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)では、平成18年3月25日〜4
   月23日を会期として、春休み特別展「大空を先駆けた埼玉県の女性航空
   人 西崎キクと田中阜子」を開催しています。埼玉県出身で、戦前では数
   少ない女性パイロットとして活躍した西崎キクと、田中阜子(あつこ)の
   二人に焦点を当て、パイロットとしての業績や人間像を紹介するものです。
  
    詳しくは http://tam-web.jsf.or.jp/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【9】読者からのお便り                   ◆◆
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  ■ ケアンズ自然写真通信 ■<豪州の井上さんから>
  
    こんにちは。
    サイクロンの被害は、その後、明らかになれば更に驚く数字の数々です。
   総額、$10億を超える被害だそうです。
    ケアンズを訪れる観光客の人たちが行く観光ポイントでも危ない場所が
   まだまだあります。
    「パロネラパーク」と言う「天空の城のラピュタ」のモデルになったと
   言われている場所も閉鎖しているのですが、それを知らずにレンタカーで
   来る人がいて道も危なく、危険な状況だそうです。
    十分に情報を確認し、楽しんで欲しいものです。
  
    子供の通う小学校からは生水を飲まないように連絡が来ました。
  
    さて、今回の写真は「野鳥」の4枚をお届けしますね。     梨紗
  
    「ひとつ質問です。この前のメルマガにイースターのことが出ていたけ
    れど、春分の日って世界中同じ日なのですか?
    世界中が、この日は昼の長さと夜の長さが同じなのですか?」  大也
  
    *この質問には次号のメルマガでお答えします(担当者)
  
    ケアンズ自然写真通信の写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/australia/074/74.htm
    を見て下さい。
  
  
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  ◇◇ 【担当者より】                       ◇◇
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    「ライフサイエンス事始め〜細胞の培養と遺伝子の導入に挑戦しよう〜」
   と題し、東京大学大学院総合文化研究科で行われたスプリング・サイエン
   スキャンプ(25日(土)〜27日(月)の2泊3日)に事務局の一員と
   して行ってきました。
    今年のスプリング・サイエンスキャンプは20の会場で実施され、定員
   248名に対し737名の応募があり、倍率は約3倍となりました。
    私の参加した東京大学は当初24名の募集に、第一希望者だけで179
   名の応募がありました。東京大学の先生は何とかして沢山の高校生を受け
   入れたいと、会場の都合のつく限界の50名を受け入れて下さいました。
    実施された実験の内容について先生にお聞きしたところ、東大での1、
   2年生から希望を募り、その中から選ばれた学生が1週間集中的に行う実
   験があり、その実験は教養学部の生物の実験より高度なものですが、キャ
   ンプで行うのはそのダイジェスト的なものとのことです。
    実験にはTA(Teaching Assistant)として、東大
   大学院生の人達10数人がアシストして下さり、高校生も真剣に取り組ん
   でいました。
    更に期間中、高校生と寝食をともにされアドバイスをしていただいた高
   等学校の先生が2名、ホテルでの夜のミーティングや実験のサポートなど
   積極的に実施していただきました。おかげで事故もなく無事終了すること
   ができ、高校生も大変感動して帰って行きました。
    キャンプの詳細については、本誌でも連載しています「サイエンスキャ
   ンプ」のコーナーでご紹介する予定にしております。
  
                         (企画広報室 大西茂)
  
    お読みいただいた感想や、科学技術館に対する思い出、展示等の質問な
   ど皆様からのメールをお待ちしております。
     E-mail :mlmaster@jsf.or.jp
  
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    皆様のご来館をお待ちしております。
  
  
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       〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号
  
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    については、無断使用・転載を禁止します。
  



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