科学技術館メールマガジン バックナンバー


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     科学技術館 メールマガジン 第98号  2006/9/13 発行
  
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   こんにちは。科学技術館です。
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
  
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   本号の配信数 4,382人。
  
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   ≪ 今号の目次 ≫
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   ◆ 【1】科学・技術よもやま話
   ◆ 【2】自然との出会い
   ◆ 【3】科学の本の紹介
   ◆ 【4】科学技術館トピックス
   ◆ 【5】お知らせ
   ◆ 【6】サイエンスキャンプ
   ◆ 【7】他館の紹介
   ◆ 【8】読者からのお便り
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  ◆◆ 【1】科学・技術よもやま話                 ◆◆
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  ■ 炭酸飲料 ■
  
    アルコールを含まないものを考えて見ましょう。栓を抜くとシュワッと
   出てくるのは二酸化炭素CO2の泡です。炭酸飲料の主役はこれです。そ
   の中に甘味料(砂糖、果糖、ブドウ糖など)、酸味料(乳酸、リンゴ酸、
   酒石酸、クエン酸など)、そのほかに香味料やその飲料独特の成分を加え、
   その製品の特徴を感じさせるようにしたものです。
    CO2は0.3MPa(約3気圧)以上に加圧されているということで
   す。一般に気体は圧力を加えると水に溶け込む量が増えます。0.4〜
   0.5MPaにも加圧したものもあります。加圧して水中のCO2の濃度
   を高めています。そのため容器は圧力に耐えられる形、厚みになっていま
   す。お茶などの入ったPETボトルと炭酸飲料のものとを比べて見てくだ
   さい。
    また気体は低温になるほど水によく溶けます。よく冷やしておくのは冷
   たいほど美味しいこともありますがCO2を逃がさないためでもあるので
   す。温度の高くなるところに置くと溶けていたCO2が気体になって出て
   きます、器内の圧力が高くなって器を破損する危険もあります。
    CO2は酸素や水素、メタンなどの気体よりも水にはよく溶けます。
   CO2が水に溶けるとその一部が水と化合して「炭酸H2CO3」ができ
   ます。その分だけ他の気体よりも溶ける量が多いのです。しかし、炭酸は
   単独で取り出すことはできません。
    グラスの中から出てくるCO2の泡を見ていると、「こいつが地球温暖
   化の元凶だな…」と思ってしまいます。でも、暑いときによく冷えたのを
   飲むときの爽涼感、すべてを忘れて束の間、幸せを感じます。
    人の幸せなんて何処に転がっているかわかりませんね。
  
               (科学技術館「ガスクエスト」担当 梅山浩)
  
  
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  ◆◆ 【2】自然との出会い                    ◆◆
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  ■ 寄生する虫、寄生される虫たち ■
  
    虫たちの世界には、寄生といって、他の虫の体に卵を産みつけ、孵化し
   た幼虫が体の内部で幼虫から養分をとったり、また、体の中には入らなく
   ても体にくっついて養分をとったりする虫がいます。私はセミについた寄
   生虫と、蝶についた寄生虫を発見しましたのでここに写真をお見せします。
  
    寄生する虫、寄生される虫たちの写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/s036.html を見て下さい。
  
                   (サイエンス友の会講師 松田邦雄)
  
  
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  ◆◆ 【3】科学の本の紹介                    ◆◆
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   ※ 本欄で紹介された本は、科学技術館2階サイエンスライブラリー「し
    らべ学習コーナー」で閲覧できます。
  
    今月は、身体の本を紹介しています。今回は脳・・・・心と体のつなが
   りのはなしです。
  
  ■ ひとつの『なぜ』から広がる世界(2)
    『かなしいとなぜ涙がでるの?』心と体のつながりのはなし ■
    岩間久行・文  石森愛彦・絵  偕成社 1997.4
    2500円+税
  
    「脳」というと、頭蓋骨の内部や神経の働きとセットになっている本が
   多いのですが、本書では脳の仕組みや働き、不思議に絞って、より深く説
   明しています。それでいてイラストやマンガも効果的で、堅苦しい印象は
   ありません。主な内容は睡眠、認識、記憶と学習、感情、運動や行動のプ
   ログラムについてですが、「どうして、逆上がりができるの?」というよ
   うな親しみやすいタイトルがつけられ、7つの側面から脳のしくみについ
   て解説しています。
    古代エジプトのパピルスの記録によると今から6600年前には、頭の
   怪我や病気によって離れた手足が動かなくなることが知られていたそうで
   す。また近頃では「前頭前野」の働きが注目を集めていますが、生きた人
   間を対象にした実験には限界があり、脳のすべてが解き明かされているわ
   けではありません。だからこそ「一生は好きなことを発見しつづけていく
   旅。それは心がやどる脳がもとめていることでもある」というまとめに共
   感を覚えました。脳のたくさんの働きに触れながら、考えているという状
   態自体が素晴らしいと思えてくる本です。
   (この本は現在品切れとなっていますが図書館で是非手にとってみてくだ
   さい。)
  
    科学読物研究会については
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/ を見て下さい。
  
                      (科学読物研究会 山森貴子)
  
  
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  ◆◆ 【4】科学技術館トピックス                 ◆◆
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  ■ 科学技術館 ユニバースイベント ”キュリー夫人の理科教室” ■
    〜100年前、あのキュリー夫人が行った理科教室を
                    紙芝居・実験ショーで紹介します〜
  
    この理科教室は100年前にキュリー夫人が行った授業を再現し、多く
   の子供たちに理科の楽しさを知ってもらいたいと実験ショーとして企画し
   ました。
  
    主催:サイエンススタジオ・マリー
    日時:9月18日(祝日)
       11:30〜,14:30〜,15:30〜 (公演約30分)
    場所:科学技術館 4階 ユニバース(各回定員72名)
    料金:無料(ただし科学技術館の入館料が必要です)
  
    詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/097/097.htm を見て下さい。
  
  ■ 「放射線 見て 測って 考えてみよう!」参加者募集 ■
  
    児童生徒をはじめ、あらゆる世代の方々を対象に“放射線一日体験教室”
   「放射線 見て 測って 考えてみよう!」を開催しています。
  
    これは文部科学省の委託事業として日本科学技術振興財団が実施するセ
   ミナーで、私たちの身近にありながら通常は見ることができない放射線の
   存在について楽しい実験や観察を通して理解を深めていただくものです。
    奮ってご参加下さい。
  
    開催日、申込み方法、お問い合わせ等、詳しくは、
    http://hoshasen.jsf.or.jp/ を見て下さい。
  
  ■ 今週のユニバース ■
  
    科学ライブショー「ユニバース」では、コンピュータシミュレーション
   による太陽系や宇宙の話題をお届けしています。
    今週は、ヤーキス天文台(アメリカ)とのライブ天体観測のセッション
   は、お休みさせていただきます。
    
    案内役:伊藤 哲也さん(国立天文台)
  
    今後の予定は
    http://universe.chimons.org/jsf/ を見て下さい。
  
    ライブショーの毎回の上演の様子は、『週刊ユニバース』
    http://universe.chimons.org/weekly/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【5】お知らせ                       ◆◆
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  ■ ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然〜」発売中! ■
  
    2004年11月の創刊以来連載し、好評を得てきた「北の丸公園の自
   然」をハンドブックとして出版いたしました。『春の巻』、『夏の巻』が
   発売中です。秋・冬の巻は9月末発売予定です。
    ハンドブックは「草木編」と「動物編」の2冊で、総カラー印刷のきれ
   いな写真を満載しています。それぞれ1冊200円で販売しております。
  
    申込方法は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm を見て下さい。
  
  ■ インターネット割引券 ■
  
    必要事項を記入のうえ持参していただくと、団体料金にて割引入館でき
   ます。
  
    詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/discount/index.html
    を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【6】サイエンスキャンプ                  ◆◆
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    「スプリング・サイエンスキャンプ 2006」の20会場で行われた
   キャンプを順次紹介しています。
  
  ■ 未来の産業を体験しよう! ■
  
    今回紹介する会場は「株式会社日立製作所 中央研究所」で、2006
   年3月21日(火・祝)〜3月23日(木)の2泊3日で開催されました。
   北は岩手県から南は宮崎県までの10名(男6名、女4名、1年生6名、
   2年生2名、3年生2名)の高校生、高等専門学校生が参加しました。電
   子顕微鏡を用いたミクロワールドの探索、未来のディスプレイ、コンピュ
   ータを使った人の声の認識・合成、世界最小の半導体チップ「ミューチッ
   プ」の世界などを体験し、研究室などの見学を通して未来の産業を考えま
   した。なお、科学技術館では、4階「NEDO−Future Scope
   〜未来のチカラがみえてくる〜」展示室ではナノステーションコーナーで
   有機ELディスプレイなどナノテクノロジーに関して、フューチャースタ
   ジオコーナーでナノレベルの極小世界などの関連分野や、身の回りの科学
   技術についても体験を通して科学技術を学べます。
  
    体験写真・感想等は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/science/098/98.htm を見て下さい。
  
    サイエンスキャンプについては
    http://ppd.jsf.or.jp/camp/ を見て下さい。
  
    キャンプ会場については
    「株式会社日立製作所 中央研究所」
    http://www.hqrd.hitachi.co.jp/crl/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【7】他館の紹介                      ◆◆
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    所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)では9月8日〜10月9日を会期
   として企画展「さよなら日本の翼 YS−11〜写真と模型でたどる軌跡〜」
   を開催します。
    今年の9月30日で民間路線から退役する戦後初の国産旅客機「YS−
   11型機」について、航空写真家として名高い青木勝氏の写真パネル、一
   般の方から募集した思い出のYS−11写真、YS−11の模型を展示し
   ます。
    また、スライド&トークショー「永遠なれ!YS−11」(講師:青木
   勝氏)を9月17日14:00〜開催します。
  
    参加方法など詳しくは、
    http://tam-web.jsf.or.jp/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【8】読者からのお便り                   ◆◆
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  ■ ケアンズ自然写真通信 ■<豪州の井上さんから>
  
    こんにちは。
    先週、「クロコダイルハンター」で有名なスティーブというオーストラ
   リア男性が、ケアンズの近くのポートダグラスの海でTV番組の撮影中に、
   アカエイに刺されて亡くなると言う悲報がありました。
    毒のある尻尾で心臓を突かれたようです。
    トレスストレイト(オーストラリア北部の海峡)の島に住んでいた知人
   に聞くと、「アカエイは島の周りにもたくさんいて事故の話は聞くけれど、
   死亡ということはこれまでに聞いたことがない。心臓を突かれたので運が
   悪かったのだろう」とのことでした。
    有名な人でしたので、日本をはじめとして世界各国でもニュースになっ
   ていたようです。生き物の毒は怖いですね。
  
    今週の写真は「熱帯の植物」です。              梨紗
  
    ケアンズ自然写真通信の写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/australia/098/98.htm
    を見て下さい。
  
  
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  ◇◇ 【担当者より】                       ◇◇
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  ■ 風邪薬でノーベル賞?! ■
  
    数年ぶりに風邪をひきました。鼻とのどをやられたようで、ティシュペ
   ーパーが手放せません。
    ところで、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、医学的には「風
   邪」という病名はなく、「風邪症候群」として、鼻やのど、気管支の粘膜
   が炎症することで起きる病気の総称となっています。
    風邪の予防には、外出から戻ってきたら手を洗ってうがいをする、適度
   に運動して十分に栄養と睡眠をとるといったことが肝心です。勉強や部活、
   仕事で忙しい方もいらっしゃるかと思いますが、できるだけ規則正しい生
   活を心がけてくださいね。
    ちなみに、風邪薬は症状を和らげるものですが、風邪そのものを治す薬
   を開発するとノーベル賞を狙える?といった話もあるそうな。
  
                         (企画広報室 中村隆)
  
  
    お読みいただいた感想や、科学技術館に対する思い出、展示等の質問な
   ど皆様からのメールをお待ちしております。
     E-mail :mlmaster@jsf.or.jp
  
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    皆様のご来館をお待ちしております。
  
  
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