科学技術館メールマガジン バックナンバー


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     科学技術館 メールマガジン 第105号  2006/11/1発行
  
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   こんにちは。科学技術館です。
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧下さい。
  
   本号の配信数 4,503人。
  
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   ≪ 今号の目次 ≫
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   ◆ 【1】新着情報
   ◆ 【2】科学・技術よもやま話
   ◆ 【3】我が社の誇る技術
   ◆ 【4】自然との出会い
   ◆ 【5】科学の本の紹介
   ◆ 【6】科学技術館トピックス
   ◆ 【7】お知らせ
   ◆ 【8】戦後、日本を支えた100人の技術者
   ◆ 【9】サイエンスキャンプ
   ◆ 【10】他館の紹介
   ◆ 【11】読者からのお便り
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  ◆◆ 【1】新着情報                       ◆◆
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  ■ 第6回科学教育ボランティア研究大会 ■
  
    科学教育ボランティア研究大会は,実験教室等の科学教育ボランティア
   活動についてその目的や方法,思いや期待,理想と現状,成功や失敗の経
   験を話し合い,今後の発展につなげていくとともに参加者同志互いの親睦
   を深めようという集まりです
    今年も第6回大会を京都で12月9日(土),10日(日)に開催しま
   す。
    今年のテーマは,
   『めざせ!100万人ボランティア 〜広げよう,科学教育ボランティア
   の輪 伝えよう,すべての人々に科学の楽しさを〜』です。
  
    主催:科学教育ボランティア研究大会実行委員会
    後援:科学技術館 他
  
    詳しい案内と参加受付は次のWebページをご覧ください。
    http://www2.hamajima.co.jp/~sevrc/
  
  
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  ◆◆ 【2】科学・技術よもやま話                 ◆◆
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  ■ 真北はどっち? ■
  
    「北はどっち?」、「方位磁針では・・・」
    ご存知の通り、磁石は南北を示します。後漢時代の中国では、鉱床を探
   す道具として、磁鉄鉱をけずりスプーンのような形にした”司南の杓”が
   使われていたそうです。平らな地面で回すと、この杓の柄が南に向くとい
   うもので、方位磁針の原型といえます。
    でも、実は方位磁針は真北を指しません。地理上の北と磁針の示す北は
   ずれているのです。また、地磁気は、垂直方向にも傾いています。東京付
   近では、N極側が、西に約7度ずれ、下に約49度傾いています。そこで、
   日本の方位磁針は、針が水平に近づくようにS極側を重くしています。
    このように複雑な地磁気には、地磁気極と磁極という2つの極が定義さ
   れています。
    地磁気極は、簡単にいうと、地球の中心に1本の棒磁石を置いたと考え
   その棒磁石の軸を延ばして地表と交わる2点で、地磁気北極(S極)、地
   磁気南極(N極)となります。この軸は、現在、地球の自転軸に対して約
   11度傾いています。
    一方、磁極は、地磁気の方向が真下に向き、方位磁針が不安定になって
   しまう地点で、南北に複数あることもありえます。現在の地磁気の状態で
   は両半球に各1つで、それぞれ磁北極(S極)、磁南極(N極)といいま
   す。現在の磁北極は、北緯約83度、西経約120度の位置にあります。
   ※注:方位磁針は、地球上の地磁気の分布の関係で、このどちらの極にも
      向かず、東京付近では先に述べたような向きになっています。
    地磁気極も磁極も、長い年月の間にその位置が変化しています。その変
   化は地層の中で残留磁化という形で記憶されています。これを利用して考
   古学の分野では年代測定などを行っています。
    地磁気によって、方角だけではなく、時代さえも知ることができるので
   す。
  
   (参考)
   赤尾保男著「環境電磁工学の基礎」、電子情報通信学会(1991)
   長友恒人編「考古学のための年代測定学入門」、古今書院(1999)
   京都大学大学院理学研究科附属地磁気世界資料解析センターホームページ
   http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/index-j.html
  
                         (企画広報室 中村隆)
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバーは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【3】我が社の誇る技術  〜東京電力(株)〜        ◆◆
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  ■ (1)発電からコンセントまで ■
  
    みなさんは、電気をつくったことはありますか?
  
    実は、電気は大量に貯めることができないので、今まさに、発電所で電
   気がつくられているのです。さらに、つくる電気の量は、使われている電
   気の量に常にあわせる必要があります。つくる量と使われる量のバランス
   が崩れてしまうと電気は止まってしまいます。各地点から通信ネットワー
   クで情報を集め、中央給電所や発電所で日夜、このバランスをコントロー
   ルしています。
    原子力発電所、火力発電所、さらに水力発電所でつくった電気を安定し
   て効率よくみなさんのところへ届けるために、電気を送る送電線や電圧を
   変えたり電気の流れをコントロールする変電所を網の目状につないでネッ
   トワークを構成しています。このネットワークから電柱の配電線を通って
   みなさんの家庭に電気が届きます。また、電気を送るルート上に落雷など
   異常があった場合には、異常な箇所をネットワークから切り離す必要があ
   ります。ここでも人間の神経細胞のように張り巡らされた通信ネットワー
   ク、すなわちITが活躍しています。
    このようにコンセントに電気を届けるには、たゆみない人の努力とテク
   ノロジーが必要です。
    メールマガジンでは「電気を作る技術」「電気を送る技術」「電気を活
   用する技術」「電気を貯める技術」「電気の史料館」についてご紹介する
   予定です。
  
    まずは、ゲーム感覚で東京電力ホームページの「電気のちから 大停電
   作戦を阻止せよ」にチャレンジしてみよう。
    http://www.tepco.co.jp/pavilion/elecpower/index-j.html
  
                     (東京電力(株) 開発計画部)
  
  
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  ◆◆ 【4】自然との出会い                    ◆◆
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  ■ 東京の都心、北の丸公園の秋の頃の自然観察 ■
  
    10月8日のサイエンス友の会北の丸秋の自然観察会の時には、お堀を
   探してもカモの姿は未だ見られませんでした。
    10月16日、九段小学校の6年生の自然観察学習の折には、堀に数10
   羽のカモたちが泳いでいました。
    毎年10月の半ばになると遠い北国シベリアの方から越冬のためたくさ
   んのカモたちが飛来するのです。ようこそカモさんたち!!
    第1陣は、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ヒドリガモでした。一年中
   見られるくちばしの先の黄色いカルガモと合わせて4種類のカモの観察が
   できました。
    虫では、バッタの仲間でオンブバッタがたくさんいました。中でも少し
   変わったバッタを発見しました。ハネナガヒシバッタとトゲヒシバッタで
   す。カマキリもオオカマキリ、ハラビロカマキリ、コカマキリの3種類が
   みつかり、オオカマキリがコカマキリを食べているところも観察しました。
    虫の死がいも落ちているのを発見しました。フクラスズメという蛾や、
   センチコガネ、スズメバチなどです。かれ葉の下は、3cmほどの小さな
   アズマヒキガエルも見つかりました。それから、北の丸公園では初めての
   発見になるトウキョウダルマガエルを観察できました。葉の裏に大きなカ
   タツムリもみつけました。
    秋の頃の公園の散歩も楽しい発見がいっぱいあります。
  
    「東京の都心、北の丸公園の秋の頃の自然観察」の写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/s041.html を見て下さい。
  
                   (サイエンス友の会講師 松田邦雄)
  
  
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  ◆◆ 【5】科学の本の紹介                    ◆◆
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   ※ 本欄で紹介された本は、科学技術館2階サイエンスライブラリー「し
    らべ学習コーナー」で閲覧できます。
  
    東京は、ドングリの季節になりました。落ちているドングリを見つける
   と、うれしくて、私は、つい手にいっぱい拾ってしまいます。今月は、ド
   ングリのいろんな世界が広がる本を紹介します。
  
  ■ 『どんぐり』 ■
    かがくのとも 傑作集 福音館書店/こうやすすむ 文・絵/
    1988年5月
  
    わが家で、繰り返し子どもたちに読んであげた絵本の一つです。
    雑木林で芽を出したドングリを見つけると、子どもたちが、楽しそうに
   口をそろえます。
   「ほっかいどうのはる みずならのきがありました。
    なつ そらにむかって えだやはをおおきく ひろげています。
    あき どんぐりがたくさん なりました」
    これは、この絵本の書き出しです。 落ちたドングリが、動物に運ばれ、
   芽生え、大きくなって、またドングリを落とす。そんなドングリの一生を、
   柔らかな絵で描いた絵本です。凝ったストーリーはなく、リズムのいい、
   シンプルな言葉が、からだにしみ込むように並んでいます。是非読み聞か
   せしたい科学絵本です。
    子どもたちは、読んでもらいながら、雑木林のドングリを思い浮かべ、
   芽の出たドングリを見ると、この絵本を思い出し、見えないリスやネズミ
   に思いをはせる事でしょう。
  
    この本の表紙は
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/6shokubutsu/donguri/donguri.html
    を見て下さい。
  
    科学読物研究会については
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/ を見て下さい。
  
                     (科学読物研究会 菅原由美子)
  
  
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  ◆◆ 【6】科学技術館トピックス                 ◆◆
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  ■ 今週のユニバース ■
  
    科学ライブショー「ユニバース」では、コンピュータシミュレーション
   による太陽系や宇宙の話題をお届けしています。
    また第2・第4土曜日にはシカゴ大学ヤーキス天文台との、ライブ天体
   観測コーナーがあります。
  
    案内役:亀谷和久さん(東京大学)
    ゲスト:伊吹山秋彦さん(理化学研究所)
  
    今後の予定は
    http://universe.chimons.org/jsf/ を見て下さい。
  
    ライブショーの毎回の上演の様子は、『週刊ユニバース』
    http://universe.chimons.org/weekly/ を見てください。
  
  
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  ◆◆ 【7】お知らせ                       ◆◆
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  ■ 青少年のための科学の祭典 松山大会 ■
  
    11/4(土)〜5(日)は「青少年のための科学の祭典 松山大会」
   が実施されます。
  
    楽しい実験や不思議なショーを体験できます。工作コーナーも待ってい
   ますよ。今まで気づかなかったことや、ふしぎに思っていたことがわかり
   ます。これで君もクラスの科学博士!?だね。
  
    主  催:「青少年のための科学の祭典」松山大会実行委員会
         文部科学省
         財団法人 日本科学技術振興財団
    開催期間:平成18年11月4日(土)〜11月5日(日) 2日間
    開催場所:松山市コミュニティーセンターこども館(松山市)
  
    詳しくは http://www.kagakunosaiten.jp/ を見て下さい。
  
  ■ 高校生のための2泊3日の先進的科学技術体験合宿プログラム
  「ウインター・サイエンスキャンプ’06−’07」参加者の募集 ■
  
    ウインター・サイエンスキャンプは、最先端の研究施設で先進的な研究
   テーマに取り組む大学・公的研究機関・民間企業の研究所が、冬休みの3
   日間高校生を受け入れて、様々な分野の研究開発の第一線で活躍する研究
   者・技術者が直接指導を行う、実験や実習を主体とした科学技術体験合宿
   プログラムです。参加申込書・募集要項は、Webサイトでダウンロード
   するか、事務局までお問い合わせ下さい。
  
    開 催 日:2006年12月23日〜2007年1月7日の
         期間中の2泊3日
    会  場:大学、公的研究機関、民間企業、博物館(12会場)
    定  員:受け入れ会場ごとに8〜20名(合計162名)
         ※前回応募倍率:約2倍
    参 加 費:10,000円(自宅から会場までの交通費は自己負担。
                 宿舎・食事は用意します)
    応募締切:2006年11月16日(木)必着
    問合せ先:サイエンスキャンプ事務局 ( camp@jsf.or.jp )
  
    詳しくは http://ppd.jsf.or.jp/camp/ を見て下さい。
  
  ■ 「エネルギーかるた」大会開催 ■
  
    今週の11/5(日)室蘭市青少年科学館(北海道室蘭市)で北海道大
   会が開催されます。
  
   =四国大会(11/12)、中国大会(11/18)事前募集中!=
  
    エネルギーかるた実行委員会(財団法人日本科学技術振興財団・電気事
   業連合会)では、読み札を公募して作ったオリジナルの“エネルギーかる
   た”を使って、「エネルギーかるた大会」を実施します。
    「青少年のための科学の祭典」関連のイベントとして昨年ご好評いただ
   き、今年で2年目を迎えます。
    伝統の遊び「かるた」を通じて、楽しみながらエネルギーに親しむこと
   で、科学やエネルギーについての理解が自然と深まります。
    「エネルギーかるた」(実行委員会制作オリジナル・非売品)を使用。
  
   ●実施予定の地域
    ○北海道 11月 5日(日) 北海道(室蘭市青少年科学館)
    ○四国  11月12日(日) 香川(香川大学教育学部)
    ○中国  11月18日(土) 倉敷(ライフパーク倉敷)
    ○九州  12月 2日(土) 垂水(キララドームたるみず)
  
    応募方法など詳しくは http://www.e-karuta.jp を見て下さい。
  
  ■ 「第17回英国科学実験講座」テレビ放映のお知らせ ■
  
    今年2006年夏に開催された「第17回英国科学実験講座 クリスマ
   ス・レクチャー2006」を収録した番組が、10月から11月にかけて、
   サイエンスチャンネルで放映されています。
    今年のテーマは「食物の秘密」。2000年から2005年まで、英国
   の食品安全基準庁の初代長官をつとめたジョン・クレブス卿が、人の味覚
   の謎と背景、体内での消化や人体に与える影響、食物の安全性や危険性、
   将来の食糧問題などについて、実験の数々を交えながら、わかりやすく講
   演しました。
    是非、この機会にご覧下さい。
  
    主 催:読売新聞社、ブリティッシュ・カウンシル
    協 力:国立科学博物館、科学技術館
  
    サイエンスチャンネル(スカイパーフェクTV!765ch)番組放映
  
            【放送予定日】      【再放送予定日】
           16:00〜16:45  17:00〜17:45
    レクチャー1) 10月 7日(土)(済) 10月14日(土)(済)
    レクチャー2) 10月21日(土)(済) 10月28日(土)(済)
    レクチャー3) 11月 4日(土)    11月11日(土)
    レクチャー4) 11月18日(土)    11月25日(土)
  
    ケーブルテレビをご利用の方は、各CATV局にお問い合わせ下さい。
  
   ※本放送終了後も、サイエンスチャンネルのホームページ
    http://sc-smn.jst.go.jp/ から、インターネット放送でご覧いただけ
    ます。
   ※同サイトから、2003年〜2005年に開催された過去のレクチャー
   の模様も、インターネットで視聴できます(「英国科学実験講座」の番組
   名で検索して下さい。)
  
  ■ プレベンチャー事業 平成15年度採択課題
                    研究開発成果報告会のお知らせ ■
  
    本プログラムは、大学・公的研究機関発ベンチャー創出事業として平成
   11年度より科学技術振興機構が実施しています。
    今回、平成15年度採択9課題が本年9月末に終了し、その研究成果を
   ベンチャービジネスにつなげていくための実用化に向けた研究開発の成果
   を報告するとともに、大学等発ベンチャーの将来像を展望します。
  
    日  時:平成18年11月10日(金)10:00〜17:10
    会  場:コンファレンススクエア エムプラス(グランド)
         東京都千代田区丸の内2−5−2 三菱ビル10F
    主  催:独立行政法人 科学技術振興機構
    協  力:財団法人 日本科学技術振興財団
  
    申込方法等、詳しくは、
    http://ppd.jsf.or.jp/preven/ を見て下さい。
  
  ■ ハンドブック「散歩のおとも〜」の「秋・冬の巻」出版! ■
  
    好評を得ている、ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然〜」
   の「秋・冬の巻」が完成し、「春の巻」「夏の巻」「秋・冬の巻」と3巻
   で完結することとなりました。
  
    このハンドブックは、2004年11月の本メルマガ創刊以来連載し、
   好評を得てきた「北の丸公園の自然」を冊子としてまとめたものです。
   「草木編」と「動物編」の2冊で、カラー印刷のきれいな写真を満載して
   います。価格はそれぞれ1冊200円です。
  
    ハンドブックの表紙及びお求め方法は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm を見て下さい。
  
  ■ インターネット割引券 ■
  
    必要事項を記入のうえ持参していただくと、団体料金にて割引入館でき
   ます。
  
    詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/discount/index.html
    を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【8】戦後、日本を支えた100人の技術者          ◆◆
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  ■ トランジスタ・ラジオの開発の物語 鹿井信雄 (その4) ■
  
   <仕事は皆でやる作業とそれを形にすること>
   
    新製品の開発は、目標に向かって皆が協力して、作り試し直してゆく地
   道な作業をこなして、結果を積み上げて行くプロセスである。いよいよ最
   初に売り出そうとしたラジオが完成した。しかしそれは、プラスチックの
   箱が熱で歪んでしまい、失敗に終わった。
    当時は、当然ながら、トランジスタ用の電子部品も世の中には存在して
   いなかった。電子回路にも、電子が通る道を妨害する抵抗器や、電子を蓄
   える容量器や、電子が振動するように動くことを妨げたりするコイルなど
   が必要であった。これらの電気回路用部品は、戦前からの大手の電気メー
   カは自分で作っていたが、彼らは、真空管を使っていたので、電子用部品
   を作ってはくれなかった。
    鹿井は、自分達と同じような町の工場を訪ね、電子用の部品の開発を御
   願いした。こうしてお互いに協力し合った、アルプス、ミツミ、コンデン
   サのムラタ、ニチコン、スピーカのフォスター、コイルの東光等、世界に
   誇る電子部品の専門メーカが、東京通信工業(現ソニー)と共に世界に羽
   ばたいて行くことになった。ソニーばかりでなく、そういった工場にも、
   いくつもの失敗があった。しかし、失敗を重ねながらも、成功するまで続
   けた企業が成長したのである。
    こうして、多くの企業や技術者達の協力によって、1955年ついにト
   ランジスタラジオが完成して、世界に羽ばたいて行った。
    しかし、半導体のイノベーションは、次の”映像の時代の挑戦”の波へ
   となって行ったのである。                  (完)
  
    執筆者:唐澤英安 データ・ケーキベーカ(株) 代表取締役
  
    (社)研究産業協会 http://www.jria.or.jp/w/
  
  
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  ◆◆ 【9】サイエンスキャンプ                  ◆◆
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    「サマー・サイエンスキャンプ 2006」の33会場で行われたキャ
   ンプを順次紹介しています。
    今回紹介する会場は「「独立行政法人 情報通信研究機構 知識創成コ
   ミュニケーション研究センター/国際電気通信基礎技術研究所内研究施設」
   と「独立行政法人 国立科学博物館」です。
  
  ■ 未来のコミュニケーションを体験しよう ■
  
    「独立行政法人 情報通信研究機構 知識創成コミュニケーション研究
   センター/国際電気通信基礎技術研究所内研究施設」では、2006年8
   月9日(水)〜8月11日(金)の2泊3日で開催され、北は茨城県から
   南は大分県までの12名(男6名、女6名、1年生5名、2年生5名、3
   年生2名)の高校生、高等専門学校生が参加しました。
    インターネットや携帯電話の普及で、メールやチャットなどでのコミュ
   ニケーションが身近になってきました。自動翻訳チャットなど、現在研究
   されている技術を体験することで、最新のネットワーク技術を活用したコ
   ミュニケーションについての理解を深めました。
  
    体験写真・感想等は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/science/105/105_1.htm
    を見て下さい。
  
    キャンプ会場については、
    「独立行政法人情報通信研究機構 知識創成コミュニケーション研究セ
     ンター/国際電気通信基礎技術研究所内研究施設」
    http://www2.nict.go.jp/x/x151/index.html を見て下さい。
  
  ■ アンモナイトの科学 ■
  
    「独立行政法人 国立科学博物館」では、2006年8月8日(火)〜
   8月11日(金)の3泊4日で開催され、北は北海道から南は福岡県まで
   の14名(男7名、女7名、1年生7名、2年生6名、3年生1名)の高
   校生、高等専門学校生が参加しました。
    アンモナイトは今から6,500万年前に恐竜とともに地球上から姿を
   消し、現在ではその生きた姿をみることはできません。アンモナイトはど
   のような生き物だったのでしょうか。古生物学者は、化石に残された様々
   な情報を読み取り、アンモナイトの生きた姿を描き出そうとしています。
   キャンプでは、アンモナイトの世界的な産地である北海道で、化石採集の
   体験と実物標本の観察を通して、「アンモナイトはどのような生物であっ
   たか」を学びました。
  
    体験写真・感想等は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/science/105/105_2.htm
    を見て下さい。
  
    キャンプ会場については、
    「独立行政法人国立科学博物館」
    http://www.kahaku.go.jp/
    および、「中川町エコミュージアムセンター」
    http://city.hokkai.or.jp/~kubinaga/ を見て下さい。
  
    サイエンスキャンプについては
    http://ppd.jsf.or.jp/camp/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【10】他館の紹介                     ◆◆
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  ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
    所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)では10月15日〜12月10日
   を会期として、秋の特別展「現代日本を支えるエアカーゴ〜航空貨物輸送
   の歴史と役割〜」を開催しています。航空貨物輸送の歴史と多彩な貨物輸
   送の実情を紹介しています。参加費無料の公開講座は、11月4日「国際
   航空貨物輸送の現状と展望」、11月18日「パイロット、グランドハン
   ドリングから見た航空貨物」です。講座の参加者を募集しています。
    大型映像館では、大型映像フェスティバルを10月28日〜11月12日
   の間、開催しています。「ベアーズ 魔法を持った熊たち」と「愛と勇気
   の翼」の二本立てとなります。
  
    詳しくは、 http://tam-web.jsf.or.jp/ を見て下さい。
  
  ■ 船の科学館 ■
  
    本年は、わが国が南極観測を開始して50周年となる記念すべき年です。
   船の科学館ではこの記念すべき年にちなんで、当館で保存・公開している
   ”宗谷”及び当時の貴重な南極観測に関係する資料を展示、紹介いたしま
   す。
    また、50年前の11月8日、”宗谷”が初めて南極へ向かった忘れる
   ことのできない歴史的出航シーンを”宗谷”桟橋、船上にて再現いたしま
   す。
  
   ○企画展「南極観測 いま・むかし物語」
     開催期間:平成18年11月8日(水)〜平成19年2月25日(日)
     開催場所:船の科学館 3階 マリタイムサルーン
   ○宗谷”初の南極観測出航を再現!
     開催日時:平成18年11月8日(水)午前10時30分より
          約1時間
     開催場所:船の科学館 ”宗谷” 桟橋周辺
      ※雨天の場合は、船の科学館1階オーロラホールにて実施)
   ○海・船セミナー2006「国境のない大陸への挑戦」
     開催場所:元青函連絡船”羊蹄丸”内アドミラルホール
     開 催 日:平成18年11月8日(水)、19日(日)、25日(土)
               12月2日(土)、9日(土)
      ※開催日によって、テーマ及び時間が異なります。
      ※11月25日(土)のみ会場は、船の科学館 オーロラホールで
       す。
  
     詳しくは、船の科学館ホームページ
     http://www.funenokagakukan.or.jp/ をご覧ください。
  
  
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  ◆◆ 【11】読者からのお便り                  ◆◆
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  <東京都のTokyojさんから>(受信:平成18年10月25日)
  
    「メルマガ」といえば、「科学技術館発行のメルマガ」、いつも楽しみ
   にしています。
  
    企画・編集・原稿作成etc.大変ですね。
    小生は、第92号よりの読者。すべて、ハード・コピーにしてファイル
   しています。
    「メルマガ」まず、だまって、ファイルして、本文プリント。
    中の、面白そうなサイトも開けて見てプリント。カラー写真、プリント
   するとカラーインクの食うこと。ディスプレイで眺めるだけじゃ詰まらん
   ものね。
    時々、年寄り仲間に転送して、ボケ防止に「メルマガ」登録しろとせっ
   ついているのですが、どうも情けないことについてきません。
    私達の年代は、科学=戦争の厭な思い出が多いせいか、元技術者や科学
   者であっても、パソコンとネットができればいゝやで止まってしまう人が
   多い。
    「今、科学が面白い」と説明しても、頭では分かっているようですが、
   面倒くさいのでしょうか、動きません。
    今の高校生は幸せですね。サイエンス・キャンプなんてわくわくします
   ね。65年若がえらないと・・・。
  
  ■ ケアンズ自然写真通信 ■<豪州の井上さんから>
  
    今週は、ケアンズ通信の番外編。
    ノーザンテリトリー州(豪州の北西部)にあるカカドゥ国立公園の写真
   をお届けします。
    ケアンズとは時差も30分あり、国内とはいえ、海外旅行の感覚です。
                                  梨紗
  
    ケアンズ自然写真通信の写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/australia/105/105.htm
    を見て下さい。
  
  
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  ◇◇ 【担当者より】                       ◇◇
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
  
  ■ 我が社の誇る技術 ■
  
    本誌創刊から2年が過ぎ、本号から3年目に入ります。本誌の配信数も
   4,500を超すまでになりました。
    3年目を契機に、新しく、日本をリードしてきた産業界の技術を分かり
   やすくご紹介するため、「我が社の誇る技術」の連載を開始することとし
   ました。最初のご紹介は、科学技術館の運営等に多大なご協力を得ている
   東京電力(株)です。以降、順次、ご協力会社の技術を紹介することとし
   ます。
    乞う、ご期待!
  
  ■ 科学・技術よもやま話 ■
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバーを作成しました。記事の後
   に掲載しましたのでご覧下さい。
  
                         (企画広報室 大西茂)
  
  
    お読みいただいた感想や、科学技術館に対する思い出、展示等の質問な
   ど皆様からのメールをお待ちしております。
     E-mail :mlmaster@jsf.or.jp
  
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    皆様のご来館をお待ちしております。
  
  
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