科学技術館メールマガジン バックナンバー


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     科学技術館 メールマガジン 第106号  2006/11/8発行
  
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   こんにちは。科学技術館です。
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧下さい。
  
   本号の配信数 4,514人。
  
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   ≪ 今号の目次 ≫
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   ◆ 【1】科学・技術よもやま話
   ◆ 【2】我が社の誇る技術
   ◆ 【3】自然との出会い
   ◆ 【4】科学の本の紹介
   ◆ 【5】科学技術館トピックス
   ◆ 【6】お知らせ
   ◆ 【7】戦後、日本を支えた100人の技術者
   ◆ 【8】サイエンスキャンプ
   ◆ 【9】他館の紹介
   ◆ 【10】読者からのお便り
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  ◆◆ 【1】科学・技術よもやま話                 ◆◆
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  ■ 噴煙立つ富士山 ■
  
    田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪はふりつつ
  
    これは小倉百人一首におさめられた山辺赤人の和歌です。この歌を読ん
   でみなさんはどんな富士山の姿を想像するでしょうか?
    赤人は生没年不詳ですが8世紀前半に生きていた人物です。同時代の万
   葉集には富士山の噴煙の様子を詠んだ歌がおさめられています。恋の炎が
   燃え上がる様子を富士山の噴煙にたとえていたようです。
    今から300年前の1707年には宝永の大噴火が起こりました。江戸
   時代の前期の頃です。富士山東側の中腹に見える盛り上がりが宝永火口で
   す。相当はげしい噴火だったらしく東京付近で15センチ、山麓の御殿場
   市付近では100センチもの火山灰などの火山噴出物が降り積もったそう
   です。
    これ以外にも何回もの活発な活動を経たために赤人が見た富士山と私た
   ちが見ている富士山はわずかばかりその姿が違っています。気になるのは
   今後さらに姿を変えるかどうかということでしょう。
    富士山は宝永噴火以来大きな活動をしていません。しかし、数万年以上
   の寿命を持つと考えられる富士山の300年という時間は人間の寿命80
   年にたとえるならわずか半年にすぎません。長い休暇中という程度の時間
   しか過ぎていないのです。
    この先富士山がどういう噴火をするのかはわかりません。宝永噴火のよ
   うに最初に爆発的な噴火をして火山灰をまき散らすのか、青木ケ原の地形
   を作った溶岩のように”比較的”おだやかな噴火になるのか起こってみな
   いとわかりません。
    いずれにしても、何らかの前兆現象が起こると考えられています。もち
   ろん備えは必要ですが「富士山噴火!」というような未確認の情報に惑わ
   されるような心配の仕方は考えものです。
  
  (参考)
   ・つじよしのぶ著「富士山の噴火 万葉集から現代まで」築地書館
    (1992)
   ・日本火山学会ホームページ「火山学者に聞いてみよう」
    http://wwwsoc.nii.ac.jp/kazan/J/QA/topic/topicindex.html
   ・静岡大学教育学部総合科学教室「富士山歴史噴火総解説」
    http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Fuji/fujid/0index.html
  
                     (科学技術館事業部 加藤智之)
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバーは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【2】我が社の誇る技術  〜東京電力(株)〜        ◆◆
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  ■ (2)電気をつくる技術 ■
  
    みなさんは、暮らしの中で使う電気がどのような方法でつくられている
   かご存知ですか? 日本では、かつて石油を焚く火力発電で7割以上の電
   気をつくっていた時代がありました。エネルギー資源の乏しい日本は、こ
   れらを海外からの輸入に頼っていますが、必要とする電気を安定的につく
   るには、一つのエネルギー資源に頼らないことが重要です。現在では、石
   油以外にも液化天然ガス(LNG)や石炭などを焚く火力発電や原子力発
   電、水力発電をバランスよく組み合わせ、電気をつくっています。また、
   太陽光や風力などの輸入に頼らない自然エネルギーの利用も増やしていま
   す。
    日本の電気の3割をつくっている原子力発電は、燃料をリサイクルでき
   ることから、エネルギー資源の乏しい日本にとって重要と考えられていま
   す。電気をつくる過程でCO2を排出しないので、地球温暖化防止にも貢
   献する方法です。
    一方、埋蔵量が約190年と最も長い石炭を使って効率良く電気をつく
   る取り組みが始まっています。石炭をガス化する石炭ガス化複合発電(I
   GCC)は、同じ石炭の量で従来よりもたくさんの電気がつくれ、環境に
   もやさしい方法です。福島県いわき市の勿来(なこそ)で実用化に向けた
   取り組みが進められています。
    将来にわたって暮らしをささえる電気をつくり続けるため、他にも様々
   な技術開発をたゆまず行っています。
  
    主要国の電源別発電電力量の構成比は
    http://www.fepc.or.jp/thumbnail/zumen/4-06.html を見て下さい。
  
    日本の太陽光発電・風力発電の導入量は
    http://www.fepc.or.jp/env/new/004.html を見て下さい。
  
    原子力に関するクイズに挑戦してみよう!
    http://www.tepco.co.jp/nuclear/quiz/aq-top-j.html
  
    世界のエネルギー資源確認埋蔵量は
    http://www.fepc.or.jp/thumbnail/zumen/1-05.html を見て下さい。
  
    IGCCの詳しい解説は
    http://www.ccpower.co.jp/ を見て下さい。
  
                      (東京電力(株)開発計画部)
  
  
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  ◆◆ 【3】自然との出会い                    ◆◆
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  ■ 散歩の折に出会った虫たち ■
  
    秋もすっかり深まり、出会える虫の姿も少なくなりました。
    近くの畑や野を散歩しながら、ちょっと気をつけて観察すると、それで
   もいろいろな虫が見つかりました。
    畑の葉についていたいも虫、クモの巣にかかったアカトンボ、庭のカエ
   デの木でみつけた毛虫やまゆ。網戸にとまって日光浴をしている、ルリ色
   の帯の美しいルリタテハ(蝶)などです。みなさんも散歩の折にちょっと
   気をつけて観察するといろいろな発見があるでしょう。
  
    「散歩の折に出会った虫たち」の写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/s042.html を見て下さい。
  
                   (サイエンス友の会講師 松田邦雄)
  
  
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  ◆◆ 【4】科学の本の紹介                    ◆◆
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   ※ 本欄で紹介された本は、科学技術館2階サイエンスライブラリー「し
    らべ学習コーナー」で閲覧できます。
  
  ■ 『まるごと どんぐり』 ■
    草土文化社/大滝玲子 どんぐりクラブ 作/ 1998年9月
  
    ドングリを拾うのって楽しい! 時間を忘れ、ビニールいっぱいになっ
   たドングリ。家に持ち帰ってそのままに・・・。それは、もったいない!!
    この本は、そのドングリをまるごと楽しむ方法を教えてくれます。ドン
   グリを使ってこんなに楽しい事ができますよ。そうさそってくれます。
   リース、カレンダー、アクセサリーなどドングリの工作のコツと作り方。
   ドングリを使ったおもちゃ、コマやヤジロベエなどの作り方と遊び方。そ
   して、ドングリで毛糸や布を染める方法。ドングリで染めた毛糸や布の色
   は、なんとも豊かな色合いです。
    そして、最後は、ドングリの食べ方、ダンゴ、豆腐、クッキー・・どれ
   もおいしそうです。
    この本と一緒に、ドングリの手触り、形、色、味・・・そのすべてを楽
   しんでください。可愛くて、わかりやすいイラストが、その手助けをして
   くれます。
  
    この本の表紙は
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/6shokubutsu/marugotodonguri/marugotodonguri.html
    を見て下さい。
  
    科学読物研究会については
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/ を見て下さい。
  
                     (科学読物研究会 菅原由美子)
  
  
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  ◆◆ 【5】科学技術館トピックス                 ◆◆
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  ■ 「放射線 見て 測って 考えてみよう!」参加者募集 ■
  
    児童生徒をはじめ、あらゆる世代の方々を対象に“放射線一日体験教室”
   「放射線 見て 測って 考えてみよう!」を開催しています。
  
    これは文部科学省の委託事業として日本科学技術振興財団が実施するセ
   ミナーで、私たちの身近にありながら通常は見ることができない放射線の
   存在について楽しい実験や観察を通して理解を深めていただくものです。
    次回開催は11月18日(土)です。奮ってご参加下さい。
  
    開催日、申込み方法、お問い合わせ等、詳しくは、
    http://hoshasen.jsf.or.jp/ を見て下さい。
  
  ■ 今週のユニバース ■
  
    科学ライブショー「ユニバース」では、コンピュータシミュレーション
   による太陽系や宇宙の話題をお届けしています。
    また第2・第4土曜日にはシカゴ大学ヤーキス天文台との、ライブ天体
   観測コーナーがあります。都合によりコーナーを変更することもあります
   ので、ご了承ください。
  
    ゲスト:柳瀬 亘さん(東京大学)
  
    今後の予定は
    http://universe.chimons.org/jsf/ を見て下さい。
  
    ライブショーの毎回の上演の様子は、『週刊ユニバース』
    http://universe.chimons.org/weekly/ を見てください。
  
  
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  ◆◆ 【6】お知らせ                       ◆◆
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  ■ 高校生のための2泊3日の先進的科学技術体験合宿プログラム
  「ウインター・サイエンスキャンプ’06−’07」参加者の募集 ■
  
    ウインター・サイエンスキャンプは、最先端の研究施設で先進的な研究
   テーマに取り組む大学・公的研究機関・民間企業の研究所が、冬休みの3
   日間高校生を受け入れて、様々な分野の研究開発の第一線で活躍する研究
   者・技術者が直接指導を行う、実験や実習を主体とした科学技術体験合宿
   プログラムです。参加申込書・募集要項は、Webサイトでダウンロード
   するか、事務局までお問い合わせ下さい。
  
    開 催 日:2006年12月23日〜2007年1月7日の
         期間中の2泊3日
    会  場:大学、公的研究機関、民間企業、博物館(12会場)
    定  員:受け入れ会場ごとに8〜20名(合計162名)
         ※前回応募倍率:約2倍
    参 加 費:10,000円(自宅から会場までの交通費は自己負担。
                 宿舎・食事は用意します)
    応募締切:2006年11月16日(木)必着
    問合せ先:サイエンスキャンプ事務局 ( camp@jsf.or.jp )
  
    詳しくは http://ppd.jsf.or.jp/camp/ を見て下さい。
  
  
  ■ 第6回科学教育ボランティア研究大会 ■
  
    科学教育ボランティア研究大会は,実験教室等の科学教育ボランティア
   活動についてその目的や方法,思いや期待,理想と現状,成功や失敗の経
   験を話し合い,今後の発展につなげていくとともに参加者同志互いの親睦
   を深めようという集まりです
    今年も第6回大会を京都で12月9日(土),10日(日)に開催しま
   す。
    今年のテーマは,
   『めざせ!100万人ボランティア 〜広げよう,科学教育ボランティア
   の輪 伝えよう,すべての人々に科学の楽しさを〜』です。
  
    主催:科学教育ボランティア研究大会実行委員会
    後援:科学技術館 他
  
    詳しい案内と参加受付は次のWebページをご覧ください。
    http://www2.hamajima.co.jp/~sevrc/
  
  ■ 「エネルギーかるた」大会開催 ■
  
    今週の11/12(日)香川大学教育学部(香川県高松市)で四国大会
   が開催されます。
  
   =中国大会(11/18)参加者募集中!=
  
    エネルギーかるた実行委員会(財団法人日本科学技術振興財団・電気事
   業連合会)では、読み札を公募して作ったオリジナルの“エネルギーかる
   た”を使って、「エネルギーかるた大会」を実施します。
    「青少年のための科学の祭典」関連のイベントとして昨年ご好評いただ
   き、今年で2年目を迎えます。
    伝統の遊び「かるた」を通じて、楽しみながらエネルギーに親しむこと
   で、科学やエネルギーについての理解が自然と深まります。
    「エネルギーかるた」(実行委員会制作オリジナル・非売品)を使用。
  
   ●実施予定の地域
    ○四国  11月12日(日) 香川(香川大学教育学部)
    ○中国  11月18日(土) 倉敷(ライフパーク倉敷)
    ○九州  12月 2日(土) 垂水(キララドームたるみず)
  
    応募方法など詳しくは http://www.e-karuta.jp を見て下さい。
  
  ■ 「第17回英国科学実験講座」テレビ放映のお知らせ ■
  
    今年2006年夏に開催された「第17回英国科学実験講座 クリスマ
   ス・レクチャー2006」を収録した番組が、10月から11月にかけて、
   サイエンスチャンネルで放映されています。
    今年のテーマは「食物の秘密」。2000年から2005年まで、英国
   の食品安全基準庁の初代長官をつとめたジョン・クレブス卿が、人の味覚
   の謎と背景、体内での消化や人体に与える影響、食物の安全性や危険性、
   将来の食糧問題などについて、実験の数々を交えながら、わかりやすく講
   演しました。
    是非、この機会にご覧下さい。
  
    主 催:読売新聞社、ブリティッシュ・カウンシル
    協 力:国立科学博物館、科学技術館
  
    サイエンスチャンネル(スカイパーフェクTV!765ch)番組放映
  
            【放送予定日】      【再放送予定日】
           16:00〜16:45  17:00〜17:45
    レクチャー1) 10月 7日(土)(済) 10月14日(土)(済)
    レクチャー2) 10月21日(土)(済) 10月28日(土)(済)
    レクチャー3) 11月 4日(土)(済) 11月11日(土)
    レクチャー4) 11月18日(土)    11月25日(土)
  
    ケーブルテレビをご利用の方は、各CATV局にお問い合わせ下さい。
  
   ※本放送終了後も、サイエンスチャンネルのホームページ
    http://sc-smn.jst.go.jp/ から、インターネット放送でご覧いただけ
    ます。
   ※同サイトから、2003年〜2005年に開催された過去のレクチャー
   の模様も、インターネットで視聴できます(「英国科学実験講座」の番組
   名で検索して下さい。)
  
  ■ ハンドブック「散歩のおとも〜」の「秋・冬の巻」出版! ■
  
    好評を得ている、ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然〜」
   の「秋・冬の巻」が完成し、「春の巻」「夏の巻」「秋・冬の巻」と3巻
   で完結することとなりました。
  
    このハンドブックは、2004年11月の本メルマガ創刊以来連載し、
   好評を得てきた「北の丸公園の自然」を冊子としてまとめたものです。
   「草木編」と「動物編」の2冊で、カラー印刷のきれいな写真を満載して
   います。価格はそれぞれ1冊200円です。
  
    ハンドブックの表紙及びお求め方法は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm を見て下さい。
  
  ■ インターネット割引券 ■
  
    必要事項を記入のうえ持参していただくと、団体料金にて割引入館でき
   ます。
  
    詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/discount/index.html
    を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【7】戦後、日本を支えた100人の技術者          ◆◆
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    本コーナーでご紹介する技術者は、(社)日本機械工業連合会/(社)
   研究産業協会『100の技術者"魂"―あの製品はこうして生まれた―』に
   登場された方々で、(社)研究産業協会様のご協力を得、本の執筆にあた
   られた方々に、分担してご紹介していきます。
  
  ■ NMR(核磁気共鳴装置の開発) 小中敏康(こなか としやす) ■
  
    小中さんは、昭和26年に北大の工学部電気工学科に入学した。浅見義
   弘教授の下で電気、エレクトロン、通信に関係すること全てを学習した。
   卒業後は、恩師の薦めで日本電子光学研究所(後の日本電子)へ就職した
   が、風戸社長は新入社員としての小中さんの実力を認識していたので、電
   子顕微鏡に次いで第2の柱となるべきNMR(核磁気共鳴装置)の新たな
   技術開発を小中さんに託した。
    「核磁気共鳴」とは磁場の中に置かれた原子核が特定の周波数の電波に
   共鳴して電波を吸収あるいは放出する現象である。この電波を捉えて、原
   子核周辺のミクロの観察をする装置がNMR(核磁気共鳴装置)であり、
   たんぱく質の立体構造解析や有機化合物の分子構造の決定には不可欠であ
   る。NMRは米国バリアン社において1951年頃装置の開発、商品化が
   先行した。日本では、1955年に小中さんらにより日本電子(株)にお
   いて国産初のNMRが開発され、商品化されるに至った。「バリアンを追
   い越せ」の目標を掲げ、小中さんは従来のNMRより感度が10倍以上も
   向上したパルスフーリエ変換型NMRの開発に尽力した。これは共鳴高周
   波をパルス状に与えて、瞬時に観測領域のNMR信号を得る方法である。
   この開発にあたっては、著名なアメリカ人科学者をコンサルタントに採用
   し、アメリカ支店の技術者との共同開発を通じ、社内の技術者を育成した。
   この技術開発の成功が、日本の科学技術向上及び社会への発展に貢献して
   いる。
  
    参考:
    (1)「初歩から学ぶNMRの基礎と応用(竹内敬人著、朝倉書店)の
    付録」が日本電子DATUM社のWEBに公開されています。絵とアニ
    メーションで説明されています。
    http://www.datum.jeol.co.jp/goods_info/analytical/nmr-textbook/index.html
  
    (2)日本電子(株)のサイトにNMRの写真が掲載されています。
    http://www.jeol.co.jp/products/product/jnm-eca-series/index.htm
  
    執筆者:宇野 隆幸 元イノベーション創出環境整備委員会 委員
  
    (社)研究産業協会 http://www.jria.or.jp/w/
  
  
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  ◆◆ 【8】サイエンスキャンプ                  ◆◆
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    「サマー・サイエンスキャンプ 2006」の33会場で行われたキャ
   ンプを順次紹介しています。
    今回紹介する会場は「独立行政法人 物質・材料研究機構」と「独立行
   政法人 防災科学技術研究所」です。
  
  ■ 色々な物質・材料に触れてみよう ■
  
    「独立行政法人 物質・材料研究機構」では、2006年7月26日
   (水)〜7月28日(金)の2泊3日で開催され、北は北海道から南は宮
   崎県までの14名(男9名、女5名、1年生1名、2年生5名、3年生8
   名)の高校生、高等専門学校生が参加しました。
  
    自動車や橋、ビルなどに使用される構造材料、窓ガラスや調理器具など
   に使用されるセラミックスといった「材料」は生活する上でなくてはなら
   ない物です。様々な「材料」の特性を調べたり、構造を観察して理解を深
   めました。
    科学技術館でコンクリートなどの構造材料について知りたい人は、4階
   のF室「建設館」の「建物をつくる−いろいろなコンクリート」をご覧下
   さい。
  
    体験写真・感想等は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/science/106/106_1.htm
    を見て下さい。
  
    キャンプ会場については、
    「独立行政法人 物質・材料研究機構」
    http://www.nims.go.jp/ を見て下さい。
  
  ■ 自然災害が発生するメカニズムを学ぼう ■
  
    「独立行政法人 防災科学技術研究所」では、2006年7月25日
   (火)〜7月27日(木)の2泊3日で開催され、北は岩手県から南は沖
   縄県までの15名(男9名、女6名、1年生3名、2年生10名、3年生
   2名)の高校生が参加しました。
    防災科学技術研究所では、地震・火山噴火・地すべり・雪氷などの災害
   から人命を守り、災害の教訓を活かして、災害に強い社会の実現を目指す
   ための様々な研究に取り組んでいます。今回のキャンプでは、最先端の研
   究に携わっている研究員の話や楽しい実験を通して、自然災害が発生する
   メカニズムなどを学びました。
    科学技術館で地震について色々知りたい人は4階F室「建設館」の「地
   震からまもる−地震の力から建物をまもる」をご覧下さい。また、「地震
   と建物」などのワークショップも開催しています。
  
    体験写真・感想等は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/science/106/106_2.htm
    を見て下さい。
  
    キャンプ会場については、
    「独立行政法人 防災科学技術研究所」
    http://www.bosai.go.jp/ を見て下さい。
  
    サイエンスキャンプについては
    http://ppd.jsf.or.jp/camp/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【9】他館の紹介                      ◆◆
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  ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
    所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)では10月15日〜12月10日
   を会期として、秋の特別展「現代日本を支えるエアカーゴ〜航空貨物輸送
   の歴史と役割〜」を開催しています。航空貨物輸送の歴史と多彩な貨物輸
   送の実情を紹介しています。参加費無料の公開講座は、11月18日「パ
   イロット、グランドハンドリングから見た航空貨物」です。講座の参加者
   を募集しています。
    大型映像館では、大型映像フェスティバルを10月28日〜11月12
   日の間、開催しています。「ベアーズ 魔法を持った熊たち」と「愛と勇
   気の翼」の二本立てとなります。
    また、11月14日は「埼玉県民の日」につき入館料が無料になります。
  
    詳しくは、 http://tam-web.jsf.or.jp/ を見て下さい。
  
  ■ 船の科学館 ■
  
    本年は、わが国が南極観測を開始して50周年となる記念すべき年です。
   船の科学館ではこの記念すべき年にちなんで、当館で保存・公開している
   ”宗谷”及び当時の貴重な南極観測に関係する資料を展示、紹介いたしま
   す。
    また、50年前の11月8日、”宗谷”が初めて南極へ向かった忘れる
   ことのできない歴史的出航シーンを”宗谷”桟橋、船上にて再現いたしま
   す。
  
   ○企画展「南極観測 いま・むかし物語」
     開催期間:平成18年11月8日(水)〜平成19年2月25日(日)
     開催場所:船の科学館 3階 マリタイムサルーン
   ○海・船セミナー2006「国境のない大陸への挑戦」
     開催場所:元青函連絡船”羊蹄丸”内アドミラルホール
     開 催 日:平成18年11月19日(日)、25日(土)
               12月2日(土)、9日(土)
      ※開催日によって、テーマ及び時間が異なります。
      ※11月25日(土)のみ会場は、船の科学館 オーロラホールで
       す。
  
     詳しくは、船の科学館ホームページ
     http://www.funenokagakukan.or.jp/ をご覧ください。
  
  
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  ◆◆ 【10】読者からのお便り                  ◆◆
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  ■ ケアンズ自然写真通信 ■<豪州の井上さんから>
  
    こんにちは。
    暑い…、ケアンズは北風に変わって夏になったようです。
    夜も寝苦しくなりました。
    汗をかいたらプールに飛び込む、そんな季節です。
    先週に引き続き「カカドゥ」の写真をお届けします。      梨紗
  
    ケアンズ自然写真通信の写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/australia/106/106.htm
    を見て下さい。
  
  
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  ◇◇ 【担当者より】                       ◇◇
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  ■ むつ科学技術館 ■
  
    11月3日の文化の日を含む連休に青森に遊びに行って来ました。観光
   のついでにむつ科学技術館に立ち寄りました。
    むつ科学技術館は、平成8年7月20日オープンした科学館で、日本初
   の原子動力実験船「むつ」の誕生から解役までの歴史を知ることができま
   す。また、むつ湾の魚について学べる展示やアメリカの科学館で開発され
   た科学体験展示も多数あり、大人から子どもまで楽しめます。
    なお、科学技術館はむつ科学技術館の展示の設計や製作等に関わりまし
   た。
    帰りに本州最北端の大間に行き、大間のマグロを食べてきました。話だ
   けでごめんなさい。
  
                         (企画広報室 大西茂)
  
  
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