科学技術館メールマガジン バックナンバー


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     科学技術館 メールマガジン 第107号  2006/11/15発行
  
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   こんにちは。科学技術館です。
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧下さい。
  
   本号の配信数 4,544人。
  
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   ≪ 今号の目次 ≫
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   ◆ 【1】科学・技術よもやま話
   ◆ 【2】我が社の誇る技術
   ◆ 【3】自然との出会い
   ◆ 【4】科学の本の紹介
   ◆ 【5】科学技術館トピックス
   ◆ 【6】お知らせ
   ◆ 【7】戦後、日本を支えた100人の技術者
   ◆ 【8】サイエンスキャンプ
   ◆ 【9】他館の紹介
   ◆ 【10】読者からのお便り
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  ◆◆ 【1】科学・技術よもやま話                 ◆◆
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  ■ 竜巻とつむじ風 ■
  
    11月初めまでの暖かな今年の秋も、寒冷前線が通過して気温が下がっ
   て来ました。この前線にともなった強い竜巻が北海道で発生しました。積
   乱雲の大きなセルの雲底部が旋回を始め、大きな漏斗上の渦となって地面
   に達したのが竜巻と考えられています。
  
    科学技術館5階のワークスに竜巻装置が置かれ、竜巻発生の学習に利用
   されています。竜巻についてあるTVからの取材があり、TVレポーター
   にこの装置を使って発生のメカニズムを解説したのを思い出します。
    この装置は、上部についているファンと横から吹き出る空気によって、
   渦状の空気の流れをつくります(竜巻になった状態)。そこに、下部から
   霧を放出することで、その空気の流れを観察できるようになっています。
  
   この装置については、
   http://www.jsf.or.jp/exhibit/floor/5/5i/#entry-251 をご覧ください。
  
    一方、竜巻と似て、大きな渦が上昇する現象にはつむじ風があります。
   これは強く熱せられた空気が軽くなって急激に上昇を開始し、地上の土ぼ
   こりを上空まで巻き上げる大きな空気柱です。この熱旋風は乾燥地帯に多
   く見られます。かつてオーストラリアのキャンベラ大学で気象の調査をし
   た時、周りをいくつもの大旋風に取り巻かれ、恐い思いをしました。この
   熱旋風には大正関東大地震で何万人もの焼死者を出した火災旋風が有名で
   す。
  
    熱旋風と竜巻は同じ空気の渦ですが、竜巻は上空の雲とつながり、たく
   さんの水蒸気を凝結させながら大きな勢力を持ち続け、強い風で地上のも
   のを破壊します。ある時、海岸の鉄筋コンクリートの建物の中で小型の竜
   巻を体験しましたが、突然の轟音で、一瞬何が起こったのか分かりません
   でした。木造プレハブだったら間違いなく飛ばされていました。地球の温
   暖化で、日本でも竜巻が勢力を増してくるようなことの無いことを祈りま
   す。
  
            (建設館担当、友の会「気象講座」講師 阿部頼之)
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバーは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【2】我が社の誇る技術  〜東京電力(株)〜        ◆◆
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  ■ (3)電気をおくる技術 ■
  
    日本では96%の燃料が輸入ですので、多くの発電所が港に作られてい
   ます。
    発電所でつくられた電気は、大都市などの使う場所へどのようにして運
   ばれると思いますか?
    電気には高い電圧で送ると損失が少なく効率が良いという性質がありま
   す。そのため、発電されると高いもので50万ボルトまで電圧を上げて、
   発電所から遠く離れた需要地まで運び、使う場所の近くの変電所で電圧を
   下げて分配されます。この電圧は将来を見据えて100万ボルトまで上げ
   る技術も開発されています。
  
    送電線は空気で電気を絶縁しているため、コストは安くできますが広い
   スペースが必要です。そのため、鉄塔にがいしをつけて地面から十分離し
   たところに電線を張っています。電圧を高くすると、絶縁を確保するため
   に、設備は大きくなり色々と解決すべき課題がでてきますが、その都度技
   術開発を行いできる限りコンパクトな設備をつくっています。
    送電線にとって大きな問題の一つに雷があります。雷は非常に大きな電
   圧と電流を持っているため、上手にそのエネルギーを大地に逃がす必要が
   あります。そこで、酸化亜鉛という物質の「普通の電圧では電気を通さず、
   雷のような非常に大きな電圧のときに電気を流す」という性質を利用した
   避雷器が使われています。
  
    それでは、スペースが少ない都市部ではどのようにしているのでしょう
   か?
    都市部では地中送電線が使われます。地中送電線はコストが高くつきま
   すが、通常の送電線に比べ、道路の下などとても小さなスペースで送電す
   ることができます。
    極めて狭い空間で高電圧を維持するためには空気ではなく、油や架橋ポ
   リエチレンで絶縁したケーブルが用いられます。
  
    変電所の最も大きな役割は、電圧を変えることですが、電気事故などが
   発生したときに、全体の電力系統が停電しないようにその原因の周辺を即
   座に切り離したり、電気の質を維持するという重要な役割ももっています。
   変電所には大小いろいろありますが、町の電柱には6,600V(東京電
   力)まで電圧を下げて送られ、最終的には、電柱の上にある変圧器で10
   0Vや200Vの電圧まで下げてみなさんの元へ届けられています。
    スペースが少ない都市部では、送電線と同様に地下に変電所を設置する
   こともあります。
    お寺やビルの地下に大きな変電所があるところもあります。
  
    ところで、超電導という現象を知っていますか?普通の電線は電気を流
   すには抵抗がありますが、ある温度まで冷やすと抵抗がゼロになる現象で
   す。この超電導を使った未来の技術として超電導ケーブルがあり、通常1
   平方センチメートルの銅線に流せる電流が100A程度のところ30,000
   〜50,000A流すことができる超電導ケーブルの研究も進んでいて、
   未来の送電技術として期待されています。
  
    もっと詳しい内容は、大学生のための「インターネット電力講座」をご
   参考ください。
  
    電力設備の概要について
    http://www.tepco.co.jp/kouza/gaiyou/gaiyou-j.html
  
    超電導ケーブルについて
    http://www.tepco.co.jp/kouza/super/super-j.html
  
                      (東京電力(株)開発計画部)
  
  
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  ◆◆ 【3】自然との出会い                    ◆◆
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  ■ 晩秋に見られる草木の花と実との出会いから ■
  
    晩秋となりました。2年間余り続けて参りました「北の丸公園の自然」
   シリーズでの草木紹介に区切りをつけ、本号からは「自然との出会い」シ
   リーズに合流して、北の丸公園に見られなかった草木を、その時期に合わ
   せて取り上げてまいります。
    今回からご紹介する草木は、お隣の東御苑を中心にしながら、周辺の町
   三番町の街角・木場公園等とエリアを広げながら、そこで出会った身近な
   ものにしようと思っています。
    さて、何処で、どのような草木に出会えるでしょうか。楽しみにしてい
   ます。ご期待ください。
  
    「晩秋に見られる草木の花と実との出会いから」の写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/s043.html を見て下さい。
  
                   (サイエンス友の会講師 永井昭三)
  
  
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  ◆◆ 【4】科学の本の紹介                    ◆◆
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   ※ 本欄で紹介された本は、科学技術館2階サイエンスライブラリー「し
    らべ学習コーナー」で閲覧できます。
  
  ■ 『どんぐりノート』 ■
    文化出版局/いわさゆうこ 大滝玲子 作/1995年10月
  
    あなたのひろったどんぐりはどんな形? どんぐりは、1種類ではあり
   ません。丸いもの、角ばっているもの、こい色、うすい色、しましまのも
   の、日本には約20種あるそうです。この本では、外国のどんぐりも含め
   て、23種のどんぐりが1ページにだいたい1つずつ紹介されています。
    「このどんぐりの名前は?」と思ったら、この本を広げてください。そ
   れぞれのページには、どんぐりと、どんぐりが入っているおわんのような
   形の「殻斗・がくと」と樹の形が絵で、葉と幹が写真で紹介されています。
   名前の意味や、自生地、特徴もわかりやすく書いてあります。見分けにく
   いクヌギとアベマキは、見開きのページで紹介されていて、比べやすく工
   夫されています。
    そのほかに、「作ってみよう」のページでは、リースやのれん、笛、そ
   ろばん、ゲーム、それにまくらや、足ぶみ器までのっています。「食べて
   みよう」のページには、炊き込みご飯、だんご、チップス、クッキー、と
   うふなどが紹介されています。
    我が家では、シイのみのから煎りとせんべいを試してみました。秋の香
   りがいっぱい詰まったおやつになりました。かわいらしいイラストのこの
   本を楽しみながら、みなさんもおいしいおやつをほおばってみませんか?
  
    この本の表紙は
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/6shokubutsu/dongurinote/dongurinote.html
    を見て下さい。
  
    科学読物研究会については
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/ を見て下さい。
  
                     (科学読物研究会 坂口美佳子)
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバーは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【5】科学技術館トピックス                 ◆◆
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  ■ 「放射線 見て 測って 考えてみよう!」参加者募集 ■
  
    児童生徒をはじめ、あらゆる世代の方々を対象に“放射線一日体験教室”
   「放射線 見て 測って 考えてみよう!」を開催しています。
  
    これは文部科学省の委託事業として日本科学技術振興財団が実施するセ
   ミナーで、私たちの身近にありながら通常は見ることができない放射線の
   存在について楽しい実験や観察を通して理解を深めていただくものです。
    次回開催は11月18日(土)です。奮ってご参加下さい。
  
    開催日、申込み方法、お問い合わせ等、詳しくは、
    http://hoshasen.jsf.or.jp/ を見て下さい。
  
  ■ 今週のユニバース ■
  
    科学ライブショー「ユニバース」では、コンピュータシミュレーション
   を使って、太陽系や宇宙の話題を中心に、科学の最新の話題をお届けして
   います。
    今週は、どんな科学のトピックスがあるでしょうか?
    案内役のお話を聞きながら、新着の科学のニュースも楽しんでみません
   か?
  
    案内役:矢治 健太郎さん(立教大学)
    ゲスト:中村 理さん(早稲田大学)
  
    今後の予定は
    http://universe.chimons.org/jsf/ を見て下さい。
  
    ライブショーの毎回の上演の様子は、『週刊ユニバース』
    http://universe.chimons.org/weekly/ を見てください。
  
  
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  ◆◆ 【6】お知らせ                       ◆◆
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  ■ 第6回科学教育ボランティア研究大会 ■
  
    科学教育ボランティア研究大会は,実験教室等の科学教育ボランティア
   活動についてその目的や方法,思いや期待,理想と現状,成功や失敗の経
   験を話し合い,今後の発展につなげていくとともに参加者同志互いの親睦
   を深めようという集まりです
    今年も第6回大会を京都で12月9日(土),10日(日)に開催しま
   す。
    今年のテーマは,
   『めざせ!100万人ボランティア 〜広げよう,科学教育ボランティア
   の輪 伝えよう,すべての人々に科学の楽しさを〜』です。
  
    主催:科学教育ボランティア研究大会実行委員会
    後援:科学技術館 他
  
    詳しい案内と参加受付は次のWebページをご覧ください。
    http://www2.hamajima.co.jp/~sevrc/
  
  ■ 青少年のための科学の祭典 大阪特別大会 ■
  
    11/18(土)〜19(日)は「青少年のための科学の祭典 大阪特
   別大会」が実施されます。
  
    楽しい実験や不思議なショーを体験できます。工作コーナーも待ってい
   ますよ。今まで気づかなかったことや、ふしぎに思っていたことがわかり
   ます。これで君もクラスの科学博士!?だね。
  
    主  催:「青少年のための科学の祭典」大阪特別大会実行委員会
         大阪市立科学館、大阪教育大学
         文部科学省
         財団法人 日本科学技術振興財団
    開催期間:平成18年11月18日(土)〜11月19日(日)2日間
    開催場所:大阪市立科学館(大阪市)
  
    詳しくは http://www.kagakunosaiten.jp/ を見て下さい。
  
  
  ■ 「エネルギーかるた」大会開催 ■
  
    今週の11/18(土)ライフパーク倉敷(岡山県倉敷市)で中国大会
   が開催されます。
  
    エネルギーかるた実行委員会(財団法人日本科学技術振興財団・電気事
   業連合会)では、読み札を公募して作ったオリジナルの“エネルギーかる
   た”を使って、「エネルギーかるた大会」を実施します。
    「青少年のための科学の祭典」関連のイベントとして昨年ご好評いただ
   き、今年で2年目を迎えます。
    伝統の遊び「かるた」を通じて、楽しみながらエネルギーに親しむこと
   で、科学やエネルギーについての理解が自然と深まります。
    「エネルギーかるた」(実行委員会制作オリジナル・非売品)を使用。
  
   ●実施予定の地域
    ○中国  11月18日(土) 倉敷(ライフパーク倉敷)
    ○九州  12月 2日(土) 垂水(キララドームたるみず)
  
    応募方法など詳しくは http://www.e-karuta.jp を見て下さい。
  
  ■ 「第17回英国科学実験講座」テレビ放映のお知らせ ■
  
    今年2006年夏に開催された「第17回英国科学実験講座 クリスマ
   ス・レクチャー2006」を収録した番組が、10月から11月にかけて、
   サイエンスチャンネルで放映されています。
    今年のテーマは「食物の秘密」。2000年から2005年まで、英国
   の食品安全基準庁の初代長官をつとめたジョン・クレブス卿が、人の味覚
   の謎と背景、体内での消化や人体に与える影響、食物の安全性や危険性、
   将来の食糧問題などについて、実験の数々を交えながら、わかりやすく講
   演しました。
    是非、この機会にご覧下さい。
  
    主 催:読売新聞社、ブリティッシュ・カウンシル
    協 力:国立科学博物館、科学技術館
  
    サイエンスチャンネル(スカイパーフェクTV!765ch)番組放映
  
            【放送予定日】      【再放送予定日】
           16:00〜16:45  17:00〜17:45
    レクチャー1) 10月 7日(土)(済) 10月14日(土)(済)
    レクチャー2) 10月21日(土)(済) 10月28日(土)(済)
    レクチャー3) 11月 4日(土)(済) 11月11日(土)(済)
    レクチャー4) 11月18日(土)    11月25日(土)
  
    ケーブルテレビをご利用の方は、各CATV局にお問い合わせ下さい。
  
   ※本放送終了後も、サイエンスチャンネルのホームページ
    http://sc-smn.jst.go.jp/ から、インターネット放送でご覧いただけ
    ます。
   ※同サイトから、2003年〜2005年に開催された過去のレクチャー
   の模様も、インターネットで視聴できます(「英国科学実験講座」の番組
   名で検索して下さい。)
  
  ■ ハンドブック「散歩のおとも〜」の「秋・冬の巻」出版! ■
  
    好評を得ている、ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然〜」
   の「秋・冬の巻」が完成し、「春の巻」「夏の巻」「秋・冬の巻」と3巻
   で完結することとなりました。
  
    このハンドブックは、2004年11月の本メルマガ創刊以来連載し、
   好評を得てきた「北の丸公園の自然」を冊子としてまとめたものです。
   「草木編」と「動物編」の2冊で、カラー印刷のきれいな写真を満載して
   います。価格はそれぞれ1冊200円です。
  
    ハンドブックの表紙及びお求め方法は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm を見て下さい。
  
  ■ インターネット割引券 ■
  
    必要事項を記入のうえ持参していただくと、団体料金にて割引入館でき
   ます。
  
    詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/discount/index.html
    を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【7】戦後、日本を支えた100人の技術者          ◆◆
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    本コーナーでご紹介する技術者は、(社)日本機械工業連合会/(社)
   研究産業協会『100の技術者"魂"―あの製品はこうして生まれた―』に
   登場された方々で、(社)研究産業協会様のご協力を得、本の執筆にあた
   られた方々に、分担してご紹介していきます。
  
  ■ 光ファイバー製造技術の開発 伊澤達夫(いざわ たつお)その1 ■
  
   <1、光通信の歴史>
  
    現在、世界のインターネット人口は約10億人、その内15%がブロー
   ドバンド利用者と言われています。これを支えているのが光ファイバーに
   よる光通信技術の成果ですが、この光ファイバーの製造技術VAD法
   (Vapor Phase Axial Deposition)の開発
   を完成させたのが、当時NTT電気通信研究所に在籍していた伊澤達夫さ
   んなのです。
    光を使って通信すると言う発想は、狼煙(のろし)通信まで遡ることが
   でき大変古いものです。しかし、近代の光通信の歴史が始まるのは、西暦
   1960年のルビーレーザの開発以降であるといえます。
    さらに光通信実現への夢が急激に膨らんだのは、1966年英国のST
   LのKao、Hockhamによって、石英ガラスを用いれば低損失光フ
   ァイバー(10dB/km以下)が実現できることを実験的に提示された
   ことです。これは世界に強い衝撃を与えます。
    何故なら、20dB/kmと言う損失値が、長距離の光ファイバー通信
   が成立するための前提条件だったからです。
    1974年日本の京都で国際ガラス会議が開催され、これ以降、光ファ
   イバー製造技術あるいは光源・方式に関する研究開発が本格化し世界各所
   の研究機関で活発な研究が開始されます。わが国においても当時の電電公
   社(現NTT)の研究グループは1976年0.46dB/kmの損失値
   を長波長帯で実現し、さらに1979年NTT通信研究所において、0.2
   dB/km(波長1.55マイクロメータ)の極低損失光ファイバーを開
   発します。
                               (つづく)
  
    執筆者:長井剛一郎
    ニック研究所(Network Information & Communication Lab.)代表
  
    (社)研究産業協会 http://www.jria.or.jp/w/
  
  
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  ◆◆ 【8】サイエンスキャンプ                  ◆◆
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    「サマー・サイエンスキャンプ 2006」の33会場で行われたキャ
   ンプを順次紹介しています。
    今回紹介する会場は「放射線医学総合研究所」と「理化学研究所」です。
  
  ■ 放射線はどこにでもあるものなの?どこで役に立っているんだろう? ■
  
    「独立行政法人 放射線医学総合研究所」では、2006年8月8日
   (火)〜8月11日(金)の3泊4日で開催され、北は岩手県から南は沖
   縄県までの20名(男5名、女15名、1年生2名、2年生11名、3年
   生7名)の高校生が参加しました。
    放射線医学総合研究所は、放射線の人体に与える影響や放射線の医学利
   用に関する研究開発を総合的に行なう我が国唯一の機関です。参加者は、
   実験や実習を主体に、放射線の基礎的なことから、最先端のがん治療に関
   する内容を学びました。
    科学技術館では2階D室「アトモス<原子力>」で、展示や演示を通し
   て放射線についてわかりやすく解説しています。(演示のスケジュールは、
   科学技術館のホームページの「ワークショップ」のページを参照してくだ
   さい)
  
    体験写真・感想等は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/science/107/107_1.htm
    を見て下さい。
  
    キャンプ会場については、
    「独立行政法人放射線医学総合研究所」
    http://www.nirs.go.jp/ を見て下さい。
  
  ■ 細胞を科学してみよう!〜育てる・測る・考える〜 ■
  
    「独立行政法人 理化学研究所」では、2006年7月26日(水)〜
   7月28日(金)の2泊3日で開催され、北は富山県から南は宮崎県まで
   の10名(男6名、女4名、1年生5名、2年生4名、3年生1名)の高
   校生が参加しました。
    物理学、化学、工学、生物学、医科学等、基礎から応用まで、密接な分
   野間の連携のもとに研究活動を展開している理化学研究所において、「細
   胞を科学してみよう!〜育てる・測る・考える〜」をテーマに、生物系3
   コースで最先端の研究・技術を体験しました。
    科学技術館では5階H室「ゲノム」で、生命科学をテーマとした展示を
   行なっています。
  
    体験写真・感想等は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/science/107/107_2.htm
    を見て下さい。
  
    キャンプ会場については、
    「独立行政法人理化学研究所」
    http://www.riken.jp/ を見て下さい。
  
    サイエンスキャンプについては
    http://ppd.jsf.or.jp/camp/ を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【9】他館の紹介                      ◆◆
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  ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
    所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)では10月15日〜12月10日
   を会期として、秋の特別展「現代日本を支えるエアカーゴ〜航空貨物輸送
   の歴史と役割〜」を開催しています。航空貨物輸送の歴史と多彩な貨物輸
   送の実情を紹介しています。11月18日に公開講座「パイロット、グラ
   ンドハンドリングから見た航空貨物」(参加費無料)を開催します。当日
   受付も致します。ご参加お待ちしています。
  
    詳しくは、 http://tam-web.jsf.or.jp/ を見て下さい。
  
  ■ 船の科学館 ■
  
    本年は、わが国が南極観測を開始して50周年となる記念すべき年です。
   船の科学館ではこの記念すべき年にちなんで、当館で保存・公開している
   ”宗谷”及び当時の貴重な南極観測に関係する資料を展示、紹介していま
   す。
  
   ○企画展「南極観測 いま・むかし物語」
     開催期間:平成18年11月8日(水)〜平成19年2月25日(日)
     開催場所:船の科学館 3階 マリタイムサルーン
   ○海・船セミナー2006「国境のない大陸への挑戦」
     開催場所:元青函連絡船”羊蹄丸”内アドミラルホール
     開 催 日:平成18年11月19日(日)、25日(土)
               12月2日(土)、9日(土)
      ※開催日によって、テーマ及び時間が異なります。
      ※11月25日(土)のみ会場は、船の科学館 オーロラホールで
       す。
  
     詳しくは、船の科学館ホームページ
     http://www.funenokagakukan.or.jp/ をご覧ください。
  
  
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  ◆◆ 【10】読者からのお便り                  ◆◆
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  ■ ケアンズ自然写真通信 ■<豪州の井上さんから>
  
    こんにちは。
    東京は「木枯らしいちばん」が吹いたとか!晩秋…なんですね。
    ケアンズは暑くなりましたよ〜。気温は30〜32度位ですが日差しの
   強さが物凄いんです。紫外線も日本の数倍とか。
    ケアンズの人たちは雨が降ってもあまり傘を差しませんが、暑さ除けに
   傘を差す人が増える季節です。
    わが家の周りで今、咲いている花の写真を送りますね。     梨紗
  
    ケアンズ自然写真通信の写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/australia/107/107.htm
    を見て下さい。
  
  
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  ◇◇ 【担当者より】                       ◇◇
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  ■ 企画・コンサルティング事業 ■
  
    先週の本欄でむつ科学技術館に立ち寄ったお話を書き、「科学技術館は
   むつ科学技術館の展示の設計や製作等に関わりました。」と紹介いたしま
   した。ここであらためて、科学技術館の企画・コンサルティング事業をご
   紹介いたします。
    科学技術館運営管理のノウハウを活かし、科学館等の公共・教育施設の
   コンサルテーション、企画設計から運営管理に至るまで、幅広く事業を推
   進しています。また、パビリオンの企画設計や運営管理など博覧会のプロ
   デュースや、各種イベント関連事業を推進しています。
  
    詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/ja/about/activities/plandev.html
    を見て下さい。
  
                         (企画広報室 大西茂)
  
  
    お読みいただいた感想や、科学技術館に対する思い出、展示等の質問な
   ど皆様からのメールをお待ちしております。
     E-mail :mlmaster@jsf.or.jp
  
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    皆様のご来館をお待ちしております。
  
  
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