科学技術館メールマガジン バックナンバー


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     科学技術館 メールマガジン 第124号  2007/3/14発行
  
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   こんにちは。科学技術館です。
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
  
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   本号の配信数 4,866人。
  
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   ≪ 今号の目次 ≫
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   ◆ 【1】科学・技術よもやま話
   ◆ 【2】自然との出会い
   ◆ 【3】科学の本の紹介
   ◆ 【4】科学技術館トピックス
   ◆ 【5】お知らせ
   ◆ 【6】戦後、日本を支えた100人の技術者
   ◆ 【7】サイエンスキャンプ
   ◆ 【8】他館の紹介
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  ◆◆ 【1】科学・技術よもやま話                 ◆◆
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  ■ 天下の名勝地を一変させた象潟(きさかた)地震 ■
  
    「松島は笑うがごとく、象潟はうらむがごとく」と芭蕉は奥の細道の中
   で書いています。続けて「象潟や 雨に西施が ねぶの花」という一句も
   添えています。中国の西湖にも比すこの景勝地は能因法師にも歌われてい
   ます。
  
    この象潟は日本海に面した秋田県にかほ市にあって、入江に鳥海火山か
   らの泥流が流入し、やがて松島のように岩塊群が島状に浮上し、鳥海山を
   背景に名勝地として古来、称えられて来ました。それが1804年の直下
   型の大地震によって2.4mも隆起し、一夜にして沼沢地に変わってしま
   いました。この地震は日本海側に起こるマグニチュード7程度のプレート
   関連の大きな地震と思われます。
    地震直後は取り残された海水が湖沼となって、小さな島を点在させてい
   たものと考えられますが、その後、この土地を支配していた本荘藩の土地
   政策で、干拓が進み、史跡として残そうとした人々の努力にもかかわらず、
   天然記念物として後世に残されることもなく、ほとんどが水田化されてし
   まいました。藩の財政上、農地を増やすことが、何よりも優先されてしま
   いました。
    現在、この地は田圃の中に小丘群が散在するだけの風景となり、史跡案
   内板を見つけることもなく、展望台に登って、元禄時代の当時に思いを馳
   せ、芭蕉の眺めた風景をイメージしながら一時を過ごしました。今、地図
   には旧跡を示す記号しかありませんが、もし史跡として自然が手つかずの
   状態で残されていたら、象潟町にとっては地震前の原形とは異なるもので
   も、大変な観光資源として、町の宝になっていたことは間違いないと思い
   ます。
  
   追記 過去の地震の研究に史跡地震学、史料地震学などの分野があります。
  
                 (建設館、地震演示実験担当 阿部頼之)
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバーは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【2】自然との出会い                    ◆◆
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  ■ 〜南の国の発見〜 ■
  
    日本の2月といえば、寒い冬の時期にあたりますが、赤道に近い南の国
   では一年中温かく、生き物たちも活動しています。私は今回インドネシア
   のバリ島へ行ってきました。バリ島は日本から飛行機で7時間、赤道を越
   えた南半球にあります。季節は雨季の終わり頃でしたが、私が滞在してい
   た間には雨はまったく降りませんでした。
    バリ島では日本にはない変わった形や生活をしている生き物達も多く見
   られました。私が出会った生き物達を紹介していきましょう。
  
    「〜南の国の発見〜」の写真は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/s060.html を見て下さい。
  
                    (科学技術館事業部 早武真理子)
  
  
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  ◆◆ 【3】科学の本の紹介                    ◆◆
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   ※ 本欄で紹介された本は、科学技術館2階サイエンスライブラリー「し
    らべ学習コーナー」で閲覧できます。
  
    今週から7回、工作や科学あそびの本を紹介します。実際に材料や道具
   はどれがいいの、やり方がどうもうまくいかない、こつがあるのかしらん、
   どれをやったらいいのか…など戸惑っている…そんな時助けになる本です。
  
  ■ 『工作図鑑』−作って遊ぼう!伝承創作おもちゃ ■
    木内勝 作/木内勝 田中皓也 絵/福音館書店/1988年
  
    出版から20年ですが、今も手作りおもちゃのガイドブックとして心強
   い1冊です。思い出のつまっている人も多いでしょう。工作や科学あそび
   を子どもと一緒にする人には、道具の使い方を伝えるのに便利です。
    折り紙のUFO1号、割りばし鉄ぽう、ガリガリプロペラなど170種
   ものおもちゃが、使う道具別に紹介されています。道具の使い方、難易度
   がついているのが特徴です。「手」「はさみ」「小刀」「千枚通し」「か
   なづち」「のこぎり・きり」などの項目があり、各おもちゃのイラスト、
   道具、材料、作り方、遊び方が2.3ページでまとめてあります。案外迷
   う「くっつけるもの」「定規・ものさしとコンパス」「やすり」の使い分
   けもわかります。
    道具を使いこなせるようになるとおもちゃ作りがより楽しめます。『ナ
   イフで指を切ることもあるかも知れません。しかし、一つの傷が確実にナ
   イフを使いこなすのに役立つはずです。』と著者のメッセージです。
  
    この本の表紙は
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/1nyuumon/kousakuzukan/kousakuzukan.html
    を見てください。
  
    科学読物研究会については
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/ を見て下さい。
  
                      (科学読物研究会 増本裕江)
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバーは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【4】科学技術館トピックス                 ◆◆
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  ■ 「科学技術館ナビゲーションシステム実験」参加者募集のお知らせ ■
  
    科学技術館では独立行政法人産業技術総合研究所と協力してウェアラブ
   ル機器を使った科学館学習支援システムに関する調査研究を行っています。
   このたび科学技術館で実施します「科学技術館ナビゲーションシステム実
   験」の参加者を募集しておりますので、興味のある方は問合せ先までご連
   絡ください。
  
    日  程:平成19年3月17日(土)
    午前の部:10:00−12:00 実験参加(3名)
         12:10−12:40 インタビュー(茶菓・粗品付き)
    内  容:携帯型機器を身に付けて2時間程度の科学技術館見学をして
         いただきます。その後、30分程度グループインタビューに
         お答えいただきます。
    問合せ先:jsfnavi-info@m.aist.go.jp
  
    ※午後の部は定員になりましたので、募集は締め切りました。
  
    実験イメージ等、詳しくは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/122/122.htm を見てください。
  
  ■ 今週のユニバース ■
  
    科学ライブショー「ユニバース」では、コンピュータシミュレーション
   による太陽系や宇宙の話題をお届けしています。
    また第2・第4土曜日にはシカゴ大学ヤーキス天文台との、ライブ天体
   観測コーナーがあります。
  
    案内役:矢治 健太郎(立教大学)
  
    今後の予定は
    http://universe.chimons.org/jsf/ を見て下さい。
  
    ライブショーの毎回の上演の様子は、『週刊ユニバース』
    http://universe.chimons.org/weekly/ を見てください。
  
  
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  ◆◆ 【5】お知らせ                       ◆◆
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  ■ ハンドブック「散歩のおとも〜」好評発売中! ■
  
    このハンドブックは、本メルマガ創刊より連載し、好評を得てきた「北
   の丸公園の自然」を冊子としてまとめたものです。
    「春の巻」、「夏の巻」、「秋・冬の巻」と分かれており、それぞれ
   「草木編」と「動物編」があります。
  
    ハンドブックのお求め方法は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm を見てください。
  
  ■ 科学技術館 インターネット入館割引券 ■
  
    必要事項を記入のうえ持参していただくと、団体料金にて割引入館でき
   ます。
  
    詳しくは http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/discount/index.html
    を見てください。
  
  
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  ◆◆ 【6】戦後、日本を支えた100人の技術者          ◆◆
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  ■ レーザーディスクの開発 金丸 斉(かなまる ひとし) ■
  
  <2、研究の足取り その1>
  
   芝電気からパイオニアへ
    金丸さんは九大卒業後、芝電気(株)に入社されVTRの開発に従事、
   主としてサーボ関連の研究を中心に行い努力されます。この間約10年。
   ここは産業機器の会社であったので、仕事がある時は昼・夜もない忙しい
   状態が続きました。
    その頃、パイオニアの松本社長からのお誘いの話もあり、芝電気(株)
   の閉鎖と言う事もあってパイオニアに移籍することになります。松本社長
   は今後は音声から次第に映像関係が主流になると予見され、音響部門が隆
   盛である今こそ次の開発の種を蒔く事が重要であると認識されていて、金
   丸さんを始めとして4名の技術者を芝電気(株)から移籍させたとのこと
   です。この4名と言う単位は、一応VTRの開発が出来る最小のメンバー
   でありましたが、研究開発本部に所属させました。只、VTRはすでに、
   ソニー、松下、東芝といったメーカーが先行しており、これに追いつき追
   い越すのは困難であろうと判断し、新しいものへの挑戦を考えていました。
    この4人ははじめ大森のオーディオ・チューナー、アンプ中心の工場に
   いましたが、ビデオの世界で活躍しようと言うこともあって、勤務地をオ
   ーディオ・プレーヤー、デッキ中心の所沢工場に移します。この時、新人
   やオーディオ以外のことをやりたいと考えていた人達を集め研究を開始し、
   所属は研究所の中の一部門となります。
    そして、今後の研究のテーマについて模索している時、ビデオディスク
   に出会い、この研究に打ち込むことになるのです。
  
                              (つづく)
  
    執筆者:長井剛一郎
    ニック研究所(Network Information & Communication Lab.)代表
  
    (社)研究産業協会 http://www.jria.or.jp/w/
  
  
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  ◆◆ 【7】サイエンスキャンプ                  ◆◆
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    「ウインター・サイエンスキャンプ’06−’07」の12会場で行な
   われたキャンプを順次紹介しています。
    今回紹介する会場は「神奈川工科大学 工学部( http://www.kait.jp/ )」
   です。
  
  ■ 自立型ロボットをつくろう ■
  
    「神奈川工科大学 工学部」では、2007年1月5日(金)〜7日
   (日)の2泊3日で開催され、北は北海道から南は沖縄県までの12名の
   高校生、高等専門学校生が参加しました。
    今後は社会環境や人間生活に密着し、近い将来には私たちをサポートす
   るような存在になるロボット。進化を遂げているロボットはいったいどん
   な仕組みでその機能を作り上げているのでしょうか。今回のキャンプでは、
   マイコン(小さなコンピュータ)、モータ、電子部品をもちいて自立移動
   するロボットを製作しました。また、制御プログラムも学習し、課題を攻
   略するロボットの設計と製作を行いました。この2種類のロボットの製作
   を通して、自立型ロボットの仕組みと原理を学習しました。
    科学技術館では、4階4E「NEDO−Future Scope〜未
   来のチカラがみえてくる〜」のロボットファクトリーで、ロボットが人と
   共生する姿を紹介しています。
  
    体験感想・写真等は
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/science/124/124.htm
    を見て下さい。
  
    サイエンスキャンプのバックナンバーは
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/science/s_list.htm を見て下さい。
  
  
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  ◆◆ 【8】他館の紹介                      ◆◆
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  ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
    所沢航空発祥記念館(埼玉県所沢市)では、毎月第2・第4土曜日に飛
   行機工作教室を開催しています。ほとんどが館オリジナルの手作り工作で
   す。お子様から大人の方まで参加できます。モノづくりの楽しさを是非体
   験してみて下さい。
  
    詳しくは
    http://tam-web.jsf.or.jp/cont/menu/m_info.htm を見てください。
  
   ○実験教室「たまねぎの皮を使ってハンカチ染め」
    日 時:3月21日(祝)
        1回目10:00〜12:00 2回目14:00〜16:00
    参加費:無料
    定 員:各回15名
    対 象:小学生以下(付き添い可)
    内 容:たまねぎの皮を使ってコットンハンカチを染めます。
        また、ほっかほかの簡単オニオンスープも作ります。
  
    応募方法等の詳細は、
    http://tam-web.jsf.or.jp/cont/menu/m_info.htm を見てください。
  
    2月より、インターネット割引券を再開しました。
    詳しくは
    http://tam-web.jsf.or.jp/cont/menu/m_guid.htm を見てください。
  
  ■ 船の科学館 ■
  
    船の科学館は、4月1日より毎週月曜日が休館となります。(月曜が祝
   日の場合は翌日)なお、春・夏・冬休み・ゴールデンウィークについては
   開館しております。
    また、あわせて見学料金が変更になります。
  
     詳しくは、船の科学館ホームページ
     http://www.funenokagakukan.or.jp/ を見てください。
  
  
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  ◇◇ 【担当者より】                       ◇◇
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  ■ クワガタは目覚め、人は眠る ■
  
    今年の春はやはり早く、あちこちでもうサクラが咲いているようで。
    ある昆虫館では、クワガタが2ヶ月も早く冬眠から覚めたというニュー
   スもやっていました。
    人間は「春眠暁を覚えず」というように、逆にふとんから出られなくな
   りますね。今年は1ヶ月くらい早く春眠に入りそうです。
    えっ? ふとんから出られないのはいつもなんじゃないかって?
  
                        (企画広報室 中村 隆)
  
    お読みいただいた感想や、科学技術館に対する思い出、展示等の質問な
   ど皆様からのメールをお待ちしております。
     E-mail :mlmaster@jsf.or.jp
  
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    皆様のご来館をお待ちしております。
  
  
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