科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第185号 ◆  ━
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                             >>>2008/5/28発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
  
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      ┘ 【1】 ★ 科学技術館News       ★ ┘
      ┘ 【2】 ★ 科学技術館Laboratory ★ ┘
      ┘ 【3】 ★ 科学技術館Recommends ★ ┘
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  【1】      ★ 科 学 技 術 館 News ★
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  ◆ 新着情報
  
   ■ ゲノム展示室「100兆分の1の確率に挑戦!」 ■
     挑戦者70万人達成
  
    5階FORESTのゲノム展示室にある展示「100兆分の1の確率に
   挑戦!」への挑戦者が、この5月18日に70万人を達成しました。
    この展示は、スロットマシーンのように、14桁の数字を全て揃えるこ
   とに挑戦します。揃う確率は、数字が0〜9まであるので10の14乗分
   の1(100兆分の1)です。実は、ヒトの遺伝情報が両親から子に伝わ
   るときに、まったく同じ染色体の組み合わせになる確率もこれと同じくら
   いの低さとなっています。
    2001年4月のゲノム展示室オープン以来、数字がそろったことはあ
   りません。さあ、この遺伝の神秘の確率にぜひ挑戦してみてください。
  
    ※70万人達成の様子は、こちらのURLをご覧ください。
     http://www.jsf.or.jp/info/2008/05/100170.php
  
  ◆ お知らせ
  
   ■ 「日本自然科学写真展」開催 ■
  
    今年も自然科学写真展を開催いたします。自然と科学をテーマに、自然
   が作り出す美しい瞬間、物理現象が見せる不思議で神秘的な瞬間などをと
   らえたさまざまな写真を多数展示します。ぜひご覧ください。
  
    開催期間:2008年4月29日(火)〜6月1日(日)
    場  所:科学技術館 2階ロビー
    共  催:日本自然科学写真協会
  
    詳しくは、こちらのURLをご覧ください。
    http://japan-inter.net/ssp/index1.html
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 Laboratory ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 地球上で生物が繁栄できたのは、珍しい水の性質のおかげ? ■
  
    今日は自然界でも日常の生活でも最も身近な物質の一つの「水」のお話
   をします。
    水は酸素原子に二つの水素原子が結合してできています。水分子を構成
   する原子は、直線状に並んで結合しているわけではなく、酸素原子を中心
   にくの字の形をするように水素原子が結合しています。あたかも、体が酸
   素原子でおもりが水素原子のヤジロベーのような形をしています。また、
   水分子の酸素原子は、水素原子の電子を引き付ける性質があり、酸素原子
   はマイナスに、水素原子はプラスにわずかに帯電することにより、分子中
   の電子分布に違いが生まれ、水分子同士は水素結合と呼ばれる電気的な弱
   い力でお互いに作用しあっています。
    純粋な水は、0℃以下では氷に変わります。では、ここで仮想実験をし
   てみましょう。同じ体積をもつ氷と水を、精密な天秤にかけたらどちらに
   傾くでしょうか?
    カチンコチンに堅い氷の方が、水よりも重いような印象を受けますが、
   実際は水のほうが氷よりもわずかに重いのです。氷が水に浮く様子からも
   水の方が重いことが分かりますね。では、どうして水の方が重いのでしょ
   うか?
    水の入ったペットボトルを凍らせると、パンパンに膨らみます。水は氷
   になると体積が増えるのです。これは、水分子同士が、水素結合を形成し、
   蜂の巣のように網目状のわずかな隙間を作って氷として結晶化するためで
   す。できた氷は隙間があるため、密度が水よりも小さく、氷よりも水のほ
   うが重いのです。
    水と氷という状態の違いで密度は異なります。また水は温度の違いによ
   っても密度が異なります。水は3.98℃のときに密度が最大になります。
   0℃の氷が溶け始めてから3.98℃までは、隙間のあった水の構造が崩
   れ始めて体積が減り、密度が高くなりますが、3.98℃で隙間がなくな
   り密度が最大になります。3.98℃を超えると、水分子の運動が活発に
   なり分子同士は距離を広げ体積は膨張し、再び密度は減少します。
    海、川、湖において、水の底から凍りつき水中生物の生活の場が奪われ
   てしまうことがないのは、固体の氷が液体の水に浮く性質のおかげなので
   す。湖面に浮いた氷は、日光や気温の影響を受けて素早く溶けて水に戻り
   ます。この水の性質は、水中全体が完全に凍りにくい仕組みを作り、水中
   生物が生活できる環境を提供しているのです。
  
    執筆者:中村潤 情報システム開発部
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  ◆ 自然と友だち
  
   ■ 「野の花咲き、育つ虫の幼虫、おたまじゃくし」 ■
  
    野にはいろいろな草花が花を咲かせ、夏に出現する虫たちやおたまじゃ
   くしも育ち、フィールド探検もまた楽しさを増してきました。ツバメも子
   育てに夢中で飛び交い、草むらでは大きなヘビにも出会って、いろいろな
   おどろき、新発見がありました。ぜひ、近くの野山へ出かけて、自然との
   出会いを楽しんでください。
  
    「野の花咲き、育つ虫の幼虫、おたまじゃくし」の写真
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/ss15/
  
    執筆者:松田邦雄 サイエンス友の会 講師
  
    ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然」好評発売中!
    ハンドブックのお求め方法
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm
  
  
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  【3】   ★ 科 学 技 術 館 Recommends ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    今月のテーマは、「中学生におすすめの本」です。
  
   ■ 『宇宙への秘密の鍵』■
     ルーシー&スティーヴン・ホーキング作 さくまゆみこ訳
     佐藤勝彦監修  岩崎書店 2008年 1900円+税
  
    「ブラックホールに落ちたらどうなるの?」 8歳の男の子がおじいち
   ゃんに聞きました。相手は有名な物理学者のホーキング博士。その会話を
   耳にしたお母さんが、博士と2人で書いた本です。
    小学校高学年の男の子が、科学者とともに、スーパー・コンピューター
   の力を借りて、広い宇宙と太陽系をめぐります。いくつものピンチを切り
   抜ける愉快な冒険です。
    物語の途中にはさまれている19のコラムは、すべて最新の物理学に基
   づいています。たとえば、冥王星が太陽系の惑星でなくなったこと、ブラ
   ックホールに吸い込まれても抜け出すことができること、惑星の様子など、
   最も新しい情報がわかります。
    また、32ページある宇宙の美しいカラー写真は、ホーキング博士が、
   子どもたちのために選んだ最新のものだそうです。この写真を見るだけで
   も一見の価値があります。
    読んでいる途中で難しく感じたり、すらすら読めなくなっても心配はい
   りません。そこは飛ばしても、宇宙の秘密にせまることができます。
    最新の「物理学」を鍵に、宇宙の秘密をといてみませんか?
  
    執筆者:坂口美佳子 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/3chikyuu/himitsunokagi/himitsunokagi.html
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆田中盛穂が描く旅客機の世界展
  
    故田中盛穂氏が描いた戦前のプロペラ機から現代のA380、幻のボー
   イング・スーパーソニックまで機体ごとに異なる航空会社のデザインが施
   された民間旅客機の絵画64点を展示します。
  
    開催期間: 平成20年6月7日(土)〜平成20年6月29日(日)
    会  場: 所沢航空発祥記念館 展示館内
  
   ☆重要航空遺産に認定されました!
  
    当館で展示している九一式戦闘機(胴体部)が、財団法人日本航空協会
   が平成19年度に創設した「重要航空遺産認定制度」第1号の認定を受け
   ました。
  
    詳細は、所沢航空発祥記念館ホームページ
    http://tam-web.jsf.or.jp/cont/menu/m_info.htm
    をご覧ください。
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆ 桜林美佐さんのひとり語り「歌でつづる“宗谷”」
  
    船の科学館では、“宗谷”竣工70周年を記念し、「奇跡の船“宗谷”」
   の執筆者桜林美佐さんを迎えて、「歌でつづる“宗谷”」と題したひとり
   語りの会を開催いたします。皆様方のご応募を、お待ちしております。
  
    開催日時: 2008年6月8日(日) 午後2時〜3時
    開催場所: 船の科学館 1階オーロラホール
    定  員: 200名
    参 加 費: 無 料(但し、船の科学館の入館券が必要です)
      ※先着50名様に、資料ガイド“宗谷”冊子をプレゼント!
  
   ※応募方法等詳しくは、こちらのURLをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/news/2008/04/post_49.html
  
  
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   ■ スポーツと科学 ■
  
    いまやスポーツの世界に「科学の力」を欠かすことはできません。かつ
   て陸上棒高跳びにおいて、ポールが竹製からグラスファイバー製に変わっ
   たとたん、飛躍的に記録が伸びたことは典型的な例だと云えます。
    さて北京オリンピックが近づいてきましたが、いま日本水泳界に大問題
   が持ち上がっています。英国スポーツ社製の水着「レーザーレーサー」の
   存在です。ハイテクを駆使して作られており、縫い目がなく水の抵抗を極
   力抑えていると云われています。効果は抜群で、今年の世界記録18個の
   うち、なんと17個がこの水着によって作られたのです。さらに日本の五
   輪代表選手が合宿中に、この新作水着を着用してタイムを計ったところ、
   100mで0.5秒以上速く泳げる選手が続出しました。ところが現段階で
   は国内メーカーとの契約の関係上、日本選手はオリンピックでこの水着を
   使用することはできないことになっています。
    しかし考えてみれば、個人の努力や身体能力の差ではなく用具(水着)
   の違いで勝敗が決まるとすれば、それはスポーツ本来のありかたとは云え
   ないでしょう。なんとか同一基準のもとで、金メダルを争ってほしいもの
   です。
  
                        (企画広報室 鈴木直樹)
  
  
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