科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第205号 ◆  ━
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                             >>>2008/10/22発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   おかげさまで、今号で配信数が7,000人を超えました。これからも楽
   しい科学・技術や自然のお話を、皆さまへお届けしたいと思います。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 7,010人。
  
  
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   【1】科学技術館News
       新着情報・・・「国際科学オリンピック日本開催シンポジウム」
                            =参加者募集中=
       お知らせ・・・「日本のノーベル賞科学者展」
              「ウインター・サイエンスキャンプ
                      ’08−’09」参加者募集中
              今週のユニバース
  
   【2】科学技術館Laboratory
       科学・技術よもやま話・・・「オワンクラゲが何故ノーベル賞?!」
       自然と友だち・・・「秋の野の生きものたち」
  
   【3】科学技術館Recommends
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ
                  「クモやクモの巣について」の本
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
  
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  【1】      ★ 科 学 技 術 館 News ★
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  ◆ 新着情報
  
   ■ 国際科学オリンピック日本開催シンポジウム =参加者募集中= ■
  
    2009年は国際生物学オリンピック、2010年には国際化学オリン
   ピックが、ともに日本で初めて開催されることになりました。
   スポーツと比べると、国際大会への参加の歴史が浅い国際科学オリンピッ
   クを知っていただく機会として、シンポジウムを下記の通り開催いたしま
   す。
    今回は、ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈先生と日本学術会議会長
   の金澤一郎先生の特別講演を予定しています。
  
   開催日時:2008年11月23日(日)10時30分〜12時
   開催場所:日本科学未来館7階みらいCANホール
   対  象:小・中・高校生及び保護者、教育関係者、一般
   参 加 費:無料
   *「サイエンスアゴラ2008」(11/22〜24)同時開催
  
    詳細および参加申込は、こちらをご覧ください。
    http://www.jsoc-info.jp/05koho/sympo.htm
  
  ◆ お知らせ
  
   ■ 日本のノーベル賞科学者展 ■
  
    平成20年は、4人の日本人がノーベル賞を受賞されました。科学技術
   館では、今回受賞された研究内容や、これまでのノーベル賞受賞の日本人
   科学者の業績を紹介しています。
  
   展示期間:平成20年10月16日(木)〜11月9日(日)
   展示場所:5階フォレスト
  
    詳しくは、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2008/10/post_151.php
  
   ■ 高校生のための先進的科学技術体験合宿プログラム ■
    「ウインター・サイエンスキャンプ ’08−’09」参加者募集中
  
    ウインター・サイエンスキャンプ ’08−’09は、先進的な研究施
   設や実験装置を有する日本各地の大学・公的機関(13会場)で、冬休み
   期間中に本格的な実験・実習が受けられる、高校生のための科学技術体験
   合宿プログラムです。
    今回は今年のノーベル物理学賞に関係する「高エネルギー加速器研究機
   構」でのプログラム、化学賞で話題の「オワンクラゲの蛍光タンパク」を
   用いたプログラムなどもあり、またその他のプログラムも充実した内容と
   なっています。
    あなたもサイエンスキャンプで“未来のノーベル賞”に出会えるかも!!
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://ppd.jsf.or.jp/camp/
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    目の前、そして頭の上いっぱいに広がるシンラドームのスクリーンに、
   全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、恒星の世界、
   銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
    パワーアップした科学ライブショー「ユニバース」をお楽しみください。
  
    案内役:矢治 健太郎さん(立教大学)
  
    科学ライブショーの詳細や出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 Laboratory ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ オワンクラゲが何故ノーベル賞?! ■
  
    今回は、ノーベル化学賞を受賞された米ウッズホール海洋生物学研究所
   ・元上席研究員の下村脩氏の「オワンクラゲの蛍光タンパク質」の研究の
   お話。皆さんは、「オワンクラゲの蛍光タンパク質」が何故ノーベル賞を
   受賞するに値する大発見なのか、ご存じでしょうか。
    まず、オワンクラゲ。日本各地の沿岸に生息し傘の大きさが最大で20
   cmほどになる一般的なクラゲです。接触刺激などを与えると、生殖線と
   傘の縁が蛍光を発することが昔から知られていました。下村氏はこのオワ
   ンクラゲが蛍光を発する原因物質をつきとめたいと考え、オワンクラゲの
   研究を開始しました。氏はオワンクラゲの研究をしている間、十何年かけ
   て、実に85万匹、重さにして100トンを超すオワンクラゲを採取した
   そうです。このように情熱を傾けた結果、蛍光を発する原因物質である
   「緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein)」を1962年に発
   見しました。
    90年代に入り、いろいろな生物の遺伝子解析が進み、オワンクラゲの
   GFP遺伝子も解明されました。そしてこのGFPを作る遺伝子を他の細
   胞に組み込むことで、ある特定のタンパク質を観察するための「光るマー
   カー」としてGFPを利用する方法が確立されました。例えばアルツハイ
   マー病において、神経細胞内の異常タンパク質をGFPで光らせることで、
   異常タンパク質がどのように作られ、どのように細胞が壊れていくのかを
   観察できるようになったのです。
    このGFP。蛍光を発することがポイントですが、自然界には蛍やキノ
   コなど、他にも発光する生物がいろいろいます。例えば蛍の場合、ルシフ
   ェリンという物質がすでに知られています。にもかかわらず何故、医療分
   野でGFPが使われるのでしょうか。
    その理由の一つは、GFPが紫外線のエネルギーを受け取って自ら発光
   するため、特別な酵素やエネルギー物質を必要としない点です。ですから
   細胞の中でGFPのタンパク質さえ作ることができれば、後は紫外線をあ
   てれば、紫外線のエネルギーでいくらでも光ってくれます。二つ目の理由
   として、毒性がないことです。GFPは細胞の中に存在しても細胞に害を
   与えないため、細胞を生きたまま観察できるのです。このような特徴から、
   今やGFPは生命科学分野、特に医療研究、医療技術の開発の分野におい
   てなくてはならない存在となっているのです。下村氏は、単にクラゲの蛍
   光タンパク質を発見したからノーベル賞を受賞したという単純な話ではな
   かったのです。
    とはいえ、このように利用されることなど下村氏自身は「当時まったく
   想定していなかった」そうです。純粋な好奇心を原動力に精力的に研究を
   進めたことが新たな研究・技術開発分野を切り開くことになり、結果とし
   て社会への応用を導く礎となった、そしてこのことが評価されノーベル賞
   受賞に至ったということでしょうか。
  
    執筆者:田代英俊 企画広報室
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  ◆ 自然と友だち
  
   ■ 秋の野の生きものたち ■
  
    ヒガンバナ、コスモスと秋を色どる花々、また甘い香りをただよわせる
   キンモクセイの花に、秋の自然の美しさを感じます。
    稲穂もたわわに実り、小川の辺りにはトンボやカエルの姿が見られ、花
   には蝶が飛来し、さかんに吸蜜していました。タテハチョウの多くは成虫
   の姿で越冬するので、栄養をたっぷりとる必要があるのです。
  
    「秋の野の生きものたち」の写真
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/ss26/
  
    執筆者:松田邦雄 サイエンス友の会 講師
  
    「自然と友だち」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/t_index.html
  
    ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然」好評発売中!
    ハンドブックのお求め方法
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm
  
  
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  【3】   ★ 科 学 技 術 館 Recommends ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    今月は、クモやクモの巣についての本を紹介しています。
  
   ■ 『クモの糸の秘密』 ■
     大崎 茂芳 著 岩波ジュニア新書
  
    「クモの糸にぶら下がれるか?」、著者の30年にわたる夢の実現にむ
   けてのチャレンジのお話からはじまります。クモの捕まえ方、糸を取るた
   めに使う糸巻き取り器の改良、TV番組出演での失敗談、そしてそこから
   の新たな挑戦。・・・・はたしてぶら下がることはできたのでしょうか?
    後半は4億年もの進化の歴史を生き抜いてきたクモの糸の不思議を探り
   ます。糸そのものの性質、命綱としての役割。そして日々浴び続けている
   紫外線の影響と巣の張替え周期のお話はとても興味深いです。
    ぶら下がることが出来るのかの期待感でワクワクしたあと、そのクモの
   糸がいかに不思議なものか、その魅力にひきつけられる本です。
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/7musekitsui/kumonoitonohimitsu/kumonoitonohimitsu.html
  
   ■ 『クモの糸の謎』 ■
     文=リチャード・コニフ 写真=ダーリン・A・マロウスキー
     ナショナルジオグラフィック 2001.8
  
    メダマグモがガの幼虫を網でからめ取る瞬間、アメリカジョロウグモが
   カエルにかみついて毒で麻痺させる瞬間など、獲物を捕らえた一瞬の写真。
   クモの糸を集めて作ったハチドリの丈夫な巣の写真。小学生からでも十分
   楽しめる雑誌です。併せて手にとってみてください。
  
    執筆者:伊藤一美 科学読物研究会
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
    メールマガジン204号の科学の本の紹介で、本文に
   「クモがすきですか、きらいですか?」
   56%が嫌い、31%が好き、どちらでもないが31%。
   とありましたが、科学読物研究会より訂正の連絡がありました。
   正しくは「56%が嫌い、13%が好き、どちらでもないが31%」
   です。
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆ 科学実験ショーのご案内
    実験名人による科学実験ショーを以下のとおり開催します。
  
   開 催 日:平成20年10月25日(土)・26(日)
   実施時間:13時30分〜、15時15分〜
   実施場所:展示館1階
  
   詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum5/viewcat.php?cid=1&orderby=dateD
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆ 「シーカヤック体験教室」開催のお知らせ
  
    「海をあるく」そんな気分に浸れるのがシーカヤックの魅力かもしれま
   せん。人類がはじめて船を造って以来、数千年の歴史の中で最もシンプル
   で、船について体感できるのもこの船の特徴です。自らの手で船を進め、
   浮力や復元性、方向転換など、船の基本的な知識を体験の中から学ぶこと
   が出来る教室です。
  
    開 催 日:10月26日(日)
    受付開始:13時(先着100名様)
    実施時間:13時〜16時
    実施場所:シーサイドプール
    参加費用:無料(但し入館券が必要です。)
  
   ※荒天・低温時は安全管理上、主催者の判断により中止させていただく場
    合があります。
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/sc_03/?p=8
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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   ■ 食欲の秋 ■
  
    10月だというのに北の丸公園では、先日までセミの鳴き声が聞こえて
   いました。暦の上では、23日が二十四節気の霜降で、朝晩はぐっと冷え
   込み露が霜に変わる時季のはずです。これから吹き始める北風を「木枯ら
   し」と呼びますが、今のところあまり実感がありませんね。
    昨日も仙台を訪れたとき、好物のカキをもとめて小料理屋に入りました
   が、今年は海水の温度が高くて、まだカキの入荷がないとのことでした。
   セミとコオロギの共演、カキの未入荷・・・。今年の秋はちょっと変だぞ?
    それでもいつも通り、食卓に秋味や新米、柿などが多く並ぶと、秋真っ
   只中だなぁと、身をもって感じます。舌で秋を味わった後に空を見上げれ
   ば、カシオペヤ座やペガスス座(秋の四辺形)など、秋の星座たちが目を
   楽しませてくれます。と同時に、星座にまつわる壮大なお話が想像力も満
   たしてくれます。あゝ、おなかいっぱい。ごちそうさまでした。今年の秋
   も大満足!
  
                       (企画広報室 木村かおる)
  
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    最後までお読みいただきありがとうございました。
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  ┘ 発行者:科学技術館メールマガジン係               ┘
  ┘    〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号       ┘
  ┘                                 ┘
  ┘ ※ このメールマガジンの回覧・転送は自由です。内容の引用・転  ┘
  ┘  載の際には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の  ┘
  ┘  記事」と注釈をいれてください。                ┘
  ┘  なお、メールマガジンで参照しているWebサイトのすべての画  ┘
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