科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第233号 ◆  ━
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                             >>>2009/5/20発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   この時期になると、五月晴れという言葉を耳にします。5月のよく晴れた
   日をさして言いますが、本来は、梅雨の晴れ間に使われる言葉なのですね。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 7,834人。
  
  
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   【1】科学技術館News
       お知らせ・・・第29回「日本自然科学写真展」開催中
              今週のユニバース
  
   【2】科学技術館Laboratory
       科学・技術よもやま話・・・「色の話」
       科学技術”感”をきたえよう!
  
   【3】科学技術館Recommends
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ「竹」の本
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
  
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  【1】      ★ 科 学 技 術 館 News ★
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  ◆ お知らせ
  
   ■ 第29回「日本自然科学写真展」開催中 ■
  
    自然と科学をテーマに、自然がつくり出す美しい瞬間、物理現象が見せ
   る不思議で神秘的な瞬間などをとらえた、さまざまな写真を多数展示して
   います。ぜひご覧ください。
  
    開催期間:2009年5月31日(日)まで
    場  所:2階ロビーおよび4階ロビー
    共  催:日本自然科学写真協会
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
    今週も、アメリカ合衆国のヤーキス天文台とインターネットで繋ぎ、ラ
   イブショー中にアメリカで見えている星空の様子や天文台で撮影した天体
   写真を送ってもらう「ライブ天体観測」コーナーを予定しています。日本
   の昼過ぎにアメリカの夜空もお楽しみください。
  
    案内役:伊藤哲也さん(自然科学研究機構 国立天文台)
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、以下のホーム
   ページをご覧ください。
    http://universe.chimons.org/jsf/
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 Laboratory ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 色の話 ■
  
    過ぎた話ですが、母の日にカーネーションを贈りました。「変わった色
   ねえ」とお礼のメールがきました。今年は「ジェイド」といわれる花の色
   を贈ったのです。日本語でヒスイです。「まが玉」の色といえばおわかり
   でしょうか。薄い緑色をした宝石です。
    最近では、500色セットの色えんぴつが販売されています。パソコン
   で見る限りでは、色の違いがよくわからない部分もあるのですが、60色
   の色えんぴつすら使っていない私には、ヒスイの色を見つけるのも難しそ
   うです。
    ところで、雑誌やポスターなどのカラーの印刷物は、基本4色を組み合
   わせてつくられていることはご存知ですか。シアン(C:青緑)、マゼン
   タ(M:赤紫)、イエロー(Y:黄色)そして黒(K)です。みなさんの
   家のプリンタにも、最少でもCMYKというインクが入っていると思いま
   す。
    CMYKの4色を使って、色の組み合わせをつくることを考えてみまし
   ょう。それぞれの色をどのぐらい入れるかという組み合わせは、各色が1
   から100という分量で調整できるとすると、少なくとも1億通りという
   ことになります。さらに0.5とか0.1とか、そんな割合も考え始める
   と、組み合わせは限りないものになってしまいます。逆に考えると、CM
   YKをうまく組み合わせれば、自然の色合いを表現できそうです。
    みなさんはデジタルカメラで、コバルトブルーの南国の海や青空を背景
   に淡いピンクのサクラを撮影し、パソコンで見て「こんな色じゃなかった
   〜」と思った経験はありませんか。実はコレ、ヒトの目とデジカメやディ
   スプレイの性能の違いにあるのです。個人差はあるものの、ヒトの目は機
   械よりも広い範囲の色を認識しますが、機械はもっと狭い範囲でしか記録
   できません。おまけに機械ごとに色の扱いが異なるので(カラープロファ
   イルというもので調整します)、このプロファイルを調整してやらないと、
   印象の異なった写真ができあがってしまうのです。プロの写真家たちはそ
   れなりに高価な機材も使っていますが、色の調整に注意をはらっています。
   しかし、プロではない私たちにできないというわけではありません。デジ
   カメやプリンタの性能を理解してプリントすれば、思い出どおりの写真が
   できあがるでしょう。
    あっ、くれぐれもデジカメの取り扱いにはご注意を。落すと壊れますよ。
  
    執筆者:加藤智之 科学技術館事業部
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
   ■ 科学技術”感”をきたえよう! ■
  
    今号よりはじまります新コーナー「科学技術”感”をきたえよう!」
   ぜひ、挑戦してみてください。(毎月1回掲載)。
  
    〜”カミ技”は、この国で生まれた!の巻〜
  
    「エジプト」、「中国」、「イタリア」
                 ”はやい”順にならべてください。
  
    ヒントとこたえは、こちらのホームページをご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/00_info/kagakugijutukan/kagi-kan.html
  
  
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  【3】   ★ 科 学 技 術 館 Recommends ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    今月は竹の本を紹介します。
  
   ■ 『竹炭のふしぎな力 ―温暖化対策の可能性をさぐる−』
                             自然とともに■
     中根 周歩著/小峰書店/2008年4月
     本体 1,500円/小学生
  
    先週紹介したように、生の竹は竹細工の材料として、さまざまに利用さ
   れてきました。この本は、竹を炭にした竹炭(ちくたん)の良さを紹介し
   ています。ほかの木からつくる木炭に比べて、軽くて貯水力が高いのが特
   徴です。大都市のヒートアイランド現象をやわらげるために、屋上を緑化
   することが良いといわれますが、屋上に載せられる土の量(重さ)には制
   限があります。少ない土で水やりも少なくてすむように、竹炭のこの特徴
   を生かして、土の下に敷くというわけです。しかも竹炭に含まれるカリウ
   ムなどの栄養素が土に溶け出し、雨水に多く含まれる窒素酸化物やカルシ
   ウムも竹炭が吸着するために、植えた植物の成長をうながし元気になるそ
   うです。
    竹を利用することが減った結果、各地の竹林が増えすぎて、周辺の森林
   や田畑を浸食して山崩れや洪水が起きやすくなるという問題が起きていま
   す。屋上緑化や庭園、公園、道路の緑化などに竹炭を大量に利用すれば、
   里山を復活させることができるでしょう。さらに竹炭の90%をしめる炭
   素は、光合成で大気中から取り込んだ二酸化炭素です。竹炭にして炭素を
   固定することで、地球の温暖化ガスを減らすことになります。竹炭を土の
   下に敷くことで、砂漠の緑化も可能だといいます。
  
    執筆者:福田晴代 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/11gijutsu/takesumi/takesumi.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆ 「紙飛行機工作教室」開催のお知らせ
  
    紙・ゴム動力飛行機を製作し、体験を通して飛行機の飛ぶ原理を学んで
   もらうことを目的としています。製作後は航空公園内の広場で飛ばしてみ
   ましょう。
  
    開 催 日:2009年5月23日(土)
    内  容:市販キット「スカイラビット」の製作
    受付開始:12時30分(先着40名様)
    開催時間:13時〜(製作時間約1時間)
    開催場所:1階研修室
    教 材 費:300円
  
     詳細は、以下のホームページをご覧ください。
     http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum0/viewcat.php?cid=1
  
   ■ 船の科学館 ■
  
    ☆  シーカヤック体験教室(個人)のお知らせ
  
     「海をあるく」そんな気分に浸れるのがシーカヤックの魅力かもしれ
    ません。人類がはじめて船を造って以来、数千年の歴史の中で最もシン
    プルで、船について体感できるのもこの船の特徴です。自らの手で船を
    進め、浮力や復元性、方向転換など、船の基本的な知識を体験の中から
    学ぶことができる教室です。
  
    開 催 日: 2009年5月24日(日)
    受付時間: 13時〜 先着100名様
    実施時間: 13時〜16時
    実施場所: シーサイドプール
    参加費用: 無料(但し入館券が必要です。)
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/sc_03/?p=17
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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   ■ QUARANTINE ■
  
    メキシコなど北アメリカで流行が始まった「新型インフルエンザ」は、
   空港や港での「検疫」の網を潜って、とうとう、日本国内でも二次感染者
   が出てしまいました。
    経済活動などにより、多くの人たちが日本中を忙しく移動していますか
   ら、この感染は、しばらくの間は、幾何級数的に拡大するおそれがありま
   す。なにしろ、相手は電子顕微鏡でないと目に見えないウィルスです。接
   触感染や飛沫(ひまつ)感染を防止するために、手洗いやマスクの着用を
   着実に励行したいものです。
    ところで、急に脚光を浴びることになったのが、空港での検疫業務。
   入国審査の前に、健康カードを何気なく渡していたのが、
   「検疫(QUARANTINE)」という表示のあるところであったことを思い出し
   ました。
    このQUARANTINE(クァランティン)、難しい発音ですし、あまり英語ら
   しい綴りではないですね。辞書を引いてみると、語源はイタリア語で、
   「40日間」の意味、とあります。イタリア語で40は、quaranta、4は、
   quattro。音楽の四重奏はクァルテット、四輪駆動の車をクァトロといった
   り、スキーの4人乗りリフトはクァッドリフト、食通なら1枚で4種類の
   ピザを楽しめるクアトロピザが目に浮かび、パソコンに詳しい人は、プロ
   セッサーを4つ持つ、最新型のMPUをクァッドコアというのをご存知でし
   ょう。
    では、なぜ、「40日間」というイタリア語が、英語で「検疫」という
   単語になったのでしょうか?
    中世のヨーロッパにおいては、ペスト(黒死病)が、もっとも怖れられ
   た伝染病でした。その流行によって、地域の1/3の人口が失われるほど
   の死者を出したことがあったからです。その伝染病の上陸を防止するため
   に、14世紀のヴェネチア共和国で取られた措置が、入港してきた怪しい
   船を、潜伏期間とされた40日間、停泊させて上陸を許さず、「隔離」す
   ることだったのです。その有効性が英国に伝わり、18世紀初頭に制度化
   され、英語になったというわけです。
    今回の新型インフルエンザは、幸いなことに「弱毒性」だといわれてい
   ます。健康に留意していれば罹患(りかん)しても大事には至らない病気
   です。大流行にならないようにするには、国や行政の措置に頼るよりも、
   私たちひとり一人が、落ち着いて自分でできる予防対策を講ずることが大
   切であるといえるでしょう。
  
                        (企画広報室 吉田 浄)
  
  
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    最後までお読みいただきありがとうございました。
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