科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第248号 ◆  ━
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                              >>>2009/9/2発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   先週あたりからは昼の蝉しぐれより、夜のコオロギの鳴き声が耳につくよ
   うになりました。だんだん秋の気配が感じられるようになってきましたね。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 8,153人。
  
  
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   【1】科学技術館News
       新着情報・・・日本IBM TryScience実験教室
       お知らせ・・・JISCRISS日本&イタリア合同 宇宙科学講演会
              「科学する宇宙ステーション
                       −宇宙をもっと知ろう!−」
              「今週のユニバース」
  
   【2】科学技術館Laboratory
       科学・技術よもやま話・・・「サインは[V]?!」
  
   【3】科学技術館Recommends
       科学の本の紹介・・・9月のテーマ「小さな小さな世界」の本
       イベント情報・・・「科学技術と産業」国際シンポジウム2009
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
  
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  【1】      ★ 科 学 技 術 館 News ★
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  ◆ 新着情報
  
   ■ 日本IBM TryScience実験教室 9月 ■
  
    「TryScience(トライサイエンス)実験教室」は、毎月1回、第2日曜
   日もしくは第3日曜日に開催しています。
  
    開催日時:2009年9月13日(日) 13時〜16時
    開催場所:4階D室 イベントホール
  
    詳しくは、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2009/07/post_186.php
  
  ◆ お知らせ
  
   ■ J I S C R I S S 日本&イタリア合同 宇宙科学講演会
      科学する宇宙ステーション −宇宙をもっと知ろう!− ■
  
    国際宇宙ステーションを利用した宇宙探索技術や、宇宙環境における研
   究などについて、日本とイタリアの科学者が直接皆さまに語る宇宙科学講
   演会を行います。日英同時通訳つきですので、中・高・大学生や一般の方
   もお気軽にご参加ください。シンラドームにおいて、科学ライブショーも
   ご紹介します。
  
    開催日時:2009年9月19日(土) 12時30分〜17時20分
    開催場所:科学技術館地下 サイエンスホール
    参 加 費:無料
    申込方法:ウェブもしくはメールで、お申し込みください。
         ※9月11日(金)締切り
    主  催:ローマ大学、理化学研究所
    協  賛:科学技術館
  
    申し込みやプログラムなどの詳細は、こちらをご覧ください。
    http://jiscriss.roma2.infn.it/index.php?lang=jp&itemid=0
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
  
    案内役:矢治 健太郎さん(立教大学)
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 Laboratory ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ サインは[V]?! ■
  
    この夏の世界陸上で、ボルト選手が100メートル走を9秒58の世界
   新記録で優勝しました。人間の能力はまだまだ発展していくのですね。
    ところで、全く関係ありませんが、電圧の単位はボルト[V]です。皆
   さんの家のコンセントにきている電圧は、100[V]または200[V]
   です。夏休みに海外旅行に行った人は知っているかもしれませんが、国に
   よってコンセントの電圧は異なります。アメリカでは120[V]、イタ
   リアでは220[V]、オーストラリアではなんと250[V]のところ
   もあります。ノートパソコンのACアダプタのように電圧を変換して使用
   する機器は、機器が受けられる電圧の許容範囲内にあればそのまま使えま
   すが、ドライヤーなど電圧が変えられないものは、変圧器が必要となりま
   す。
    ところで、電圧ってなんでしょうか? 電圧を知るためには、まず電位
   というものを知る必要があります。ここで、ボールを思い浮かべてくださ
   い。ある高さに手で持ち上げたボールは、手を離せば重力によって落ちま
   す。高さが高いほど落ちるためのエネルギーも大きくなります。高いとこ
   ろからものを落としたほうが、床にぶつかったときの衝撃も大きいですよ
   ね。これを位置エネルギーといいます。ちなみに、重力が働く空間を重力
   場といいます。
    さて、電子などの電気を帯びた小さな粒を電荷といいます。この電荷は、
   電気力によって移動します。電気力が働く空間を電界(電場)といいます。
   重力場の中でボールが高い位置から低い位置へ落ちるように、電界の中で
   は、電荷も電気的な位置エネルギーが高いところから低いところへと移動
   します。この電気的な位置エネルギーを電位といいます。異なる電位の差、
   重力場でいえば高さの違いによる位置エネルギーの差にあたりますが、こ
   の差を電圧というのです。電位差が大きいと電荷を移動させるエネルギー
   が大きくなります。電荷の移動は電流です。よって、電圧が高いと電流を
   流すエネルギーが大きくなります。
    ところで、電圧の単位ボルト[V]は人の名前からつけられています。
   もちろんボルト選手からではありません(そもそも”Bolt”選手ですし)。
   1800年に電池を発明した科学者、ボルタ(Volta)にちなんでつけら
   れました。でも、ボルト選手も勝利の[V]サインでしたね。
  
    執筆者:中村 隆 科学技術館事業部
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  
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  【3】   ★ 科 学 技 術 館 Recommends ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    今年の夏は皆既日食や流星群の観察など、世界天文年にふさわしく大空
   を眺める機会に恵まれました。少し秋風も感じられる今月は手元の虫眼鏡
   で観察できるものから、どうやっても見えないものまで、小さな小さな世
   界を紹介します。
  
   ■ そだててあそぼう36『土の絵本 (1)土とあそぼう』 ■
     編/日本土壌肥料学会、イラスト/中村真一郎、
     農山漁村文化協会、2002・3、1,890円
  
    子どもたちが、ゼリーカップに児童館の”砂場の砂”と”桜の木の下の
   土”をとってきました。この本の「(2)土の中の宝石をさがそう」のペ
   ージを開いて、書かれたやりかたの通りに洗っていくと、だんだんきれい
   になって、つぶつぶが見えてきます。15倍のルーペで見ると「わっーき
   れい」「砂場とこっち違うよ」と子どもたち。砂や土がこんなに美しいな
   んて!!そのつぶつぶにはいろんな色のものがありました。次のページの
   「(3)土の中の宝石」の写真と照らしあわせます。透明なのは、長石か
   な?石英かな? その透明なつぶに魅せられた女の子は、そればかりを集
   めて透明なシートに貼っていました。ハート型(?)のも見つけちゃいま
   した。それから、子どもたちは、ルーペがなくても、洗わなくても、砂場
   の砂から小さな小さな透明なつぶを見つけ出すようになりました。ほんの
   少し見つめ方が変わって、砂場が今までとはちがう世界になったのです。
    この本は、「土のつぶをしらべよう」「土を焼いてみよう」「光る泥だ
   んごをつくろう」「土をたたいてみよう」「おいしい水はどうしてできる
   ?」など”土と仲良くする””土を知る”ための15項目からできていま
   す。一つの項目は見開き2ページで、写真やイラストを中心に、わかりや
   すく書かれていて、今すぐにやってみたいことがたくさんあります。この
   本を見ながら土とあそぶと、きっと、土を今までとは違った目でみるよう
   になるでしょう。どんな楽しみが、いくつ増えるでしょうか?巻末には材
   料の入手先や注意事項など、詳しい説明が載っています。ぜひこの本を手
   にとって、土とあそんでください。
  
    執筆者:菅原由美子 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/1nyuumon/tsuchinoehon/tsuchinoehon.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  ◆ イベント情報
  
   ■ 「科学技術と産業」国際シンポジウム2009 ■
      〜地球的規模の課題解決のために科学技術が果たす役割〜
  
    ノーベル賞受賞者を含む世界の有識者を迎え、グローバル・ヘルスおよ
   び環境・エネルギーの分野における諸問題について多角的な議論を行い、
   持続的な発展のための科学技術の役割と課題を探ります。
  
    日  時:2009年10月7日(水)10時〜17時
    場  所:東京プリンスホテル(東京都港区)
    定  員:500名(事前登録が必要です。先着順)
         ※定員になり次第、締め切らせていただきます
    参 加 費:無料
    主  催:経済産業省、日本貿易振興機構(ジェトロ)
    問合わせ:ジェトロ 産業技術部産業技術課 成田・平井・南澤
         TEL:03-3582-7571
  
    最新のプログラム、申し込みなど詳細は、こちらをご覧ください。
    http://www.jetro.go.jp/events/sci/
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆ 大型映像「3Dワンダフルプラネット」上映中!
  
    未来の地球環境予測をもとに、科学者が大胆に予想した驚くべき未来の
   動物たち。もはや歴史上の生物になってしまった過去の絶滅動物たち。絶
   滅と進化を見守ってきた不思議な惑星地球を舞台に、壮大なスケールでお
   くる、とびきり不思議な動物図鑑!
  
    上 映 期 間 :2009年9月30日(水)まで
    上映開始時間:10:20、12:40、14:20、16:00
           上映時間は約40分です
    入 館 料 :大人600円、小・中学生250円
  
   詳細は、以下のホームページをご覧ください。
   http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum3/viewcat.php?cid=1&orderby=dateD
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆ 「セーリングカヌー体験操船」のお知らせ
  
    風の力だけで進むカヌーの体験操船会です。各艇にはチームニシムラの
   インストラクターが同乗するので、初めての方でも楽しく体験することが
   できます。みなさんの参加をお待ちしています。
  
    開催日時:2009年9月6日(日)
         11時〜16時(15時30分受付終了)
         *天候などにより変更・中止になる場合があります
    開催場所:“宗谷”“羊蹄丸”中間海域
    参 加 費:無料
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/news/?p=321
  
  
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   ■ 自転車でぶらぶらと、近くの運河まで ■
  
    雲も秋らしくなり、暑さもだいぶしのぎやすくなってきましたので、先
   日は自転車で、自宅近くの「見沼代用水」(みぬまだいようすい)という
   用水路沿いを巡ってみました。
    ここには、かつて、見沼という大きな沼がありましたが、江戸時代の享
   保年間(1728年)に、徳川吉宗の命を受けた「井沢弥惣兵衛為永」
   (いざわ やそべえ ためなが)が干拓し、新田開発を行いました。そのた
   め、見沼に代わる灌漑用水として開削されたのが見沼代用水です。埼玉県
   行田市付近の利根川を起点とし、総延長は約70km(支線水路を含める
   と約100km)、埼玉県をほぼ南北に縦断して流れています。
    用水建設のための測量は、上流側と下流側の両方から1/600の勾配
   がつくように進められ、測量が出会った地点では、わずかに6cmのずれ
   しかなかったと伝えられています。また、用水路は、既にある川の下を逆
   サイフォンの原理でくぐらせたり、川の上に水道橋をつくってまたいだり
   の大規模工事にもかかわらず、着工からわずか5ヶ月で完成したと伝えら
   れています。
    用水路に沿ってしばらく自転車を走らせると、「左甚五郎」(ひだり
   じんごろう)作と伝えられる龍の彫刻がおさめられた門(開かずの門)の
   ある国昌寺があったり、公園なども造られたりしています。さらに進むと
   「見沼通船堀」(みぬまつうせんぼり)があります。見沼通船堀は、江戸
   に船を通わせて物資を運ぶための、芝川と見沼代用水を結ぶ数百メートル
   の小さな運河ですが、日本最古の「閘門式運河」(こうもんしきうんが)
   といわれ、昭和57年(1982年)に国の史跡に指定されました。これ
   も、享保16年(1731年)に井沢弥惣兵衛為永によって造られました。
   芝川と見沼代用水とは、水面の高さに3mほどの差があり、途中2ヶ所の
   閘門(水門)を設けて水位を調節しながら船を通す構造となっています。
    いつも何気なく見ているこれらの風景ですが、現在のような機械や設備
   のない時代に、これだけの大工事を正確にしかも短期間で成し遂げたこと
   に、改めて当時の技術レベルの高さに感心させられた1日でした。
  
   (運河の水位差調整のしくみについて)
    水位差を調整するしくみとしては、閘門、インクライン、ボートリフト
   などがあります。
   (1)「閘門」とは、閘室と呼ばれる前後を扉で仕切った水面に、片方の
      扉を開けた状態で船を入れて扉を閉じた後、閘室に水を出し入れす
      ることで水位を昇降させ、水位差を調整するしくみです。
      閘門式運河としては、パナマ運河がよく知られています。
   (2)「インクライン」とは、船を水に浮かんだままの状態で台車に収納
      し、台車全体を斜面に沿って引き上げることで水位差を調整するし
      くみです。京都の琵琶湖疎水に遺跡があります。
   (3)「ボートリフト」とは、運河エレベータと呼ばれることもあり、船
      を水に浮かべたままの箱をエレベータのように垂直に昇降させるこ
      とで水位差を調整するしくみです。
  
                       (企画広報室 本田 三郎)
  
  
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  ┘    〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号       ┘
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  ┘  載の際には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の  ┘
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