科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第249号 ◆  ━
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                              >>>2009/9/9発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   九月九日は重陽の節句といい、菊に長寿を祈る日です。菊の花の香で、夏
   の暑さで疲れたからだや気持ちをスッキリさせましょう!
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 8,166人。
  
  
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   【1】科学技術館News
       お知らせ・・・日本IBM TryScience実験教室
              JISCRISS日本&イタリア合同 宇宙科学講演会
              「科学する宇宙ステーション
                       −宇宙をもっと知ろう!−」
              「今週のユニバース」
  
   【2】科学技術館Laboratory
       科学・技術よもやま話・・・
              「東海地震が近い? それはどうだろう・・・」
       自然と友だち・・・「晩夏・・・さわやかな秋風が吹き始める頃」
  
   【3】科学技術館Recommends
       科学の本の紹介・・・9月のテーマ「小さな小さな世界」の本
       イベント情報・・・「科学技術と産業」国際シンポジウム2009
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
  
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  【1】      ★ 科 学 技 術 館 News ★
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  ◆ お知らせ
  
   ■ 日本IBM TryScience実験教室 9月 ■
  
    「TryScience(トライサイエンス)実験教室」は、毎月1回、第2日曜
   日もしくは第3日曜日に開催しています。
  
    開催日時:2009年9月13日(日) 13時〜16時
    開催場所:4階D室 イベントホール
  
    詳しくは、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2009/07/post_186.php
  
   ■ J I S C R I S S 日本&イタリア合同 宇宙科学講演会
      科学する宇宙ステーション −宇宙をもっと知ろう!− ■
  
    国際宇宙ステーションを利用した宇宙探索技術や、宇宙環境における研
   究などについて、日本とイタリアの科学者が直接皆さまに語る宇宙科学講
   演会を行います。日英同時通訳つきですので、中・高・大学生や一般の方
   もお気軽にご参加ください。シンラドームにおいて、科学ライブショーも
   ご紹介します。
  
    開催日時:2009年9月19日(土) 12時30分〜17時20分
    開催場所:科学技術館地下 サイエンスホール
    参 加 費:無料
    申込方法:ウェブもしくはメールで、お申し込みください。
         ※9月11日(金)締切り
    主  催:ローマ大学、理化学研究所
    協  賛:科学技術館
  
    申し込みやプログラムなどの詳細は、こちらをご覧ください。
    http://jiscriss.roma2.infn.it/index.php?lang=jp&itemid=0
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
    今週は、アメリカ合衆国のヤーキス天文台とインターネットで繋ぎ、ラ
   イブショー中にアメリカで見えている星空の様子や天文台で撮影した天体
   写真を送ってもらう「ライブ天体観測」コーナーを予定しています。日本
   の昼過ぎにアメリカの夜空もお楽しみください。
  
    案内役:亀谷 和久さん(宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部)
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 Laboratory ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 東海地震が近い? それはどうだろう・・・ ■
  
    「東海地震かと思ったっきよぉ」と、震度6弱を記録した静岡県焼津市
   の人たちは、その2日後の焼津神社の祭礼に親戚や友人が集まる各家庭の
   宴会で、お互いにあいさつをかわしたことでしょう。
    30数年前から、近い将来に必ず発生すると危惧されてきた東海地震。
   静岡県に小さい頃から住んでいる人たちは、「東海地震」という言葉を繰
   り返し聞いています。ところが、1944年の東南海地震以降、震度5よ
   り大きな地震もなく、当時を知らない世代が多くなってきている中、言葉
   だけが残っている感はぬぐえません。
    そこへ今回の地震が起こりました。否が応でも「東海地震」という言葉
   を思い出さざるをえなかったでしょう。旧盆の帰省ラッシュに東名高速道
   路の不通、静岡県内で亡くなった方がいなかったこともあってか、個人宅
   の損壊や屋根瓦の落下などの被害状況が詳しく報じられることはありませ
   んでしたが、少なくない被害を被った人がいることも事実です。
  
    さて、今回の地震について政府は「東海地震ではない」、また「東海地
   震への影響は考えにくい」という趣旨の見解を出しています。では、東海
   地震とはどんなものかふれていきましょう。
    それにはまず、地球の構造を簡単に理解しておく必要があります。地球
   の構造は、よくニワトリの卵に例えられます。卵の黄身が中心の核、白身
   がマントル、殻が地殻という具合です。地球の地殻には卵と違って、無数
   のヒビが入っています。このヒビには3種類が存在します。ぶつかり合う
   もの、離れていくもの、すれ違うものの3つです。ぶつかっているところ
   では、片方が地球内部へ沈んでいき、離れていくところでは次から次へと
   新しい地殻が生まれてくるので、地球そのものの大きさは変わりません。
    駿河湾と相模湾(伊豆半島を挟んでとなり)は日本でも有数の深い海で
   す。地殻の片方が沈んでいく場所だからなのです。上側をユーラシアプレ
   ート、沈みこむ側をフィリピン海プレートと呼んでいます(プレートと地
   殻は厳密には定義が異なりますが、ここではほぼ同じものとして扱います)。
   駿河湾のあたりでは、厚さ2〜30kmの日本列島の地殻がくさび形に薄
   くなり、その下に厚さ6〜7kmのフィリピン海プレートが沈み込んでい
   ます。フィリピン海プレートはベルトコンベアのように次から次へと、ユ
   ーラシアプレートの下にスムーズに沈み込んでいくわけではありません。
   フィリピン海プレートは、上側のくさび形のユーラシアプレートを一緒に
   引きずり込もうとし、くさび形の部分はそれに抵抗します。くさび形の部
   分はわずかに引きこまれるものの、ある時点でそれに耐えられなくなって
   「ポン」と跳ね上ります。これが東海地震です。東海地震は想定マグニチ
   ュード8、震度6強〜7、ある程度の高さの津波が発生すると予想されて
   います。震源はユーラシアプレートとフィリピン海プレートの間の点では
   なく面の広い地域となると考えられています。震源はフィリピン海プレー
   ト内部で起こった今回よりもはるかに地表に近いものとなるでしょう。つ
   まり、エネルギーが大きく震源が浅いことにより、今回の地震よりはるか
   に強烈な揺れが静岡県を襲うことになるわけです。
    「備えあれば憂いなし」ということわざがありますが、「ちょっと練習
   してみざぁ」と、県内に何柱もおられる神様が相談して決めたわけでもな
   いでしょうが、旧盆で人が集まる時、お祭りの2日前、防災の日の3週間
   前、そして最大震度6弱と、一般市民から行政・ライフラインの担当者ま
   で、どこに弱点があるのか、どこを対策すればよいのか、考えさせられる
   地震となりました。
  
    最後に老婆心ながらみなさんに。地球の現象は人の一生よりはるかに長
   い期間をかけて起こります。予知のための機器を配置して観測態勢も整え
   ていますが、過去の実績もありません。予知だけに頼るのではなく、東海
   地震に備えるためにはどうしたらよいか、発生の警報が出たらどうするか、
   発生したらどうするか、いま一度確認してみてはどうでしょうか。市町村
   に相談窓口が設けられていたり、ホームページに各種の情報が掲載されて
   います。自宅の耐震補強も相談窓口や建築協会のような団体に相談してみ
   るのも一つの方法です。自然災害が起きるのを止めることはできません。
   完全に災害をなくすこともできません。できるだけ災害を減らすようにす
   る、こういう心積りが重要なのだろうと思います。
  
    執筆者:加藤智之 企画広報室
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  ◆ 自然と友だち
  
   ■ 晩夏・・・さわやかな秋風が吹き始める頃 ■
  
    早くもススキの穂が出始め、吹く風に乗ってトンボたちも舞っていまし
   た。
    木の実や樹木には、甲虫やチョウが集まり、さかんに汁を吸っています。
   長い夏休みも終わり、いよいよ新学期を迎え、出会える虫たちや野の花も
   変わっていることに気づきます。ぜひこの時期の自然の移り変わりにも注
   目しましょう。
  
    「晩夏・・・さわやかな秋風が吹き始める頃」の写真
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/ss47/
  
    執筆者:松田邦雄 サイエンス友の会 講師
  
    「自然と友だち」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/t_index.html
  
    ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然」好評発売中!
    ハンドブックのお求め方法
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm
  
  
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  【3】   ★ 科 学 技 術 館 Recommends ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    今年の夏は皆既日食や流星群の観察など、世界天文年にふさわしく大空
   を眺める機会に恵まれました。少し秋風も感じられる今月は手元の虫眼鏡
   で観察できるものから、どうやっても見えないものまで、「小さな小さな
   世界」を紹介します。
  
   ■ 『チリメンモンスターをさがせ!』 ■
     川嶋隆義/編 偕成社 2009年7月
  
    食卓によく出るチリメンジャコやシラスの釜揚げに小さなイカやタコ、
   エビが混じっていることがありませんか。見つけるとちょっと得した気持
   ちになったりします。チリメンモンスターとは私たちの身近な食べものチ
   リメンジャコにまぎれている生きもののことです。魚のグループ、エビ・
   カニなどの節足動物、イカ・タコ・貝の軟体動物、そのほかの四つのグル
   ープに分けられます。通称チリモン。この本では大量のジャコの中から、
   かくれているチリモンをひたすら探します。たくさん見つけることはもち
   ろん、レアものや数々のチリモンキャラクターを見つけ、カード図鑑まで
   つくります。3つのステージ、レベル4まで問題があり、チリモンマスタ
   ーをめざすカラフルな本で、なぜか大人も夢中になります。
    お皿の上のチリメンジャコの中にもたくさんの生きものがいることの楽
   しさはもちろん、チリモンを通して、世界にいろいろな生物が生きており、
   それがかけがえのないものであるということがわかります。海(地球)の
   環境、地元の浜辺、食卓、とスケールの違う環境問題を同時に考えるきっ
   かけにもなります。興味をもったら、きしわだ自然友の会著『チリモン博
   物誌』(幻戯書房)もどうぞ。
  
    執筆者:浅見佳子 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/7musekitsui/chirimenmonster/chirimenmonster.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  ◆ イベント情報
  
   ■ 「科学技術と産業」国際シンポジウム2009 ■
      〜地球的規模の課題解決のために科学技術が果たす役割〜
  
    ノーベル賞受賞者を含む世界の有識者を迎え、グローバル・ヘルスおよ
   び環境・エネルギーの分野における諸問題について多角的な議論を行い、
   持続的な発展のための科学技術の役割と課題を探ります。
  
    日  時:2009年10月7日(水)10時〜17時
    場  所:東京プリンスホテル(東京都港区)
    定  員:500名(事前登録が必要です。先着順)
         ※定員になり次第、締め切らせていただきます。
    参 加 費:無料
    主  催:経済産業省、日本貿易振興機構(ジェトロ)
    問合わせ:ジェトロ 産業技術部産業技術課 成田・平井・南澤
         TEL:03-3582-7571
  
    最新のプログラム、申し込みなど詳細は、こちらをご覧ください。
    http://www.jetro.go.jp/events/sci/
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆ 公開講座のお知らせ
      「航空交通管制と東京航空交通管制部施設見学会」
  
    航空交通管制に関する講義を聞いた後、展示館内にある、かつて東京
   航空交通管制部で使用されていた管制卓を見学します。
  
    開催日時:2009年10月3日(土) 10時〜15時30分
    開催場所:1階研修室、2階展示館、国土交通省東京航空交通管制部
    定  員:60名
    申込方法:往復はがき、もしくはウェブでお申し込みください。
         ※9月16日(水)締切り
    参 加 費:大人500円、小・中学生100円、
         65歳以上・小学校就学前の児童・障害者は無料
  
    応募方法などの詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum5/viewcat.php?cid=1&orderby=dateD
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆ 「シーカヤック体験教室 」開催のお知らせ
  
    「海をあるく」そんな気分に浸れるのが、シーカヤックの魅力かもしれま
   せん。数千年の船の歴史の中で最もシンプルで、船について体感できるのが
   この船の特徴です。自らの手で船を進め、浮力や復元性、方向転換など、船
   の基本的な知識を体験の中から学ぶことができる教室です。
    
    開 催 日:2009年9月13日(日)、27日(日)
    開催時間:13時〜16時(受付は13時から)
    定  員:先着100名
    実施場所:体験教室プール
    参加費用:無料(但し入館券が必要です)
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/sc_03/?p=17
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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   ■ 引越ししました ■
  
    新学期がはじまりました。
    内々の話で恐縮ですが、このメールマガジンを発行している企画広報室
   も新学期に伴い引越しをし、今週から新居での生活をスタートさせました。
    旧居は大所帯の一角でしたが、新居は個室とあって、まるで寮を出て初
   めて一人暮らしをはじめるみたいだね、と同じ寮だったスタッフに見送ら
   れたのは、つい先週のこと。現在、段ボールの山々を少しずつ切り崩し、
   新居整備中です。
    ネコの手、夜中の小人、ドラえもん・・・現われてくれないかなぁ。
  
                        (企画広報室 丸岡弥生)
  
  
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    最後までお読みいただきありがとうございました。
    皆様のご来館をお待ちしております。
  
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  ┘ 発行者:科学技術館メールマガジン係               ┘
  ┘    〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号       ┘
  ┘                                 ┘
  ┘ ※ このメールマガジンの回覧・転送は自由です。内容の引用・転  ┘
  ┘  載の際には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の  ┘
  ┘  記事」と注釈をいれてください。                ┘
  ┘  なお、メールマガジンで参照しているWebサイトのすべての画  ┘
  ┘  像・記事については、著作権法に定める例外を除き、著作権者の  ┘
  ┘  許可なく使用・転載することはできません。           ┘
  ┘                                 ┘
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