科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第257号 ◆  ━
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                             >>>2009/11/11発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   今日は11月11日。数字の並びをいろいろなものに見たてて、下駄の日
   や鏡の日になっています。いい日いい日の語呂あわせは、楽しいですね。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 8,257人。
  
  
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   【1】科学技術館News
       新着情報・・・生命学者と天文学者が語る「宇宙に住もう!?」
              市村アイデア賞作品展
       お知らせ・・・日本IBM TryScience実験教室
              FOREST探検隊
                   〜第1回「ストロボであそぼう!」〜
              「今週のユニバース」
  
   【2】科学技術館Laboratory
       科学・技術よもやま話・・・「50桁覚えていますが・・・」
       自然と友だち・・・
              「本格的な秋の到来・木々や虫、野鳥たちの姿」
  
   【3】科学技術館Recommends
       科学の本の紹介・・・11月のテーマ「色・いろ」に関する本
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
  
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  【1】      ★ 科 学 技 術 館 News ★
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  ◆ 新着情報
  
   ■ 生命学者と天文学者が語る「宇宙に住もう!?」 ■
  
    4階シンラドームにて、土曜日午後の科学ライブショー「ユニバース」
   でもお馴染みの天文学者・戎崎先生と、日〜金曜日に上映しているドーム
   投影番組「セントラルドグマ」の製作統括をされた生物学者・林崎先生の
   お二人によるトークショーを行います。理化学研究所の研究者が、宇宙に
   住むことを通じて、地球環境を考えます。
  
    開催日時:2009年11月15日(日)14時〜15時
    開催場所:4階シンラドーム
    主  催:独立行政法人 理化学研究所 オミックス基盤研究領域
    協  賛:財団法人 日本科学技術振興財団・科学技術館
    定  員:53名(事前登録制)
  
    お申し込み方法や詳しい内容については、
    http://www.osc.riken.jp/event/091115/ をご覧ください。
  
    また、シンラドームのドーム投影番組は、本イベント開催のため、当日
   午後の上映を休止させていただきます。詳細なスケジュールは
    http://www.jsf.or.jp/info/2009/11/post_208.php をご覧ください。
  
    ■ 市村アイデア賞作品展 ■
  
    次代をになう小・中学生のアイデアの芽生えを奨励する市村アイデア賞
   の作品展を開催します。
  
    開催期間:2009年11月20日(金)〜12月6日(日)
    開催場所:2階 ギャラリー
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2009/11/post_210.php
  
  ◆ お知らせ
  
   ■ 日本IBM TryScience実験教室 11月 ■
  
    「TryScience(トライサイエンス)実験教室」は、毎月1回、第2日曜
   日もしくは第3日曜日に開催しています。
  
    開催日時:2009年11月15日(日) 13時〜16時
    開催場所:4階D室 イベントホール
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2009/09/post_202.php
  
   ■ FOREST探検隊 〜第1回「ストロボであそぼう!」〜 ■
  
    ☆ 「ホログラムのコマ」を探検!
  
     「ホログラムのコマ」は、私たちのまわりにある“光”をテーマにし
    た展示室「オプト」にあるよ。
     チカチカ光るストロボライトの下でコマをまわすとどうなるのかな?
    大きなコマに好きな絵をかいて、自分でつくって確かめてみよう!
  
    開 催 日:2009年11月22日(日)
    開催時間:10時30分〜、14時30分〜 (各回70分)
    開催場所:5階FOREST
    参 加 費:無料(入館料は必要です)
    定  員:8名(先着順)
    参加方法:当日、5階スタッフカウンターにて9時30分より受付
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2009/10/post_209.php
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
    今週も、アメリカ合衆国のヤーキス天文台とインターネットで繋ぎ、ラ
   イブショー中にアメリカで見えている星空の様子や天文台で撮影した天体
   写真を送ってもらう「ライブ天体観測」コーナーを予定しています。日本
   の昼過ぎにアメリカの夜空もお楽しみください。
  
    案内役:伊藤 哲也さん(自然科学研究機構 国立天文台)
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 Laboratory ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 50桁覚えていますが・・・ ■
  
    みなさんは円周率を小数点以下何桁まで覚えていますか?円周率は、円
   周と直径の比を表わしたもので、小学校の算数の時間に習います。この円
   周率をパイ(π)とよびます。アメリカでは今年の3月11日、3月14
   日を全米円周率の日(National Pi Day)と制定する法案が可決されました。
   この決議案では、この日学校で生徒に円周率を教え、「数学を学ぶ魅力を
   伝える」よう呼びかけているそうです。
    ちなみに現在の円周率の計算桁数の記録は、今年の8月に筑波大学計算
   科学研究センターのスーパーコンピュータ「T2K筑波システム」で、記
   録した2兆5,769億8,037万桁です。この「T2K筑波システム」
   は、総演算性能95テラフロップス(毎秒95兆回演算)で、高性能なコ
   ンピュータを648台接続したスーパーコンピュータです。今回の円周率
   の計算では640台使用し、求めた値が正しいかどうか検証するため、2
   種類のアルゴリズム(円周率を求める計算の手法)を使用し、実際には2
   兆5,769億8,037万7,524桁まで一致したとのことです。
   (桁の数がすべて一致しないのはアルゴリズムのちがいによります。どち
   らが間違いというわけではありません。※を参照)
    これまでの記録は2002年に東京大学情報基盤センターが達成した1
   兆2,411億桁で、今回はその記録を約2倍更新したにもかかわらず、
   計算時間は、約8分の1以下だったそうです。もちろんアルゴリズムが違
   うこともありますが、単純に考えて、計算速度は7年で約16倍になった
   コンピュータの性能進化のスピードにも驚かされます。
    ところで、円周率を2兆桁まで求めることに何の意味があるのでしょう
   か。精密さが必要とされる航空工学の分野でも、小数点以下数桁から数十
   桁あれば十分です。では何のために2兆桁まで求めたのでしょうか。それ
   は筑波大学のプレス発表にも書かれている通り、今回の世界記録樹立は、
   コンピュータの性能・信頼性などの評価のための高性能計算の一例として
   実施した結果の言わば副産物に過ぎません。
    冒頭の質問で、私は50桁ほど記憶しています。語呂あわせの要領で、
   1,000桁まで覚える方法もあるようです。暗誦するのも楽しいですが
   円周率の求め方や、円周率がなぜその値になるのかという理由を考えるの
   もおもしろいですよ。
  
    ※筑波大学 プレス発表
    http://www.tsukuba.ac.jp/public/press/090817.pdf
  
    〜参考〜T2Kオープンスーパーコンピュータ
    http://www.amd.com/jp/press-releases/Pages/Press_Release_126117.aspx
  
    執筆者:今井忠彦 情報システム開発部
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  ◆ 自然と友だち
  
   ■ 本格的な秋の到来・木々や虫、野鳥たちの姿 ■
  
    早いもので山地では紅葉真っ盛りの頃を迎えています。東京あたりでも、
   そろそろ木々の葉が色づきはじめ、木の実も目立つようになりました。虫
   たちの数もずっと少なくなっていますが、それでもいろいろな虫たちの生
   きる営みを見ることができました。そして、いよいよ冬の使者、カモたち
   も池へやってきはじめました。
  
    「本格的な秋の到来・木々や虫、野鳥たちの姿」の写真
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/ss51/
  
    執筆者:松田邦雄 サイエンス友の会 講師
  
    「自然と友だち」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/t_index.html
  
    ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然」好評発売中!
    ハンドブックのお求め方法
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm
  
  
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  【3】   ★ 科 学 技 術 館 Recommends ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    11月は「色・いろ」に関する本を紹介しています。
  
   ■ 『ヤギの見る色 どんな色?』 ■
     岸上祐子 著  株式会社ポプラ社
  
    「ヤギって色がわかるの?」皆さんはどう思いますか?人間に近いサル
   は、色がわかるそうです。人間に近いから驚かないって?では、金魚やハ
   トも色を見わけることができるらしいと聞いたら・・・?
    著者の岸上さんは、「ヤギはどんなふうに見ているのだろう」と考える
   ことで、いろいろ想像がふくらみ、おもしろそう!という気持ちになった
   そうです。そしておよそ240日にわたって行った実験の記録が、この本
   に書かれています。
    相手はなんといっても生きたヤギ。ヤギのほうに不満がたまって実験が
   うまく進まなかったり、愛情表現で?おしっこをかけられたり・・・とい
   ろいろありましたが、はたしてどんな結果が得られたのでしょうか。
    「一つの実験の結果がさらに新しい疑問を生み、次の実験のステップに
   なる」著者のいきいきとした表現から、絶えることのなく探究心がわきあ
   がった様子をうかがうことができます。
  
    執筆者:伊藤一美 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/8sekitsui/yaginomiruiro/yaginomiruiro.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
    ☆ 「格納庫」と「YS−11機」の一般公開のお知らせ
  
     所沢航空発祥記念館に隣接している格納庫(実機12機)と、戦後日
    本の航空界が総力をあげて開発した国産初のターボプロップ旅客機「Y
    S−11機」を一般公開します。ぜひ、ご見学ください。
     15日(日)にはYS−11機操縦席搭乗体験(先着30名)もあり
    ます。詳細は下記のURLをご覧ください。
  
    開催日時:2009年11月14日(土)10時〜15時
    展示場所:「格納庫」    記念館東となり
         「YS−11機」 西武新宿線「航空公園」駅前
    参 加 費:無料
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum5/viewcat.php?cid=1&orderby=dateD
  
   ■ 船の科学館 ■
  
    ☆ 「商船模型同好会作品展」開催のお知らせ
  
     商船模型同好会の主催による「商船模型同好会作品展」を開催します。
    精密に作られた商船模型の展示や、模型の製作法などの資料公開及び実
    演を行います。同時に、東海汽船120周年特別展示も開催いたします。
    
    開催期間:2009年11月21日(土)〜23日(月・祝)
    開催時間:21日(土)13時〜17時
         22日(日)10時〜17時
         23日(月・祝)10時〜16時
    実施場所:本館1階 オーロラホール
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/news/?p=357
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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   ■ 「ケータイ」が変えるか、教室の文化 ■
  
    携帯電話の「はしり」のようなものが公開されたのは、日本では大阪万
   博の時の1970年。最初は柄(がら)が大きく、肩かけタイプのショル
   ダーフォンだったり、自動車に積載される自動車電話でした。普及台数は
   通話の方式がアナログからデジタルに変わった1993年から徐々に増え、
   それからの10年間に普及率は90%も伸びました。いまや飽和状態で、
   買い替え需要をめぐってマーケティング手法が大きく変化しているのは、
   ご存知のとおりです。
    「ケータイ」は、日本のコミュニケーションの文化を大きく変えていま
   す。その一つを、最近、ある大学で経験してきました。今は少し様相が変
   わってきたようですが、日本では、教室でもホールでも、授業や講演の後
   に「質問はありませんか?」と聞いても、なかなか手があがりませんでし
   た。司会者が、講演者に申し訳なさそうに、「折角の機会ですから…」と、
   質問を促すようなことがよくあります。講演の合間に「質問用紙」が配布
   されるところもありました。これは日本人に特有の「文化」のようで、欧
   米にはみられないようです。
    さて、その大学では何が起こっているのでしょうか?講義後の質疑の時
   間になると、学生たちは、いっせいに、ケータイを取り出し、眼にも止ま
   らぬ早さで親指を動かし始めます。2、3分が過ぎると、教壇のスクリー
   ン上には、彼らからの質問やコメントが、次々に映し出されていきます。
   そうなんです、口頭でコミュニケーションを取るのではなく、ケータイの
   メールがその代役を務めているのです。ほぼ、全員が回答しています。そ
   れは出席点を兼ねているせいもありますが、それよりもコメントの匿名性
   がスクリーン上では保たれているからのようです。講義のテーマにより、
   学生の持つ基本的な知識や問題意識には大きな違いがあります。それは、
   スクリーン上のコメントを見ると実によくわかります。講師も驚くような
   鋭い指摘があったかと思うと、逆に「おやおや、なに考えてんの?」とい
   うものもあります。挙手をして、もし後者だったらという気持ちが、質問
   を躊躇させているのではないでしょうか。
    スクリーン上に表示されるコメント一覧を、学生と講師が同時に見なが
   ら、「いい質問」を取り上げて討論を開始することができます。一学生と
   講師との「一対一」のやりとりではなく、参加者が大きく増えることが期
   待できます。学生のレベルや問題意識を計りながら、講義内容の調整が可
   能になります。一方、おもしろくない講義には「つまらん!」との指摘が
   リアルタイムで飛んできそうで、講師もうかうかしてはいられません。教
   室の文化がケータイで変わるかもしれない、と思ったできごとでした。
    それにしても、小学校低学年の保護者参観に行くと、子どもたちは、先
   を争うようにして手をあげているのに、日本では、いつ頃から、その元気
   は伏流水のように消えてしまうのでしょう?
    その原因は、いったいどこに…?どこに…??
  
                        (企画広報室 吉田 浄)
  
  
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    最後までお読みいただきありがとうございました。
    皆様のご来館をお待ちしております。
  
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  ┘ 発行者:科学技術館メールマガジン係               ┘
  ┘    〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号       ┘
  ┘                                 ┘
  ┘ ※ このメールマガジンの回覧・転送は自由です。内容の引用・転  ┘
  ┘  載の際には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の  ┘
  ┘  記事」と注釈をいれてください。                ┘
  ┘  なお、メールマガジンで参照しているWebサイトのすべての画  ┘
  ┘  像・記事については、著作権法に定める例外を除き、著作権者の  ┘
  ┘  許可なく使用・転載することはできません。           ┘
  ┘                                 ┘
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