科学技術館メールマガジン バックナンバー


  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ━━                               ━━
  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第292号 ◆  ━
  ━━                               ━━
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                             >>>2010/7/28発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   暑い日が続きますが、健康に留意して過ごされていますか。今週末は無料
   で科学技術館に入れます。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 9,138人。
  
  
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘ 今 号 の 目 次 ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
  
   【1】科学技術館最新情報
       新着情報・・・「第21回国際生物学オリンピック」成績発表!
              「第41回国際物理オリンピック」成績発表!
              「第42回国際化学オリンピック」成績発表!
               夏休み特別展「いきものから学ぶロボット展」
              「今週のユニバース」
  
   【2】科学技術館ラボラトリー
       科学・技術よもやま話・・・「現代の風見鶏?」
       自然と友だち・・・「夏の虫2」
  
   【3】科学技術館おすすめ
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ「自由研究の参考になる本」
  
   【4】科学技術館ニュース
       お知らせ・・・無料開館のお知らせ
              無料開館中のイベント
              国際科学オリンピックシンポジウム
                        参加者募集中(参加無料)
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
  
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【1】    ★ 科 学 技 術 館 最 新 情 報 ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ 新着情報
  
   ■ 「第21回国際生物学オリンピック」成績発表! ■
  
    韓国・昌原(Changwon)市にて開催された「第21回国際生物学オリン
   ピック」に参加した日本代表の高校生4名は、金メダル1名、銀メダル3
   名の成績をおさめました。おめでとうございます。
  
   ※詳しくはこちらをご覧ください。
    http://www.jbo-info.jp/ibo/ibo2010.html
  
   ■ 「第41回国際物理オリンピック」成績発表! ■
  
    クロアチア(ザグレブ)で開催された「第41回国際物理オリンピック」
   に参加した日本代表の高校生5名は、銀メダル1名、銅メダル3名、入賞
   1名の成績をおさめました。おめでとうございます。
  
   ※詳しくはこちらをご覧ください。
    http://www.phys-challenge.jp/2010/IPhO2010Sokuho/index.htm
  
   ■ 「第42回国際化学オリンピック」成績発表! ■
  
    日本(東京)で開催された「第42回国際化学オリンピック」に参加し
   た日本代表の高校生4名は、金メダル2名、銀メダル2名の成績をおさめ
   ました。おめでとうございます。
  
   ※詳しくはこちらをご覧ください。
    http://www.icho2010.org/ja/home.html
  
   ※「国際物理オリンピック」、「国際生物学オリンピック」、「国際化学
    オリンピック」は、(財)日本科学技術振興財団・科学技術館が主催者
    の一員として加わっています。
  
   ■ 夏休み特別展「いきものから学ぶロボット展」 ■
  
    いきものから学び活かされた技術を、最先端のロボットによるステージ
   と体験型の展示でご紹介します。
  
    開 催 日:8月7日(土)〜22日(日)9時30分〜16時50分
    場  所:2階イベントホール
    参 加 費:無料(入館料は必要です)
  
    パフォーマンスのスケジュールや展示物などの詳細はこちらをご覧くだ
   さい。
    http://www.jsf.or.jp/info/2010/07/post_282.php
  
    ※この特別展は、競輪の補助金を受けて開催します。
    競輪オフィシャルサイト
    http://keirin.jp/
    RING!RING!プロジェクト 競輪補助事業ホームページ
    http://ringring-keirin.jp/
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
  
    案内役:大朝 由美子さん(埼玉大学)
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【2】   ★ 科 学 技 術 館 ラ ボ ラ ト リ ー ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 現代の風見鶏? ■
  
    皆さんのお住まいの屋根や屋上には、どんなアンテナが設置されている
   でしょうか。ケーブルテレビ(CATV)や光放送をお使いのご家庭には
   アンテナがないかも知れません。また、衛星放送(BS・CS)をご覧の
   場合、パラボラアンテナと呼ばれるお椀形のアンテナがベランダにあるか
   も知れません。ともあれ多くの建物では、屋根に魚の骨のようなアンテナ
   が1本か2本あることが多いのではないでしょうか。
    このアンテナは八木・宇田アンテナ(参考1)といい、テレビの受信に
   使われるものとしては、”骨”が数本から十本程度の大きなアンテナと、
   十数本から二十本程度の小さなアンテナとがあります。前者はVHF用と
   いわれるもので、地上アナログテレビであれば1〜12チャンネルを見る
   ためのものです。後者はUHF用で、これまでは同13〜62チャンネル
   (関東の場合、おおまかにTOKYO MX・放送大学・とちぎテレビ・
   テレ玉・tvk・チバテレビ・群馬テレビのいずれか)を見るためのもの
   でした。
    「これまでは」と書いたのは、いよいよ一年を切った地デジ(地上デジ
   タルテレビ放送)への完全移行で、後者の出番が格段に増えるからです。
   地デジはUHFの電波を使用しているため、受信には多くの場合、対応し
   たUHF用のアンテナが必要になります。現在の1〜12チャンネルのア
   ナログ放送は、通常の放送が来年2011年6月末に終了し、7月1日か
   らのお知らせ画面の表示を経て、7月24日正午に全ての放送が終了しま
   す。それ以降、現在屋根にあがっている大柄なVHFアンテナはほとんど
   役に立たず、地デジを見るためには小振りなUHFアンテナを使うことに
   なります。
    ところで、アンテナはどんな向きに立てられているでしょうか。関東広
   域圏の場合、NHK総合(茨城県を除く)・NHK教育・日本テレビ・T
   BSテレビ・フジテレビ・テレビ朝日・テレビ東京とTOKYO MX・
   放送大学の電波は、いずれも港区芝公園の東京タワーから送信されていま
   す。これらを受信している場合、アナログ用のVHFアンテナも、MX用
   や既にデジタルに移行したUHFアンテナも、概ね東京タワーを向いてい
   るはずです(参考2)。一方で県域放送局は、テレ玉はさいたま市桜区道
   場、tvkは横浜市鶴見区三ツ池公園、チバテレビは千葉県船橋市三山と
   いったようにそれぞれの県内に送信所を設けているため、これらを受信す
   るためのUHFアンテナはさいたま・横浜・船橋に向けることになります。
   各県のテレビ局をご覧になるお宅は、これまではVHFアンテナが東京タ
   ワーに、そしてUHFアンテナが県内の電波塔に向いていたはずですが、
   地デジになるとUHFアンテナが2本違う方向を向くことになります。屋
   根の上を見てみると、ご近所のアンテナは大体同じ方向を向いているはず
   ですが、時折違う向きになっているものがあります。台風などの影響でお
   かしな方向になってしまっているアンテナもありますが、多くは隣の県の
   テレビを見るためのUHFアンテナでしょう。また、電波は反射や回折を
   するので、東京タワーに直接向けるよりもちょっと違う方向にした方がよ
   く受信できるというようなこともあります。
    なお、墨田区押上に建設中の東京スカイツリーは、2012年から電波
   を発射する予定です。放送大学は引き続き東京タワーを使いますが、それ
   以外の局は以降スカイツリーに引っ越すことになっています。そのときに
   はもう一度、UHFアンテナの向きを変える必要がある地域も出てくるで
   しょう。
    地デジへの移行準備ができているか、何県の放送局を見ているか、東京
   タワーが大体どちらの方向か、屋根の上を眺めるとなんとなくわかります。
   梅雨が明けて傘が要らなくなったので、日差しと交通に気を付けて、お暇
   なときにお試しください。
  
   (参考1)いわゆる"八木アンテナ"について、詳しくは、科学技術館メー
   ルマガジンのバックナンバー「日本の科学者像 第5像」をご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/monument/005/05_1015.html
  
   (参考2)アンテナの向きについて、科学技術館屋上のテレビ受信用八木
   ・宇田アンテナの例をご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/292/292.pdf
  
    執筆者:松浦匡 科学技術館事業部
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
   ※メールマガジン291号の「科学・技術よもやま話」のなかで、文章に
   誤りがありました。以下のように訂正させていただきます。
  
   誤:
    「同じように、ピンポン玉を原子核と捉えると、原子は直径40億km
     の大きさの球体になります(海王星公転半径よりやや小さい)。」
  
   正:
    「原子核が1mなら、ピンポン玉は直径40億kmの大きさの球体にな
     ります(海王星公転半径よりやや小さい)。」
  
  ◆ 自然と友だち
  
   ■ 夏の虫2 ■
  
    いよいよ梅雨明け。本格的な夏がやってきました。夏の虫たちも続々と
   登場し、夏休みにも入り、親子で虫たちとの出会いの機会も多くなってき
   ました。ぜひご家族でフィールドへ出て、自然と交わり、発見の喜びを味
   わいましょう。
  
    「夏の虫2」の写真
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/ss68/
  
    執筆者:松田邦雄 サイエンス友の会 講師
  
    「自然と友だち」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/t_index.html
  
    ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然」好評発売中!
    ハンドブックのお求め方法
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【3】    ★ 科 学 技 術 館 お す す め ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ 科学の本の紹介
  
    今月は自由研究の参考になる本を紹介しています。最近は栽培技術や輸
   送技術の発達で1年中さまざまな野菜を目にしますが、本来それぞれに旬
   があるものです。4冊目は夏が旬のある野菜に注目して、育てて観察した
   り食べ方を調べたり、アプローチの方法を考える一助になる本を紹介しま
   す。
  
   ■ 『トウモロコシの絵本』そだててあそぼう ■
     とざわひでお へん おおくぼひろあき 絵 農文協
     1800円(税別)1997.3
  
    ある夏の日の昼下がり
    少し日が傾きかけたころ
    おやつにゆでたとうもろこし
  
    一口かじれば口いっぱいに広がるあの甘味は格別です。トウモロコシと
   いえば、ゆでたり焼いたり、スープやサラダといった料理に使う野菜とし
   てのすがたが一番に思い出されますが、食べるのはどの部分なのか、どん
   な花が咲いて、どんなふうに収穫されるのか、ほかに種類はないのか、ほ
   かの国でも同じように用いられているのか、実は知らないことがたくさん
   あります。長年トウモロコシの試験研究に従事してきた戸沢さんは、植物
   としてのトウモロコシの解説だけでなく、文化や歴史についてもふれてい
   ます。そして、あとがきで「…作物には、まだわかっていないことがたく
   さんあります。みなさんは、トウモロコシをつくり、よく観察することに
   よって、この本にのっていないあたらしい発見をするかもしれませんね。
   さあ、まずは、みんなでいっしょにつくってみてください。」と子どもた
   ちに語りかけます。まずはやってみること、興味を持つこと、そしてよく
   観察して考えること。これこそ自由研究をする意義であり、楽しさなので
   はないでしょうか。
    そだててあそぼうシリーズは、すでに93巻刊行されています。これら
   は、それぞれの興味を深めるきっかけになることと思います。
  
    執筆者:二階堂恵理 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/6shokubutsu/toumorokosi/toumorokosi.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【4】    ★ 科 学 技 術 館 ニ ュ ー ス ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ お知らせ
  
   ■ 無料開館のお知らせ ■
  
    科学技術館では、「ウォーターフェア’10東京 水の展示会」及び
   「青少年のための科学の祭典 2010全国大会」の開催日に合わせて、
   7月30日(金)〜8月1日(日)を無料開館日といたします。
  
   ■ 無料開館期間中のイベント ■
  
    ● 「ウォーターフェア’10東京 水の展示会」 ●
     開催日:7月30日(金)〜8月1日(日)
  
     詳細はこちらをご覧ください。
     http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/tochimizushigen_mizsei_tk1_000014.html
  
    ● 「青少年のための科学の祭典 2010全国大会」 ●
  
     開催日:7月31日(土)〜8月1日(日)
     時 間:9時30分〜16時50分
     会 場:科学技術館1階 催事場
  
     詳細はこちらをご覧ください。
     http://www.kagakunosaiten.jp/
  
    ● 第17回原子力ポスターコンクール作品募集 ●
  
     開催日:7月30日(金)〜8月1日(日)
     時 間:10時〜16時50分
     会 場:4階G棟(「建設館」前付近)
        ※ポスターを描ける場所や道具を用意しております。
  
     詳細はこちらをご覧ください。
     http://www.jsf.or.jp/info/2010/07/post_284.php
  
    ●日立ブース「Nature Contact」で、夏のエコ工作体験
                 “みんなでエコを楽しもう!”開催! ●
  
     開催日:7月31日(土)〜8月1日(日)
     会 場:2階日立ブース「Nature Contact
                    〜みんなで地球の未来を考えよう!」
     テーマ:ネイチャーコンタクト みんなでエコを楽しもう!
     内 容:エコ工作体験
         1)せっけんねんど作り(ゴミのむだをなくす工作)
         2)オリジナルキャンドル作り(電気のむだをなくす工作)
     時 間:9時45分〜、10時30分〜、11時15分〜、12時〜、
         13時〜、13時45分〜、14時30分〜、15時15分〜、
         16時〜(予定) <各回最大10名>
         ※両日とも9時30分から整理券を配布します(先着順)。
         なくなり次第終了となります。
  
     詳細は以下のホームページをご覧ください。
     http://www.hitachi.co.jp/advertising/naturecontact/event/index.html
  
    ● ベネッセコーポレーション特別企画
         「親子で挑戦! 科学技術館スタンプラリー」 ●
  
     開催日:7月31日(土)〜8月1日(日)
     対 象:小学6年生以下のお子様とその保護者の方
     応 募:1家族1回のみ
     用紙配布:1階エスカレーター前、9時30分〜16時
     問い合せ:株式会社ベネッセコーポレーション
          地域マーケティング部 「科学技術館スタンプラリー係」
          電話:03−3374−1692
          (土日祝を除く10時〜12時、13時〜17時)
          ※科学技術館ではお答えできません。
  
      詳細はこちらをご覧ください。
      http://www.jsf.or.jp/info/2010/07/post_280.php
  
   ■ 国際科学オリンピックシンポジウム 参加者募集中(参加無料) ■
  
    ノーベル化学賞受賞者の野依良治先生の基調講演をはじめ、パネルディ
   スカッションでは、歴代のメダリストたちが、科学のコト、国際大会のコ
   ト、などを皆様の質問に答えます。
    また、歴代メダリストたちと一緒に実験を行うワークショップや国際物
   理オリンピックの問題を交えながら、最先端の科学とその奥深さを観るこ
   とができるサイエンスショーを実施します。
  
    日  時:2010年8月18日(水)13時30分〜17時
    場  所:東京大学安田講堂
    対  象:中高校生とその保護者、教育関係者
    主  催:日本科学オリンピック推進委員会
    特別協賛:独立行政法人科学技術振興機構
    後援(予定):文部科学省、文京区
  
    詳細および参加申込はこちらをご覧ください。
    http://www.kagaku-olympic.jp
    ※ワークショップは定員制のため抽選となります
    (7月31日(土)締切)
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆夏休み特別展「3Dデジタル展」開催のお知らせ
  
    今、大きな話題となっている3Dデジタルについて、そのしくみをわか
   りやすく紹介する特別展を下記の通り行います。
  
    開 催 日:7月31日(土)〜8月29日(日)(休館日を除く)
    開催時間:9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
    開催内容:1)恐竜キング3Dダイノシアター
         2)3D立体テレビを体感しよう
         3)浮き上がる絵!?不思議なホログラム
         4)3D紹介パネル等
         5)ワークショップ 偏光フィルムの万華鏡作り
    開催場所:特別展会場
    参 加 費:無料(入館料が必要です)
         ワークショップは参加費として別途50円が必要です。
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum5/viewcat.php?cid=1&orderby=dateD
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆ 「セーリングカヌー操船体験教室」開催のお知らせ
  
    風の力だけで進むヨット型カヌーの操船体験教室です。各艇にはインス
   トラクターが同乗しますので、初めての方でも楽しく体験することができ
   ます。みなさんの参加をお待ちしています。
  
    開催日時:8月1日(日)13時〜16時
    受付時間:12時45分〜15時30分
    実施場所:体験教室プール
    参 加 費:無料(入館券の提示が必要です)
    ※天候などにより変更になる場合があります。荒天時は中止となります。
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/news/?p=574
  
   ☆ 海上保安庁関連イベント情報について
  
    船の科学館では、海上保安庁の協力により、夏季のイベントとして海の
   安全教室(7月31日、8月1日)などを開催いたします。
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/news/?p=558
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
             ★ 担 当 者 よ り ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
   ■ 傘の色はなぜ黒が多いのか? 〜猛暑のなかで考える〜 ■
  
    日本は、春夏秋冬、四季の移ろいがはっきりしている国です。四季の変
   化があるというのは、「ない」国のひとたち、たとえば「常夏の国 ハワ
   イ」のひとびとからは、きっと、羨ましく感じられることでしょう。でも、
   その季節の変化のなかで、嫌われている時期もありますね。梅雨です。
    梅雨は、かつては「しとしと ぴっちゃん」で、湿気や黴(かび)に要
   注意でしたが、近頃は地域的に、とくに西日本で1時間あたり100ミリ
   を超える集中豪雨をもたらすようになっています(注1)(注2)。
    その梅雨の季節に欠かせないものが「傘(かさ)」。傘といえば、「傘
   の花が咲く」の表現があるように、とくに女性の傘は色とりどりできれい
   なものです。でも、男性の傘は、依然として、黒や黒っぽいのが多い。そ
   うそう、傘のことを昔は「蝙蝠(こうもり)傘」と言いました。日本人が、
   明治初年に西洋傘を初めて見たときに、ちょうど動物のコウモリが翼を広
   げた姿に似ていたところから、そのように名付けられたようです(注3)。
   つまり、19世紀後半には、雨傘といえば黒だった。
    ところで、どうして傘は黒色なのでしょうか?黒色は、防水あるいは紫
   外線除けに効果があるから?ほんとうでしょうか。
    西洋傘の歴史を振り返ると、古くは4000年前のエジプトにさかのぼ
   るようです。最初は日傘であり、(貴人とともに移動できる)天蓋(てん
   がい)であり、富と権力の象徴として使われました。時代は、ずっとくだ
   って、ルネサンスの頃にイタリアから、スペイン、フランスへと広がって
   いきます。フランスは19世紀後半、印象派のクロード・モネが描いた
   「日傘を差す婦人」、ジョルジュ・スーラの「グランド・ジャット島の日
   曜日の午後」などに見られるように、華やかな色合いの日傘が画材になっ
   ていますが、18世紀半ばには雨傘としての使い方も始まっていました。
    イギリスでは、18世紀に畳むことができる今の構造の傘が開発されま
   したが、まだ女性が日傘として使うものだとされていて、雨の日に傘を差
   す習慣はなかったようです。ものの本によると、マグダレン病院の創設者、
   ジョナス・ハンウェイなる紳士が、1750年以降30年にわたり、世間
   の笑いものになりながら、ロンドンの雨の日に防水を施した傘を差して歩
   いたことから、「雨傘」としての利用が普及したのだそうです。彼が、雨
   の日に傘を持ち歩いていると、「そこのフランス人、どうして馬車を呼ば
   ないんだね?」と嘲(あざけ)られたということです。
    ようやく答えに近づいてきました。
    「モーニング(コート)」といえば、男性の正装として結婚式などで着
   用されますが、あれは「黒」のきまりです。もともとは、英国で乗馬服か
   ら派生しました。そのモーニングから、スーツ(背広)が生まれたのです。
   19世紀にイギリスで黒の紳士服が流行し、やがて正式な服装といえば黒
   を指すようになります。黒のスーツに黒の山高帽と来れば、アクセサリー
   の傘も当然に黒。どうやら、傘に黒が定着したのは、物理や化学によるも
   のではなく、ファッションだったようです。ロンドンの金融街、ロンバー
   ド・ストリートを歩く銀行マンは、このスタイルでした(注4)。黒は中
   立色ですから、紺やダーク・グレーのスーツにも、黒の傘で合いますね。
   もっともイギリス紳士は雨傘をステッキ代わりに持ち歩いていて、少々の
   雨では傘を開かないといわれています(昔は、傘を美しく細く畳むのを専
   門の職人に依頼していた)。
    さて、日本で、1年に売れている傘の本数はどのくらいでしょうか。
    なんと、なんと1億3千万本。毎年、1人が1本ずつ買っている計算に
   なります。忘れものの代表だから、こんなに消費されるのでしょうか。
  
                         (企画広報室 吉田浄)
  
   注1.「1時間あたり100ミリ」の降雨量と言われても、これだけでは
      ピンと来ませんね。この「土砂降り」の量(かさ)を計算してみま
      しょう。仮りに10km四方の地域に、100ミリの雨が1時間降
      り続けたとすると、その水量(体積)は、100mm×10km×
      10km=10,000,000立方メートル。東京の1日あたり
      の水道使用量(平均)4,334,000立方メートルと比べると、
      約2.3倍に相当します。すごいボリュームでしょう。ちなみに、
      1千万立方メートルの水の重量は1千万トンです。これだけの重さ
      の水分が「雲」として上空に浮いていたわけですから、自然の力と
      はすごいものですね。
  
   注2.気象庁のHPを見ると、各地の梅雨の期間における「降雨量」が出
      ています。たとえば、雨の多い鹿児島では、2000年から200
      9年までの10年間で見ると、多い年には1,246mm(200
      7年)、少ない年には293mm(2005年)と、4倍も違い、
      大きく変動しています。1954年には、なんと1,730mmも
      降っています。昨年来、八ツ場ダム工事が大きな政治問題になって
      いますが、治山治水の難しさを考えさせられます。
  
   注3.「西洋傘」に対して、伝統的な日本の傘を「和傘」あるいは「唐傘
      (からかさ)」といいます。植物油で防水加工を施した「和紙」と
      「竹」でできています。江戸時代の浪人武士が糊口(ここう)をし
      のぐために「傘張り」を内職としているシーンは時代劇の定番です
      ね。種類は、蛇の目傘、番傘、日傘、舞い傘、踊り傘、野点(のだ
      て)傘などいろいろありますが、傘全体が黒色というのはないよう
      です。ひと昔前の童謡に「♪雨雨ふれふれ、母さんが、蛇の目でお
      迎えうれしいな、ピッチピッチ、チャップチャップ…」というのが
      ありましたが、この歌ができた1925年(大正14年)には、傘
      は「蛇の目傘」だったのですね。
  
   注4.ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画「メリー・ポピ
      ンズ」の舞台は、1910年のロンドン。ジェーンとマイケルのお
      父さん、バンクス氏は、黒の三つ揃いスーツ、山高帽、こうもり傘
      の典型的なイギリス紳士として登場します。
  
  
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
     最後までお読みいただきありがとうございました。
     皆様のご来館をお待ちしております。
  
  
   ※科学技術館メールマガジンに関するお問い合わせやご意見、ご感想は
    こちらのURLからお願いします。
    http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/
  
   科学技術館ホームページ>>> http://www.jsf.or.jp
  
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
    科学技術館のイベント情報などをタイムリーにお届けする、科学技術館
    ケータイメルマガの登録はこちらから。
  
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/m/mm.htm
  
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
    配信解除・配信先変更、バックナンバーについては、こちらのホーム
    ページからお願いします。
    https://www3.jsf.or.jp/mailmaga/menu.asp
  
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
  ┘                                 ┘
  ┘ 発行者:科学技術館メールマガジン係               ┘
  ┘    〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号       ┘
  ┘                                 ┘
  ┘ ※ このメールマガジンの回覧・転送は自由です。内容の引用・転  ┘
  ┘  載の際には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の  ┘
  ┘  記事」と注釈をいれてください。                ┘
  ┘  なお、メールマガジンで参照しているWebサイトのすべての画  ┘
  ┘  像・記事については、著作権法に定める例外を除き、著作権者の  ┘
  ┘  許可なく使用・転載することはできません。           ┘
  ┘                                 ┘
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘



操作メニューへ

メールマガジンに関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。
科学技術館メールマガジン問い合わせ窓口:http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/

Copyright (C)2004 Science Museum, Tokyo, ALL RIGHTS RESERVED