科学技術館メールマガジン バックナンバー


  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ━━                               ━━
  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第297号 ◆  ━
  ━━                               ━━
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                              >>>2010/9/1発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   今週は防災週間。そして今日は防災の日。地震や台風などの自然災害だけ
   ではなく、事故や事件などの人為災害も防ぎたいものですね。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 9,207人。
  
  
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘ 今 号 の 目 次 ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
  
   【1】科学技術館最新情報
       新着情報・・・「ワクエコ・カーモデラー教室」参加者募集!
              科学技術の「美」パネル展 開催中
              「今週のユニバース」
  
   【2】科学技術館ラボラトリー
       科学・技術よもやま話・・・「お熱いのがお好き」
       科学技術“感”をきたえよう!
  
   【3】科学技術館おすすめ
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ「生きものイ・ロ・イ・ロ」
  
   【4】科学技術館ニュース
       お知らせ・・・「まっくら体験イベント
                     〜シカクい部屋には視覚がない」
              日立ブース「Nature Contact」
               『エコ工作体験レポート』が公開されました!
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
  
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【1】    ★ 科 学 技 術 館 最 新 情 報 ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ 新着情報
  
   ■ 「ワクエコ・カーモデラー教室」参加者募集! ■
  
    市販されている自動車のデザインを造るプロのカーモデラーと一緒に、
   クレイモデル造形に挑戦し、モデル造形を体験学習できる教室です。
    教室への参加希望の方は往復はがきにて、お申し込みください。
  
    開 催 日:9月23日(木・祝)
    開催時間:10時〜12時30分(午前の部)
         13時30分〜16時(午後の部)
    開催場所:2階 ワクエコ・モーターランド
    対  象:小・中学生(小学1〜3年生は、保護者の同伴が必要です)
    参 加 費:無料(参加者は入館料も無料、同伴者は有料です)
    募集人数:各回9名(応募多数の場合には抽選となります)
    申込締切:9月13日(月)必着
  
    申込方法などの詳細は、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2010/09/post_305.php
  
   ■ 科学技術の「美」パネル展 開催中 ■
  
    研究の過程や成果などで発生した美しく感動的な画像を展示しています。
   ぜひ「美しい現象」や「見たことのない」画像の感動を味わってください。
  
    会期:8月21日(土)〜9月30日(木)
    場所:4階G棟サイエンスギャラリー
    展示:平成22年度の写真作品25点
    共催:日本科学技術振興財団・科学技術館、科学技術団体連合
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
  
    案内役:野本 知理さん(千葉大学)
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【2】   ★ 科 学 技 術 館 ラ ボ ラ ト リ ー ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ お熱いのがお好き ■
  
    まだまだ残暑が厳しいですが、みなさん、体調はいかがでしょうか。今
   年はとにかく全国的に暑い日が続きましたね。日中の最高気温が25℃以
   上30℃未満の日は夏日、30℃以上、35℃未満は真夏日、日中の最高
   気温が35℃以上の日は猛暑日というのだそうですが、今年は各地で猛暑
   日が続き、熱中症で体調を崩された方も多数出たようです。最高気温が3
   7℃とか38℃になると自分の体温よりも気温が高いわけですから、体が
   おかしくなっても無理がないところです。しかし、生きものの中には猛暑
   日もなんのその、暑いどころか100℃に沸騰した熱湯でも平気で生きて
   いける微生物がいることをご存じでしょうか。今回は熱いのが大好きな細
   菌のお話。
    熱いのが大好きな細菌を好熱菌と呼びます。至適生育温度は45℃以上
   です。45℃というと熱いお風呂が好きな方でもちょっとたじろぐ温度で
   すよね。ましてこれが50℃、60℃となると、お風呂としてとても入れ
   る温度ではありません。しかしそんな温度で生育する細菌が好熱菌で、温
   泉などに多く生息しています。この好熱菌の中でも特に至適生育温度が8
   0℃以上という、非常に高温で生息できる細菌がいます。これを超好熱菌
   と呼びます。80℃というと、卵の黄身どころか白身が固まる温度です。
   人間だったら、体を構成しているタンパク質が変性してしまいます。しゃ
   ぶしゃぶでお湯に肉を入れ、色や硬さが変わってしまうことを想像してい
   ただければわかりやすいかと思います。そんな温度でもタンパク質が変性
   するどころか元気に動いて生きていられるのだそうです。現在最も高い温
   度で生きられることがわかっているのは、Methanopyrus 
   kandleri(メタノピュルス カンドレリ、以下、メタノピュルス)
   という古細菌です。122℃でも生きていられるそうです。しかも生きて
   いるだけではなく、増殖することもできるそうです。学校で習ったと思い
   ますが、大気中での水の沸騰温度は一般に100℃です。水は圧力をかけ
   ることで沸点を上昇させることができますが、それにしても122℃にな
   っても生きていられ、さらには増殖もできてしまうというのはとんでもな
   くタフですね。
    さてメタノピュルスという古細菌。これは深海の熱水噴出孔で生息して
   います。そもそも好熱菌、さらには超好熱菌といわれる細菌は、古細菌と
   いわれる仲間がほとんどです。この古細菌の仲間は、熱いところだけでな
   く、塩田や高濃度の塩湖など塩分濃度の非常に高い場所、pHが1−2と
   いう強酸環境、動物の腸や腐った沼などほとんど酸素のない環境といった、
   人間から見れば、よくぞこんなところで生活しているという場所に住んで
   います。このことから極限環境微生物などともいわれています。では、な
   ぜ古細菌の仲間は極限環境に住んでいるのでしょうか。実は地球の歴史、
   生命が誕生した歴史と大きく関係しているのではないかと現在考えられて
   います。
    例えば深海底で熱水を噴出している熱水噴出孔。高圧、高熱というまさ
   しく極限環境です。前述の通りメタノピュルスもここに住んでいます。熱
   水噴出孔では熱水とともに鉄やマンガンといった重金属、その他化学物質
   が多量に吹き出し無生物的に生物の構成材料であるアミノ酸などが合成さ
   れることが知られており、このような環境で生命が誕生したのではないか
   と推定されています。そしてメタノピュルスをはじめとする古細菌たちは、
   生命が誕生したころの生態を今も色濃く残しており、残しているからこそ、
   生命が誕生した時の生息環境に近い状態の場所、つまり、熱水噴出孔のよ
   うな極限環境に今でも生息しているのではないかと考えられているのです。
   太古の昔に誕生した古細菌は、誕生した時そのままに、その当時の生活環
   境と同じ環境で生活しているのかもしれないというわけです。極限環境と
   いう言葉はあくまでも人間の感覚としての極限です。しかし地球最初の生
   物にとっては、極限環境こそ、まさしく生命のゆりかごとしての優しい環
   境だったのかもしれません。
    猛暑日は人間にとっては大変な暑さですが、地球の歴史からみれば本当
   はたいしたことない温度なのかもしれません。というか、メタノピュルス
   からすれば「寒い!もっと熱くして!!僕は熱いのが好きなんだ!!!」
   と、悲鳴があがる温度かもしれませんね。
  
    執筆者:田代英俊 企画広報室
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  ◆ 科学技術“感”をきたえよう!
  
    〜山の幸、海の幸、一本とったらたくさん採れました の巻〜
  
    「湖」、「岩」、「海」
    “おおい”順にならべてください。
  
    ヒントとこたえは、こちらのホームページをご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/00_info/kagakugijutukan/kagi-kan.html
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【3】    ★ 科 学 技 術 館 お す す め ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ 科学の本の紹介
  
    今月のテーマは「生きものイ・ロ・イ・ロ」。今年は国際生物多様性年。
   1月に生物の多様性を知ることのできる本を紹介しましたが、今月は、身
   近にいるのにあまり知られていなかったり、驚きの生態をもつものなど、
   不思議な生きものたちの本を紹介します。
    今週は、身近な池や水たまりの中に生きている、小さな生きものたちの
   絵本です。
  
   ■ 『水草の森 プランクトンの絵本』ちしきのぽけっと 10 ■
     今森洋輔 岩崎書店 2010年3月
  
    この絵本には色とりどりのプランクトンが登場します。細かく描かれた
   絵は、普段見慣れた顕微鏡写真より立体的で、動きがあり生きているよう
   です。
    お話は春、湖のほとりからはじまります。2匹のフナが水草の森で卵を
   うみます。生まれた稚魚は口をもごもご、小さな生きものプランクトンを
   食べています。プランクトンはミジンコでおなじみですが、いったいなん
   でしょう?「泳ぐことができないか、泳げても力が弱く、水の流れにただ
   よって生活している生きもの」のことです。
    ミジンコの仲間で、1センチもある「ノロ」が鋭い脚でミジンコをつか
   まえているところは迫力があります。そしてノロも、寿命がくると…。
    お話の合間には、51種類のプランクトンが紹介され、図鑑がわりにな
   ります。読みおわったら、ぜひ、池や水たまりを観察してみてください。
    簡単な採り方や、もっと詳しく知りたくなったら『やさしい日本の淡水
   プランクトン図解ハンドブック』(滋賀の理科教材研究委員会 編集 
   2005年2月)をおすすめします。
  
    執筆者:中井智子 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/5seibutsu/mizukusanomori/mizukusanomori.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【4】    ★ 科 学 技 術 館 ニ ュ ー ス ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ お知らせ
  
   ■ まっくら体験イベント〜シカクい部屋には視覚がない ■
  
    5階FORESTに小さなまっくら部屋が出現するよ!
   中に入るとどんな感じがするのか、手や耳、鼻を使って体験してみよう。
   お化けやしきではありませんから、どんどん参加してくださいね。
  
    開催期間:9月3日(金)〜6日(月)
    開催時間:10時〜12時、12時45分〜15時30分
         (最終日9月6日は、15時まで)
         ※体験時間は、1回5分程度です。
    場  所:5階FOREST
    対  象:どなたでも参加できます。ただし、小学生未満のお子様は、
         保護者と一緒にご参加ください。
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2010/09/post_296.php
  
   ■ 日立ブース「Nature Contact」
             『エコ工作体験レポート』が公開されました! ■
  
    7月31日(土)と8月1日(日)の入館無料日に日立ブース「Natur
   e Contact」で開催されたエコ工作体験“みんなでエコを楽しも
   う!”の開催レポートが公開されました。
    9月中旬には、イベント当日の写真が多数公開される予定です。
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.hitachi.co.jp/advertising/naturecontact/index.html
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆電気工作教室「スウィング・ロボを作ろう」開催のお知らせ
  
    理科実験材料を使って、スウィング・ロボを作ってみよう!!完成した
   ら、リモコンでボールを自由自在に飛ばしたり、いろいろなゲームで楽し
   めるよ!
  
    開催日時:9月4日(日)13時30分〜14時30分
    開催場所:研修室
    参 加 費:400円(入館料は不要です)
    定  員:先着30名(当日13時より受付)
         ※どなたでも参加できますが、小学生低学年以下のお子様は、
          保護者同伴のうえ、ご参加ください。
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum2/viewcat.php?cid=1
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆「セーリングカヌー操船体験教室」開催のお知らせ
  
    風の力だけで進むヨット型カヌーの操船体験教室です。各艇にはインス
   トラクターが同乗しますので、初めての方でも楽しく体験することができ
   ます。みなさんの参加をお待ちしています。
  
    開催日時:9月5日(日)13時〜16時
    受付時間:12時45分〜15時30分
    実施場所:体験教室プール
    参 加 費:無料(入館券の提示が必要です)
    ※天候などにより変更になる場合があります。荒天時は中止となります。
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/news/?p=576
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
             ★ 担 当 者 よ り ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
   ■ あれ? 理系が100万円多い ■
  
    先週8月25日付けの新聞(社会面)を見て、「これ? ほんとかなぁ
   ?」と思ったひとが多かったのではないでしょうか。その記事は「理系学
   部出身者は文系学部出身者より平均年収が高い」というもので、一般に流
   布している「文系の方が理系よりも所得が高い」という評価とは逆だった
   からです。
    西村先生(京都大学)や浦坂先生(同志社大学)ほかによって行われた
   この調査は、2008年6月、国内の100を超える国公私立大学を卒業
   した20〜60歳代の就業者を対象に、インターネットを通じて行われ、
   1,632名からの回答を分析したものです。それによれば、理系出身の
   644名の平均年収は約680万円、対する文系988人の平均は約58
   0万円と、年収約100万円の「理系高」でした(新聞報道による。注1)。
    一方、これまで世の中で信じられている「文系高」の調査は、1997
   年から98年にかけて、有名国立大学1校の工学部卒業生2,200名、
   社会科学系学部(=法学部、経済学部)卒業生約1,200名、文学部卒
   業生約510名からの回答を分析したものです。こちらも約50年間の卒
   業生を対象にしています(注2)。この調査結果の一部を使って、毎日新
   聞が2002年1月から連載した「理系白書」のなかで、文系出身者と理
   系出身者の「生涯賃金の格差、家1軒分=5000万円」と報じました
   (注3)。記事本文には「所得格差の理由として何が考えられるか。一つ
   は、就職した企業の賃金体系の違いが挙げられる。理系の主な就職先がメ
   ーカーであるのに対し、文系は金融機関が多い。」とあります。また、こ
   の調査対象となった大学は明記されていませんが、「有名国立大学」とあ
   るので、東大、京大、阪大など旧帝国大学の一つとみてよいでしょう。
    そうだとすると、この調査時点では、証券会社や金融機関の破綻が相次
   いではいたものの、それまで「護送船団方式」によって護られてきた金融
   機関の給与は、工学部卒業生を大量採用していた電機メーカーなど製造業
   の会社のそれに比べて、なお全体に高い水準にありましたし、工学系大学
   院に進学した者は、大学の研究者(その多くが国立大学教員=公務員)に
   なった者が多いことを合わせて考慮する必要があります。これらを合わせ
   てみれば、この調査における「文系高」は、この母集団の持つ特徴の影響
   を強く受けていると思われ、この調査結果は、日本の大学全体で見ての理
   系出身者と文系出身者の所得比較にはなっていないことを窺わせるもので
   す。
    しかし、この新聞記事は大きな反響を呼び、結果として、この見出し
   「生涯賃金の格差、家1軒分=5000万円」は「独り歩き」をすること
   になり、「文系高」が人口に膾炙(かいしゃ)してしまいます。新聞記事
   の基調は「理系人への応援歌」であったにもかかわらず、学生には逆効果
   をもたらすことになりました…。
    今回の調査は、母集団の偏りが小さく、また最近10年間における金融
   機関での給与体系の変化も反映されているのでしょう。このデータが、進
   学分野や就職を考える生徒、学生あるいは保護者にとっての「理科離れ」
   の是正につながることを期待したいものです。
    なお、新聞には報道されていませんが、この調査「数学教育と人的資本
   蓄積」では、大学の受験科目としての数学の有無が社会人になってからの
   所得に与える影響を分析しています。それによると、出身大学の偏差値で
   大学のランク付けをした場合、「高ランクの大学出身者ほど、高い人的資
   本が求められる仕事に就いており、数学学習が効果的に機能している」と
   見られる。「高ランクの大学出身者が、シグナリング効果によって大規模
   で優良な企業等に就職し、高所得に到達しているというよりは、むしろ人
   的資本を豊かに蓄積した結果、高所得に到達しているという解釈が妥当で
   ある」としています。この理由として「偏差値ランクの高さと所得プロフ
   ァイルの急勾配が相関するのは、高ランクの大学出身者が昇進によって責
   任ある仕事に就く例が多いこと、(数学学習による)判断力、論理的思考
   能力等がより成果に結びつきやすく、年齢とともに経験が蓄積され、その
   ような能力が高まることによって成果を導いていること」を挙げています
   (注4)。
    PISAなどの国際調査によると、日本の生徒は、数学、科学の成績
   (全体)ではトップ集団にいるといえますが、論理的思考能力が求められ
   る科学の問題については、目立って関心が低いことが知られています。ま
   た、高校での理科の選択にあたっても、大学受験レベルでは記憶中心とな
   る「生物」が好まれる傾向があり、反対に、論理的思考を求められる「物
   理」は嫌われています。論理的思考能力を身に着ける方法は、数学や物理
   に限りませんが、これらは身近なアプローチであるといえるでしょう。生
   徒にとっては、その時点では受験に有利であると思って選択しても、将来
   の職業選択の途を狭め、社会人として重要な能力(=人的資本)の蓄積を、
   一部あらかじめ放棄していることにほかならないのです。
  
    注1〜4は、こちらをご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/297/297.pdf
  
                        (企画広報室 吉田 浄)
  
  
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
     最後までお読みいただきありがとうございました。
     皆様のご来館をお待ちしております。
  
   ※科学技術館メールマガジンに関するお問い合わせやご意見、ご感想は
    こちらのURLからお願いします。
    http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/
  
   科学技術館ホームページ>>> http://www.jsf.or.jp
  
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
    科学技術館のイベント情報などをタイムリーにお届けする、科学技術館
    ケータイメルマガの登録はこちらから。
  
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/m/mm.htm
  
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
    配信解除・配信先変更、バックナンバーについては、こちらのホーム
    ページからお願いします。
    https://www3.jsf.or.jp/mailmaga/menu.asp
  
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
  ┘                                 ┘
  ┘ 発行者:科学技術館メールマガジン係               ┘
  ┘    〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号       ┘
  ┘                                 ┘
  ┘ ※ このメールマガジンの回覧・転送は自由です。内容の引用・転  ┘
  ┘  載の際には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の  ┘
  ┘  記事」と注釈をいれてください。                ┘
  ┘  なお、メールマガジンで参照しているWebサイトのすべての画  ┘
  ┘  像・記事については、著作権法に定める例外を除き、著作権者の  ┘
  ┘  許可なく使用・転載することはできません。           ┘
  ┘                                 ┘
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘



操作メニューへ

メールマガジンに関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。
科学技術館メールマガジン問い合わせ窓口:http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/

Copyright (C)2004 Science Museum, Tokyo, ALL RIGHTS RESERVED