科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第312号 ◆  ━
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                             >>>2010/12/22発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   今年最後のメルマガです。みなさま良いお年をお迎えください。次回は
   1月5日です。来年もご愛読よろしくお願い申しあげます。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 9,373人。
  
  
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   【1】科学技術館最新情報
       新着情報・・・「キュリー夫人の理科教室」
              「今週のユニバース」
  
   【2】科学技術館ラボラトリー
       科学・技術よもやま話・・・「昆虫の脚を思い描いてみよう」
       自然と友だち・・・「年の瀬迫るころ」
  
   【3】科学技術館おすすめ
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ「野菜や植物」
  
   【4】科学技術館ニュース
       お知らせ・・・・「シンラドーム」定員変更のお知らせ
               年末年始の休館・閉館時間のお知らせ
               「第52回科学技術映像祭」参加作品募集中
               「スプリング・サイエンスキャンプ2011」
                              参加者募集中
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
       イベント情報・・「中学校におけるロボット教育シンポジウム」
  
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  【1】    ★ 科 学 技 術 館 最 新 情 報 ★
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  ◆ 新着情報
  
   ■ キュリー夫人の理科教室 ■
  
    2008年の国際連合総会で2011年は“世界化学年”と決定されま
   した。来年、世界各地で化学に関してさまざまな催しが開催される予定で
   す。当館では、キュリー夫人のノーベル化学賞受賞から100年目に当た
   ることから、サイエンス スタジオ・マリーの主催による「キュリー夫人
   の理科教室」を開催します。
    この催しではキュリー夫人の生涯を日本伝統の紙芝居をもちいて紹介し
   ます。そしてキュリー夫人が子どもたちに行った実験授業から「風 ふぅ
   ふぅ」の物語を再現し、参加型のミニ実験ショー「風 ふぅふぅ」を行い
   ます。
  
    開催日:2011年1月15日(土)、2011年2月12日(土)
    時 間:11時〜、13時30分〜、14時30分〜、15時30分〜
        1回あたり約30分
    場 所:4階I室宇宙の広場
    参加費:無料(入館料は必要です)
    定 員:各回15名程度
        ・事前に申し込みが可能です。
        ・希望日時とお子様の年齢、人数を明記して下記メールアドレ
         スにご連絡ください。
        ・空席があれば当日の参加、閲覧も可能です。
    申込・問合先:1911ssm@gmail.com
    主 催:サイエンス スタジオ・マリー
        http://www.max.hi-ho.ne.jp/min-kko/index.html
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
    今回は、「全国オーロラ講演会2010」の一つとして、「クリスマス
   オーロラ特別番組」を上演します。オーロラの全天周立体視映像をドーム
   スクリーンに投影し、奥行き感のあるオーロラ映像とその解説をお楽しみ
   いただきます。
  
    案内役:片岡 龍峰(東京工業大学)
  
    都合により、定員62名のところ、54名とさせていただきます。また、
   一部に映像などが見にくい席がございます。あしからずご了承ください。
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
    新年は1月8日から上演します。
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 ラ ボ ラ ト リ ー ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 昆虫の脚を思い描いてみよう ■
  
    今年の夏はとても暑かったですが、昆虫採集に出かけた子どもさんも多
   くいらっしゃったでしょう。つかまえたのはチョウ?トンボ?バッタ?そ
   れともクワガタ?虫好きな人は、虫かごに入れたこれらの虫を飽きること
   なく眺めていたのではないでしょうか。
    さて、読者のみなさんに注目してもらいたいのは、昆虫の脚です。小学
   校3年生の理科で「あしは全部で6本あり、むねについている」というこ
   とを勉強します。クワガタを思い出してください。立派な大あご、黒くて
   ツヤツヤしたむねや羽。昆虫が苦手な人でも一度は見たことがあると思い
   ます。では、脚はどのようについているかを思い出すことができますか?
    あごがついていて、目がある部分が「頭」、その下の四角い部分が「胸」、
   羽の部分が「腹」で正解でしょうか。6本の脚はその「胸」についている
   でしょうか。もし近くに図鑑などがあったら、調べてみてください。メー
   ルマガジンの読者であればインターネットで調べることもできますね。
    クワガタを上から見ると、6本の脚のうち4本は羽の下についているの
   がわかります。クワガタの羽の部分は全部「腹」とついつい思いがちです
   が、実はそう簡単にはなっていないのです。
    専門的な本を見ると書いてありますが、「胸」だと思っている部分は
   「前胸」というのが正解で、そこには1対2本の「前脚」がついています。
   その後ろ、羽の下側に「中胸」、「後胸」という部分があり、それぞれ1
   対ずつの脚がついていて、全部で6本となります。
    では、「腹」はどこにあるのでしょうか。それは、クワガタをひっくり
   返せば一目瞭然です。前胸のくびれから下すぐに中胸(中脚)・後胸(後
   脚)があり、さらにその下に横縞のスジを見ることができます。その部分
   が「腹」です。「頭・胸・腹」とわかりやすく分かれていない、このちょ
   っと不思議な分かれ方はクワガタやゾウムシ、テントウムシなど「甲虫目」
   の仲間に多く見られます。
    これから冬の時期に昆虫に出会うことは少なくなりますが、暖かくなる
   春に昆虫と出会うまで、知識で下準備をしておきましょう。出会った時に
   観察するポイントが1つ増えますね。
  
    執筆者:早武真理子 科学技術館事業部
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  ◆ 自然と友だち
  
   ■ 年の瀬迫るころ ■
  
    いよいよ平成22年の年の瀬を迎え、一段と寒さも加わり、草木、虫、
   鳥たちの様子もまた一段と変わってきました。もう虫の活動などは見られ
   ないと思っていても、少し暖かいひざしのある日には虫の影を探します。
   そんな中で見つけた虫たちの姿です。
    あれ、サクラが・・・でもこれはフユザクラで毎年師走の頃に咲くサク
   ラです。
  
    「年の瀬迫るころ」の写真
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/ss78
  
    執筆者:松田邦雄 サイエンス友の会 講師
  
    「自然と友だち」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/t_index.html
  
    ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然〜」好評発売中!
    郵送をご希望の方は、こちらから
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm
  
  
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  【3】    ★ 科 学 技 術 館 お す す め ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    今月は野菜や植物の本を紹介しています。
  
   ■ 身近な植物に発見! 『種子(タネ)たちの知恵』 ■
     多田多恵子  NHK出版
     2008年5月25日刊行  1,400円
  
    植物は動物のように動けません。子孫を残すために種子というタイムカ
   プセルを発明しました。あとはこの種子の情報をいかにして広く、いかに
   して条件のよいところに運ぶかを発明しなければなりません。この本は植
   物たちの知恵と工夫を写真入りで丁寧に紹介してあります。子孫を残すた
   めに環境を巧みに利用したり、運び屋を利用したりと知恵と工夫の集まり
   です。この時空を旅する種子を、
   (1)自然を利用するタネたち
   (2)動物を利用するタネたち
   (3)みずからタネを飛ばすタネたち
   の3つに分類して紹介してあります。
    私が特に驚いたのは、乾燥大陸のオーストラリアでは堅い殻にタネを閉
   じ込めたまま、山火事が起きるのをじっと待っているブラシノキという植
   物の存在です。山火事で地表は肥料がわりの灰がつもり、そこですくすく
   と育つというわけです。
    あとは海水につかっても生きる工夫、動物たちにタネを食われすぎない
   工夫など、読み進むと変動する環境に巧みに対応して生きている植物の能
   力にびっくりします。この本を手にとって読んだ後は、愛らしいタネのた
   くましさに感動しますよ。
  
    執筆者:河合良一 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/6shokubutsu/tanetatinotie/tanetatinotie.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  
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  【4】    ★ 科 学 技 術 館 ニ ュ ー ス ★
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  ◆ お知らせ
  
   ■ 「シンラドーム」定員変更のお知らせ ■
  
    都合により下記期間は一部の座席をご利用いただけません。また、一部
   に映像などが見にくい席がございます。あしからずご了承ください。
  
    期間:〜12月末日予定
    上記期間中の定員:54席
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2010/12/post_336.php
  
   ■ 年末年始の休館・閉館時間のお知らせ ■
  
    科学技術館は、年末年始に休館及び閉館時間の変更をいたします。
  
     年末:2010年12月27日(月)まで通常開館
             12月28日(火)15時閉館(入館は14時まで)
     休館:2010年12月29日(水)〜2011年1月3日(月)
     年始:2011年1月4日(火)から通常開館
  
     詳細はこちらをご覧ください。
     http://www.jsf.or.jp/info/2011/01/post_329.php
  
   ■ 「第52回科学技術映像祭」参加作品募集中 ■
  
    科学技術映像祭は、優れた科学技術に関する映像を選奨し、科学技術へ
   の関心を喚起し、その普及と向上を図るとともに、社会の科学技術教養の
   向上に資することを目的としています。「第52回科学技術映像祭」の参
   加作品の募集を開始しました。多くの作品の参加をお待ちしています。
  
    募集締切:2011年1月31日(月)
    参加方法:科学技術映像祭公式HPより申込
    入選発表:2011年3月中旬(予定)
    表 彰 式:2011年4月22日(金)(予定)
    表彰式会場:科学技術館サイエンスホール
    主  催:(財)日本科学技術振興財団
         (公社)映像文化製作者連盟
         (財)つくば科学万博記念財団
  
    参加申込方法など、詳細はこちらをご覧ください。
    http://ppd.jsf.or.jp/filmfest/
  
   ■ 高校生のための先進的科学技術体験合宿プログラム
       「スプリング・サイエンスキャンプ2011」参加者募集中 ■
  
    スプリング・サイエンスキャンプ2011は先進的な研究テーマに取り
   組んでいる日本各地の大学・民間企業(12会場)で、春休み期間中に本
   格的な実験・実習が受けられる、高校生のための科学技術体験合宿プログ
   ラムです。高校生のみなさん、興味のあるプログラムに応募ください。
  
    開催期間:2011年3月19日〜3月30日の期間中の2泊3日
    会  場:大学、民間企業(12会場)
    定  員:受け入れ会場ごとに8〜20名(合計153名)
         ※前年度平均応募倍率3.1倍
    参 加 費:無料(自宅と会場間の往復交通費は自己負担。宿舎・食事は
         用意します。)
    応募締切:2011年1月31日(月)郵送必着
  
    プログラムや応募方法など、詳しくは、こちらをご覧ください。
    サイエンスキャンプ事務局ホームページ http://ppd.jsf.or.jp/camp/
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆冬の特別展「所沢ギャラクシーパーク」のお知らせ
  
    開催期間:12月23日(木)〜2011年1月30日(日)
    場  所:所沢航空公園 特別展会場
    料  金:会場入場の際、入館料が必要です
    内  容:★万華鏡の世界を体験しよう!
          カレード迷路や光の部屋を体験しよう。
         ★銀河SL鉄道に乗ろう!
          乗車料金:200円/1回(別途入館料が必要)
          1月10日(祝・月)まで
         ★パイロットになろう!
          顔合成ロボットGoboちゃんで記念写真を撮ろう!!
          費用:200円/1枚(別途入館料が必要)
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum2/viewcat.php?cid=1
  
    ※先週のメルマガで1月4日(火)は3日(月)開館のため休館日とご
     案内いたしましたが、臨時開館日となりましたのでお知らせします。
     http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/piCal/
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆「Happy Night view in 船の科学館
                    〜東京港の夜景を楽しもう!!〜」
  
    通常開放はしていない夜間の展望室を下記日時に限り特別に開放します。
   カップルや女の子同士で、思い出の時間を過ごしてみませんか。ミニワイ
   ン片手に、すばらしい夜景をお楽しみください。
    また、「願い文(ねがいぶみ)」にそれぞれの思いをつづっていただき、
   イベント終了後、縁結びで有名な東京大神宮に奉納します。
  
    開催日時:2011年2月13日(日)までの土・日・祝日
         17時〜18時(但し、1月1日、2日は除く)
    開催場所:船の科学館 展望室
    料  金:一人500円
         展望塔料金、ミニワイン1本、「願い文(ねがいぶみ)」付
    参加方法:事前募集は行いませんので、直接ご来館ください。
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/news/?p=626
  
  ◆ イベント情報
  
   ■ 「中学校におけるロボット教育シンポジウム」開催のご案内 ■
  
    学習指導要領の改訂に伴い、中学校技術科のロボット学習は一つの転換
   点を迎えつつあります。そこで、日本産業技術教育学会・ロボコン委員会
   では、科学研究費によるロボット学習研究の成果や実践紹介とともに、ロ
   ボット学習に関する各分野の方をパネリストにお呼びし、中学校における
   今後のロボット教育のあり方を一緒に考えたいと思います。
  
    開催日時:2011年1月6日(木) 13時20分〜17時
    開催会場:科学技術館 6階・第3会議室
    参 加 費:無料
    定  員:70名
    申込締切日:2011年1月5日(水)
    対 象 者:ロボット教育に関心のある方々
    参加方法:下記のフォームからお申し込みください。
         http://www.mura-lab.info/kaken/2010/application.htm
    主  催:日本産業技術教育学会ロボコン委員会
         http://wwwsoc.nii.ac.jp/jste/
    共  催:NPO国際ロボフェスタ協会
         http://www.robofesta.org/
    問合せ先:信州大学大学院教育学研究科 村松研究室
         電話・FAX 026−238−4175
         http://www.mura-lab.info/joomla2/component/option,com_contact/Itemid,3/
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.mura-lab.info/
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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   ■ 「PISA2009」の結果を見て ■
  
    12月7日19時(日本時間)に、PISA2009の調査結果が公表
   になりました。「PISA」とは、OECD(経済協力開発機構)が3年
   ごとに行っている調査、Programme for International Student Assessment
   (生徒の学習到達度調査)の頭文字をとったもので、ピザと略称されてい
   ます(注1)。
    PISAは、義務教育を終わった段階での生徒の学力を調査するもので、
   日本では、高校1年生6,000人が参加しています。
    調査に参加した国・地域は65。うちOECD加盟国が、日本を含む3
   4カ国。そのほかに31の国と地域が参加しています。今回、シンガポー
   ル、上海(中国)などが新たに参加しました。
    結果は、12月8日の新聞に報道されているとおりです。PISA20
   03、PISA2006の発表のときには、「学力が落ちた」と大いに騒
   がれましたが、今回は、「日本の15歳 読解力改善」(讀賣新聞見出し)
   に代表されるように、10年前から続いた学力低下に「歯止め」がかかっ
   たものと評価されています。
    表1.に全体の成績を示します。特徴的なことは、今回、初参加の上海
   (中国)が3科目(読解力、数学、科学)について、いずれもダントツで
   トップになったこと。シンガポールも日本を上回る上位に食い込みました。
   中国は、以前から、香港、マカオが地域として参加しており、上海も、参
   加条件を充たす形で新たに加わりました。中国の中でももっとも学力水準
   の高い地域と見られている上海の参加は、この調査の本来の目的に適うの
   かという疑問とともに、成績トップをねらうために国威をかけてのPIS
   A参加という新たな問題を提起しているようです。
    表2.に総合読解力の国別平均得点の変化を示します。日本の成績が上
   向いていることが見て取れます。それとともに、高い成績の東アジアの国
   々に比べて、アメリカ、イギリス、ドイツなどは日本よりも低いことがわ
   かります。日本を含む東アジアでは成績を重視していますが、アメリカ、
   イギリスではPISAに対する関心が低いことが特徴です。PISAの成
   績を自国の教育政策に直接には反映させていないことの表れでしょうか。
   国際科学オリンピックにあっても、最近、東アジア諸国の活躍が目立って
   います。これらの国々においては、PISAと科学オリンピックへの参加
   は、同じ教育政策から出ているのでしょうか。
    日本では、戦後の「追いつけ、追い越せ」の「詰め込み教育」から、1
   0年ほど前に、いわゆる「ゆとり教育」への転換が行われたのですが、そ
   の結果がPISAの成績低下となって出て、軌道修正した経緯があります。
   そろそろ、このあたりで21世紀を担う子どもたちへの教育のあり方につ
   いて、PISAに一喜一憂しない、骨太の教育方針が求められるところで
   す。これには、学校や行政はもちろんのこと、産業界にも具体的、建設的
   な参加を求めたいところです。子どもたちが成人して産業界でいい仕事を
   することが日本の国際競争力そのものなのですから。PISA2003の
   調査では、日本の産業界は、教育カリキュラムへのコミットメントがもっ
   とも少ないと評価されていました。
    今回の主たる調査は読解力(Reading)でした。ここで、マスコミには報
   道されていない興味深いデータをご紹介しましょう。表3.をご覧くださ
   い。生徒たちが、自分の楽しみとして、どんなものを読んでいるか?とい
   う設問です。フィクション(Fiction)、コミック(Comic books)、ノン
   フィクション(Non-fiction)、雑誌(Magazines)、新聞(Newspapers)
   の5種類。予想通りだったのが、日本はコミックで1位。びっくりしたの
   は、あのフィンランドがコミックで日本、タイに続く3位だったこと。残
   念なことは、日本のノンフィクションを読むポイントが下から5番目と低
   いこと。日本の場合は、2000年のデータと比較すると、フィクション
   12ポイント・アップに対し、雑誌22ポイント・ダウン、新聞12ポイ
   ント・ダウン、コミック7ポイント・ダウン、と大きな変化が起こってい
   ます。「活字離れ」といいますが、一様ではないことがわかります。この
   データには、3科目に表れた学力とはまったく違う、国毎の文化的な特徴
   が表れているようで、見ていて飽きることがありません。
  
                        (企画広報室 吉田 浄)
  
   注1.
    今回、文部科学省から発表されたニュースレリースには、「ピザ」と、
   わざわざルビが振ってあります。これは、PISAを「ピサ」と読んでい
   る例が多いからでしょうか。ピサと聞いて、日本人が真っ先に想い浮かぶ
   のは、イタリアの都市Pisa。イタリア語の発音は、「ピサ」、しかし
   英語の発音は「ピーザ」。よって日本語の「ピサ」は原語に忠実であるこ
   とになります。さて、PISAは英語。母音にはさまれた「s」は濁るの
   が原則ですから、ピザが正解なのでしょう。
  
    表1〜3はこちらをご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/312/312.pdf
  
  
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