科学技術館メールマガジン バックナンバー


  
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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第324号 ◆  ━
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                              >>>2011/4/6発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   北の丸公園や千鳥ヶ淵の桜は五分咲き程度。今週末から来週にかけてが見
   ごろのようです。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 9,488人。
  
  
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   【1】科学技術館最新情報
       新着情報・・・日本IBM TryScience実験教室
              平成23年度科学技術週間イベント
                      (サイエンスカフェ)のご案内
              「今週のユニバース」
  
   【2】科学技術館ラボラトリー
       科学・技術よもやま話・・・「パンダ」が好き!!
       科学技術“感”をきたえよう!
  
   【3】科学技術館おすすめ
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ「地震と津波」
  
   【4】科学技術館ニュース
       お知らせ・・・第11回「地球環境世界児童画コンテスト」
                            優秀作品展開催中
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
  
    ※4月の休館日は、13日(水)と27日(水)です。
  
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  【1】    ★ 科 学 技 術 館 最 新 情 報 ★
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  ◆ 新着情報
  
   ■ 日本IBM TryScience実験教室 4月 ■
  
    「TryScience(トライサイエンス)実験教室」は、毎月1回、日曜日に
   開催しています。
  
    開催日時:4月17日(日)13時〜16時
    開催場所:4階D室 イベントホール
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2011/04/post_378.php
  
   ■ 平成23年度科学技術週間イベント(サイエンスカフェ)のご案内 ■
  
    発明の日である4月18日を含む月曜から日曜までの一週間は「科学技
   術週間」です。週間中は、科学技術について広く一般の方々に理解と関心
   を深めていただき、日本の科学技術の振興を図ることを目的に、各種科学
   技術に関するイベントを全国で実施しています。文部科学省と科学技術館
   では、平成23年度の科学技術週間(4月18日(月)〜24日(日))
   のイベントとしてサイエンスカフェを開催いたします。
    科学技術週間ホームページよりお申込みください。
  
    開催期間:4月18日(月)〜20日(水)、23日(土)、24日(日)
    開催場所:平日:文部科学省 情報ひろばラウンジ
         土日:科学技術館 4階I室 宇宙のひろば
    定  員:各30名
    費  用:参加費無料(申込者は科学技術館の入館料は不要)
    申込方法:Webページから事前申込
         ※なお、当日空席がございましたらご参加いただけます。
  
    内容についての詳細は、科学技術週間ホームページをご覧ください。
    http://stw.mext.go.jp/
    http://stw.mext.go.jp/110329s/entry110329a.php
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
    今週は、アメリカ合衆国のヤーキス天文台とインターネットで繋ぎ、ラ
   イブショー中にアメリカで見えている星空の様子や天文台で撮影した天体
   写真を送ってもらう「ライブ天体観測」コーナーを予定しています。日本
   の昼過ぎにアメリカの夜空もお楽しみください。
  
    案内役:矢治 健太郎さん(立教大学)
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 ラ ボ ラ ト リ ー ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 「パンダ」が好き!! ■
  
    顔が白で目の周りと耳が黒、ボディは白と黒で三頭身かと思われるコロ
   コロした愛くるしい姿のジャイアントパンダ。日本では1972年の日中
   国交回復でカンカン(オス)とランラン(メス)が来日して以来、絶滅が
   危惧(きぐ)されているその希少性もあいまって、動物園の動物の中でつ
   ねに一番人気を誇っています。そのパンダが今年2月、東京の上野動物園
   に2頭やってきました。名前はリーリー(オス)とシンシン(メス)。4
   月1日からは一般公開が始まりました。ということで今回は動物園の人気
   者、パンダのお話。
    ジャイアントパンダは、中国四川省近辺にわずかに生息するクマ科の動
   物です。全長は130〜150cm、オスの体重は80〜130kgです。
   かわいいイメージが先行していますが、その巨体、そして鋭い爪や竹を噛
   (か)み砕ける牙を見ると、これはまぎれもなく猛獣の類いです。毛も一
   見白くてフワフワしているように見えますが、実際触ってみると、固くて
   ゴワゴワ、まるでイメージが違います。
    パンダの存在は、中国でも四川省以外では昔はあまり知られていなかっ
   たそうです。まして欧米人にその存在が知られるようになったのはわずか
   150年ほど前、1869年3月11日のことでした。フランス人の宣教
   師、ダビット神父が四川省の農家で白黒の不思議な熊の毛皮をみせられた
   のに始まります。翌年、パンダの毛皮と頭骨などがフランスに運ばれ、大
   学での研究の結果、熊とは別種としてAiluropoda melano
   leucaと学名がつけられ、世界的に広く知られるようになり現在にい
   たっています。
    さて、パンダは竹を食べるユニークな大型獣として知られています。竹
   の栄養価は肉などに比べて低いです。さらにパンダは、前述の通りクマ科
   の動物ですので、消化器系は肉食動物に近い構造です。草食獣のように長
   い腸で栄養を吸収するわけにはいきません。一説には竹の消化効率は20
   〜30%だそうです。栄養価の低い竹と消化効率の悪い消化器、この両方
   を補うため、パンダは竹を沢山食べる必要があります。100kgからの
   体重を維持するためには、一日に15〜25kgもの竹を食べる必要があ
   るそうです。ちなみに上野動物園のパンダは、栄養のバランスや効率を考
   え、竹だけでなくニンジンやリンゴ、トウモロコシの粉から作った団子
   (通称パンダだんご)なども一緒に食べています。昔、筆者は動物園の実
   習でパンダが食べるパンダだんごを食したことがあります。パンダだんご
   というと、名前のイメージからなんとなくおいしそうな感じがしますが、
   実態はトウモロコシを挽(ひ)いた粉を水で固めて蒸しただけのものです。
   ボソボソしていて、正直なところ決しておいしい団子ではありませんでし
   た。もっともこれは人間の感想であって、パンダにとっては竹を食べるよ
   り、よほどおいしいのかもしれませんが。
    パンダのユニークな点は、竹を食べることとともに、第6の指があるこ
   ともよく話題になります。
    パンダは繰り返しになりますが前述の通りクマ科の動物です。熊は5本
   の指が同じ方向を向いており、物を掴(つか)むのには適していません。
   しかしパンダは竹を上手に掴んで食べます。その理由は、パンダの場合、
   指として機能している部位の数が5本というか5箇所よりも多いからです。
   パンダの前脚の指は、人間でいう5本の指とともに、手首の親指の根本に
   ある橈側種子骨(とうそくしゅしこつ)が発達していて、これを利用する
   ことで上手に物を掴むことができます。これは外見上あたかも人の親指に
   見えることから「偽の親指」とか「第6の指」と呼ばれています。さらに
   は、外見上はわかりづらいのですが、「第6の指」の反対側、小指の側に
   ある副手根骨(ふくしゅこんこつ)も発達していて、骨格上は「第7の指」
   を形成しています。これらがあいまって、パンダは竹を手で握って食べる
   ことができるのです。硬い竹を食べるためには手の固定もしっかりしてい
   る必要があることから、生活形態に適応して指の機能を持つ部位が7箇所
   になったのかもしれません。生きているパンダの手元を見ることはなかな
   か難しいですが、もしパンダの剥製(はくせい)や骨格標本を見る機会が
   あったら、ぜひ、前脚の指をじっくりと見てください。そこに進化の妙を
   見ることができます。
    さて、うんちくはこれぐらいにして、最後にパンダを見に動物園に行く
   ときのアドバイスです。「歩いている姿や竹を食べている姿を子どもに見
   せたかったのに・・・寝ていてちっとも見ることができなかった」なんて
   いうお母さん方の声をよく聞きます。これはもっともな話で、パンダは栄
   養価の低い竹を主食にし、消化効率も悪いことから、極力無駄なエネルギ
   ーを使わないように食べていない時は寝ている動物なのです。ですから動
   いている姿を見たいなら、食後、まだ眠気に誘われる前の開園直後か、夕
   食直前でお腹が減って動き回っている閉園直前がおすすめです。
  
    上野動物園 (パンダニュース)
    http://www.tokyo-zoo.net/index.html
  
    朝日新聞(パンダの指)
    http://mytown.asahi.com/areanews/tokyo/TKY201104030211.html
  
    執筆者:田代英俊 企画広報室
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  ◆ 科学技術“感”をきたえよう!
  
    〜貸そうかな。まあ、あてにするな の巻〜
  
    「金」、「銀」、「銅」
    “やすい”順にならべてください。
  
    ヒントとこたえは、こちらのホームページをご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/00_info/kagakugijutukan/kagi-kan.html
  
  
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  【3】    ★ 科 学 技 術 館 お す す め ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    3月11日に起きた地震で被災された皆様には、心からお見舞い申しあ
   げます。今月は、この地震と津波に関する本をご紹介します。ご家庭、学
   校などでぜひ活用していただきたいと思います。
  
   ■ 『知ってそなえよう!地震と津波
        −ナマズ博士が教えるしくみとこわさ−』(知の森絵本) ■
     都司嘉宣監修/素朴社/2007年8月/1,800円(税抜)
  
    2011年3月11日に発生した東日本大地震は、巨大な津波を発生さ
   せ多くの町や人をのみ込みました。この体験を教訓として、ぜひ子どもた
   ちにも読んでほしい本が本書です。その名も『知ってそなえよう!地震と
   津波』です。
    最初に阪神淡路大震災の被害のようす、スマトラ沖地震の津波災害のよ
   うすが描き出されています。日本は過去何度も大地震に見舞われてきまし
   た。どうして、日本は今回のような大地震に見舞われるのか、最初に地球
   の解説から入ります。世界のプレート図と世界の地震発生箇所とがぴった
   りと重なります。おまけに日本列島に地震が多いのは、4枚ものプレート
   が複雑に重なり合っているためでもあり、日本が〈地震大国〉である根拠
   がよくわかります。
    この本は、津波に関する記載も多く、津波のこわさがリアルな絵で紹介
   されています。1896年の明治三陸地震の状況も例に出して、津波災害
   の恐ろしさが再現されています。津波のしくみについてもくわしい解説が
   あります。最後の「津波災害を防ぐために」で、岩手県宮古市の大堤防や
   防災教育の事例も取りあげられています。今回の地震では、ここの防災教
   育のおかげで、多くの子どもたちの命が救われました。一家に一冊は置い
   て、時々みんなで読み返すようにしたいものです。
  
    執筆者:西村寿雄 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/3chikyuu/sonaeyou/sonaeyou.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  
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  【4】    ★ 科 学 技 術 館 ニ ュ ー ス ★
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  ◆ お知らせ
  
   ■ 第11回「地球環境世界児童画コンテスト」優秀作品展開催中 ■
  
    展示作品:第11回作品70点
    展示期間:4月15日(金)まで
         ※4月13日(水)は休館日です。
    展示場所:4階G棟サイエンスギャラリー
  
    詳細は、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2011/03/post_376.php
  
  ◆ 他館の紹介
  
    計画停電などの影響で、開館日および開館時間などが変更されている場
   合がありますので、各館のホームページなどでご確認ください。
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆「ゴム動力飛行機工作教室」開催のお知らせ
  
    ゴム動力飛行機を製作し、体験を通して飛行機の飛ぶ原理を学べます。
   今回はオリジナルキット「つばめ」の製作です。できあがったら、航空公
   園内の広場で飛ばしてみましょう。
  
    開催日時:4月9日(土)13時〜(製作時間約1時間)
    受  付:12時30分〜(先着40名様)
    開催場所:1階研修室
    教 材 費:350円
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum0/viewcat.php?cid=1
  
   ☆「YS−11機」と「格納庫」一般公開のお知らせ
  
    下記のとおり、「YS−11機」と「格納庫」を一般公開します。ぜひ
   ご見学ください。
  
    開催日時:4月16日(土)10時〜15時
    展示場所:「YS−11機」 西武新宿線「航空公園」駅前
         「格納庫」    記念館東となり
    参 加 費:無料
         ※雨天の場合、YS−11機の公開は中止となります。
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum5/
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆辻講釈「講談 南極第一次観測隊物語」開催のおしらせ
  
    第一次南極観測隊の苦労やカラフト犬のタロ・ジロの生還の物語を、女
   性講談師宝井梅福(たからいうめふく)が軽快な口調で語ります。皆様の
   お越しをお待ちしております。
  
    開催日時:4月17日(日)13時〜13時40分
    場  所:南極観測船“宗谷”士官食堂
    参 加 費:無料(入館券は必要です)
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/announce/?p=105
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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   ■ ユビキタス時代の「情報」の作法 ■
  
    黒潮と親潮がぶつかる世界有数の漁場を沖合に持つ、三陸沿岸の漁港は、
   リアス式海岸であるがゆえの天然の良港である一方、高波に襲われると深
   く切れ込んだ地形が波の高さを増幅することが知られていました。各地に
   は、有史以来の津波の経験にもとづいて「ここより低いところには家を建
   てるな」との先人のつくった石碑が残されています。しかし、今回のツナ
   ミ(英語もtsunami)は、これを遥(はる)かに超える巨大な規模
   でした。また、多くの防潮堤が破壊されるなかで、一部の堤防はしっかり
   と町を守ったことも報じられています。土木建築物を造る際に、外部条件
   としてどのような「想定」をするべきなのか。単に「想定外」では片づけ
   られない重要な問題を含んでいるように思います。
    被災された皆さまには心からお見舞い申しあげますとともに、一日も早
   い復興を願っております。
    3月11日の地震では、東京地区もだいぶ揺れました。その直後に、携
   帯電話がほとんど通じなくなりました。安否を気遣うコールが急増したこ
   とと、それによる機器の故障を避けるために通信会社により「発信規制」
   がかけられたことによります。
    「ユビキタス(ubiquitous=遍在する、どこでも)」という
   聞き慣れない英語が日本語に突如出てきたのは10年ほど前のことですが、
   携帯電話(ケータイ)は、パソコンとともに、ICT時代の代表格といえ
   ます。それぞれ普及率は90%前後に至っています。インターネットの利
   用率も同等です。この普及率の急速な上昇は、わずかこの10年あまりの
   間に起こったこと。今の大学生以下の「若い人たち」にあっては、ものご
   ころがついたときには、すでに周囲には、ケータイ、パソコン、ネット環
   境がありました。一方、30代より上の世代では、それらがない時代を経
   験しているはずです(注1)。
    「はずです」と書いたのは、ケータイ、パソコン、ネットがない環境に
   おいて、「どのようにして情報を取得していたのか?」について、筆者に
   は甚だ心もとない記憶しか残っていないからです。過去を振り返ることも
   容易ではないほどに、様相が便利に変わってしまったようです。たぶん、
   今とは圧倒的に違う、情報の過疎、不足の状況の下で、自分(たち)の力
   で、問題を認識し、情報を収集し、問題の解決に当たっていたのではない
   か。
    数年前から、大学や高校において、提出されたレポートに「コピー&ペ
   ースト」の例が数多く見かけられるという事実が話題になり、最近では、
   ネット上の情報の丸写しを見破るソフトが開発され販売されています。ひ
   と昔前の大学生や高校生は、レポートの課題が出ると、単行本、論文集、
   統計資料などにあたり、メモを取るなかで、自分自身の仮説・主張を設定
   し検討しながら、最終的に、手書きで、まとめていたものです。もっとも、
   「その内容に、君のオリジナリティがどれほど含まれているの?」と問わ
   れれば、いささか心苦しいところがあるわけで、採点に当たる先生方も
   「ここは、あそこから引き写したな?」と訝(いぶか)りながらも、「ま
   ぁ合格」との判断をされていたのでしょう。(「引用」を明記しないのは、
   著作権法の問題です。)
    それでは、いったい、昔と今の作法とでは、何が違うというのでしょう
   か?ポイントは、自分の頭を使って、問題を理解して解決しようと努力し
   ている「証拠」がレポート上にあるかないかではないでしょうか。学校で
   の試験やレポートという「訓練」課程における努力の積重ねの経験が、将
   来、社会における「実践」のなかで、問題解決やオリジナリティの創出に
   役立つからでしょう。
    パソコンを叩けば、ネットから瞬時にして、驚くほどの情報を得られる。
   そうであれば、自分で苦労して憶える必要もない、資料を身の回りに集め
   る必要もない。必要なときには、ネット・パソコンさえあればいい。まさ
   に「wiki−なんとか」。
    これだけで世間を渡れるとは、実は誰も思っていないのでしょうが、も
   しかすると大抵のことには間に合うのではないかと感じているひとは多い?
    東日本大震災の前に、マスコミを賑(にぎ)わせていた事件は、京都大
   学ほかで発覚した「ケータイを使った入試不正」でした。
    この事件は、さまざまな問題を含んでいます。入試のルール違反である
   ことは明らか。ここでは取りあげませんが、最も大きいのは、「高大接続」
   に象徴される教育の問題なのでしょう。
    この事件を、「『情報』の作法」の問題と見ることもできます。
    ネット上にあふれる情報を適切に利用するには、どのような作法が必要
   とされるのか。あまりにも便利であるからこそ、自分自身のためにも抑制
   的に利用することが求められるように感じています。
  
    注1.ケータイ、パソコン、インターネットの普及状況
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/324/324.html
  
                        (企画広報室 吉田 浄)
  
  
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     最後までお読みいただきありがとうございました。
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  ┘    〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号       ┘
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