科学技術館メールマガジン バックナンバー


  
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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第334号 ◆  ━
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                             >>>2011/6/22発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   今日は夏至。各地で電気を消して、ろうそくの灯火で夜を過ごすキャンド
   ルナイトが行われます。ゆらめく光を見つめて、しばし黙想でも。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 9,619人。
  
  
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   【1】科学技術館最新情報
       新着情報・・・「今週のユニバース」
  
   【2】科学技術館ラボラトリー
       科学・技術よもやま話・・・「食中毒と衛生管理のお話」
       自然と友だち・・・「梅雨どきのいきもの(羽境期)」
  
   【3】科学技術館おすすめ
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ「花」
  
   【4】科学技術館ニュース
       お知らせ・・・4階B室「シンラドーム」休室のご案内
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
       イベント情報・・・「わかろう医学 つくろう!健康
                           EXPO2011」
                       ウェブ&体験博覧会のご案内
                「中外製薬 夏休みこどもバイオ実験教室
                         2011」参加者募集中
  
    ※本日以降の6月の休館日は22日(水)、29日(水)です。
    ※7月の休館日は6日(水)、13日(水)のみです。
  
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  【1】    ★ 科 学 技 術 館 最 新 情 報 ★
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  ◆ 新着情報
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    下記の期間は、シンラドームのシステム更新のため、科学ライブショー
   「ユニバース」はお休みいたします。
  
    期間:6月25日(土)〜7月9日(土)
    http://www.jsf.or.jp/info/2011/06/post_396.php
  
    7月16日(土)から再開の予定です。科学ライブショーの詳細や今後
   の予定については、http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 ラ ボ ラ ト リ ー ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 食中毒と衛生管理のお話 ■
  
    ここ数カ月、国内外で、大腸菌による食中毒が発生し、衛生管理につい
   て問題になっています。そして食中毒の問題が発生したとき、皆さんもT
   Vや新聞で「殺菌」とか「消毒」という言葉を聞いたり、目にしたりした
   かと思います。この時私はとても違和感を覚えました。なぜなら「殺菌」
   とか「消毒」の言葉について、アナウンサーやコメンテーター、新聞紙面
   でそれぞれ意味が微妙に違っていたからです。
    さてここでみなさんに質問です。みなさんは、「殺菌」とか「消毒」の
   意味を言えますか?定義をご存じですか?「滅菌」や「抗菌」などの言葉
   との違いを言えますか?それぞれに実は意味が異なります。
    そこで今回は、日本薬局方に準じて<滅菌><殺菌><消毒><抗菌>
   の定義を紹介します。
  
   <滅菌>
    対象物に存在している微生物を殺滅あるいは除去することです。完全に
   殺す、あるいは完全に除去するというのは難しいのですが、滅菌処理後の
   微生物の生存確率は100万分の1以下だそうです。一般人の感覚では
   「生物はまったくいない状態」と言ってよいかと思います。たぶん多くの
   方が「殺菌」の言葉の意味としてイメージするのがこの<滅菌>ではない
   でしょうか。
  
   <殺菌>
    対象物に存在する菌を殺すことです。ただし<滅菌>と違って、微生物
   の生存確率は示されません。つまり、菌がある程度死ねばそれは<殺菌>
   に該当するのです。ここが<殺菌>と<滅菌>の違いの大きなポイント。
   <殺菌>したからといって、生きている微生物が全ていなくなったとは限
   らないわけです。<殺菌>という言葉は、かなりあいまい性を含んでいる
   という点に注意が必要です。
  
   <消毒>
    人畜に対して有害な微生物やある特定対象微生物だけを殺滅あるいは除
   去することです。逆に言えば、有害な微生物が有害性を失うのであれば生
   きていてもよいですし、特定対象微生物以外の微生物は対象外ですので、
   生きていてもよいことになります。人が例えば怪我をしたとき、薬品で
   <消毒>をしますよね。この薬品は、有害微生物は殺しますが、人の細胞
   は殺しません。人の細胞には安全な薬品を使うのです。だから<滅菌>
   <殺菌>ではなく<消毒>なのです。
  
   <抗菌>
    薬事法では、抗生物質などの薬物の意味で使われます。ただし、抗菌グ
   ッズとして例えば鉛筆や衣服が販売されていますよね。これは薬事法の定
   義の範疇(はんちゅう)ではなく、経済産業省のガイドラインの範疇です
   ので定義が異なります。つまり、巷(ちまた)で売られている抗菌グッズ
   は医薬に使う抗生物質などの薬物が使われているわけではないということ
   です。あくまで、細菌の増殖を抑制する効果があったり、あるいは時間の
   経過と共に細菌の生菌数が減少する物質が素材などに使われていたりする
   という意味をあらわしているだけです。ちなみに、経済産業省の定義では
   抗菌はあくまで細菌が対象であり、細かいことですが細菌とは異なる糸状
   菌の類、つまりカビについては対象外です。
  
    この定義を見て、みなさんの感想はいかがでしょうか。ご自分の考えて
   いた通りだったでしょうか。
    さて、ここで、冒頭の食中毒の話に戻ります。富山で起こった腸管出血
   性大腸菌による食中毒の場合は、発病者が焼肉屋で大腸菌がついたユッケ
   を食べたのが原因とされています。報道によれば肉の卸元の食肉加工卸業
   者は肉を切り分けたあと、アルコール噴霧で表面を殺菌し、真空パックと
   していたが、その過程で殺菌が不十分であったことが指摘されています。
   私の感想としては、報道を読む限りですが、<殺菌>の定義があいまいだ
   とはいっても、衛生管理が重要である食材の<殺菌>としては非常に中途
   半端、そもそも本当に<殺菌>になっていたのだろうかと思いました。生
   肉を切れば肉汁や血液が出ます。アルコールを噴霧したぐらいでは、肉汁
   や血液にまみれて結果的に保護されてしまう大腸菌を殺すことはなかなか
   できません。腸管出血性大腸菌は数百個の菌量で感染・発症するそうです。
   したがって少量であっても肉の場合は大腸菌が生き残っているような<殺
   菌>ではダメなのです。噴霧でアルコールをかけるだけのやり方では、果
   たしてどこまで菌を殺せることができるのか、正直疑問です。この程度の
   <殺菌>で食材が流通しているのかと思うと、ゾッとする次第です。
    ではどのように自衛するかです。大腸菌は75℃・1分間の加熱で死滅
   するそうなので、生肉が好きな方は別として、焼き肉を食べる際は、「よ
   く焼く」、「生焼けにしない」ことが大事なようです。ちなみにもし肉に
   大腸菌が付着している場合、室温では20分で倍の数量に増殖します。家
   庭で生肉を扱う場合も、冷蔵庫から肉を出したらすぐに火を通すことが大
   切です。
  
    執筆者:田代英俊 企画広報室
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  ◆ 自然と友だち
  
   ■ 梅雨どきのいきもの(羽境期) ■
  
    関東地方の梅雨入りは、今年は5月末(東京5月28日)で例年より早
   めでした。じめじめした日が続いています。この時期は春に発生したいき
   ものたちが産卵し、幼虫が育つ時期です。したがって、虫たちの活動する
   姿はずっと少なくなっています。まさに、羽境期(はざかいき)です。木
   や野に咲く花も春の頃とは変わり、次々といろいろな花や実に出会えます。
  
    「梅雨どきのいきもの(羽境期)」の写真
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/ss85
  
    執筆者:松田邦雄 サイエンス友の会 講師
  
    「自然と友だち」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/photo/t_index.html
  
    ハンドブック「散歩のおとも〜北の丸公園の自然〜」好評発売中!
    郵送をご希望の方は、こちらから
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/otomo/otomo.htm
  
  
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  【3】    ★ 科 学 技 術 館 お す す め ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    今月は花がテーマです。木の花といえば、すぐに思い浮かぶのはやはり
   桜でしょうか。3月から5月にかけて南から順に咲いていくこの花には、
   特別な思いを抱く方も多いかもしれません。
  
   ■ 『さくら 私のスケッチブックから』月刊たくさんのふしぎ312号 ■
     今井眞利子 文・絵 福音館書店 2011年3月 700円(税込)
  
    何もかもが寒さに縮こまっていたところに、空気が和らぐと共に春の訪
   れを感じさせてくれる花はいくつもあります。中でも日本列島を南から北
   へ駆けのぼるように咲き、開花の予想が話題にのぼるのも、この花が毎年、
   期待に満ちた年度の変わり目の時期に咲くからかもしれません。
    各地の桜並木がピンクに染まるころ、気持ちはその花のもとに引き寄せ
   られます。はらはらと舞う花びらを追ってみたり、つぼみから満開を経て
   散るまでのほんの数日の変化を楽しんだりしますが、一輪の花をじっくり
   と見ることはあったでしょうか。決して大きな花ではありませんし、草の
   花と違って、大木の枝の先ともなると手に取ってというわけにもいかず、
   遠目に木全体を眺めることが多いものです。
    「植物を科学的に見て正しく描き、同時に生き生きしたその植物の強さ、
   美しさを表現する。」ボタニカル・アートを手掛ける作者は、目の前の一
   枝を見たままに描くのではなく、図鑑や参考書を傍らに、名前を調べ、そ
   の特徴を確認しながら克明に描いています。花びらの形、しわの一つ一つ、
   めしべおしべの様子、葉のつき方など。観察と、資料からわかることを突
   き合わせて初めて納得して描かれた桜の花は、どれも生き生きとしていま
   す。そして、改めてその種類の多さ、形、色の美しさに驚きます。
    来年の桜の季節に花のもとに立つ時は、この本で見つけた桜の花の特徴
   を探しながら、一輪の花にできるだけ近寄ってじっくり観察したいもので
   す。きっと新たな発見があることでしょう。
  
    執筆者:二階堂恵理 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/6shokubutsu/sakura/sakura.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  
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  【4】    ★ 科 学 技 術 館 ニ ュ ー ス ★
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  ◆ お知らせ
  
   ■ 4階B室「シンラドーム」休室のご案内 ■
  
    4階B室シンラドームはシステム更新のため下記の期間、休室させてい
   ただきます。期間中のドーム投映番組(日〜金曜日)及び科学ライブショー
   「ユニバース」(土曜日)は全て中止となります。申し訳ございません。
  
    期間:6月25日(土)〜7月9日(土)
    http://www.jsf.or.jp/info/2011/06/post_396.php
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆「航空パネル展」開催中
  
    所沢航空発祥記念館所蔵の普段一般公開していない航空写真やポスター
   など約100点を特別公開しています。
  
    期間:7月10日(日)まで
    場所:展示館1階特別展会場
    費用:無料(入館料は必要です)
    内容:◇板橋繁男氏の航空絵画
       ◇喜多川写真館コレクション
       ◇エールフランスポスターコーナー
       ◇エアラインポスター
       ◇宇宙航空コーナー
       など
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum2/viewcat.php?cid=1
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆カヌー操船体験教室
  
    「海をあるく」そんな気分にひたれるのがカヌーの魅力かもしれません。
   自らの手で船を進め、浮力や復元性、方向転換など、船の基本的な知識を
   体験の中から学ぶことができる教室です。ぜひご参加ください。
  
    開催日時:6月26日(日)13時〜16時
    受付時間:12時45分〜 先着100名
    実施場所:体験教室プール
    参 加 費:無料(入館料は必要です)
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/sc_03/?p=40
  
  ◆ イベント情報
  
   ■ 「わかろう医学 つくろう!健康 EXPO2011」
                     ウェブ&体験博覧会のご案内 ■
  
    第28回日本医学会総会「わかろう医学 つくろう!健康 EXPO20
   11」ウェブ&体験博覧会は、当初、4月に東京ビッグサイトで実施予定
   であったものを形を変えて開催するもので、「体や病気のしくみが『わか
   る』」、「病気に挑み、健康づくりに『とりくむ』」、「医療や健康・予
   防の未来を『つくる』」の3つをテーマに、第一線で活躍する医師・医療
   関係者が企画監修した医学・医療の総合博覧会です。
    ウェブ博覧会では医学の基礎、臨床の現場、未来への展望など皆様方に
   「知ってほしい」情報が満載です。
    体験博覧会ではウェブ博覧会で紹介しきれない体験型のコンテンツを一
   堂に展示し、健診体験コーナーなどの参加型のコーナーも多数そろえてお
   ります。
    医療・健康について学び体験する場に、ぜひ、ご家族そろってご参加く
   ださい。
  
    ウェブ博覧会
     会期:9月末まで開催中
  
    体験博覧会
     会期:6月24日(金)〜26日(日)10時〜17時
     場所:1階展示会場
     費用:無料
  
    問い合せ先など詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://ex2011.net
  
   ■ 「中外製薬 夏休みこどもバイオ実験教室2011」参加者募集中 ■
  
    「中外製薬 夏休みこどもバイオ実験教室」を今年の夏も開催いたします。
   実験教室では、研究員になってくすりの研究に挑戦します。生きものの設
   計図である「DNA」の暗号を解読し、テレビなどでよく耳にする「DN
   A鑑定」実験に挑戦しましょう。実験教室は事前申込制となりますので、
   お早めにお申し込みください(申込多数の場合は抽選となります)。
  
   実験教室1:「DNAのふしぎにせまる〜くすりの設計図を探し出せ〜」
     開催日:8月6日(土)13時〜16時
     対 象:小学3年生〜6年生
     定 員:48名(保護者見学可)
  
   実験教室2:「ちょうせん!DNA鑑定〜病気のイヌを助けよう〜」
     開催日:8月7日(日)13時〜16時30分
     対 象:小学5年生〜中学3年生
     定 員:40名(保護者見学可)
  
   共通
     会 場:当館1階催事場
     参加費:無料
     応募締切:7月8日(金)ハガキまたはウェブ(ハガキは当日必着)
  
    応募方法など、詳しくはこちらをご覧ください。
    中外製薬 夏休みこどもバイオ実験教室2011ウェブサイト
    http://www.kyouikuouen.com/chugai2011/
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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   ■ あそびながら「生きる力」をはぐくむ親子 ■
  
    科学技術館の位置する「北の丸公園」は、皇居を取り囲む「お堀」に面
   していて、皇居と「北の丸公園」とは、一衣帯水(いちいたいすい)の関
   係にあります。ビジネスの中心街、丸の内、大手町の隣には、緑と水に恵
   まれた広大な地域があるわけです。ここは、鳥たちにとっては「聖域(サ
   ンクチュアリー)」です。
    大手町にある三井物産ビルは「お堀」に面していて、その前庭には、小
   さな人工の池「プラザ池」があります。最近は、あまりテレビの話題にな
   りませんが、1983年、この池で椿事(ちんじ)が起きました。この池
   で、卵から子どもを育てたカルガモの親が、子どもたちを引き連れて、激
   しく車の行き交う「内堀通り」を平然と横切って、「お堀」に移動しよう
   としたからです。突然の交通規制が敷かれたのですが、ほほえましい光景
   は、ひとびとの心を和ませたものです(注1)(注2)。
    さて、「北の丸公園」にも、人工のものと思われる「池」があります。
   ここで、先日、カルガモの親子とともに、カイツブリの親子を見かけまし
   た。
    まずは、カルガモの子どもたちの写真をご覧ください(注3)。親は、
   子どもたちをほったらかしにして、ちょっと離れたところで悠々とお化粧
   (毛繕い)をしていました。
    次にカイツブリの親子(注4)。子どもは、親にまとわりついて離れよ
   うとはしません。なかには、親の背中に乗ってラクチンする子どももいる
   のだとか。
    カイツブリは潜水の名人といわれています。カイツブリという、ちょっ
   とへんな名前の由来もそこにあって、水を「掻いて潜る」が転じたか、潜
   る時の水音が「つぶり」に転じたとする説が有力なのだそうです。その
   「あしゆび」には、木の葉状の「水かき」がついていて、これを水中で自
   由自在に動かして泳ぎます(注5)。水中でフナやタナゴなどの小さな魚
   類などを捕まえて食べるというのですから、「狩り」をするには、瞬間的
   には相手を上回るスピードが求められます。
    この日は、盛んに、親は、子どもにその「技」を見せていました。親は、
   子の前で、突然、潜ります(注6)。眼前から消えた親。子どもは、呆然
   としています。潜水時間は、観察した限りでは20〜30秒。驚くほど遠
   いところに、突如、浮上します。親を見つけた子どもは、「ニワトリのひ
   よこ」とそっくりの「鳴き声」を出しながら、驚くべきスピードで親を目
   指します(注7)。静止画では、その様子が良くわからないので、デジカ
   メの動画機能で録画してみましたのでご覧ください(注8)。
    親子は、飽きもせず、この行動を繰り返しています。きっと、親は、子
   どもに「潜水」と「捕食」、すなわち「生きる力」を伝えようとしている
   のでしょう。ついでながら、池の汀(みぎわ)にいた観察者は、「あれだ
   け運動すれば、さぞかしお腹が空くだろうなあ」と思ったものです。事典
   によると、子どもが自身で捕食できるようになるには、1.5〜3ヶ月く
   らいは必要で、その間は、親から餌をもらっているのだとか。してみると、
   親は、「技」を見せているだけではなくて、子に与えるべき餌をちゃんと
   捕っているんですね、えらいなぁ。
  
    注釈はこちらをご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/334/334.html
  
                        (企画広報室 吉田 浄)
  
  
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     最後までお読みいただきありがとうございました。
     皆様のご来館をお待ちしております。
  
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  ┘ 発行者:科学技術館メールマガジン係               ┘
  ┘    〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号       ┘
  ┘                                 ┘
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  ┘  載の際には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の  ┘
  ┘  記事」と注釈をいれてください。                ┘
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