科学技術館メールマガジン バックナンバー


  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ━━                               ━━
  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第344号 ◆  ━
  ━━                               ━━
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                             >>>2011/8/31発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   今日で8月も最後。明日から新学期の子どもたちも多いのではないでしょ
   うか。元気いっぱい友だちにあいさつをして新学期をスタートしよう。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 9,749人。
  
  
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘ 今 号 の 目 次 ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
  
   【1】科学技術館最新情報
       新着情報・・・メルマガ読者ご招待!
                   「立方体コロコロゲーム」で遊ぼう!
              「今週のユニバース」
  
   【2】科学技術館ラボラトリー
       科学・技術よもやま話・・・「熱力学的夏休みの宿題!?」
  
   【3】科学技術館おすすめ
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ「化石」
  
   【4】科学技術館ニュース
       お知らせ・・・「第2回国際科学映像祭スタンプラリー」
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館、船の科学館
  
    ※9月の休館日は毎週水曜日です。
  
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【1】    ★ 科 学 技 術 館 最 新 情 報 ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ 新着情報
  
   ■ メルマガ読者ご招待!「立方体コロコロゲーム」で遊ぼう! ■
  
    サイコロみたいな四角い物体「立方体」のすごろくゲームや頭脳パズル
   を楽しもう。あっちへコロリ、こっちへコロリ、先を読んで転がすのがポ
   イントだ。展開図が上手になるよ。遊んだゲームはもらえるよ!
  
    開催日時:9月24日(土)13時〜14時
    受付時間:12時40分から会場にて
    会  場:4階イベントホール
    募集定員:20組(1組2名まで。親子、兄弟、友達とのペア参加も可)
    対  象:小学生以上
        ※参加者が小学校1〜3年生の場合は、保護者とのペアでご参
         加ください。
    材 料 費:無料(入館料も無料)
    講  師:森川 聡氏(科学技術館サイエンス友の会外部講師、
               算数ゲーム研究所キュリオキッズ代表)
    応募締切:9月12日(月)
  
    ※応募方法や詳細については、こちらをご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/344/344.html
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
    「ゲストコーナー」では、「私がみた南極」として、南極観測隊員とし
   てのご経験をお話しいただく予定です。
  
    案内役:片岡 龍峰さん(東京工業大学)
    ゲスト:北内 英章さん(情報通信研究機構 電磁波計測研究所)
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【2】   ★ 科 学 技 術 館 ラ ボ ラ ト リ ー ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 熱力学的夏休みの宿題!? ■
  
    8月も今日で終わり、厳しい暑さもだいぶ和らいできたように感じます。
   8月が終わるといえば、学生のみなさんは長かった夏休みが終わるという
   こと。夏休みといえば宿題ですね。毎日コツコツ頑張った人は今頃、新学
   期を前に気持ちを高めているころでしょう。ずっと遊んできた人は、たま
   った宿題を一気に片付けるため必死になっているのではないでしょうか。
   そのあまりうれしくない夏休みの宿題ですが、少し視点を変えて、出され
   た宿題とやり終えた宿題を式に置き換えてみましょう。すると、
  
    【残った宿題】=【与えられた宿題】−【やり終えた宿題】
  
   となりますね。この式、どこかで見た気がしませんか?エネルギー的に考
   えて少し一般化してみましょう。
  
    【エネルギーの変化量】=【外部から与えられた熱量】−【外部にした仕事】
  
    ここまでくれば大体わかると思います。そうです、熱力学第一法則にそ
   っくりなんですね。熱力学第一法則とは、凾t=Q−Wの式で表される物
   理法則です。ここではWを外部にした仕事(W>0)と定義しています。
   これはエネルギー保存の法則ともいわれ、エネルギーの変化量は途中の過
   程には因らず、最初と最後の状態によって決まるといったものです。即ち
   宿題をコツコツ毎日やって終わらせるのも、最後に一気に片付けるのも、
   最終的に与えられた課題が完了することを前提とすると、エネルギー的に
   みて等価ということになります。
    では、同様に熱力学の第二法則(※)についても考えてみましょう。熱
   力学第二法則とは、一般的にエントロピー増大の法則ともいわれ、第一法
   則でエネルギーが保存されることが示されていますが、第二法則では外力
   が加わることなしには、時間経過とともにエネルギーの質(エネルギーの
   取り出しやすさ、扱いやすさ)はゆっくりと低下していくことを示してい
   ます。言うなれば、「宿題をやらなければ先生から怒られる」という外力
   なしには、勝手きままさ(エントロピー)は増大し、宿題(エネルギー)
   の質は低下します。さらには宿題をやるにおいても、時間を決めて集中し
   て行った場合に比べ、時間を決めずにだらだらとやった場合においてはそ
   の質は時間が経つほどに低下していくと言い換えても、ほぼ当てはまるの
   ではないでしょうか。
    このように普段はあまり目にしない熱力学の法則も、日常の事象に置き
   換えてみると案外当てはまる場面が多いかもしれません。それにはもちろ
   ん熱力学の意味を正確に理解することが大前提ですが、何となく難しくて
   取っつきづらいと思われる方にとっては、少し興味が湧いてきませんか?
  
   ※例えば、熱いものと冷たいものが隣り合っている場合、時間経過ととも
    に熱い方から冷たい方に向かって熱が流れて、温度が均一になるように
    向かいますが、逆は起きない不可逆変化であることを示したのが熱力学
    第二法則です。エントロピーなどという言葉を含めて、熱力学を正確に
    理解するのはちょっと難しいかもしれませんね。
  
    執筆者:永尾 大作 科学技術館事業部
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【3】    ★ 科 学 技 術 館 お す す め ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ 科学の本の紹介
  
    今月のテーマは「化石」です。
  
   ■ 『のんびりオウムガイとせっかちアンモナイト』 ■
     三輪一雄 作・絵/偕成社/2006年/1,000円(税抜)
  
    アンモナイトとオウムガイは、どちらもカラをもったイカ・タコのなか
   ま。アンモナイトは絶滅して今はいないけど、化石は有名で人気者。一方
   オウムガイは、南の海の深いところでひっそりと生きていて、人気はいま
   ひとつ。そんな彼らの何億年にもわたる、栄枯盛衰の物語が、力強く愉快
   な絵とともに展開していきます。
    はじめに地球上にあらわれたのは、オウムガイでした。オウムガイは、
   ロケットのような形のカラをもっていて、海を支配していました。卵を産
   む数も少なく、成長もゆっくり。ところが、彼らよりも泳ぐのが速く、し
   かもカラをくだいてしまう強いアゴをもった魚類があらわれ、危うくなっ
   ていきます。そんな中、オウムガイの中のせっかちな1グループは、ある
   作戦を考え、何世代にもわたってからだの改造にとりくんだのです。その、
   せっかちなグループがアンモナイトになっていきました。いったい、どん
   な改造をしたのでしょうか?その後、海を支配したアンモナイトでしたが、
   一方のオウムガイのとった作戦は?そして、アンモナイトは絶滅し、オウ
   ムガイだけが生き残ったのはなぜでしょうか?
    彼らの関係を絶妙にあらわしたタイトルと、生物の進化がドラマのよう
   に展開するストーリー、そしてちょっぴり<人生>を感じるラスト・・・
   脱帽です。読み終わって、今まで関心のなかったオウムガイがいとおしく
   なりました。
  
    執筆者:木甲斐由紀 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/4shinka/nonbirioumugaitosekkatianmonaito/nonbirioumugaitosekkatianmonaito.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【4】    ★ 科 学 技 術 館 ニ ュ ー ス ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ◆ お知らせ
  
   ■ 第2回国際科学映像祭スタンプラリー ■
  
    当館は、「第2回国際科学映像祭 〜Science & Art〜」
   の会期中、4階B室シンラドームを中心にスタンプラリーの参加会場とな
   っています。スタンプラリー参加施設のスタンプを3館以上押して応募す
   ると、参加賞や抽選で豪華な記念品が当たります。
    館内の様々な映像コンテンツをお楽しみください。
  
    開催期間:10月2日(日)まで
         ※ただし、9月7日(水)、14日(水)、21日(水)、
          28日(水)は休館日です。
    開催場所:4階B室「シンラドーム」他
    参 加 費:無料(入館料は必要です)
    参加方法:シンラドームの科学ライブショー「ユニバース」(土曜日の
         み)やドーム投影番組(日〜金曜日)、または館内各展示室
         の映像コンテンツをご覧になった方は、シンラドーム入口に
         ある科学技術館のスタンプを所定の台紙に押してください。
         台紙も同じ場所にご用意しております。
  
    詳細は、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2011/07/post_424.php
    http://image.sci-fest.net/ja/stamp.html
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆「はやぶさ展」開催のお知らせ
  
    小惑星探査機「はやぶさ」の1/2模型や帰還カプセル実寸模型、小惑
   星「イトカワ」模型、解説パネルなどを展示いたします。
  
    期間:9月3日(土)〜10月2日(日)
    費用:無料(入館料は必要です)
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum2/viewcat.php?cid=1
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆「野上隼夫と海洋冒険小説の世界」展開催中
  
    読書ルームでは、アレグザンダー・ケントの「海の勇士 ボライソー・
   シリーズ」やダグラス・リーマンの「アドリア海襲撃指令」などの海洋冒
   険小説のカバー絵の原画20数点を展示する「野上隼夫と海洋冒険小説の
   世界」展を開催いたします。
    野上隼夫画伯が描く迫力ある原画を見るまたとない企画ですので、ぜひ
   読書ルームへお越しください。
  
    開催期間:9月30日(金)まで
    開催場所:本館3階 読書ルーム
    費  用:無料(入館料は必要です)
  
    詳細は、以下のホームページをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/announce/?p=194
  
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
             ★ 担 当 者 よ り ★
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
   ■ ひとびとの生活シーンを大きく塗り変えた
                   稀代のアントレプレナーの退任… ■
  
    先週24日、アップルのスティーブ・ジョブズがCEO(最高経営責任
   者)を退任し、取締役会会長(非常勤)に就くとのニュースが世界を駆け
   巡りました。今年1月から3度目の病気休養にはいっていましたが、過去
   2回には不死鳥のように復活して活躍していただけに、そのショックは大
   きいものでした(注1)。病状については何も公表されていませんが、そ
   うであるからこそ予断を許さない重篤な状況であると思われます。
    パソコン業界では、2008年7月に、パソコン用OSであるWind
   owsを世界標準に育てあげたウィリアム・ゲイツが、マイクロソフトの
   経営から引退し、自ら築いた財団の活動に軸足を移しています。この二人、
   年齢もほぼいっしょで、大学を中退、ベンチャービジネスを創めるなど、
   強烈な個性を持つところは共通していますが、やり方においてはおよそ両
   極端にあったともいえます。この二人が、この30年間のパソコン業界を
   牽引してきたといってよいでしょう。換言するならば、この二人がいなけ
   れば、日常生活のなかにこれほどコンピュータがはいりこむのは10年遅
   れたといっても過言ではないと思われます。
    このうち、ジョブズに限って、年表を眺めてみると、
  
   ・1972年  ジョブズ、リード大学を中退。カリグラフィー(書体)に夢
         中になる。学生ヒッピー。
   ・1976年  ジョブズら、アップルを設立、「アップルT」を開発。
   ・1977年  アップル、「アップルU」を発売。
   ・1979年  ジョブズ、ゼロックスPARCを訪問。
   ・1984年  アップル、「マッキントッシュ(マック)」を開発。事業と
         して大成功。
   ・1985年  ジョブズ、経営方針の対立でアップルを退社。ベンチャー企
         業NeXT、ピクサー設立。
   ・1996年  アップルがNeXTを買収。ジョブズ、アップルに復帰。
   ・1997年  ジョブズ、CEOに復帰。経営立て直しを図る。
   ・1998年  アップル、「iMac」を発売。
   ・2001年  アップル、「iPod」を発売。
   ・2003年  アップル、「iTunesストア」開始。
   ・2004年  ジョブズ、膵臓がん手術で休養。
   ・2006年  アップル、マックにインテルのMPU採用。マック上でWindows
         稼働。
   ・2007年  アップル、「iPhone」を発売。
   ・2009年  ジョブズ、肝臓移植手術で休養。
   ・2010年  アップル、「iPad」を発売。
   ・2011年  アップル、「iCloud」を発表。
   ・2011年  ジョブズ、病気休養。
   ・2011年  アップル、8月10日に、株式時価総額が世界トップに。
   ・2011年  ジョブズ、CEO退任。
  
    2005年に、スタンフォード大学の卒業式に、来賓として招かれたジ
   ョブズは、その半生を振り返る有名な式辞を述べています。三つのテーマ
   がありますが、ここでは最後のテーマをご紹介します(注2)。
    17歳のとき、ジョブズは次の言葉に出会ったというのです。「その日
   が人生最後の日だと思って、毎日を生きていきなさい。やがていつか、必
   ず、その通りになる日がくるから(これを聴いて聴衆はジョークと思った
   のか、笑いで応えています。)」。それ以来、現在(2005年)に至る
   まで33年間、「私は、毎朝、鏡を見て自分に問い掛けてきました。『も
   し今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることは私
   がやりたいことなのだろうか?』と。」。ジョブズは、真摯に毎日自分に
   向き合っていたのでした。
    そして社会に出ていく卒業生たちに向かって、
   「時間は限られています。だから、誰か他の人の人生を生きて時間を無駄
   にしてはいけません。ドグマにとらわれてはいけません。それは、他のひ
   とたちの考えたことの結果とともに生きることだから。他人の意見という
   ノイズによって、自身の内なる声がかき消されてしまわないように。そし
   て、もっとも重要なことですが、自分の心や直感に従う勇気を持ってくだ
   さい。心や直感は、あなたが本当に何になりたいかをすでに知っています。
   それ以外のことはすべて二の次です。」と説いたのです。
    そして、最後に、昔読んだ本からの引用で、「ハングリーであり続けよ、
   愚か者であり続けよ(Stay Hungry. Stay Foolish.)」と結んでいます。
   ここで、ハングリーとは仕事に卓越を求めることに執着することであり、
   愚か者とは世間からは異端のように見られても自分の心と直感に忠実であ
   れ、ということです。年表を見るとおわかりのとおり、21世紀にはいっ
   て、アップルから矢継ぎ早に繰り出されるイノベーションは、まさにジョ
   ブズ自身の「限られた時間」のなかで産み出されてきたようです。そのイ
   ノベーションとは、大発明に基づくものではなく、業界人の脳裡に浮かん
   でいたが、逡巡して実行できなかった事業です。結果は「ウィナー・テイ
   ク・オール」。口惜しいことにジョブズは、「イノベーションがリーダー
   とフォロワーを分けるのだ。」喝破しています。
    この式辞には、ときに「伝道師(evangelist)」と呼ばれるジョブズの
   真骨頂が表れているといえるでしょう。もう一つ重要なことは、そのジョ
   ブズのような生き方を、米国には受け容れる素地があるということです。
   日本でも、平均、平等を求めるのではなく、一人ひとりのタレントを尊重
   して、「出る杭を育てよ」という考え方が、少しずつではありますが、広
   がってきています。戦後直後とは比較にならないほど豊かになった日本。
   衣食住について、より豊かになることが一人ひとりの励みでありハングリ
   ーである原動力でした。それがほぼ達成されたときに、次には、何を目標
   に置いたらよいのか。それがカネではないことをジョブズの生きざまは示
   唆してくれます。
    21世紀に連戦連勝を続けているアップル。それを横目に見てビジネス
   の世界では、「ジョブズならどうするだろうか?」が流行語になっている
   ようですが、正しい答えを得るのは容易ではありません。ジョブズの言う
   とおり、自分の心や直感に従うためには、日頃から、自分自身でそれらを
   徹底して研ぎ澄ましていなければならないからです。
  
                        (企画広報室 吉田 浄)
  
   注1.辞任に際してアップル取締役会宛ての公開書簡が発表され、「アッ
      プルのCEOとしての義務と期待にこれ以上応えられなくなる時が
      来たならば、私はそのことを自ら最初に取締役会メンバーに知らせ
      ると、常々申しあげてきた。残念ながら、その日が来た。」と述べ
      ています。
  
   注2.この演説は、http://news.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html
      に原稿全文が掲載されています。YouTubeには、録画ビデオがありま
      す。
      http://www.youtube.com/watch?v=Hd_ptbiPoXM&feature=related
  
    この演説で、ジョブズは、自身の経験に基づく三つのことを述べて、卒
   業生に対する餞(はなむけ)の言葉としています。
    第一に、「点と点をつなぐ(connecting the dots)」。学生生活に価値
   を見い出せなくなったジョブズは、両親の学費負担を考えて入学後6ヶ月
   で中退します。興味を持てない必修科目に代わって夢中になったのが、カ
   リグラフィーでした。そのときには、実際の役に立つ可能性など考えても
   みなかったカリグラフィーが、後年、マック開発の時に、美しいフォント
   として生きることになったといいます。先を読んで点と点を繋ぐことはで
   きないが、将来どこかで繋がると信じることで、自分の心に従う自信が生
   まれると述べています。
    二つ目は「愛と敗北について(about love and loss)」。20歳のとき
   に、ジョブズは、盟友のウォズニアックと組んでアップルを始業します。
   ゼロックスPARCで見たコンピュータからパソコンの将来像を描き、マ
   ックを開発して大成功しますが、30歳の誕生日を迎えたときに、会社を
   クビになってしまいます。「大人になってから全身全霊を挙げて打ち込ん
   できたことがなくなってしまい、途方に暮れました。」「そのことを後か
   ら見てみると、アップルをクビになったことは、人生で最良の出来事にな
   ったと思うようになった。というのは、成功したという重圧が、再度、初
   心者であるという身軽さに代わったからです。」クビになったことが、も
   っと素晴らしい仕事に出逢う機会をつくったと。その経験に照らして、ジ
   ョブズは、「探し続けてください、立ち止まってはいけない(So keep
   looking until you find it. Don't settle.)」と卒業生を励ましていま
   す。
    三つ目が本文で示した「死について(about death)」です。
  
  
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
     最後までお読みいただきありがとうございました。
     皆様のご来館をお待ちしております。
  
   ※科学技術館メールマガジンに関するお問い合わせやご意見、ご感想は
    こちらのURLからお願いします。
    http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/
  
   科学技術館ホームページ>>> http://www.jsf.or.jp
  
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
    科学技術館のイベント情報などをタイムリーにお届けする、科学技術館
    ケータイメルマガの登録はこちらから。
  
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/m/mm.htm
  
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
    配信解除・配信先変更、バックナンバーについては、こちらのホーム
    ページからお願いします。
    https://www3.jsf.or.jp/mailmaga/menu.asp
  
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
  ┘                                 ┘
  ┘ 発行者:科学技術館メールマガジン係               ┘
  ┘    〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号       ┘
  ┘                                 ┘
  ┘ ※ このメールマガジンの回覧・転送は自由です。内容の引用・転  ┘
  ┘  載の際には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の  ┘
  ┘  記事」と注釈をいれてください。                ┘
  ┘  なお、メールマガジンで参照しているWebサイトのすべての画  ┘
  ┘  像・記事については、著作権法に定める例外を除き、著作権者の  ┘
  ┘  許可なく使用・転載することはできません。           ┘
  ┘                                 ┘
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘



操作メニューへ

メールマガジンに関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。
科学技術館メールマガジン問い合わせ窓口:http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/

Copyright (C)2004 Science Museum, Tokyo, ALL RIGHTS RESERVED