科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第359号 ◆  ━
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                             >>>2011/12/14発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   10日の皆既月食、雲が多少ありましたが、赤い月がはっきりと見えまし
   た。久々にオリオン座やシリウスを見た方もいるのではないでしょうか。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 9,788人。
  
  
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   【1】科学技術館最新情報
       新着情報・・・「ほうしゃせんをはかってみよう!」
              年末年始の休館のお知らせ
              でんきの月「第1回作文コンテスト」募集中
              「今週のユニバース」
  
   【2】科学技術館ラボラトリー
       科学・技術よもやま話・・・「やってみると楽しい科学実験」
  
   【3】科学技術館おすすめ
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ「感じて考える本」
  
   【4】科学技術館ニュース
       お知らせ・・・「『手のひらエイムズの部屋』を作ろう!」
              「スプリング・サイエンスキャンプ2012」
                              参加者募集中
              「第53回科学技術映像祭」参加作品募集中
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館・船の科学館
       イベント情報・・・「プラスチックの過去・現在・未来展」
  
    ※年内は12月27日(火)まで毎日開館いたします。
     年始は1月4日(水)から開館します。
  
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  【1】    ★ 科 学 技 術 館 最 新 情 報 ★
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  ◆ 新着情報
  
   ■ ほうしゃせんをはかってみよう! ■
  
    放射線は身近なものからも出ています。かんたんな器械を使って身の回
   りの放射線を測ってみましょう。
  
    開 催 日:12月15日(木)、22日(木)
    開催時間:11時〜、13時〜(各回20分)
    会  場:4階I室実験スタジアムR
    対  象:小学生〜大人
    定  員:各回20名
    参 加 費:無料(入館料は必要です)
    問 合 先:日本科学技術振興財団 情報システム開発部 はかるくん係
         TEL 03−3212−8504
         FAX 03−3212−8596
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2011/12/post_456.php
  
   ■ 年末年始の休館のお知らせ ■
  
    当館の年末年始の休館日は以下の通りとさせていただきます。
  
     年末:2011年12月27日(火)まで通常開館
     休館:2011年12月28日(水)〜2012年1月3日(火)
     年始:2012年1月4日(水)から通常開館
  
     詳細はこちらをご覧ください。
     http://www.jsf.or.jp/info/2012/01/post_458.php
  
   ■ でんきの月「第1回作文コンテスト」募集中 ■
  
    「3月はでんきの月」です。そのキャンペーン活動の一環として、小中
   高生を対象とした作文コンテストを実施いたします。
    私たちのまわりには、エネルギー・エレクトロニクス・情報・通信など、
   さまざまなところで役立っている「でんき」の技術があります。「でんき」
   について、あなたの夢、あなたのまわりで起こった印象深いこと、「でん
   き」を使った新しい機械のアイデアなどを書いて送ってください。
  
    テ ー マ:「でんきと私」
    募集対象:小学生の部(4年生以上)、中学生の部、高校生の部
    字  数:800字以内
    応募締切:2012年1月16日(月)必着
    応募方法:郵送あるいは電子メール
    発  表:「でんきの月」公式ホームページ(平成24年3月上旬予定)
         および本人ならびに所属学校長宛に連絡
    問合せ先:でんきの月連絡協議会事務局(社団法人電気学会 総務課内)
         でんきの月担当E-mail:denki@denki-no-tsuki.jp
  
    応募方法などの詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.denki-no-tsuki.jp/event/20120116.php
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
  
    案内役:大朝 由美子さん(埼玉大学)
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 ラ ボ ラ ト リ ー ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ やってみると楽しい科学実験 ■
  
    家で簡単にできる科学実験を楽しむ子どもや親子が増えたというニュー
   スを聞きました。ホームセンターや薬局で日用品や器具、薬品を購入して、
   様々な実験に取組むそうです。書店では、実験を紹介した書籍もあちらこ
   ちらで見かけるようにもなりました。おそらく、日常に潜む科学を手軽な
   方法で楽しく観察できることが、人気の理由なのではないでしょうか。
    私も最近ちょっとした実験を試してみました。ブロッコリーからDNA
   を抽出するという実験です。折角なのでご紹介しようと思います。DNA
   は、遺伝情報を担うデオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic acid)の略語
   です。DNAは、肉や野菜などの細胞の中にある細胞核に含まれています。
   とても小さなDNAですが、家庭用品と身近な薬品を使って、目に見える
   ほどの量のDNAを集めることができるのです。
    細胞分裂が盛んでDNA量が比較的多いブロッコリーのつぼみ部分5g
   を集めて、よくすり潰します。次に、食塩1.5gを10mlの水によく
   溶かします。そこへ中性洗剤1mlを加えて、DNA抽出液を調製します。
   よくすり潰したブロッコリーのつぼみにDNA抽出液を2〜3度に分けて
   加え、さらによくすり潰します。すり潰されたつぼみを含むDNA抽出液
   をコーヒーフィルターでろ過して、緑色の液体を透明なプラスチックのコ
   ップに移します。よく冷やした無水エタノール(濃度99.5%以上)を
   コップの縁をつたえ、静かに注ぎます。すると、モヤモヤと白い雲のよう
   なものが抽出できます。これが、ブロッコリーの細胞に含まれるDNAで
   す。(※1)
    さて、いかがでしたか?家庭用品と身近な薬品を使って、目に見えない
   小さなDNAを簡単に集めて観察することができますね。集めたDNAは、
   エタノール中で静かに置いておくと数ヶ月間保存することができます。工
   夫次第で様々な楽しみ方ができることも家庭でできる科学実験の魅力の一
   つですね。当館1階にあるミュージアムショップやネットショップ(※2)
   では、今日紹介したDNAの抽出ができる実験キットのほか、楽しい実験
   が簡単にできるキットを揃えていますのでぜひ、冬休みにでもお試しくだ
   さい。もしかしたら、ノーベル賞級の世紀の大発見も夢じゃない?かもし
   れませんよ。
  
    執筆者:中村潤 情報システム開発部
  
    ※1)実験方法はこちらをご参考ください
     http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/359/359_y.jpg
    ※2)ミュージアムショップネットショップはこちら
     http://www2.smsi.co.jp/museumshop/
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  
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  【3】    ★ 科 学 技 術 館 お す す め ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    今月のテーマは「感じて考える本」。3冊目は手のひらに乗るような小
   さな生きものたちを実物大よりも大きくして、じっくり見ることのできる
   本を取りあげます。直接見ても見落としてしまいがちなこともクローズア
   ップすることで見え方が変わります。今回もじっくり見ることで気がつい
   て、考えるきっかけに。
  
   ■ 『クローズアップ大図鑑』 ■
     イゴール・ジヴァノヴィッツ 著 渡辺政隆 日本語版監修
     石田浩子 翻訳協力 ポプラ社
     2,500円(税抜) 2009.12
  
    この大型絵本のインパクトある表紙の写真は、アトラスオオカブトの輝
   く頭の部分です。実物よりはるかに大きく、美しい曲線を描く角や、虹色
   の光沢を持つ頭に目を奪われます。いくらカブトムシを捕まえてきても、
   こんな風に見ることはなかなかかないません。
    この本では、まず、手のひらに乗る程度の大きさの動物たちの世界のこ
   と、動物の形、自然の中での撮影であることが語られ、小さな動物たちと
   対峙する時の心構えを確認しています。続いて、それぞれの特徴がよくわ
   かる41種のクローズアップ写真と、観察の時の目のつけどころの解説、
   生息地域や実際の大きさなどのデータを見開きページで見せてくれます。
   アホロートルは正面から、ゴマフウチワヤモリはお腹側から、サナギから
   出たばかりのミヤマクロバエは真横から、そして食事中のエジプトオオム
   カデ。りりしい立ち姿のスナネズミを下から見上げることはあるでしょう
   か。
    たとえ実物が目の前にいても、解説がなかったり、見る視線が違ってい
   たり、また、大きくして見なければ見落としてしまうことも多いでしょう。
   じっくり見て、その造形の美しさ、機能を感じてみましょう。そして彼ら
   の生き方に思いをはせてみるのもおもしろいのではないでしょうか。
  
    執筆者:二階堂恵理 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/hon/5seibutsu/closeup/closeup.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://kagakuyomimono.cool.ne.jp/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  
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  【4】    ★ 科 学 技 術 館 ニ ュ ー ス ★
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  ◆ お知らせ
  
   ■ FORESTかんたん工作
              「『手のひらエイムズの部屋』を作ろう!」 ■
  
    5階FORESTに期間限定で展示中の「エイムズの部屋」はもう体験
   したかな?中にいる人の大きさが違って見えるのはなぜなんだろう?
    手のひらサイズのエイムズの部屋をつくって、考えてみよう!!
  
    開 催 日:12月17日(土)、18日(日)
    開催時間:14時〜、15時〜(各回30分)
    定  員:各回5名
    開催場所:5階FOREST スモンマ横
    参加方法:両日とも12時より開催場所にて1日分の予約を受付けます。
    対  象:どなたでも可。(ただし、小学生未満の方は保護者同伴)
    参 加 費:無料(入館料は必要です)
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2011/12/post_453.php
  
   ■ 高校生のための先進的科学技術体験合宿プログラム
       「スプリング・サイエンスキャンプ2012」参加者募集中 ■
  
    スプリング・サイエンスキャンプ2012は先進的な研究テーマに取り
   組んでいる日本各地の大学・公的研究機関(18会場)で、春休み期間中
   に本格的な実験・実習が受けられる、高校生のための科学技術体験合宿プ
   ログラムです。
    今年度より3泊4日以上の探究・深化型プログラム「サイエンスキャン
   プDX(ディー・エックス)」も始まり、さらに充実した内容で開催いた
   します。高校生のみなさん、興味のあるプログラムに応募ください。
  
    開催期間:2012年3月17日(土)〜3月29日(木)の期間中の
         2泊3日〜3泊4日
    会  場:大学、公的研究機関、民間企業等(18会場)
    定  員:受け入れ会場ごとに8〜40名(合計283名)
         ※前年度平均応募倍率2.5倍
    参 加 費:無料(自宅と会場間の往復交通費は自己負担。宿舎・食事は
         用意します)
    応募締切:2012年1月24日(火)郵送必着
  
    応募方法など、詳しくは、こちらをご覧ください。
    サイエンスキャンプ本部事務局ホームページ http://ppd.jsf.or.jp/camp/
  
   ■ 「第53回科学技術映像祭」参加作品募集中 ■
  
    第53回科学技術映像祭の参加作品の募集を開始しました。
  
    募集締切:2012年1月25日(水)
    参加方法:科学技術映像祭公式ホームページより申込
    入選発表:2012年3月中旬予定
    表 彰 式:2012年4月20日(金)
    表彰式会場:当館サイエンスホール
    主  催:(公財)日本科学技術振興財団、(公社)映像文化製作者連盟、
         (財)つくば科学万博記念財団
  
    参加申込方法など、詳細はこちらをご覧ください。
    http://ppd.jsf.or.jp/filmfest/
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆所沢航空ワンコイン寄席
  
    恒例となりました「所沢航空ワンコイン寄席」を今年も開催します。
   真打ち落語家による本格古典落語や演芸をお楽しみください。
  
    開催日時:12月25日(日)13時30分〜15時30分
    出  演:三遊亭遊喜、桧山うめ吉、瀧川鯉和、Yuka
    開催場所:1階特別展会場
    料  金:入館料のみで入場できます。
         ※未就学児は寄席にご入場できません。
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum2/viewcat.php?cid=1#324
  
   ☆年末年始の休館日のお知らせ
  
    年末年始の開館・休館日は以下の通りとさせていただきます。
  
    2011年12月20日(火) 設備点検のため、臨時休館
    2011年12月28日(水) 開館
    2011年12月29日(木)〜2012年1月1日(日) 休館
    2012年1月2日(月)   開館
         1月9日(月)   開館
         1月10日(火)  休館 ※9日(月)開館のため
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/piCal/
  
   ■ 船の科学館 ■
  
   ☆年末年始の閉館時間変更と休館日のお知らせ
  
    設備点検のため、12月27日(火)は12時をもって閉館いたします。
   また、年末年始の休館日は以下の通りとさせていただきます。
  
    2011年12月27日(火)10:00〜12:00   開館
    2011年12月28日(水)〜2012年1月1日(日) 休館
    2012年1月2日(月)〜  開館
     ※船の科学館は「本館展示」を休止、青函連絡船“羊蹄丸”の展示を
      終了しております。
     ※南極観測船“宗谷”は引き続きご見学いただけます。
  
    詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.funenokagakukan.or.jp/announce/?p=237
  
  ◆ イベント情報
  
   ■ 「プラスチックの過去・現在・未来展」 ■
  
    日本における「フェノール樹脂誕生100周年」を記念して開催する本
   展は、プラスチックの歴史をフェノール樹脂誕生から現在まで概観すると
   同時に、21世紀の現在から未来へとますます広がるプラスチックの新た
   な可能性を展望するものです。
    本展関連イベントとして、2000年にノーベル化学賞を受賞された白
   川英樹氏を交えたスペシャルトークやワークショップ「プラスチックをつ
   くろう」、日本におけるフェノール樹脂(ベークライト)製造の架け橋と
   なった化学者・高峰譲吉の生涯を映画化した「さくら、さくら 〜サムラ
   イ化学者・高峰譲吉の生涯〜」の上映会なども開催します。
    子どもから大人まで、プラスチックについての理解を深めていただく絶
   好の機会となるでしょう。
  
    開 催 日:12月22日(木)〜25日(日)
    開催場所:1階催事場2号館
    費  用:無料
    主  催:住友ベークライト株式会社
    特別協力:財団法人 アムステルダム・ベークライト・コレクション
   問合せ先: info@plastic100th.jp
  
    関連イベントの開催日時などの詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.plastic100th.jp/
    http://www.jsf.or.jp/info/2011/12/post_454.php
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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   ■ 「師走」の「し」は、なぜ「師」なのだろうか? ■
  
    このところ、ぐっと気温が下がってきましたね。いよいよ冬将軍の到来
   です。とはいうものの、当館の立地する「北の丸公園」では、イチョウの
   葉が黄色に、カエデがまさしく紅色に。まだ、秋の真っ盛りなのです(写
   真を見てください)。この季節のズレには、腑(ふ)に落ちないところが
   ありませんか。吟行に出向くひとたちは、季節感に戸惑うことはないので
   しょうか。
    ところで、きょうは12月14日。赤穂浪士討ち入りの日です。時は元
   禄15年12月14日(西暦1703年1月30日)深夜なのですが、こ
   の日付は旧暦のこと。今の暦、太陽暦では、1月のことですが、赤穂浪士
   ・忠臣蔵、そして「第九」は12月の事象になっています。
    12月を旧暦(陰暦)では「師走(しわす)」と記します。旧暦の月の
   異名で「○○月」でないのは、3月「弥生」と12月だけ。「月」のつく
   名前もその語源は一様ではありませんが、「師走」つまり「師」が「走る」
   とはどういうことでしょうか。英語辞書の最高峰OED(Oxford English
   Dictionary)に匹敵する日本最大の国語辞典、「日本国語大辞典(第2版)」
   には、いくつかの語源が記されています。その最初に書かれているのが、
   「経をあげるために師僧(=師匠である僧)が東西を馳せ走る月であるこ
   とから、シハセ(師馳せ)の義」とあります。このほかに、四季の果てる
   月であることから、シハツ(四極)月の意など、いくつもの説があります。
   一番、人口に膾炙(かいしゃ)しているのが、師=先生も走るほど、気忙
   しい(きぜわしい)月である、というのでしょう。新年を新たな気持ちで
   迎えるために、この1年間に起こった出来事の始末をできるだけつけてお
   きたい、だから、忙しい。
    ここまで書いてきて、ふと、想ったことは、走っているのは「○○師」
   だけではない、「○○士」も。とくに「消防士」、「救急救命士」のひと
   たちは、年中、現場に急いでいるではないか。
  
    連想は進んで、ここでクイズ。
     「保健し」、「看護し」、「保育し」、「介護福祉し」、
     「社会福祉し」、「保護し」、「調律し」、「マッサージし」
   の「し」は、どの「漢字」をあてたらよいのでしょうか(「師」、「士」
   のほかに「司」もあります。ヤヤコシヤ)。
  
   ここで、再度、国語辞典。主な字義は、
   ・「師」
    1)他人の手本になるひと。ひとを教えみちびくひと。
     例:教師、導師、牧師、教誨師、律師、老師、師範、師匠
    2)技藝にすぐれたひと。技術者。
     例:医師、絵師、技師、美容師、仕事師、講談師、手品師、詐欺師、
       ペテン師
   ・「士」
    1)貴人に使える者。官職にある男子。 例:士子、士君子
    2)さむらい。       例:武士、騎士、兵士、士農工商
    3)男子の敬称。      例:紳士、国士、名士、文士、力士
    4)特別の資格、職業のひと。例:博士、修士、学士、弁護士、会計士、
                    代議士、栄養士、気象予報士
   ・「司」
    1)公務員またはこれに準ずる職名。 例:保護司、児童福祉司
  
    法律のなかでは、明確な使い分けがされているのでしょうか。「法律用
   語辞典(第3版)」では、「法令上、『○○士』、『○○師』という名称
   は、一定の技術、技能又は知識を必要とする職業又は業務等で、それに従
   事するのに法令上の一定の要件を満たすことが必要である場合に用いられ
   ている。」とありますが、続けて「両者の相異は明確ではないが、一般的
   には『士』の語の方が多く使われており、『師』の語は主として衛生関係
   の職業や業務に用いられている。」となり、必ずしも明解ではありません。
  
   先ほどのクイズの答えは、
   「保健師」、「看護師」、「保育士」、「介護福祉士」、「社会福祉士」、
   「保護司」、「調律師」、「マッサージ師」。
  
    漢字が歴史的に積み重ねてきた字義と、最近の社会状況を合わせて、ど
   の「し」にするのかが個別的に決まっているようです。つまり、児童、生
   徒泣かせの「書き取り問題」ですね。ヤヤコシヤ、ヤヤコシヤ。
  
                        (企画広報室 吉田 浄)
  
    写真はこちら
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/359/359.html
  
  
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