科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第404号 ◆  ━
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                             >>>2012/11/7発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   今日は立冬。冬の始まりと言われています。今朝の東京は霧が立ち込め、
   肌寒さを感じるようになりました。そろそろ冬への備えを始めましょうか。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 10,210人。
  
  
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   【1】科学技術館最新情報
       新着情報・・・第43回市村アイデア賞作品展
              自転車の科学教室
                   「スポークの働きを調べてみよう!」
              日本IBM TryScience実験教室
              今週のユニバース
  
   【2】科学技術館ラボラトリー
       科学・技術よもやま話・・・「11月11日」
  
   【3】科学技術館おすすめ
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ「ヘビ・トカゲ」
  
   【4】科学技術館ニュース
       お知らせ・・・「ワクエコ・カーモデラー教室」
                      (11/12締切)のお知らせ
              理研DAY:研究者と話そう
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館
       イベント情報・・・サイエンスアゴラ2012
                キッズ・フロンティア・ワークショップ
                          参加者募集のお知らせ
    11月は毎日開館します。
  
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  【1】    ★ 科 学 技 術 館 最 新 情 報 ★
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  ◆ 新着情報
  
   ■ 第43回市村アイデア賞作品展 ■
  
    次代を担う小・中学生のアイデアの芽生えを奨励するためにもうけられ
   た市村アイデア賞の作品展を開催いたします。市村アイデア賞の特色は、
   作品がなくてもアイデアの図だけでよいところです。
    文部科学大臣賞、科学技術館館長賞などの入選作品をご覧いただけます。
  
    期間:11月16日(金)〜12月2日(日)
    場所:2階G棟サイエンスギャラリー
    主催:公益財団法人 新技術開発財団
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2012/11/post_566.php
  
   ■ 自転車の科学教室「スポークの働きを調べてみよう!」 ■
  
    自転車は2つの車輪が回転して前に進みます。車輪にはスポークと呼ば
   れている細い金属の棒が、中心部(ハブと呼ばれている)からタイヤの内
   側にある金属の輪(リムと呼ばれている)に伸びています。
    この細いスポークは一体何のために付いているのでしょうか。太さの違
   いがあるのか、本数を減らしてみると自転車はちゃんと進むのか、あるい
   は付け方を変えたらどうなるのか・・・、このような簡単な実験を行い、
   スポークの働きを調べてみましょう。
  
    開催日時:11月18日(日)11時30分〜、13時〜(各回20分)
    会  場:2階E室「北ノ丸サイクル」
    参 加 費:無料(ただし、入館料は必要です)
    定  員:各回親子5組
    参加方法:当日10時より会場にて参加整理券を先着順で配布
  
    詳細は、こちらをご覧ください。
    http://cycle-info.bpaj.or.jp/info/2012/20121023.html
  
   ■ 日本IBM TryScience実験教室 ■
  
    「TryScience(トライサイエンス)実験教室」は、毎月1回
   日曜日に開催しています。
  
    開催日時:11月18日(日)13時〜16時
    開催場所:4階D室 イベントホール
    実験テーマ:当日発表します。お楽しみに。
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2012/11/post_560.php
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
    「ゲストコーナー」では、「水星観測の現場から」として、実際に観測
   をされているハワイからインターネット越しにお話しいただく予定です。
  
    案内役:野本 知理さん(千葉大学)
    ゲスト:亀田 真吾さん(立教大学)
  
    科学ライブショーの詳細や今後の出演予定者については、
    http://universe.chimons.org/jsf/ をご覧ください。
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 ラ ボ ラ ト リ ー ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 11月11日 ■
  
    次の日曜日は何の日か知っていますか?
    美味しいスティック状のスナック菓子、「ポッ○ー&プリッ○の日」…
   でもありますが、実は「電池の日」なのです。11月11日を漢数字で表
   すと、「十一月十一日」となりますね。この「十一」という漢数字を、
   「プラス」と「マイナス」に見立てたことから由来しています。さらに、
   野球のピッチャーとキャッチャーは「バッテリー」といいますが、そのポ
   ジション番号が「1」と「2」であることから、12月12日を「バッテ
   リーの日」とし、11月11日から12月12日までの間を「電池月間」
   として電池工業会が定めています。
    電池は手軽に電気をとりだすことができる、身近で便利な道具です。一
   言で「電池」といっても、その種類は実に様々です。
    電池の種類を大きく分けると、内部の化学反応によって電気をとりだす
   「化学電池」と、光や熱などを電気エネルギーに変換する「物理電池」に
   分かれます。「化学電池」は乾電池や充電式の電池、燃料電池などが含ま
   れます。一方の「物理電池」はというと、太陽電池などが代表的なもので
   す。
    電池工業会発行(2012年4月発行)のパンフレットによれば、皆さ
   んがよく目にするマンガン乾電池やアルカリ乾電池をはじめ、電池の種類
   は細かく分けると現在約40種類、もっと細かく分けると約4,000種
   類もあるそうです。
    「化学電池」は2種類の金属(活物質)と電解液により、電子の移動を
   起すことで電流が流れるというしくみです。しくみがわかると、電池は自
   分でも簡単につくることができます。例えば、銅板・亜鉛板・食塩水と、
   ちょっとオシャレなグラスを用意します。銅板と亜鉛板を食塩水の入った
   グラスに浸してあげれば、見た目にもこだわったボルタ電池ができあがり
   ます。私は、このオシャレなボルタ電池を3つ用いて、LEDを光らせて
   みました(写真1)。自分でつくった電池で何かが光ったり動いたりする
   のは、なかなか感動的なことですね。
    ちなみに私がこれまでつくった電池の中で、最も大きな電池を紹介しま
   す。その名も「人間電池」です。金属はアルミニウムと銅を使い、電解液
   は「人間の汗」を使った電池です(写真2)。以前行った実験ショーの中
   で、「人間電池」を65人直列につなぎ、電子オルゴールとLEDを稼動
   させました。何とも大がかりな電池ですが、人間の汗も電解液の働きをし
   てくれるのですね。しくみがわかると、金属と電解液の組み合わせ方で色
   々な電池をつくることができるのです。
    昨年の3月11日に起こった東日本大震災以降、エネルギー問題には大
   きな関心が集まっています。災害時や非常時の電源として、電池は大きな
   役割を果たします。電気は発電所からくるものだけではありません。(化
   学)電池は化学反応から電気エネルギーを生み出すもので、言うなればお
   店で買える小さな発電所のようなものです。お店で「電池」を買うことは、
   「電気」を買うことと同じなのです。今月11日から電池月間ですが、い
   まいちど身近なものからエネルギーを考えてみる機会にしてみてはいかが
   でしょうか。
  
    写真1、写真2はこちらをご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/404/404.pdf
  
   参考:「WE LOVE DENCHI」(一般社団法人 電池工業会、2012年)
      http://www.denchi.info/archive/welovedenchi_2012.pdf
      「よくわかる電池」(三洋電機(株)監修、日本実業出版社、
                              2006年)
      「電気をつくろう!」(高橋隆雄、秀和システム、2011年)
      「科学技術館メールマガジン 第310号」
                       (2010.12.8発行)
  
    執筆者:名波友貴 科学技術館事業部 実験演示担当
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  
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  【3】    ★ 科 学 技 術 館 お す す め ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    私が、はじめてヘビのお腹をなでたのは、息子がつかまえてきたアオダ
   イショウ。その予想外の感触は今でも忘れられません。ヘビが都会の町で
   こんなに身近にいるとは思いませんでした。
    今月は、ヘビ・トカゲの本を紹介します。1冊目はヘビの写真絵本です。
  
   ■ 『ヘビのひみつ』ふしぎいっぱい写真絵本14 ■
     内山 りゅう 写真・文  ポプラ社
     2009/02 1,200円+税
  
    図書室で男の子が手にとることの多い写真絵本です。生きもの好きの子
   なら、表紙を見れば、スッと手が伸びるでしょう。表紙のヘビは、いたず
   らっ子のような大きな目をしています。こちらを見ているような、何かを
   語っているような目です。この本の魅力は、そんなヘビの生きる姿をとら
   えた写真です。
    ページをめくると、木にぶら〜〜んとぶら下がったぬけがら。次のペー
   ジは、脱皮の少し前の目の白くなったヘビ、そして、皮をするするとぬぐ
   ヘビの姿を追った写真が並びます。
    ひなたぼっこをするヘビ、およぐヘビ、木のぼりをするヘビ、魚をつか
   まえて丸のみするヤマカガシの子ども。大きなたまごを丸のみしたヘビの
   姿は、まるで別人(?)。ヘビも必死なんだと、ちょっと愉快な姿です。
    最後のページには、ヘビのヒミツが8つ。扉の裏には、日本に住む代表
   的なヘビ、アオダイショウ・シマヘビ・ヒバカリ・ヤマカガシ・ニホンマ
   ムシが載っています。
    ヘビが怖いとか気持ち悪いとかまだ思わない小さな子なら、生きもの好
   きでなくても、女の子にも男の子にもぜひ読んであげてみてください。
    そして、ヘビがすこ〜し苦手な人も試しにちょっと手にとってみてくだ
   さい。ヘビも他の生きものと同じように身近なところで生きていることを
   感じる写真絵本です。
  
    執筆者:菅原由美子 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://www.kagakuyomimono.com/hon/8sekitsui/hebinohimitu/hebinohimitu.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://www.kagakuyomimono.com/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  
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  【4】    ★ 科 学 技 術 館 ニ ュ ー ス ★
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  ◆ お知らせ
  
   ■ 「ワクエコ・カーモデラー教室」(11/12締切)のお知らせ ■
  
    自動車のデザインを造るプロのカーモデラーと一緒に、モデル専用の粘
   土を削りながら自動車のデザインを造っていくクレイモデル造形に挑戦し、
   モデル造形を体験学習できる教室です。
    今回は、「おてがるコース」と「じっくりコース」に分けて開催します。
    教室への参加希望の方は、往復はがきにてお申し込みください。
  
    開催日:11月23日(金・祝)
    コース:
     【おてがるコース】10時〜12時
        用意された見本に従ってクレイを削り、格好良いカーモデルを
       つくります。低学年の方やお忙しい方向け。
     【じっくりコース】13時30分〜16時
        イメージや設計図を事前に準備して、自分だけのクルマをゼロ
       からつくっていきます。クレイモデル工作の全てを体験したい方
       向け。
    会 場:2階D室「ワクエコ・モーターランド」
    対 象:小学生・中学生
        (ただし、小学1〜3年生は、保護者の同伴が必要です)
    定 員:各コース9名
    参加費:無料(同伴者の方は入館料が必要です)
    申 込:往復ハガキ(応募者多数の場合は抽選です)
    締 切:11月12日(月)必着
  
    応募方法など、詳細はこちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2012/11/post_563.php
  
   ■ 理研DAY:研究者と話そう ■
  
    毎月第3日曜日の午後に、「シンラドーム」において、理化学研究所の
   研究者と話そうというイベント「理研DAY:研究者と話そう」を開催し
   ます。研究の話はもとより、趣味や好きな本や映画など研究者と色々な話
   をしてみませんか。皆様のご来場をお待ちしています。
    なお、本イベント開催のため、「シンラドーム」ドーム投影番組のうち
   12時45分以降の番組上映を休止いたします。
  
    開催日時:11月18日(日)14時〜、15時30分〜(各回30分)
    場  所:4階B室「シンラドーム」
    参 加 費:無料(ただし、入館料は必要です)
    定  員:各回62名(当日先着順)
    研 究 者:戎崎 俊一 主任研究員(理化学研究所)
    テ ー マ:「銀河宇宙の世界」(2回とも同じ内容です)
  
    理研DAYプログラムの詳細やお問い合わせは、こちらをご覧ください。
    http://www.riken.go.jp/r-world/event/2012/rikenday/index.html
    http://www.riken.jp/r-navi/blog/121101.html
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆「YS−11機」「格納庫」一般公開のお知らせ
  
    「YS−11機」は、戦後日本の航空界が総力をあげて開発した国産初
   のターボプロップ旅客機です。ここに展示されている機は、全日空所有で、
   エアーニッポンが路線運航していたものです。
    「格納庫」には普段展示されていない十数機の実機、レプリカの機体が
   納められており、ウルトラライトプレーン、セスナ、ヘリコプターの操縦
   席に実際に座ることができます。ぜひご見学ください。
  
    開催日時:11月14日(水・埼玉県民の日)10時〜15時
    展示場所:「YS−11機」 西武新宿線「航空公園」駅前
         「格納庫」    記念館東隣
    参 加 費:無料
         ※雨天の場合、YS−11機の公開は中止となります。
  
    詳細は、こちらをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum2/viewcat.php?cid=1#373
  
   ☆埼玉県民の日(11月14日)無料開館のお知らせ
  
    11月14日(水)の埼玉県民の日は、展示館、大型映像館とも無料で
   ご入場いただけます。どうぞ、ご来館ください。
  
   ☆特別展「日本の航空技術100年展」零戦組立見学会のお知らせ
  
    アメリカの航空博物館が所蔵する零式艦上戦闘機(通称、零戦)五二型
   の来日を記念して、組立見学会、エンジン始動見学会、解体見学会などを
   実施します。
  
    開催日時:11月27日(火)〜28日(水)10時〜16時
    応募人数:各日100名
    参 加 費:3,000円(当日現金払い)
         ※東日本大震災の復興支援に全額寄付いたします。
    募集締切:11月17日(土)必着
    応募方法:往復はがき、またはWeb申込(応募者多数の場合は抽選)
    注意事項:組立見学会は、暴風雨などで実施できない場合は順延となり
         ます。但し、順延日も実施できない場合は、中止となります
         のでご了承ください。
  
    応募方法など詳細は、こちらをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/spevent/schedule.html
  
  ◆ イベント情報
  
   ■ サイエンスアゴラ2012
              見つけよう あなたと「科学」のおつきあい ■
  
    サイエンスアゴラは、サイエンスをとおしてみんながつながる「ひろば」
   です。サイエンスについてのおもしろいこと、気になること、さらにこれ
   からのことを、一緒に楽しみ、語り合い、共有するマルチイベントです。
    科学を楽しむ実験教室やサイエンスショー、考えを深め共有するワーク
   ショップやシンポジウムなど、200を超える企画が集まります。科学の
   ふしぎや楽しさにふれてみませんか。そして、科学について一緒に考えま
   しょう。
  
    日 時:11月10日(土)〜11日(日)10時〜17時
    会 場:日本科学未来館、産業技術総合研究所臨海副都心センター、
        東京都立産業技術研究センター、東京国際交流館など
    参加費:無料(一部材料費などの実費をいただく場合があります)
    主 催:独立行政法人 科学技術振興機構(JST)
    共 催:日本学術会議、独立行政法人 産業技術総合研究所、
        地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター、
        国際研究交流大学村、東京臨海副都心グループ
    問合先:独立行政法人 科学技術振興機構
        科学コミュニケーションセンター サイエンスアゴラ事務局
        http://www.scienceagora.org/scienceagora/agora2012/contact.html
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.scienceagora.org/
  
   ■ キッズ・フロンティア・ワークショップ参加者募集のお知らせ ■
  
    科学技術に関する講話や実験・製作などをとおして科学の原理を楽しみ
   ながら理解し、創造への意欲を高めてもらうことを目的として開催してい
   るキッズ・フロンティア・ワークショップ。
    今回1日コースとして、コピー機を実際に分解してそのしくみや原理に
   ついて学ぶワークショップを開催いたします。
    なお、1日コースは来年3月に科学技術館でも開催予定です。
  
    開 催 日:12月22日(土) 小学生コース(小学4年生〜6年生)
         12月23日(日) 中学生コース(中学1年生〜3年生)
    開催時間:各コース 9時30分〜16時
    定  員:各コース 32名
    場  所:コラッセふくしま4階 401〜403会議室
         (福島県福島市三河南町1−20:JR福島駅西口)
         ※会場は科学技術館ではありません。ご注意ください。
    参 加 費:無料(参加者ご本人。昼食費も無料。ただし、会場までの往
         復交通費は自己負担です)
    参加方法:往復はがきによる申し込み。応募者多数の場合は抽選です。
    参加締切:11月19日(月)必着
    問合せ先:(公財)日本科学技術振興財団 科学技術館事業部
         「キッズ・フロンティア・ワークショップ」事務局
          電 話 03−3212−8509
    主  催:公益財団法人 新技術開発財団
    共  催:公益財団法人 日本科学技術振興財団
  
    参加方法など詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/404/404_2.pdf
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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   ■ 「寝静まった夜半に、路地裏で『コツ、コツ…』と響く音は…」 ■
  
    草木も眠る丑三つ刻(うしみつどき)、路地裏で、「コツ、コツ…」と
   次第に近づいてくる音。その音がふと止まる。暫しの不気味な静寂(せい
   じゃく)。一体誰なのか、その怪しい男は…ッ。
    何が起こるのか?じっと耳を澄まして次の瞬間を待つ…。何が展開する
   かは、番組によって違います。そうです、一昔前の、ラジオのミステリー
   番組によくあったシーン。
    ラジオは、テレビを視ているよりも、遥かに想像力を掻き立てられるも
   のです。ラジオからの少ない情報を基に、脳は、記憶と繋ぎ合わせて、そ
   のシーンを組み立てているのですね。
    「こつこつ」を引くと、広辞苑には「堅い物が連続して軽く打ち当たる
   音」とあり、例として「戸を---たたく」、「---と靴音が近づく」とあり
   ます。
  
    靴音が「コツ、コツ…」と響くのは、靴の底、踵(かかと)の部分が革
   底であるときで、とくに鋲(びょう)が打たれていると、効果音は倍増し
   ます。
    その「コツ、コツ…」を聴いて、男の靴音を連想するのは、もしかして
   「古い世代」ではないのか? と感じるようになりました(注1)。
    というのは、その「コツ、コツ…」音が、世の中からほとんど消えてし
   まったからです。朝夕の通勤途上で、男性諸氏の履いている靴の底(ソー
   ル)は、大部分がゴムに取って代わられました。革底は、有名ブランドの
   高級靴に限られています。そして紳士靴の価格が大きく二極分化していま
   す。
    なぜ、そうなってしまったのか。
  
    二つ、要因があるのでしょう。
    一つは、革底の靴を作る人件費が上がってしまったこと。靴を手縫いで
   丁寧に作る方法では、あまり生産性は上がりません。したがってコストは
   高くなります(イタリアのF社の靴がとても高いのは、ブランド力ととも
   に、他社製品との履き心地の差異化をねらって手縫いの工程を残している
   からです。(注2))。
    二つには、靴の部品を工業用ミシンで糸かがりしていくよりも、接着剤
   で一気に圧着する方がずっと効率的であること。靴には足の動きに合わせ
   てのしなやかさが求められます。きちっと接着しながら、接合部分が柔ら
   かいこと。これがなかなか難しい。その昔は、今でも「体育館の上履き」
   にみられるように、ゴム系の接着剤で、薄い布地と薄い生ゴムのソールを
   ベタッとくっつけていたものでした。それが、接着の科学と技術の進歩に
   より、厚い布地でも厚いソールでも、自在に柔らかく接合できるようにな
   ったのです(注3)。靴の製造方法にとっては、接着技術の進歩が大きな
   イノベーションになったことがわかります(注4)。
  
    ゴムや樹脂の靴底になって、市場では価格破壊が起こったのですが、家
   庭でも大きな変化がありました。革底の場合、雨の翌日には陰干しして、
   その上、しなやかさを保つために保革油を含浸(がんしん)させないと長
   持ちしません。それが、事実上メンテフリーに。
    かくいう筆者は、最近、MBTと呼ばれる底が30ミリもある靴を履き
   始めました。これまでの靴とはだいぶ歩き方を変える必要があり、まだ、
   慣らし運転中です(注5)。
    さて、最後にクエスチョン。いったい、ぜんたい、ものとものは、どう
   してくっつくのでしょうか? その場面で接着剤が果たしている役割は何
   でしょうか?
  
                       (企画広報室  吉田 浄)
  
  
   注1:ここで、「男の靴音」としたのは、女性の場合、ハイヒールの踵に
      は、堅い樹脂を打ち込んであって、その擬音語(ぎおんご)は「カッ、
      カッ…」だからです。一方、男性の靴音は無音化。そうしてみると、
      冒頭のシーンは、今や「一体誰なのか、その怪しい女は…」と書き
      換えるべきなのでしょうか。
  
   注2:その昔、靴はオーダーメイドで誂える(あつらえる)ことがよく行
      われ、自分の足の木型を持っている人がいました。それさえあれば、
      どこの靴屋でも、いちいち足のサイズなどを計測することなく、ぴ
      ったりの靴を作ってもらうことができたのでした。話は飛びますが、
      ワーグナーの楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」に出て
      くるハンス・ザックスは、その靴職人の親方で、このオペラでは、
      靴を作るための鎚(つち)と鉄砧(かなとこ)が必須の小道具です。
  
   注3:今や、スニーカーを始め、靴の大部分は、中国、インドネシア、ヴ
      ィエトナムなど東アジア製になってしまいました。おもしろいのは、
      各社のさまざまなデザイン、スペックの靴が、海外の同じ工場に生
      産委託されていることが多いことです。その工場のラインでは、A
      社の靴の次には、B社の靴が流れる、ということが行われています。
      ということは、接着技術は、A社、B社それぞれの固有技術ではな
      く、その工場の技術であることを示しています。
  
   注4:筆者が小学生の頃、工作材料の定番は、セメダイン、ボンド、セロ
      テープ、ヤマト糊でした。たしか、それぞれ1種類しかなかったと
      思います(だから、今でも接着剤といえば、セメダイン。テープと
      いえば、セロテープと、商品名を、つい、言ってしまいます。いず
      れも登録商標。登録商標が普通名詞として使われている代表例です。)。
      それが、今、日曜大工の店に行くと、迷ってしまうくらい多数の、
      用途に応じた製品が並んでいます。それだけ接着技術が進歩してい
      るわけで、まさに隔世の感があります。
  
   注5:靴は、普通、安定して地面・床に立てることと、歩く・走ることに
      よる地面からの衝撃を吸収するように作られています。ところが、
      この靴は、真逆の発想で、わざと不安定な状況を靴のソールに仕込
      んであります。CMでは「軟らかく変化した自然の路面」と表現し
      ていますが、この歩きにくさが、全身の筋肉を活動的にしていくと
      いうのです。
  
  
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