科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第431号 ◆  ━
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                             >>>2013/5/29発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
  
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   三浦雄一郎さんが「80歳がスタートだと思えば、人生は面白くなる。」
   と語られましたが、自分に似合ったスタイルでもって、いくつになっても
   あきらめない気持ちを持つことは大切ではないでしょうか。
  
   * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
   本号の配信数 10,478人。
  
  
  ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘ 今 号 の 目 次 ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
  
   【1】科学技術館最新情報
       新着情報・・・実験工作教室「かんたんLEDライトを作ろう!」
              今週のユニバース
  
   【2】科学技術館ラボラトリー
       科学・技術よもやま話・・・
                「左官鏝(さかんごて)の技術が生み出す
                       コンクリート床の表面仕上げ」
  
   【3】科学技術館おすすめ
       科学の本の紹介・・・今月のテーマ「生物多様性」
  
   【4】科学技術館ニュース
       お知らせ・・・「サマー・サイエンスキャンプ2013」
       他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館
  
    ☆6月の休館日は5日(水)、12日(水)、19日(水)、26日(水)です。
  
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  【1】    ★ 科 学 技 術 館 最 新 情 報 ★
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  ◆ 新着情報
  
   ■ 実験工作教室「かんたんLEDライトを作ろう!」 ■
  
    ライトのしくみを知れば、電気の基本がわかります。製作するキットは、
   高輝度LEDとボタン電池を使った、はんだ付けなしで手軽につくれるラ
   イトです。
    きっとあなたの“手元”と“科学する心”に明るく光が届くはず・・・。
  
    開 催 日:6月1日(土)
    開催時間:13時〜、14時〜、15時〜(各回約30分)
    会  場:3階F室「ワンダー・ガレージ」
    定  員:各回20名様
    内  容:前半 実験をまじえた「かんたんLEDライト」の解説
         後半 「かんたんLEDライト」の製作
    対象年齢:小学4年生以上
         ※小学校1〜3年生も参加可能ですが、保護者の方同伴で
          お願いします。
    参 加 費:800円(入館料は別途必要です)
    参加方法:開館時間より、会場にて1日分の参加券を販売いたします。
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2013/06/post_660.php
  
   ■ 今週のユニバース ■
  
    土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームの
   スクリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、
   恒星の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
    「ゲストコーナー」では、「地球衝突天体〜ロシア隕石落下と探査機は
   やぶさ地球大気再突入」として、お話しいただく予定です。
  
    日 時:6月1日(土)14時〜、15時30分〜(各回40分)
    会 場:4階B室「シンラドーム」
    定 員:各回62名(当日先着順)
    案内役:伊藤哲也さん(国立天文台)
    ゲスト:阿部新助さん(日本大学)
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/exhibit/floor/4/4b/#entry-1707
  
  
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  【2】   ★ 科 学 技 術 館 ラ ボ ラ ト リ ー ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
   ■ 左官鏝(さかんごて)の技術が生み出すコンクリート床の表面仕上げ ■
  
    左官(さかん)という言葉をご存知ですか? 建物の床、天井、壁など
   に左官鏝(さかんごて)という道具を用いて、土や漆喰(しっくい)、モ
   ルタルなどを塗り表面を仕上げる職種を指します。建設工事の工事種類の
   中にも「左官工事」として確立されています。
    その特長は、壁をこしらえる際に、例えば壁紙や板等を貼りつけて、あ
   る一面を仕上げるときに、材料の寸法上どうしても出てしまう材料間の継
   ぎ目を見せないように、一体として仕上げることができます。また、モル
   タルなどに色々な材料を混ぜたりして、表面にそれらの素材が交じった面
   をつくり出すことができたり、左官鏝の扱い方で表面にわざと凹凸のある
   デザインなどをつくり出すことができます。
    「左官」は一説によると平安時代の宮殿建築や修理で壁面などに泥など
   を塗りつける職人さんに関連して語源ができあがったとも言われ、日本に
   おける歴史も相当に古く、日本の建築美の一役を担っていると言っても過
   言ではありません。
    しかしながら、近年はコンクリートを用いた建造物が主流になり、コン
   クリートを床面に流し込んだ際に、その表面を仕上げることが多くなり、
   左官の中の土間工と呼ばれる床面を仕上げる職人さんがいます。
    コンクリートを床面に流し込む工事では、その表面仕上げとして、「鏝
   押(こてお)さえ」というものがあります。コンクリートなどを流し込ん
   だ直後は、コンクリート自体は流動性を保っています。この時点でまず床
   を平らにする(レベリングを取ると言う)ために、野球場などのグランド
   整備などで見かける、「トンボ」という道具を使い、コンクリートを掻
   (か)き分けるようにして、量を調整しながら適切なレベルになるように
   表面を平らにしていきます。しかしこの時点では、その表面はシートのよ
   うにツルツルな状態になっているわけではありません。
    なぜツルツルになっていないのでしょうか。話が少しそれますが、コン
   クリートは、セメント・水・砂・砂利・混和剤といったものを混ぜ合せた
   ものでできており、材料を混ぜ合わせた時点で、ゆっくりと水和反応で硬
   化していきます。硬化しだすとコンクリート内部にある空気が表面から外
   に出てきます。そのため、表面は気泡ができたりして小さな凹凸ができま
   す。また、床面などの場合ブリーディングと言って、コンクリート材料の
   比重が大きい、砂・砂利などがコンクリート内で沈降し、水がコンクリー
   ト床面の表面に浮き上がってきます。
    この時、コンクリートが完全に固まらないうちに左官鏝を使って、車の
   ワイパーの動きのごとくコンクリートを押さえつけるように動かしていく
   と、気泡などによる凹凸や表面に浮き上がった水がなくなっていき、その
   表面はきれいな状態になっていきます。こうしてコンクリートを流し込ん
   だ床の表面を左官鏝を使って平滑にすることを「鏝押さえ」と言います。
    左官鏝には木材でできた「木鏝(きごて)」と、金物でできた「金鏝
   (かなごて)」というものがあります。木鏝の場合は、鏝押さえをしても
   表面をわざとざらざらした仕上げにし、滑り止めのような表面仕上げにし
   たいところなどで使われます。一方、金鏝で鏝押さえすると、その回数が
   多ければ多いほど、表面はより平滑になり、シートの表面のようにツルツ
   ルになっていきます。
    木鏝も金鏝も、鏝押さえが床面の最終仕上げになる場合もありますし、
   鏝押さえの表面にさらに他の材料を敷く、貼る、流し込むなどして最終仕
   上げとなることもあり、実際は最終仕上げがどのようになるかによって鏝
   を使い分けています。
  
    「コンクリートでできた床」は、全てという訳ではありませんが、その
   多くは単にコンクリートを流し込んで終わりではなく、左官鏝を使った技
   術が隠されているのです。今度目にする機会があったら、左官職人の技に
   注目してみてはどうでしょうか。
  
    執筆者:砂子賢治 科学技術館事業部
  
    ※コンクリートの話は当メールマガジン第309号
     (2010年12月1日発行)にも掲載しています。
  
    「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  
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  【3】    ★ 科 学 技 術 館 お す す め ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
    今月のテーマは「生物多様性」です。
    2011年から2020年までを「生物多様性の10年」として、国際
   社会が協力して生態系の保全に取り組むことが2010年12月に国連で
   採決されました。
    今月の最後は、1本の大木とそこに生きる生きものたちの本を紹介しま
   す。
  
   ■ 『マザーツリー』 ■
     松岡達英/絵 村田真一/文 小学館  1995年12月
     1,410円+税
  
    世界遺産に選ばれた白神山地。冬には雪深い山地の、その奥深くに立つ
   大きな木。それは、マザーツリーといつのころからか呼ばれている。年齢
   は、300歳といくつか…らしいが誰も正確にはわからない。どっしりと
   存在感のあるその木とともに、おびただしい数の生きものたちが命を輝か
   せて生きている。
    その木の名前はブナ。2,000万年以上も前に生まれた植物だが、氷
   河期に多くの種が滅び、日本のブナの森は160万年前にあらわれたとい
   う。日本のブナ林は氷河期の影響をあまり強く受けなかったために、ブナ
   ばかりでなくほかの多くの植物たちも生き延びた。たっぷりの水にも恵ま
   れて、日本のブナ林の木々は実に豊かな姿を見せる。
    そして、ブナの大木を中心にたくさんの昆虫、鳥、魚、けものなどが木
   の恵みを受けて暮らし、小さな木や下草、花などが寄り添う。そこにはた
   くさんの命が四季折々に満ちあふれ、なんと鳥は100種類、昆虫はわか
   っているだけでも2,000種類をこえるという。
    冬、深い雪の静寂のなか、どっしりと立つブナの木。春、太陽の日差し
   にあたためられた木の幹の周りからぽっかりと溶け始める雪。春から夏に
   かけて生き生きとした命に満ちあふれ、実りをもたらし、駆け足で秋が過
   ぎたあと、また長い冬がやってくる。その1年を丹念に描いた松岡達英さ
   んの絵はみずみずしく美しい。
  
    執筆者:市川雅子 科学読物研究会
  
    この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
    http://www.kagakuyomimono.com/hon/5seibutsu/mothertree/mothertree.html
  
    科学読物研究会ホームページ http://www.kagakuyomimono.com/
  
    「科学の本の紹介」のバックナンバー
    http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  
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  【4】    ★ 科 学 技 術 館 ニ ュ ー ス ★
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  ◆ お知らせ
  
   ■ 高校生のための先進的科学技術体験合宿プログラム
         「サマー・サイエンスキャンプ2013」参加者募集中 ■
  
    「サマー・サイエンスキャンプ2013」は先進的な研究テーマに取り
   組んでいる日本各地の大学、公的研究機関、民間企業で、夏休み期間中に
   本格的な実験・実習が受けられる、高校生のための科学技術体験合宿プロ
   グラムです。
    今夏も、3泊4日以上の探究・深化型プログラム「サイエンスキャンプ
   DX(ディー・エックス)」を含め、58会場で実施されます。
    高校生のみなさん、興味のあるプログラムにふるってご応募ください!
  
    開 催 日:7月23日〜8月28日の期間中の2泊3日〜4泊5日
    会  場:大学、公的研究機関、民間企業等(58会場)
    定  員:受け入れ会場ごとに8〜40名(合計880名)
         ※前年度平均応募倍率2.4倍
    参 加 費:2,000円(支払いは参加決定後です。)
         ・プログラム期間中の宿舎や食事は主催者が用意します。
          参加費は食事代の一部に充当します。
         ・現地集合、現地解散です。
          (自宅と会場間の往復交通費は自己負担となります。)
    応募締切:6月14日(金)郵送必着
  
    応募方法など、詳しくはこちらをご覧ください。
    ・サイエンスキャンプ募集ホームページ
     http://rikai.jst.go.jp/sciencecamp/camp/
    ・スマートフォン専用サイエンスキャンプ募集ホームページ
     http://rikai.jst.go.jp/sciencecamp/camp/sp/
  
  ◆ 他館の紹介
  
   ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
   ☆「紙飛行機工作教室」のお知らせ
  
    記念館オリジナルの紙飛行機「スカイカブIII」(鶴丸ロゴ)を製作し
   ます。ぜひご参加ください。
  
    日 時:6月8日(土)13時〜(製作時間 約1時間)
    受 付:12時30分〜(先着40名様)
    会 場:1階研修室
    教材費:350円
  
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://tam-web.jsf.or.jp/contx/modules/myalbum0/viewcat.php?cid=1#143
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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   ■ 美川おかえり祭り ■
  
    5月中旬に石川県白山市に行った際に白山市藤塚神社の春季祭、「美川
   おかえり祭り」と遭遇しました。この白山市美川地区は、江戸時代から明
   治時代にかけて北前船の寄港地(本吉湊)として栄えたところで、今も古
   い街並みが残っています。明治初期にはここに県庁が置かれ、その郡名で
   ある石川郡から石川県の県名がつけられたと言われています。
    おかえり祭りは2日間の催行で、初日は朝の6時過ぎに藤塚神社を出発
   し青年団の吹くラッパに先導され御輿(みこし)と13台の台車(だいぐ
   るま)が町内を練り歩き、その日の23時ごろ御旅所(おたびしょ)と呼
   ばれる仮宮殿に到着。2日目は、夜半21時ごろ、御輿、台車は御旅所よ
   り美川地区内のおかえり筋(10年に一度巡ってくる)を通り、翌朝午前
   3時過ぎに本殿へお還りになります。
    13台の台車には蒔絵、漆絵が描かれ、それぞれ意匠を凝らした豪華絢
   爛なものです。また、祭りの花形である青年団のみなさんは羽織袴・白タ
   スキ・鉢巻きという装いで、団旗を先頭にラッパを吹きながらの行進は、
   何となく江戸末期の白虎隊(見たことはありませんが)を思わせる勇壮か
   つ荘厳なものです。
    祭りに参加している人々や街の風景を見ていると、本当に地域のみなさ
   んがこの祭りを守り受け継いでいくことに努力しているのを感じます。た
   だ、地元の人に話を聞くと、祭りの中心である青年団の人数が年々減って
   いるのと、豪華な祭りであるがゆえに費用もたくさん掛かり(おかえり筋
   の家々では親類縁者や招待客をもてなす豪華な宴をひらく、中には舞妓さ
   んや芸者を接待に呼び寄せるなど)、その経費も大変なものになるとのこ
   とでした。私は一観光客でしたので残念ながらそういう宴には招待されま
   せんでしたが、思いもかけずこの伝統ある祭りを見ることができ、大変
   Luckyな北陸路への旅となりました。
  
                        (企画広報室 紙野憲三)
  
  
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     最後までお読みいただきありがとうございました。
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  ┘ 発行者:科学技術館メールマガジン係               ┘
  ┘    〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号       ┘
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  ┘ ※ このメールマガジンの回覧・転送は自由です。内容の引用・転  ┘
  ┘  載の際には、「科学技術館 メールマガジン 第何号の***の  ┘
  ┘  記事」と注釈をいれてください。                ┘
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