科学技術館メールマガジン バックナンバー


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  ━  ◆ 科 学 技 術 館 メールマガジン ◇ 第652号 ◆  ━
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                             >>>2017/10/25発行
  
   こんにちは。科学技術館です。
   当メールマガジンは毎週水曜日発行です。ご愛読よろしくお願いします。
   「本に恋する季節です!」が今年の標語の読書週間が金曜日(27日)
  からはじまります。神田神保町の「第58回 東京名物・神田古本まつり」
  も金曜日からはじまります。読書の秋、皆さんはどんな本を読みますか。
   連載「子どもに教えたくなる!科学技術館」の第15話は、11月1日
  (水)に発行予定です。お楽しみに!
  
   ミニ特別展「マジカル・ケミカル研究室 Selection」開催中!
   「ボーイングSTEMプログラム in ジャパン」参加者募集中!
  
    10月・11月の土・日曜日、祝日はエレベータを運行します。
    詳しくは、こちらをご覧ください。
    http://www.jsf.or.jp/info/2017/10/ev.php
  
   ☆10月の休館日は毎週水曜日です。11月は毎日開館します。
  
  * このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
  
  本号の配信数 11,019人。
  
  
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  【1】科学技術館最新情報
      新着情報・・・科学ライブショー「ユニバース」ノーベル賞特別番組
             今週のユニバース
             科学技術館パソコン教室「キッズプログラミング倶楽部」
             財団季刊誌「JSF Today」最新号のお知らせ
  
  【2】科学技術館ニュース
      お知らせ・・・ミニ特別展「マジカル・ケミカル研究室 Selection」
             東京パズルデー2017 in 科学技術館
             ボーイングSTEMプログラム in ジャパン
                        〜シアトル航空博物館がやってくる〜
             「JSF−ARLISS2017ツアー」成果報告会
      イベント情報・・・「サイエンスアゴラ2017 〜越境する〜」
      他館の紹介・・・所沢航空発祥記念館
  
  【3】科学技術館ラボラトリー
      科学・技術よもやま話・・・「『つなぐ』の中身」
  
  【4】科学技術館おすすめ
      科学の本の紹介・・・「命の意味 命のしるし」
  
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  【1】    ★ 科 学 技 術 館 最 新 情 報 ★
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  ◆ 新着情報
  
  ■ 科学ライブショー「ユニバース」ノーベル賞特別番組 ■
  
   2017年のノーベル賞受賞に関連する研究分野の研究者をお招きし、業
  績の意義についての講演会を11月4日、11日に開催します。受賞業績の
  解説だけでなく最新の研究との関わりまで、その分野の一線の研究者だから
  こそ話せる科学の臨場感とともにわかりやすく解説していただける貴重な機
  会です。
  
   定 員:各62名(当日先着順、「シンラドーム」へ直接お越しください)
   参加費:無料(ただし、入館料は必要)
   会 場:4階B室「シンラドーム」
  
   ノーベル物理学賞特別番組
   「重力波観測は物理学から天文学へ」
   日 時:11月4日(土)14時〜15時
   講 師:真貝寿明先生(大阪工業大学教授、
       日本の重力波干渉計KAGRAプロジェクト・サイエンス部門実行委員長)
   内 容:重力波観測までの歴史と、重力波検出のしくみ、そして、観測の
       現状と日本を含めた今後の展開について紹介します。
  
   詳しくは、こちらをご覧ください。
   http://www.jsf.or.jp/info/2017/11/114_1400.php
  
   ノーベル生理学医学賞特別番組
   「ノーベル賞を受賞したショウジョウバエの時計遺伝子と私たちの体内時計のしくみ」
   日 時:11月4日(土)15時30分〜16時30分
   講 師:粂和彦先生(名古屋市立大学大学院薬学研究科教授)
   内 容:身近なものなのに、意外に知られていない体内時計の仕組みを、
       ノーベル賞の研究に基づいて、わかりやすく説明します。
  
   詳しくは、こちらをご覧ください。
   http://www.jsf.or.jp/info/2017/11/114_1.php
  
   ノーベル化学賞特別番組
   「2017年ノーベル化学賞 の『クライオ電子顕微鏡』で何が見えるの?」
   日 時:11月11日(土)15時30分〜16時30分
   講 師:吉川雅英先生(東京大学大学院医学系研究科生体構造学分野教授)
   内 容:クライオ電顕で何を観ることができるのか、それがなぜ難しかっ
       たのか、また、日本の果たした役割や現状について説明します。
  
   詳しくは、こちらをご覧ください。
   http://www.jsf.or.jp/info/2017/11/1111_1530.php
  
  ■ 今週のユニバース ■
  
   土曜午後の科学ライブショー「ユニバース」では、4階シンラドームのス
  クリーンに全天周のシミュレーション映像を投影し、地球から太陽系、恒星
  の世界、銀河の世界、そして宇宙全体のお話をお伝えします。
  「ゲストコーナー」では、「電波で輝く天の川銀河−野辺山45m電波望
  遠鏡による銀河面サーベイ」としてお話しいただく予定です。
  
   日 時:10月28日(土)14時〜、15時30分〜(各回40分)
   会 場:4階B室「シンラドーム」
   定 員:各回62名(当日先着順)
   案内役:大朝由美子さん(埼玉大学)
   ゲスト:梅本智文さん(国立天文台)
  
   詳しくは、こちらをご覧ください。
   http://universe.chimons.org/jsf/
  
  ■ 科学技術館パソコン教室「キッズプログラミング倶楽部」 ■
  
   MITメディアラボが開発した、小学生にも使えるプログラミング環境
  「Scratch(スクラッチ)」を使用して楽しみながらプログラミングの基本
  が学べる、「キッズプログラミング倶楽部」を開催しています。
  
   日  時:11月26日(日)
        10時〜11時30分 初級クラス:カーレースゲーム
        12時30分〜14時 応用クラス:ブロック崩しゲーム
        14時30分〜16時 体験クラス:はじめてのプログラミング
   会  場:事務棟3階 科学技術館パソコン教室
   対  象:小学3年生〜中学3年生
        ※マウスやキーボードを使ったことがある方
   定  員:各クラス15名(先着順)
        (キッズプログラミング倶楽部Webにて申込受付状況の表示
         がありますが、処理作業の関係で満席の表示が数日遅れる場
         合もあります。その際はご了承願います)
   参 加 費:1,500円
   申込方法:メールにて
  
   申込方法や講座内容など、詳しくはこちらをご覧ください。
   http://etoys.jp/kpc
  
  ■ 財団季刊誌「JSF Today」最新号のお知らせ ■
  
   科学技術館を運営している日本科学技術振興財団の季刊広報誌「JSF
  Today」は、科学技術館の展示・イベントの話題をはじめ、財団のいろ
  いろな活動を紹介しています。1年に4回発行しています。最新の秋号の特
  集は、「数や図形をもっと楽しもう!」、第2特集は、「科学する青春!」
  です。
  
   「JSF Today」(電子版)最新号は、下記の財団ホームページ内で
   ご覧いただけます。
   http://www2.jsf.or.jp/00_info/public.html
  
  
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  【2】    ★ 科 学 技 術 館 ニ ュ ー ス ★
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  ◆ お知らせ
  
  ■ ミニ特別展「マジカル・ケミカル研究室 Selection」 ■
  
   2016年夏休み特別展「マジカル・ケミカル研究室」の展示物からおす
  すめの展示物を選び、ミニ特別展を開催します。
  
   開催期間:11月30日(木)まで
   会  場:2階E室「ものづくりの部屋」企画展示ゾーン
   観覧料金:無料(ただし、入館料は必要)
  
   詳しくは、こちらをご覧ください。
   http://www.jsf.or.jp/event/2017/11/1011130selection.php
  
  ■ 東京パズルデー2017 in 科学技術館 ■
  
   いろいろなパズルを存分に楽しめる「東京パズルデー2017」が、当館
  で2日間にわたり開催されます。ルービックキューブ元世界チャンピオンの
  中島悠さんも再登場します。
  
   日 時:11月4日(土)・5日(日)9時30分〜16時50分
   会 場:4階
   参加費:無料(ただし、入館料は必要)
   主 催:一般社団法人日本パズル協会、科学技術館
  
   詳しくは、こちらをご覧ください。
   http://www.jsf.or.jp/event/2017/11/1145_in.php
  
  ■ ボーイングSTEMプログラム in ジャパン
                   〜シアトル航空博物館がやってくる〜 ■
  
   飛行機やロケット、気球などが空を飛ぶ(宙に浮く)原理をシアトル航空
  博物館のサイエンスショーで見て学ぶことができます。また、ロボットや宇
  宙服などのワークショップも体験できます。
  
   日  時:11月23日(木・祝日)13時30分〜16時
   会  場:科学技術館サイエンスホールほか
   募集定員:200名(サイエンスショーとワークショップへの参加100名、
        サイエンスショーのみ参加100名)<応募者多数の場合は抽選>
   参加対象:小学校1年生〜中学校3年生:サイエンスショーのみ参加
        小学校4年生〜中学校3年生:サイエンスショーとワークショップへの参加
           <保護者は1名まで付き添いできます>
   参 加 費:無料
   応募締切日:11月6日(月)
   主  催:(公財)日本科学技術振興財団・科学技術館、ボーイング社
  
   応募方法など、詳しくはこちらをご覧ください。
   http://www.jsf.or.jp/info/2017/11/stem2017.php
  
  ■ 「JSF−ARLISS2017ツアー」成果報告会 ■
  
   科学技術館では2015年から約3年間、米国ボーイング社からの助成を
  受け、中学生・高校生を対象に「科学技術館CanSatプロジェクト」を
  すすめています。今回、最終目的のアメリカで開催されたCanSatの国
  際大会「ARLISS」に出場を果たした4名の高校生による活動の報告と
  打ち上げやデータ結果などの成果報告会を開催します。
  
   日  時:11月5日(日)13時〜14時
   会  場:4階I室「実験スタジアムL」
   対  象:どなたでもご参加いただけます
   定  員:24名(先着順)
   参 加 費:無料(ただし、入館料は必要)
  
   詳しくは、こちらをご覧ください。
   http://www.jsf.or.jp/info/2017/11/115cansatjsf-arliss.php
  
  ◆ イベント情報
  
  ■ 「サイエンスアゴラ2017 〜越境する〜」
  
   日本最大級の科学と社会のオープンフォーラム「サイエンスアゴラ」。12
  回目の開催となる今年は、学問分野、立場、国、文化、世代の壁を越えてと
  もに考える場を目指して「越境する」をテーマとしました。
   11月24日(金)の基調講演では、2006年ノーベル平和賞受賞者で
  経済学者のムハマド・ユヌス氏、ガジャマダ大学(インドネシア)前学長の
  ドゥイコリタ・カルナワティ氏が、それぞれの越境について語ります。
   会場には、人工知能(AI)との共生、SDGs、ゲノム編集などの幅広い話
  題を取り上げた、市民参加の科学議論、トップ科学者との対話、ワークショ
  ップ、展示など誰もが参加できる150のプログラムが集います。
  
   会 期:11月24日(金)〜26日(日)
   時 間:10時〜16時(初日は12時45分〜18時)
   会 場:東京・お台場 テレコムセンタービル(東京都江東区青海2丁目5−10)
   費 用:入場無料(一部、実費徴収あり)
   主 催:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
   問合先:サイエンスアゴラ2017運営事務局
       (一般社団法人日本能率協会 産業振興センター内)
        電話:03−3434−1233(平日9時〜17時)
  
   プログラムなど、詳しくはこちらをご覧ください。
   http://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/
   下記サイトからチラシがダウンロードできます。
   http://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/information/2017/info0927.html
  
  ◆ 他館の紹介
  
  ■ 所沢航空発祥記念館 ■
  
  ☆「YS−11型機」「格納庫」特別公開のお知らせ
  
   西武新宿線「航空公園駅」前に保存展示されている通常内部を公開してい
  ないYS−11型機と記念館隣にある通常公開していない格納庫を所沢市民
  フェスティバルに合わせて特別公開します。
  
   日 時:10月28日(土)、29日(日)10時〜15時
   会 場:YS−11型機は西武新宿線「航空公園」駅前(東口)
       格納庫は記念館東側
   参加費:無料
       ※雨天の場合、YS−11型機の公開は中止となります。
  
   詳しくは、こちらをご覧ください。
   https://tam-web.jsf.or.jp/?p=2936
  
  ☆「ゴム動力飛行機工作教室」のご案内
  
   記念館の飛行機工作の中でも1番人気のオリジナルのキット「スカイハー
  トU」の製作をします。このキットは面白い形をしていて、上に向かって飛
  んでいきます。楽しくつくって、記念館前の芝生で飛ばしてみましょう。
  
   日 時:11月4日(土)13時30分〜(製作時間 約1時間)
   受 付:13時〜(先着40名)
   会 場:記念館1階研修室
   教材費:300円
  
   詳しくは、こちらをご覧ください。
  https://tam-web.jsf.or.jp/?p=3010
  
  ☆「室内飛行機工作講座」のお知らせ(事前申込制)
  
   室内飛行機(インドアプレーン)の製作からテストフライトまでを1日で
  行う工作講座を開催します。室内飛行機の第一人者が講師となる人気の講座
  です。
  
   日  時:11月25日(土)10時〜15時
   会  場:記念館1階研修室 テストフライト:所沢市役所ロビー
   対  象:中学生以上の方(中学生・高校生や大人の方)
   人  数:15名程度(申込順)
   費  用:700円
   申込締切:11月12日(日)
  
   申込方法など詳しくは、こちらをご覧ください。
   https://tam-web.jsf.or.jp/?p=2822
  
  ☆大型映像館上映番組のお知らせ
  
  「スペースネクスト」(上映時間約38分)
   かつて宇宙旅行は空想上のものでした。しかし技術の進歩によって、徐々
  に現実となり始めています。スペースネクストでは宇宙開発の歴史から最新
  の宇宙開発の世界までを紹介します。
  
   期 間:12月28日(木)まで
   時 間:10時20分〜、12時40分〜、14時20分〜、16時〜
   会 場:大型映像館
   大型映像館入館料:大人620円、小・中学生260円
  
   詳しくは、こちらをご覧ください。
   https://tam-web.jsf.or.jp/?page_id=91
  
  
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  【3】   ★ 科 学 技 術 館 ラ ボ ラ ト リ ー ★
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  ◆ 科学・技術よもやま話
  
  ■ 「つなぐ」の中身 ■
  
   科学技術館では2015年から約3年間、米国ボーイング社からの助成を
  受けて「科学技術館CanSatプロジェクト」をすすめて参りました。
  CanSatとは空き缶サイズの超小型模擬人工衛星のことです。今年の9
  月には、このプロジェクトの参加者から選ばれた高校生4名がアメリカで開
  催されたCanSatの国際大会「ARLISS」への出場を果たしました。
  彼らはそこに至るまでに科学・技術・工学・数学(まとめて「STEM」)
  の分野の多くのことを学んできました。科学技術館としては、その道筋を案
  内しサポートするためにCanSat講座を企画・実施してきたのですが、
  その内容について少しだけお話ししましょう。
   ARLISS出場目前の7月末からの講座は、実際にARLISSで打ち
  上げるCanSatの開発を目的としており、そのテーマの一つは「Can
  Satにセンサーをつなぐ」という作業でした。このように書くとほんの一
  言ですが、一般ユーザーの立場でパソコンにプリンタなど既製の周辺機器を
  つなぐのと、CanSatの開発者の立場でマイコン(超小型コンピュータ)
  にセンサーをつなぐのとでは、「つなぐ」という言葉の重みが全く違います。
  というのも、マイコンにもセンサーにもUSBコネクタなどはついていない
  ので、それらの間の配線は自分で電線を半田付けする必要があるのです。そ
  して、どの端子に何をつなげばよいかは、見ただけでは判断できません。そ
  れを説明してくれる文書「データシート」はインターネット上で公開されて
  いますが、基本的に英語で専門用語をたくさん使って書かれています。しか
  も用途や相手側のマイコンの種類によってつなぎ方がいくつもあるので、マ
  イコンとセンサー両方のデータシートを照らし合わせながら、どのつなぎ方
  をするべきか考える必要があります。そしてこの時点で、つなぐために別の
  部品を追加する必要があるとわかる場合もあり、そのときは追加する部品を
  選定し、そのデータシートを読んでつなぎ方を考え、その結果さらに別の部
  品が必要になり…と数段階連鎖的に必要な作業が増えることもあります。
   このようにして物理的につないだだけでは終わりません。パソコンが周辺
  機器を制御するためのプログラム「デバイスドライバ」は通常メーカーが作
  成し公開していますが、マイコンにセンサーを制御させるためのデバイスド
  ライバをメーカーが公開していることは稀で、ほとんどの場合、自分で作る
  必要があります。マイコンは、センサーのどの端子の電圧を読み込むべきか、
  どのタイミングでそうするべきか、出てきた信号はどう解釈するべきか、と
  いったこともすべてデータシートに書かれているので、それらを読み解きプ
  ログラムに書き起こしていく作業が必要です。参加した高校生たちは、これ
  を自力でこなすか、その過程を理解する必要があるので、この3年間果てし
  ない量の勉強をしてきました。
   ここまでの話で、マイコンにセンサーをつなぐには、とにかくデータシー
  トを読めれば十分と思われるかも知れませんが、それでは地磁気センサーか
  ら出てくるXYZ3方向の磁場の強さから、水平方向の方角をどのように計
  算すればよいのか、となると、センサーのデータシートにはまったく書いて
  ありません。それは物理や数学の教科書といった、いわば「この世のデータ
  シート」を読んで理解して初めて考えられることです。そのようなことを考
  えて初めて、センサーをつなぐことが意味あるものになります。
   このようなわけで、CanSatなどのハード・ソフトの開発の世界では
  「つなぐ」という一言に筆舌に尽くしがたい中身が込められているものです
  が、それだけにやりがいも大きいのではないかと思います。
  
   「JSF−ARLISS2017ツアー」成果報告会
   http://www.jsf.or.jp/info/2017/11/115cansatjsf-arliss.php
  
  執筆者:丸山義巨 科学技術館運営部
  
   「科学・技術よもやま話」のバックナンバー
   http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/y_index.html
  
  
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  【4】    ★ 科 学 技 術 館 お す す め ★
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  ◆ 科学の本の紹介
  
   今月のテーマは、「野生動物を救う」です。「野に生まれたものは、野に
  在るように…」、今週は国際アンデルセン賞作家賞受賞作家・上橋菜穂子さ
  んと野生動物の獣医師・齊藤慶輔さんが、「命とは何か」を問いかける本で
  す。
  
  ■ 『命の意味 命のしるし』〈世の中への扉〉 ■
    上橋菜穂子×齊藤慶輔 著/講談社/2017年1月/1,200円+税
  
   「野に生まれたものは、野に在るように生きさせたかった」(『獣の奏者W
  完結編』より)。国際アンデルセン賞作家賞受賞作家・上橋菜穂子さんが、
  北海道東部の釧路湿原野生生物保護センターに「野生動物のお医者さん」齊
  藤慶輔さんを訪ねたのは2016年2月でした。
   本書は、その時の模様などを放映したNHKの番組「SWITCHインタ
  ビュー 達人達」での対談と、2人の往復書簡をまとめた一冊です。
   上橋菜穂子さんは作家であり、私立女子大で文化人類学専攻の特任教授と
  してオーストラリアの先住民アボリジニを研究。『精霊の守り人』を始めと
  する「守り人」シリーズ、『狐笛のかなた』、『獣の奏者T〜W』、『鹿の
  王』など著書は多数で、『獣の奏者外伝 刹那』執筆の時に、「野生動物を
  観察することで治療方法を発見する場面」などの描写を齊藤慶輔さんに原稿
  を読んで確認してもらったことが縁で、今回の対談が実現しました。「人間
  の命と野生動物の命というのは同じ、対等」(齋藤)、「人も獣も、森羅万
  象の無数の命の中のそれぞれである」(上橋)、「野に在るものは、野に帰
  す」などを、2人で語り合っています。
   獣医師・齊藤慶輔さんは1994年から環境省釧路湿原野生生物保護セン
  ター野生動物専門の獣医師として活動を開始。2005年に猛禽類医学研究
  所を設立、絶滅の危機に瀕した猛禽類の保護活動の一環として、傷ついたオ
  オワシやシマフクロウなど傷病鳥の治療と野生復帰に努め、保全医学の立場
  から調査研究を行っています。オオワシが鉛中毒で大量死する事態に直面し、
  鉛のライフル弾の禁止を訴え、2000年に北海道ではシカ猟で鉛のライフ
  ル弾を使うことが禁止され、2004年にはヒグマを含むすべての大型獣の
  猟で、鉛の弾は使用禁止になりました。傷病・死亡原因を徹底的に究明し、
  その予防のための生息環境の改善を「環境治療」と命名し活動の主軸として
  います。「命とは何か。野生に帰すことができなかった鳥たちは、私にあら
  ためてそのことを問いかけてくるのです」という言葉が深く心に残ります。
   野生動物と共存するということについて書かれた『ぼくの村がゾウに襲わ
  れるわけ。』(岩井雪乃著/合同出版/2017年7月)も読んでほしい一
  冊です。
  
   筆者:近藤君子 科学読物研究会
  
   この本の表紙はこちらのURLをご参照ください。
   http://www.kagakuyomimono.com/hon/5seibutsu/inochi/inochi.html
  
   科学読物研究会ホームページ http://www.kagakuyomimono.com/
  
   「科学の本の紹介」のバックナンバー
   http://www2.jsf.or.jp/mailmaga/b_index.html
  
  
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             ★ 担 当 者 よ り ★
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  ■ 台風21号 ■
  
   ここのところ急激に気温が下がり、師走の寒さ。そんななか、今年最大級
  の台風21号が日本を直撃しました。
   今年は海面温度が高く、台風21号の勢力も若干拡大しながら日本に上陸
  し、各地に甚大な被害を及ぼしてしまいました。台風は大変大きな自然現象
  ではありますが、地球環境の変化にもより、巨大化している様な感じもしま
  す。しかも、今週末も新たな台風が日本に接近しそうですが、更なる被害が
  出ない事を願っています。
   さて、私のホームグランド(陸ではなく海ですが)である、伊豆の海洋公
  園の海洋状況を確認したところ、10月25日(水)の時点ですが、水温
  24度〜25度、透視度(昨日)10mだそうです。(強風、波浪、洪水注
  意報で、潜水禁止ですが)、風の影響で海は荒れていますが、水温はめちゃ
  くちゃ暖かいですね。実は日本でのダイビングは10月がベストシーズン。
   海の水温は1ヵ月遅れと言われていますし、水は温まりにくく、冷めにく
  い性質を持っていますから、今の海は温かい。しかも、台風が海の濁りを流
  してくれるので、台風が去って、波が穏やかになった頃の海は最高に綺麗で
  すよ。
   是非、ダイビングやスノーケリングなどで、海の散歩も楽しんでください。
  
                             (DIVER)
  
  
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     お得な割引回数券―科学技術館リピーターズチケットについては、
     こちらをご覧ください。
     http://www.jsf.or.jp/info/2014/12/_-_-.php
  
  
     当館では、実験・工作ができる会場のほか、イベントホール等の貸し
     出しを行っています。ご興味のある方は、こちらをご覧ください。
     http://www.jsf.or.jp/business/rental/
  
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     最後までお読みいただきありがとうございました。
     皆様のご来館をお待ちしております。
  
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