1.マメカミツレ<キク科> | |
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1939年(昭和14年)頃入って来た、オ−ストラリア原産の1年草です(5〜15cm)。茎は地面近くを這うように生えていて余り高くなりませんが、たくさんかたまって生えています。写真に見られるように細かく切れ込んでいる葉(2回羽状)を茎に互生させています。茎にも葉にも柔らかい毛がまばらに見られます。 花は1年中見られます。長い柄(5〜10cm)の先に黄緑色の花(頭花・花径5〜8mm)を1花ずつつけています。頭花には、周りに白色の薄い膜質の総苞片が1列に並び、円盤状の総苞の中央部には黄白色の筒状花(両性又は時に雄性)、その周りに緑色のめしべのみの花(雌性の花)が集まっています。 名前は、カミツレという草に似ていて、小形なのでマメをつけて呼んだのでしょう。元のカミツレの名は、オランダ名のカミルレからきたものです。 |
2.ナガミヒナゲシ<ケシ科> | |
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1961年(昭和36年)頃入ってきた、地中海沿岸原産の越年草です(20〜60cm)。 茎は真っ直ぐに立ち上がって、上の方で枝を分けています。茎には、深い切れ込みのある葉(1〜2回羽状に切れ込んでいる)を互生しています。 4〜6月頃、茎や枝の先に朱赤色の花(花径2〜6cm)を開きます。蕾は、毛の生えた2枚のがくに包まれていて、吊り下がるように下向きについていますが、花が開くと、がくは取れて横向きになります。 花には、朱赤色の花びらが4枚・おしべ多数(花糸も葯も紫色)・めしべ1本(円盤状の柱頭には放射状のすじがある)が見られます。 名前は、長い実ができるヒナゲシという意味でつけられたものです。 |
3.ハルジオン<キク科> | |
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1920年(大正9年)前後に入って来た、北アメリカ原産の越年草又は多年草です(30〜80cm)。根もとの葉はへら形で粗いギザギザ(鋸歯=きょし)があります。上の方の葉は、葉のもとの部分が広がって耳たぶ形に割れ、茎を抱くようについています。茎を切ってみると、茎の中は中空です。 一つの花は小さな花が集まったもので(頭花=頭状花)、写真に見られるように、枝分れした枝の先についていますが、頭花が開くまでは枝がしおれたように下を向いています。頭花が開くと上を向きます。頭花の周りには白い(時に薄紅色)花びら状の花(舌状花)が見られ、めしべや長い毛(冠毛=がくにあたるもの)があります。中心部には筒先が5裂した花びらの黄色の小さな花(筒状花=管状花)が見られ、おしべ・めしべや、長い毛(冠毛=がくにあたるもの)があります。 名前は、「春紫おん(くさかんむりに宛)=はるじおん」の漢字が示すように、春に紫をおびた花が茂るという意味でつけられたようです。 |
4.チチコグサモドキ<キク科> | |
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大正の末頃入って来た、北アメリカ(熱帯)原産の越年草です(10〜30cm)。茎や葉は、灰色の綿毛におおわれていて白緑色に見えます。毛は、上の面はまばらに、下の面は密に生えています。葉(長さ2〜8cm・幅5〜12mm)のようすは、先の方が広いへら形で、縁は少し波打っています。 花は、小さな蕾のような形(頭花=頭状花)で、茎の上部の葉の脇に数個ずつかたまってついています。頭花(4〜5.5mm)は、上半部は急に細まっており、下半部は球形にふくらんでいて、綿毛におおわれています。外側を包んでいる総苞の内側には、先が5裂している筒形の花(筒状花=管状花)がたくさんつまっており、おしべもめしべも揃っています。筒状花のもとには、長い毛(冠毛=がくに当たる)が生えています。 名前は、チチコグサに似たチチコグサという意味です。 |
5.タチチチコグサ<キク科> | |
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1910年(明治43年)頃入ってきた、北アメリカ(熱帯)原産の越年草です(10〜30cm)。茎も葉も灰白色の綿毛に覆われていて緑白色に見えます。チチコグサモドキによく似ていますが、下の方の葉はへら形(長さ2〜4cm・幅3〜5mm)だが中程より上の葉は、細く(長さ1.2〜3.5cm・幅2〜5mm)、葉の先が細く尖っているところが違います。 花は、小さな蕾のような形(頭花=頭状花・4〜5mm)で、写真に見られるように先が細まった卵形をしています。頭花は、茎の上部の葉の脇に集まって穂のようについています。頭花の下部はチチコグサモドキのように急にふくれていません。総苞の内部にはたくさんの筒形の花(筒状花=管状花)がつまっており、めしべもおしべも揃っています。筒状花のもとには長い毛(冠毛=がくにあたる)が見られます。 名前は、別の名をホソバチチコグサともいいます。 |
6.ウラジロチチコグサ<キク科> | |
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1970年(昭和45年)頃入ってきた、南アメリカ原産の越年草です(10〜30cm)。冬の間は、地面につやのある濃い緑の葉(裏は白い綿毛が密生していて白く見える・葉の縁は細かく波打つようにウエーブしている)を重なり合うように四方に広げています(ロゼット)。 4月頃、ロゼットの中心から、伸びている茎(白い綿毛におおわれて白く見えていえる)の先近くの葉の脇に小さな蕾のような形の花(頭花=頭状花・3〜3.5mm)の集まりをつけて、花穂を作っています。頭花の下部はたまねぎ形にふくらんでいますが、先の方は次第に細くなっています。頭花の周りは白緑色の総苞におおわれており、内部には、毛(冠毛=がくにあたる)に囲まれた筒形の花(筒状花)が詰まっています。筒状花にはおしべとめしべが見られます。 名前は、葉の裏が白くなるほど毛に覆われていることからつけられたものです。 |
7.アメリカフウロ<フウロソウ科> | |
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1932年(昭和7年)頃入ってきた、北アメリカ原産の越年草です(20〜60cm)。 茎は下の方では地面をはうように伸びていますが、上の方は立ち上がって、枝を広げて茂ります。葉は、手のひら形に深く切れ込んでおり、その裂片がさらに小さく切れ込んでいますが、全体は半円形に見えます。葉は枝に対生しており、茎も葉も赤みをおびることがあります。 花は、春から夏にかけて、枝先の葉の脇に花の柄(5〜12mm)を出して、淡い紅色の花(花径約1cm)を数花ずつつけます。花には、がく(縁に毛が生えている)5枚・花びら(淡い紅色〜白色)5枚・おしべ(葯は花びらと同じ色)10本・めしべ(柱頭が5裂している)1本が見られます。 名前は、アメリカ生まれのフウロソウという意味でつけられたものです。フウロソウの意味は分かりません。 |
8.ハナダイコン<アブラナ科> | |
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江戸時代に観賞用に入っていたようですが、急速に増えたのは、1938年(昭和13年)に中国から持ち込まれたものが人の手によって撒き広められたことによるといわれています。西アジア〜中央アジア原産の越年草です(20〜50cm)。 茎は上の方で枝を分けています。下の方の葉には柄があって、だいこんの葉のような深い切れ込みがありますが、上の方の葉には柄がなく、だ円形で、葉のもとの方が二又に割れて茎を取り巻くようについています。 3〜5月頃、茎の先の方に紅紫色の花を下から上に向かって次々に咲かせていきます。花には、がく4枚(紅紫色)・花びら4枚(淡い紅紫色でスプーン形をしている)・おしべ6本(長いもの4本と短いもの2本)・めしべ1本が見られます。 名前は、花がダイコンの花に似ていて美しいところから、ハナダイコンとつけられましたが、他に、ショカッサイとかムラサキハナナなどの名前もあります。 |
9.ヤセウツボ<ハマウツボ科> | |
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1937年(昭和12年)頃入ってきた、ヨーロッパ・北アフリカ原産の寄生性(キク科・セリ科・マメ科の植物の根に寄生する)の1年草です(15〜40cm)。 茎は紫がかった褐色で、全体に毛(腺毛)が生えており、根際から数本立ち上がっています。葉は、写真に見られる通り鱗片のように小さく先が尖っており、茎を抱くようについています。 花は、茎の上の方に葉に似た形の苞葉の脇についていて、花の穂をつくっています。花には、四つに深く切れ込んだがく(花の左右に2片ずつ見える)・唇形(くちびるがた)をしている花びら(上唇と下唇に分かれている)・おしべ4本・めしべ1本(赤い柱頭が外から見えている)が見られます。 名前の「ウツボ」は、花の穂が矢を入れる靱(うつぼ)に似ていて、穂が痩(やせ)た姿に見えるところからつけられたものです。 |
10.オランダミミナグサ<ナデシコ科> | |
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1912年(明治末・大正元年)頃入ってきた、ヨーロッパ原産の越年草です(10〜25cm)。 少し紫がかった毛深い茎には、ネズミの耳を思わせるような淡い緑色の葉(長さ5〜2mm・幅2〜10mm)を対生しています。葉の両面にも立った毛が生えており、茎の上の方は、いくらか粘った感じがします(腺毛が混じっているから)。 3〜5月頃、茎の先で枝分れした花茎の先に、初めは密に白い花をつけています。短い柄(長さはがくと同じか短い)に支えられた花には、緑色のがくが5枚(毛が生えている)・白い花びら5枚(基部の両側に毛が見られる)・おしべ10本・めしべ1本(先=花柱が5本に割れている)が見られます。花が終わると円筒形のうすい黄褐色の実(先に10本の切れ込みがある)が横向きにつきます。 名前は、在来のミミナグサに対して、ヨーロッパから来たミミナグサという意味でつけられたものです。 |
11.ツタバウンラン<ゴマノハグサ科> | |
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1912年(明治末・大正元年)以降に入ってきたヨーロッパ地中海沿岸原産の多年草です(横に20〜60cmほど伸びる)。茎は細い糸状で枝分れしながら、節からは根を出して地面に広がっています。茎には手のひら形に浅く5〜7裂した小さな葉を長い柄(1〜5cm)で互生しています。 5〜10月頃、枝先の葉の脇に、長い柄(1.5〜3cm)を出して、白又は淡い紫色の花を一つずつつけます。花には、深く5裂したがく(約2mm)・唇形(くちびるがた)に上下に開いている花びら(7〜9mm。上側は2裂し、下側は3裂している)・花びらの後ろに袋状に伸びているもの(距=きょ)・おしべ4本・めしべ1本が見られます。 名前は、ツタの葉の形をしたウンランということでついたものです。ウンラン(海のランという意味)という海岸育ちの草の花に、花の形がよく似ているところからつけられたものです。 |
12.オオマツバウンラン<ゴマノハグサ科> | |
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1941年(昭和16年)頃入ってきた、北アメリカ原産の越年草です(20〜60cm)。 茎は根際から何本も伸び出して直立しています。茎には、先が尖った細長い葉(幅1〜2mm・長さ1〜3cmで真中に1本筋が通っている)を互生しています。 4〜6月頃、枝の先に柄(5mm前後)のある淡い青紫色の花(花径約1cm)を穂のようにまばらにつけています。花は下から上に向かって順に咲いていきます。花には、先が深く5裂したがく筒・唇形(くちびるがた)に上下に開いた青紫色の花びら(1cm前後。上側のものは2裂し、下側のものは3裂している)・おしべ4本(長短2本ずつ)・めしべ1本・がく裂片の間から後ろに細長く(6〜11mm)尾状に曲がったもの(距=きょ)が見られます。 名前は、葉が松の葉のように細く、距が長いウンランという意味でつけられたものです。 |
13.コマツヨイグサ<アカバナ科> | |
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1914年(大正3年)以前に入ってきた北アメリカ原産の越年草です(20〜50cm)。川原・海辺の砂地や道沿いの荒れ地などによく見られます。
一年目のものは、地面に羽状に切れ込みのある葉を放射状に広げている(ロゼット)だけですが、2年目になると、ロゼットの中央から茎を伸ばして、狭いだ円形の葉(浅い波状の切れ込みがあるものやないものがある)をつけます。 5月から夏にかけて、茎の先近くの葉の脇に、淡い黄色の花(花径2〜3cm)を一花ずつつけます。花は夕方開いて翌朝しぼみます。花を支えているのは、めしべの子房とそれを包んでいるがく筒に当たる部分(1.5〜3.5cm・毛が生えている)です。がく筒は先が4裂しており、花が開くと反転して下に垂れます。がく筒の中には、花びら4枚・おしべ4本・柱頭が4裂しているめしべ1本(花柱に続く子房は花を支える柄の役目をしている)が見られます。 名前は、小さなマツヨイグサという意味でつけられたものです。 |
14.イモカタバミ<カタバミ科> | |
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1967年(昭和42年)頃入ってきた、南アメリカ原産の多年草です(30cm前後)。地中にあるイモのような球形のもの(塊茎=かいけい)で殖(ふ)えます。この塊茎から長い柄(8〜30cm)をたくさん伸ばして、それぞれに3枚のハート形の葉(3小葉・1枚の小葉の長さも幅も3cm前後)をつけています。葉の裏には淡い黄赤色の小さい斑点が散らばって見えます。 春から秋にかけて、塊茎から花茎(30cm前後)を伸ばし、10数本に柄を分けて、淡い紅色の花(花径1.5cm)をつけます。花には、がく片5枚(先端近くに淡い黄赤色の小さな点が2つある)・淡い紅色の花びら5枚(濃い紅色の筋がある)・おしべ10本(長短5本ずつに分かれており、葯は黄色)・めしべ1本(子房はだ円形で花糸が5裂している。柱頭は緑色)が見られます。 名前は、イモ(塊茎)で殖えるカタバミという意味でつけられたものです。 |
15.ハキダメギク<キク科> | |
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1932年(昭和7年)頃入ってきた、熱帯アメリカ原産の一年草です(15〜40cm)。茎はもとの方で二又状に分かれて伸び上がり、柄(3〜15mm)のある葉を対生させています。葉は、先の尖った卵形で、真中のすじ(主脈)と主脈の両側にあるすじ(側脈)の3本がはっきり見られます。また、葉の縁には、あらいギザギザ(鋸歯=きょし)があります。茎にも葉にも毛が目立ちます。 5月から11月頃にかけて、柄に支えられた白い花(頭花・花径5mm前後)が咲きます。頭花は、外側に4〜5枚の緑の総苞片をもつ総苞に包まれています。総苞の中では、花びらの先が3裂している白い花(舌状花・めしべとがくに当たる冠毛が見られる)4〜5花が周りに並び、中ほどには、花びらの先が浅く5裂している黄色い花(筒状花・おしべとめしべとがくにあたる冠毛が見られる)がたくさん集まっています。 名前は、掃き溜めたように生えている様子からつけられたものです。 |
16.ノハカタカラクサ<ツユクサ科> | |
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1926年(昭和元年)頃入ってきた、南アメリカ原産の多年草です。茎は、地面をはいながら枝を分けて茎の節から根を出し、茎の先は、斜めに立ち上がっています。茎には、先の尖っただ円形の葉(長さ3〜5cm・幅約2cm・縁に白い毛が生えている)を互生させています。葉のもとは鞘(さや=葉鞘=ようしょう)になって、茎を取り巻いています。 初夏から夏にかけて、茎先の葉の脇に、白い花(花径約1.5cm)を数花ずつつけます。花には、緑色のがくが3枚(約6mm。外面に毛)・白い花びら3枚(約6mm。先が尖った卵形)・おしべ6本(花糸に長い毛が密生)・めしべ1本(6〜9mm。白い線形)が見られます。 名前の由来はわかりませんが、冬も枯れないで年中見られるところから、トキワツユクサの別名があります。 |
17.ナヨクサフジ<マメ科> | |
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1943年(昭和18年)頃入ってきた、ヨーロッパ・西アジア原産の1〜2年草です(1m前後)。茎は細い角張ったつるで丈夫です。葉は、10対内外の小さい葉(小葉)を左右に広げた複葉(羽状複葉)で、先は3〜5裂した巻ひげになっています。複葉のもとには、片側に突起のある細く小さな葉(托葉=たくよう)が見られます。 初夏から秋にかけて、複葉の脇から花の軸(10cm前後)を伸ばして、紅紫色の細長い花(蝶形花・長さ15mm前後)10〜30花を軸の片側によせてつけます。花は、がく筒下部の腹面にT字形についている短い柄(約1mm)で、花の軸についています。花には、先が不規則に5裂しているがく筒・筒の長い花びら5枚(旗弁1枚、翼弁1枚、舟弁2枚)・筒状の花糸の先が細く裂けているおしべ・細毛が生えている花柱と柱頭が見えるめしべがあります。 日本の山に見られるクサフジによく似ています。 |
18.クスダマツメクサ<マメ科> | |
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1943年(昭和18年)頃入ってきた、ヨーロッパ・西アジア・アフリカ原産の一年草です(5〜30cm前後)。茎は細く、地面をはったり立ち上がったりしていますが、3枚の小さな葉(小葉・8〜15mm)をつけた複葉を枝に互生しています。小葉の先は平らか少しくぼんでおり、上の方だけに低いギザギザ(鋸歯=きょし)があります。複葉の柄のもとには、先の尖った小さな葉(托葉=たくよう)があります。 5〜8月頃、複葉の脇から花の柄を伸ばして、その先にだ円形の花の集まり(花序・約1.5cm・花の数は20花前後)をつけています。花は短い柄(0.5〜1mm)に支えられて、初めは花序の軸に上向きについています(後に下向きになる)。花には、先が5裂しているがく筒・黄色い花びら数枚(脈に添ってしわがある)・花糸のもとが合着したおしべ10本・めしべ1本が見られます。 名前は、花が集まっている姿がくす玉に似ているところからつけられたものです。 |
19.キダチチョウセンアサガオ<ナス科> | |
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1912年(明治末・大正元年)頃、園芸種として入ってきた、熱帯アメリカ原産の常緑低木です(3〜4m)。今では、あちこちに普通に見られるようになっています。緑色をした枝には、両端が細くなっている長い楕円形の葉(10〜20cm・柄は2〜4cm)が互生しています。葉には波のように切れ込みが見られることがあります。 初夏から秋にかけて、新しい枝の葉の脇から大きなラッパ形の花(ピンク色・花径15cm前後・花柄1〜3cm)を1花ずつ垂れ気味に咲かせます。花には、先に浅い切れ込みがある長い筒状のがく(10cm前後)・ロート状に開いた花びら(ピンク色。縁に5本の長く反った突起がある)・おしべ5本(葯は中央で合わさって直立している)・めしべ1本(おしべの中央から突き出ている)が見られます。 白い花の種類から変わってきた種類のキダチチョウセンアサガオです。 |
20.ワルナスビ<ナス科> | |
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1907年(明治40年)頃入ってきた、北アメリカ原産の多年草です(30〜70cm)。茎には、まばらに、黄褐色のかたい刺と毛が生えています。葉は、先の尖った卵形で、縁には大きな切れ込みが2〜4箇所見られます。葉の柄や葉の裏の真中の脈の上には、数本の鋭い刺が見られます。また、葉の両面には毛(星状毛=せいじょうもう)も生えています。 6月から10月にかけて、節と節の間から花の柄を出して、白や淡い紫色の花(花径2〜3cm)を数花開きます。花には、先が5裂している皿形のがく・皿形で先が浅く5つに切れ込んでいる花びら・おしべ5本(葯が黄色くて大きい)・めしべ1本(淡緑色)が見られます。花の後には、熟してくると黄色みをおびてくる球形の実がなります。 名前は、かたい刺が生えていて始末に困る草ということからつけられたものです。 |
21.ツボミオオバコ<オオバコ科> | |
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1913年(大正2年)頃入ってきた、北アメリカ原産の1〜2年草です(10〜50cm)。葉は、根元から放射状に出ています。葉の形は、長いだ円形で、葉のもとは細い柄になっており、葉には3〜5本の脈が目立ちます。そして、葉面には白い毛が生えています。また、葉の縁には、波のような切れ込みが見られることもあります。 春から夏にかけて、花茎(10〜30cm)を垂直に伸ばして、中ほどから先にかけて、円柱形の穂状の花の集まり(花序・3〜15cm))をつけます。花序は黄褐色に見えます。1つの花には、小さな苞葉が1枚・緑のがく4枚(毛が生えている。2mm前後)・淡い褐色で膜質の花びら(下半部は筒形で、先は4裂しているが開いていない)が見られます(おしべとめしべは花びらの中にあるが見られない)。花の後には、卵形の実が出来ます。実は上下に割れて、2粒の黒い種が出て来ます。 名前の由来はよく分かりません。 |
22.ヒルザキツキミソウ<アカバナ科> | |
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1957年(昭和32年)頃入ってきた、北アメリカ原産の多年草です(30〜60cm)。茎には白い毛が生えており、両端が細くなった細長いだ円形の葉(長さ1.5〜5cm・幅0.5〜3cm)を互生しています。下の方の葉には波のような粗い切れ込み(鋸歯=きょし)がありますが、上の方の葉では切れ込みのないものもあります。 初夏から秋にかけて、茎の先近くの葉の脇に薄紅色の花(花径5cm前後)をつけます。花には、少しふくらみのある棒状の子房に続く細長いがく筒(1〜2cm)とその先が4裂しているがく片(淡い緑色。2.5cm前後。先の方はくっついている)・薄紅色の花びら4枚(紅色の脈がある)・おしべ8本・めしべ1本(柱頭が4裂している)が見られます。 名前は、白い花が咲くツキミソウは夜咲きですが、この花はツキミソウに似ていて、昼に花が咲くところからつけられたものです。 |
23.ブタナ<キク科> | |
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1934年(昭和9年)頃入ってきた、ヨーロッパ原産の多年草です(20〜50cm)。葉は、ロゼット状に地面に張り付いており、長いだ円形で縁には丸みのある不規則な深い切れ込みが見られます。また、葉全体にはかたい毛が生えています。 初夏から10月頃まで、花茎から1〜2本の枝を出して、その先にタンポポ形の花(頭状花・花径3〜4cm)を一つずつ咲かせています。頭状花の外側を取り巻いている総苞には、3列に並んでいる総苞片が見られます。総苞の中に入っている花はすべて舌状花で、花びらの先には5つの切れ込みが見られます。おしべやめしべの様子はタンポポと似ていますが、がくに当たる毛(冠毛=かんもう)は花筒の下の方と上の方の2箇所に見られます。1本ずつの冠毛には長い毛が見られます。 名前は、フランスの名前の「ブタのサラダ」がもとになってつけられたものです。 |
24.ユウゲショウ<アカバナ科> | |
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1916年(大正5年)前後に栽培されていた記録があります。南・北アメリカ原産の多年草です(20〜60cm)。茎は根元からたくさん伸び出ており、白くかたい毛が生えています。茎には、両端が細くなって菱形状の長いだ円形の葉(長さ1〜6cm・幅0.5〜2.5cm)を互生しています。葉の縁には、波形の浅いギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。 5月から9月頃まで、茎の上近くの葉の脇に淡い紅色の花(花径1.5cm前後)をつけます。花には、細長い子房に続くがく筒とその先が4裂しているがく片(黄緑色。1cm前後で先の方はくっついている)・淡い紅色の花びら4枚(紅色の脈がある)・おしべ8本・めしべ1本(柱頭が4裂している)が見られます。 名前は、夕暮れに化粧するように咲き始めることによると考えられます。 |
25.シマスズメノヒエ<イネ科> | |
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1915年(大正4年)頃入ってきた、南アメリカ原産の多年草です(50〜100cm)。茎は根元から数本が伸び上がり、鞘(さや・葉鞘=ようしょう)のある葉(葉身=ようしん)をつけています。葉鞘から葉身(ようしん)に移る口の部分には、白く長い毛が生えています。また、淡い褐色で膜状のもの(葉舌=ようぜつ・高さ2〜4mm)も見られます。 6月頃から9月にかけて、穂を出します。穂は3〜7本の枝(総=そう・5〜10cm)を分けており、総のつけ根には、長い毛が生えています。1本の総には、緑色で卵形の穂(小穂=しょうすい)を2〜3列に並べてつけています。小穂の縁には長い毛が生えています。小穂からは、黒いおしべとめしべが姿を現わします。 名前は、台湾という島(日本統治時代の)で栽培されたスズメノヒエ(実をスズメが食べるヒエになぞらえた名前)の仲間という意味でつけられたものです。 |
26.ホソバウンラン<ゴマノハグサ科> | |
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1912年(明治末・大正元年)頃入ってきた、ユーラシア(ヨーロッパからアジアにかけての地方)原産の多年草です。茎は根元からたくさん出て、真っ直ぐに立ち上がっています。葉は細長い先の尖った線形(長さ5cm前後・幅3mm前後)で、下の方では3〜4枚が輪生しているようですが、上の方では互生しています。 7月頃から秋にかけて枝先近くに淡い黄色の唇形(くちびるがた)の花(約3cm)がたくさん穂のように集まって咲きます。花の下には、1cm前後の細い葉(苞葉=ほうよう)が見られ、5mm前後の柄に支えられています。花には、深く5裂したがく・唇形に開いて下の方が細長く伸びた距(きょ・約1cm)といわれるものになっている花びらが見られます。花びらの内側に、おしべ4本(2本は長く、2本は短い)とめしべ1本が見られます。 名前は、ウンラン(海蘭)の仲間で、葉が細いところからつけられたものです。 |
27.ナガエコミカンソウ<トウダイグサ科> | |
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1987年(昭和62年)頃入ってきた、アフリカやインド洋のマスカレーン諸島原産の一年草です(10〜70cm)。真っ直ぐに立ち上がった茎に、水平に枝をまばらに出して、だ円形の葉(1.5cm前後)をたくさん(一枝に9〜35枚)互生しています(複葉のように見えている)。葉の柄のもとには、細い三角形の小さな葉(托葉=たくよう)が見られます。 初夏から冬にかけて、葉の脇から1〜5mmの柄のある小さな淡い黄色の花(花径約2mm)を数花ずつ下向きにつけます。花には、雄花と雌花があります(花の柄は雌花の方が長い)。花には、がくが5〜6枚(0.6mm前後)・雄花にはおしべが4〜5本、雌花には花柱3本(先が2裂している)が見られます。雌花の後には、つぶれた球形(扁球形=へんきゅうけい)の実(果径約2mm・柄の長さ4〜8mm)ができます。 名前は、長い柄に実をつけているコミカンソウという意味でつけられたものです。 |
28.ムラサキイヌホオズキ<ナス科> | |
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1951年(昭和26年)頃入ってきた、南アメリカ原産の一年草です(30〜60cm)。茎は、紫色で、角ばったすじ(稜=りょう)が縦に数本見られ、短く硬い毛がまばらに生えています。茎は、多くの枝を分けていますが、先の細くなっている卵形の暗緑色の葉を互生しています。葉の縁には、波のような不規則なギザギザと短く粗い毛が見られます。 7月頃から11月にかけて、茎や枝の途中から花をつける軸(1〜2cm)を伸ばして、その先に柄(4〜6mm)のある白い(または淡い青紫色)花(花径約6mm前後)を2〜6花つけます。花には、先が浅く5裂した緑色の鐘形のがく・先が深く5裂した白い花びら・黄色い葯(やく)が目立つおしべ5本・めしべ1本が見られます。花の後には、黒く熟する球形の実(直径約6mm)がなります。実の中には、小さな種がたくさん入っています。 名前は、茎が紫色になるイヌホオズキという意味でつけられたものです。 |
29.アメリカオニアザミ<キク科> | |
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1960年(昭和35年)頃入ってきた、ヨーロッパ原産の二年草です(50〜150cm)。春先には地面に放射状(ロゼット状)に深い切れ込みと刺のある葉を広げています(花が咲く頃にはロゼット状の葉はなくなって見られなくなっている)。ロゼットの中心から伸ばしている茎には、全体に刺のあるひれ(翼=よく)と短い毛が生えています。茎の葉は互生していますが、やはり葉の縁に深い切れ込みがあり、裂片の先や縁のほか葉の表面にも鋭い刺や硬い毛が生えています。葉の裏には、クモの糸のような綿毛が生えていて、白く見えます。 7月頃から9月にかけて、枝先に総苞に刺のある淡い紅色の頭状花(長さ2〜4cm・幅2〜3cm)を1〜3花ずつつけます。総苞は、球形で、総苞片の先が鋭い刺になって針山のように見えます。総苞の内側には、白い冠毛(枝分れしている)を下部につけている淡い紅色の筒状花(3cm前後)がつまっており、総苞の上に筒状花の先が赤く見えています。 名前の由来はよく分かりません。 |
30.セイバンモロコシ<イネ科> | |
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1943年(昭和18年)頃入ってきた、地中海沿岸原産の大形の多年草です(0.8〜1.8m)。茎は太く(下の方では直径1cmほどになる)、根元からたくさん伸び出して大きな株になっています。葉は、ススキのような姿をしています(長さ60cm前後・幅1〜2cm)が、葉の縁はススキのようにざらつきません。葉の鞘(葉鞘=ようしょう)の入り口には、葉舌(ようぜつ)といわれる部分がありますが、長い毛が並んでいるのが見られます。 7月から9月にかけて、長い穂(20〜50cm)を出します。穂は枝を分けており、枝先近くに小さな花穂(小穂=しょうすい)をたくさんつけて垂れ気味になっています。小穂には、芒(のぎ)がついているもの(両性)と、柄があって芒のないもの(雄性)が対(つい)になって見られます。それぞれの小穂には花が1花ずつ咲きます。 名前は、蛮族(ばんぞく=未開民族)が住んでいた台湾でつけられたといわれています。 |
31.アメリカイヌホオズキ<ナス科> | |
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1951年(昭和26年)頃入ってきた、北アメリカ原産の一年草です(40〜80cm)。茎からたくさんの枝を分けて、広く横に広がり、たくさんの細長い三角状卵形の葉を互生しています。葉の縁には不そろいの波状のギザギザ(鋸歯=きょし)が2〜4箇所見られ、葉の縁や裏のすじ(葉脈)の上などには、短い毛が見られます。 7月から11月頃にかけて、細い枝の枝先や葉の脇近くに、花をつける軸(1cm前後)を伸ばして、その先に柄のある白い花(花径5mm前後)2〜4花を散形につけます。花には、先が5裂している鐘形のがく・先が深く5裂している白い花びら・黄色い葯(やく)が目立つおしべ5本・緑色の長いめしべが見られます。 名前は、アメリカ生まれのイヌホオズキという意味です。 |
32.オオアレチノギク<キク科> | |
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1920年(大正9年)頃入ってきた、南アメリカ原産の越年草です(1〜1.8m)。冬の間は、白く柔らかい毛におおわれた灰緑色の細長いギザギザの葉(鋸歯=きょし)を地面に放射状(ロゼット状)に広げていますが、やがてロゼットの中心から茎を伸ばして、たくさんの細長い葉を茎の周りにつけます(茎にも葉にも柔らかい毛が密生している)。 7月半ば頃から10月頃にかけて、茎の上部に枝を分けて、円すい状にたくさんの花(頭花)をつけます。総苞は淡い緑色で下部がふくらんだ短いつぼ形で、総苞片は細い線状で4〜6mm。毛が生えていて灰緑色です。総苞の上の方にのぞいている淡い黄色の部分は、外側に筒先がごく短く2裂している舌状の雌花が、その内側に筒先が5裂している両性の筒状花がつまっています(ヒメムカシヨモギのように舌状花は総苞の外には見られない)。 名前は、アレチノギクより葉も背丈も大柄なことからつけられたものと考えられます。 |
33.ホナガイヌビユ<ヒユ科> | |
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1926年(大正15年)頃入ってきた、南アメリカ原産の一年草です(1m前後)。茎は、真っ直ぐに立ち上がり、長い柄のある三角状の卵形をした葉(4〜10cm・葉の先は円みをおびていて、小さくくぼんでいる)を互生させています。 6月から10月にかけて、茎や枝の先に緑色の小さな花を集めた花の穂をつけます(上の方の穂のもとにはたくさんの枝穂が出ているのが目立つ)。花には、小さな苞葉(ほうよう・0.6mmほどで目立たない)と苞葉より大きながく(1.2mmほどで緑色の太い脈が見られる)が3枚・おしべ3本・めしべ1本が見られます。花が終わると実に移行して、色は淡い褐色になります。 名前は、イヌビユ(役に立たないヒユの意)より穂が長いところからつけられたものです。 |
34.メマツヨイグサ<アカバナ科> | |
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1920年代(大正9年頃)に入ってきた、北アメリカ原産の越年草です(0.3〜2m)。一年目は、葉を地面に放射状に広げた状態(ロゼット)で過ごしますが、次の年にはロゼットの中心から茎を伸ばして、先の尖った細長いだ円形の葉を互生させます。茎には少し硬い毛が生えており、葉の縁には不規則な低いギザギザ(鋸歯=きょし)と毛が見られ、葉の中央のすじは赤味をおびていて、葉の縁は少し内側に巻いているのが特徴です。 7月から10月にかけて、茎の先や上部の葉の脇に穂状(すいじょう)に黄色い花を咲かせます。花は、夕方暗くなると開き、朝方しぼみます。花のもとには、細く小さな苞葉(ほうよう)があります。花には、花の柄に当たるところにがく筒に包まれた子房・がく筒が4裂して反転している淡い緑色のがく片・黄色い花びら4枚(先端が切れ込んでいる)・おしべ8本・めしべ1本(柱頭が4裂している)が見られます。 名前は、オオマツヨイグサより、やや小形な花をつけるところからつけられたものです。 |
35.ゴウシュウアリタソウ<アカザ科> | |
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1933年(昭和8年)頃入ってきた、オーストラリア原産の一年草です(10〜30cm)。茎は根元から枝を分けて横にはったり立ち上がったりして、柄の長い小さな葉(柄の長さを含めて3cm前後)を互生させています。葉にも茎にも毛が生えており、特有の匂いがあります。葉の色は、表は暗い緑色で、裏は淡い緑色をしています。また、葉の縁には、波のような深いギザギザ(鋸歯=きょし)が左右に2〜3箇所ずつ見られます。 6月から8月にかけて,葉の脇に緑色の小さな花が数花ずつ集まって、4mmほどのかたまりを作っています。一つ花には、緑色の短いひも状の5裂したがく片が球のよう丸くなっているのが見られます。花の後には、がく片に囲まれた、赤褐色のつぶれた球形(扁球形=へんきゅうけい)の小さな種(約0.5mm)が1粒出来ます。 名前は、オーストラリア生まれのアリタソウと同じ仲間の草という意味でつけられたものです。(アリタソウとは、滋賀県の有田で栽培していた植物につけられた名前) |
36.ベニバナボロギク<キク科> | |
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1946年(昭和21年)頃入ってきた、アフリカ原産の一年草です(50〜80cm)。真っ直ぐに伸び上がっている茎には、短い柄のある葉を互生しています(5〜15cm)。葉は、先の尖った長いだ円形(長さ5〜15cm・幅1〜8cm)で、下の方の葉には葉の半ばより柄にかけて不規則に大きな切れ込みがよく見られます。葉の縁にはギザギザ(鋸歯=きょし)があり、葉の両面には茎と共に伏せた毛が見られます。 8〜10月にかけて、長く伸び出ている茎や枝先に、先が紅色の長い花(頭花)が下向きに咲きます。頭花は1列に並んだ緑色の細長い総苞片(1cm前後)に囲まれており、中の花は、すべて細い管状の筒状花だけです。筒状花の上部は鐘状に広がっており、先は5裂していて紅色をしていますが、筒の下部は白く、白い冠毛も見られます。伸び出ているめしべの先は2裂しています。 名前は、頭花の先が赤くて、ダンドボロギクに似ているところからつけられたものです。 |
原産地マップ |
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