1.毛におおわれた着物(芽鱗=がりん)に包まれている冬芽(1) シモクレン・コブシ・ハクモクレン <モクレン科> |
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毛皮に包まれた暖かそうな冬芽でしょう。外側から厚い着物(芽鱗=がりん)をはがして中をのぞいて見ると、毛におおわれた厚い着物が外側と内側に重なっていて、新しく伸びてくる花や葉のもとを守っていることがわかります。 |
2.毛におおわれた着物(芽鱗=がりん)に包まれている冬芽(2) カラタネオガタマ・タイサンボク<モクレン科> |
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冬芽の大きさは違いますが、どの芽も暖かそうな毛におおわれています。厚くて丈夫な着物(芽鱗=がりん)が外側と内側に重なっていて花や葉のもとを守っています。 |
3.1枚の着物(芽鱗=がりん)に包まれている冬芽 ホオノキ<モクレン科>・ネコヤナギ<ヤナギ科> |
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ホオノキの冬芽は、毛におおわれてはいませんが、厚い着物(芽鱗=がりん)が外側と内側に重なっていて花や葉のもとを守っています。 ネコヤナギの冬芽は、薄いけれども丈夫な着物(芽鱗)1枚で、中の毛が生えている花のもとを守っています。 |
4.葉の柄のもとに包まれている冬芽 ハクウンボク<エゴノキ科>・スズカケノキ<スズカケノキ科> |
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ハクウンボクの葉が枝からはがれ落ちると、葉の柄のもとに包まれていた褐色の芽が出てきます。芽は、褐色の細かいフェルトのような毛におおわれた着物(芽鱗=がりん)に包まれています。暖かくなると、芽はどのように伸びていくでしょうか。注目してみてください。 スズカケノキの芽も、葉の柄のもとに包まれていますが、葉が落ちると姿を現します。冬芽の中は厚い帽子のような着物(芽鱗)に守られています。 |
5.数枚の着物(芽鱗=がりん)に包まれている冬芽(1) トサミズキ<マンサク科>・サンシュユ・ハナミズキ<ミズキ科> | |
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トサミズキの芽は、5〜6枚の薄い着物(芽鱗=がりん)を重ね着するようにして包まれています。 サンシュユの芽は、表面に細かい毛が生えている4枚の厚い着物(芽鱗)が花のもとを守っています。 ハナミズキの芽は、表面に細かい毛が見える4枚の比較的厚くてかたい着物(芽鱗)が内外2枚ずつ重なり合って、花のもとを守っています。 |
6.数枚の着物(芽鱗=がりん)に包まれている冬芽(2) サンゴジュ<スイカズラ科>・アオキ<ミズキ科> |
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サンゴジュの芽は、短い毛の生えた丈夫な着物(芽鱗=がりん)が内外2枚ずつ重なっていて葉のもとを守っています。 アオキの冬芽は、外側の2枚の厚い着物(芽鱗)の中に、薄い着物(芽鱗)が2枚ずつ二重に重なっていて葉や花のもとを守っています。どちらの芽にも、芽鱗の外側に2枚の苞(ほう)が見られます。 |
7.鱗(うろこ)のような着物(芽鱗=がりん)に包まれている冬芽(1) クヌギ<ブナ科>・メグスリノキ<カエデ科> |
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冬のあいだ葉を枯らしている(落葉樹)クヌギやメグスリノキの冬芽を見ると、鱗(うろこ)ような着物(芽鱗=がりん)が瓦(かわら)を並べたように重なって見えますが、本当は下の方の芽鱗は短く、上のものは長い芽鱗が重なっているのです。下の方からはがして見ると、どちらの冬芽にも毛が生えている20枚前後の芽鱗が重なっていて葉のもとを守っていることがわかります。 |
8.鱗(うろこ)のような着物(芽鱗=がりん)に包まれている冬芽(2) シラカシ<ブナ科>・クスノキ<クスノキ科>・タブノキ<クスノキ科> |
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冬でも緑の葉をつけている(常緑樹)シラカシ・クスノキ・タブノキの冬芽を見ると、クヌギの冬芽と同じように、鱗(うろこ)のような着物(芽鱗=がりん)が瓦(かわら)を並べたように重なって見えます。クスノキは10枚前後、シラカシやタブノキは15枚前後の芽鱗が重なって葉のもとを守っています。タブノキの芽鱗の縁には黄褐色の毛が生えています。芽鱗の長さは、下のものが短く、上のものが長いのは、落葉樹の冬芽と同じです。 |
9.着物(芽鱗=がりん)の外側が液などにおおわれている冬芽 トチノキ<トチノキ科>・クロヤマナラシ<ヤナギ科> |
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トチノキの冬芽の外側には、ねばねばした液(樹脂=じゅし)が出て、着物(芽鱗=がりん)の表面やすき間をおおい、寒さや乾きを防ぐのに役立っています。 クロヤマナラシの冬芽の外側はねばねばしていませんが、膠(にかわ)※のようなものが着物(芽鱗)の表面やすき間をおおっているのが見られます。 ※膠・・・接着剤のひとつで、日本画の画材や工芸品の接着剤として使われています。 |
10.花の芽と葉の芽が別々の冬芽 クロモジ<クスノキ科>・ソメイヨシノ<バラ科> |
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冬芽の中には、1本の木の中に、姿の違うものが見られるものがあります。はっきり形が違って見られるクロモジは、細長い芽は3〜4枚の着物(芽鱗=がりん)の中に葉のもとが包まれているので葉の芽(葉芽=ようが)といい、球形の芽は3〜4枚の芽鱗の中に花のもとが包まれているので花の芽(花芽=かが)といいます。 サクラも、写真に見られるように、ふっくらした姿のものと、ほっそりした姿のものが見られます。ふっくら形のものは、中に花のもとが包まれているので花芽といい、ほっそり形のものの中には、葉のもとが包まれているので葉芽といいます。芽鱗の数は15枚前後(多いものは30枚を越えるものもある)が普通です。 |
11.花と葉のもとが一緒に入っている冬芽 ドウダンツツジ<ツツジ科>・ニワトコ<スイカズラ科> |
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冬芽の中には、花のもとと葉のもとが一緒に入っているものが見られます。このような冬芽を混(ま)じり芽(混芽=こんが)といっています。
ドウダンツツジの芽では、春先に24〜25枚の着物(芽鱗=がりん)がほころびると、中から花と葉が一緒に出てきます。 ニワトコの芽では、着物(芽鱗)を5〜6枚はがしていくと、中にちぢこまった小さな葉と花の蕾のもとが見えてきます。 |
12.着物(芽鱗=がりん)に包まれていない裸(はだか)の冬芽(1) クサギ<クマツヅラ科>・アカメガシワ<トウダイグサ科> |
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着物(芽鱗=がりん)に包まれていない、はだかんぼうの芽を、裸芽(らが)といいます。 クサギの冬芽は紫色をしていますが、虫めがねでよく見るとフェルトのような綿毛に包まれた、厚めの小さな葉が裸で向き合っているのがわかります。 アカメガシワの冬芽は、葉を半分に折り合わせたような姿で葉のすじも見られ、表面はフェルトのような綿毛におおわれています。 |
13.着物(芽鱗=がりん)に包まれていない裸(はだか)の冬芽(2) ムラサキシキブ<クマツヅラ科>ミツマタ<ジンチョウゲ科> |
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ムラサキシキブの冬芽は、すじの見える小さな葉が褐色のフェルトのような綿毛におおわれた裸の姿で、枝先や葉の脇に見られます。 ミツマタは、秋の初めに枝先の葉の脇に花の芽をつけます。このときは、だ円形の10枚前後の苞(ほう)に囲まれていますが、冬になるとこれが全部落ちて、毛におおわれた30〜50花の蕾だけで冬越しします。 |
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